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とてもわかりやすくゴッホの生涯やさまざまなエピソードや、絵の象徴としての意味を読み解いてあり、本当に面白かった。 おそらく、最良のゴッホ入門書の一つではないかと思う。 ドミノクラシーという十九世紀オランダの牧師文化がゴッホの出発点として非常に重要なものだったこと。 ゾラの「ムーレ神父の罪」等の小説のゴッホへの大きな影響。 ゴッホが日本にユートピアを投影し、「真の宗教を持つ自然人」の兄弟愛に満ちた社会と思っていたこと。 などなど、とても面白かった。 土を掘る人は失楽園の、ひまわりは信仰の、それぞれ象徴としての意味がもともとあったというのも、なるほど~っと思った。 糸杉の絵などには、「宗教」と「自然」の葛藤、宗教と生命の樹の葛藤が描かれているという読みも、なるほどーっと思った。 思えば、ちょうど今の私ぐらいの年齢の時に、ゴッホはアルルで妄想としか人々からは受け取られなかった芸術家の共同体を夢見て、生命を燃やして傑作を描き続けた。 人からは妄想と言われようがなんと言われようが、自分が信じて夢見たことに、生命をかけて完全燃焼するところに、人の本当の輝きはあるのかもしれない。 あらためて、ゴッホの魅力に気付き、さらに知りたくなる、一冊だった。 >> 続きを読む
2012/12/30 by atsushi
【圀府寺司】(コウデラツカサ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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