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湯本香樹実

著者情報
著者名:湯本香樹実
ゆもとかずみ
ユモトカズミ
生年~没年:1959~

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このランキングは1日1回更新されます。
      夏の庭 The friends
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
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      • 人の「死」に興味を持った小学6年生の少年3人組は、近所で一人暮らしをしているおじいさんがもうすぐ死にそうだというのを小耳に挟む。おじいさんが死ぬところを発見したいという思いから、彼らはおじいさんのことを監視するようになる。窓ガラス越しに見えるのは、6月だというのにコタツに入りずっとテレビを見ているおじいさんの姿。
        すぐにでも死ぬかと思っていたのに、彼らの監視に気づいたおじいさんは、やがて毎日の生活に変化が現れはじめ、なかなか死にそうにない。それどころか、ふとしたことから、彼らと会話を交わすようになっていく。
        こうして、小学生とおじいさんとの奇妙な交流が始まった・・・

        「死」に興味を持った小学6年生の少年たちが経験する、ひと夏のできごとと言えば、これはもう誰だって「スタンド・バイ・ミー」を思い出すだろう。デブの山下はバーンだし、眼鏡をかけ、父親に複雑な思いを抱いている河辺はテディ、主人公の木山はゴーディとクリスを足して2で割ったような感じ。最後、進路がバラバラになる展開も同じだ。
        「スタンド・バイ・ミー」に比べると、冒険感はあまりない。おじいさんとの交流がメインなので、かなりほのぼのとした内容となっている。児童書だからか、大人が読むと物足りないと感じる。やはり、小学校高学年くらいの子ども向けか。ところどころ、「そんなことアリ?」と気になる点があるのは、子ども向けファンタジーだからだろう(打ち上げ花火のシーンや、親戚でもない子どもが火葬場で骨上げまでしたりなど)。

        ここに登場するおじいさんは、一体何歳だったのだろう? 80歳くらいを想像しながら読んだのだが、小学生の子どもにとっては60代でも十分おじいさんに違いない。
        子供たちがおじいさんに戦争体験があるかと尋ねるシーンで、思わず「いやいや、戦争を体験した世代じゃないだろう」と言いそうになったのだが、なんと、おじいさんは従軍経験があった。よくよく見てみたら、本書が出版されたのは今から25年ほど前のこと。それなら、70代でも戦争体験があるのは当然か。「死」に興味のある小学生に戦争時代の話を持ち出すのは、言葉が悪いが大変便利である。これからの時代、もうこの手法は使えなくなるのだなぁと、へんなところで感慨深くなった。

        幸か不幸か、今の日本では「死」は身近なものではなくなっている。
        事故を目撃でもしないかぎり、死の瞬間を目の当たりにすることはほとんどない。病室で危篤状態の親族を看取ることができた人ってどれくらいいるのだろうか。まして、小学生の子どもなら、「死」から遠ざけられ、看取ることもできないだろう。
        本書の子供たちは、この非日常的な「死」に対して興味を示したが、これは健全なことといえる。しかし、中には生き物の命を奪いたいという衝動に駆られるなど病的に「死」に執着してしまう者もいる。これは、「死」が身近でない平和な世界だからこその歪みではないだろうかと常々思っているところだ。

        わたし自身は、目の前で知らないおじいさんが亡くなった瞬間を目撃した経験がある。それこそ小学生のころだ。風邪を引いたわたしは父親に連れられて開業医に行ったのだが、待合室で対面に座っていたおじいさんが突然ズズっと横に傾いて、隣の人にもたれかかった。それが死の瞬間だった。苦しそうな表情とか、うめくような声とかは全くなく、少なくとも周囲が気づくような死の兆候はなにもなかった。
        医師が一人しかいない小さな医院で、救命処置など対応に追われてしまっていたので、結局その日は受診せずに帰宅した。

        今でもその場面を鮮明に思い出す。あのころからずっと、死ぬならああいう死に方がいいと思っている。もしかしたら普段から発作に苦しんでいたのかもしれないし、あの瞬間も実は苦しかった、痛かったのかもしれないけれど、それでも周囲に気づかれない程度だったのだから。
        布団に入ったまま、苦しみにもがいたあともなく、眠っているような姿で死ぬのも理想的だと思う。
        ただ、それは今の自分だからそう思うだけで、一人暮らしで誰にも気づかれずに布団の中で死んでいくのは、本当は寂しいことなのだろうか。やっぱり、誰かに看取られたいと思うのだろうか。
        わたしの祖母は今年95歳、まだまだ元気だ。でも、親しい人や親戚、自分より若い近所の人がどんどん亡くなっていくのを寂しがり、「次は自分の番かなぁ」と呟くのを見ると、長生きが幸せなことだと単純に考えられなくなる。

        「死」。
        この年になっても答えの出ない、難しい問題である。
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        2018/01/12 by 三毛犬

    • 他6人がレビュー登録、 40人が本棚登録しています
      ポプラの秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.4
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      • 友人にすすめられて読んで見ました。
        とても薄い本で読みやすいです。(内容の欄を見るとそうは思えないですが・・・)

        どこか風や陽の自然を感じる場所でゆっくりと大切によみたい本です。
        >> 続きを読む

        2015/03/16 by kenyuu

      • コメント 1件
    • 他3人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      春のオルガン
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
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      • 多分、初湯本香樹実作品。
        読書ログのレビューを読んで、図書館でリクエスト。
        酒井駒子さんの表紙が素敵。

        お隣とギクシャクしてる家族の中で、
        受験に失敗した小6のお姉ちゃんのトモミと、図鑑好きの弟テツの話。

        角田光代さんの解説にもあるけど、おばさんの言葉がスゴイ

        「おばさん、どうしようもないことってあるね」「うん」
        「だけど、テツ、がんばってよかったんだよね」
         おばさんは大きく息を吸いこんだ。それからいつものガラガラ声をいっそう太くして、
        「どうしようもないかもしれないことのために戦うのが、勇気ってもんでしょ」

        読んでいて、子供の頃の「自分ではどうしようもなかった感」を思い出して泣けた。

        >> 続きを読む

        2015/05/30 by kucoma

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      岸辺の旅
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 深津絵里がこの作品で、2015年第89回キネマ旬報ベスト・テン、主演女優賞を獲ったというニュースを聞いて、手に取った。

        3年間行方知れずとなった夫が、ふらりと帰ってきた。
        もう自分は死んでいるという。
        その夫が3年かけて旅した路を、一緒に辿っていく物語だ。
        死んだ夫とともに旅をする。という時点で、現実と空想が入り混じっているようにも思えるのに、主人公の妻は畳みかけるように、眠りと覚醒のはざ間でも現実と空想の世界を行ったり来たりする。
        たまに、私は混乱した。
        「美しい小説」と言えば聞こえはいいが、この小説の中にある陰湿な雰囲気はぬぐいきれない。
         
        >> 続きを読む

        2016/03/16 by shizuka8

    • 2人が本棚登録しています
      岸辺の旅
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 時折会話部分の言葉に気になる部分もあり、何度も読み返しては前に進むの繰り返しでし
        生きている間に、しっかり話せていればいちばんいいですね~
        不思議な時間でした。
        >> 続きを読む

        2015/07/07 by mikanmama

    • 4人が本棚登録しています
      くまとやまねこ
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
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      • 本当にすばらしい絵本だった。

        人の死を受け入れるということがどのようなことか。
        凡百の山のようなことばより、この一冊の絵本の方がずっと胸に迫る。

        ぜひ多くの人に読んで欲しい、傑作と思う。
        >> 続きを読む

        2012/12/21 by atsushi

      • コメント 3件
    • 3人が本棚登録しています

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