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佐藤耕士

著者情報
著者名:佐藤耕士
さとうこうじ
サトウコウジ
生年~没年:1958~

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このランキングは1日1回更新されます。
      13時間前の未来
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね! watawata
      • 13時間前の未来? 前なのに未来?? というタイトルかつ
        オビの煽り「タイムリミット・ミステリ」につられました。

        最愛の奥さんを突然殺害された主人公のニック。
        更にそのニック自身が妻殺しの最重要容疑者として
        捕まってしまう。もう、前に進めないほどの最悪の
        状況の中で、忽然と現れた初老の男。
        「君には12時間の時間がある...」と告げ、懐中時計を
        ニックに託す...。そこから不思議な彼の時間を遡った
        妻を救うための時間旅行が始まっていく。

        このタイムスリップは1時間ごとにしか遡ることが
        出来ないという制限付き。そんな中、妻を救うために
        奔走するニックだが、未来に起こる過酷な運命を避けられない
        かのように、時間を遡ってあらゆる行動を取るのだが...。

        テンポもよく、過去と済んだ時間の中を縫っていくニックの
        行動と心理はよく伝わってきます。ここまではまだ、彼の
        行動と結果が上手くはいっていませんが...下巻での
        さらなるサプライズの展開を期待。

        因みに今年に映画化されるようなんですが...もう
        公開ってされてるんでしょうか?
        >> 続きを読む

        2013/06/06 by za_zo_ya

      • コメント 3件
    • 3人が本棚登録しています
      13時間前の未来
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 上巻で理不尽な死から妻を救う為に孤独で、
        過酷な時間旅行(1時間前限定で遡る)をしながらも、
        その行動と結果がまるで弄ばれるかのように
        チグハグな事になりながらも妻を救う....
        この1点のみに行動原理を持った主人公の
        ニックは、この時間旅行の終盤で、ようやく、彼が
        成すべき事を掴み、その目的の為に行動を取る事になる。

        幾度とニックの前に立ちはだかる邪悪な警官、その
        仲間。そしてニックの言葉に耳を傾ける協力者など...
        様々な人達の運命を巻き込んで、ストーリーは
        クライマックスへと縺れていく。

        いく。のですが、流石に割と前の段階で後半の
        展開の筋は読めてしまう為、それを越えるような
        サプライズを期待してしまい、多少のトーンダウンは
        否めない...かも。分かりやすくシンプルな
        冒険エンターテイメント作品だからそれでいいのかもですが、
        途中に幾度となく出てくるアイテムが、露骨すぎたかしら。

        ただ、本来解決されることのない所謂「バタフライ効果」
        のような、些細な行動や決定が、先の未来の結果を
        大きく変える事になる....という面白さは充分堪能できて、
        ニックのあまりにも真っすぐでひたむきな気持ちは
        清々しい。

        蛇足ですが読書中のBGMは
        原田真二のタイム・トラベルでしたw。
        >> 続きを読む

        2013/06/06 by za_zo_ya

      • コメント 5件
    • 2人が本棚登録しています
      図書館の死体 ミステリアス・プレス文庫)
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • ジョーディことジョーダン・ポティートは、ミラボー図書館の館長。
        母がアルツハイマーになったため、ボストンでの、さる名高い教科書出版会社での編集者という安定した仕事を捨て、12年ぶりにテキサス中部の故郷の街に戻って来た。

        図書館で働いているのは、ジョーディと助手のキャンディス・タリーのの二人。
        ある春の日、ジョーディは図書館で、D.H.ロレンスの「恋する女たち」が猥褻本だと主張するベータ・ハーチャーと激しく言い争いをする。
        しかし、その翌日の朝、図書館に出勤したジョーディが見つけたのは、そのベータ・ハーディの死体だった。

        二人の激しい口論を見ていた人間も多く、事件当夜のアリバイもないジョーディは、容疑者として警察に疑われることになる。
        ベータが持っていたというメモを手がかりに、ジョーディは事件を調べ始めるが--------。

        ジェフ・アボットのデビュー作であり、アガサ賞、マカヴィティ賞最優秀処女長篇賞受賞作「図書館の死体」を、一気に読み終えました。

        ベータ・ハーチャーは死んだ時に、ジョーディや彼の母親の名前と、聖書の箇所を記したメモを持っており、ジョーディはそれを元に街の人々に話を聞いて回ります。

        牧師のアダム・ハフナゲルとその妻タマ、自動車ディーラーのボブ・ドン・カーツ、退役軍人のマット・ブラロック、ロマンス小説作家のユーラ・メイ・クリフ、親戚の青年・ハリー・シュナイダー、セクシーな看護婦・ルース・ウィルズ------。

        それぞれに個性的ですし、一人に話を聞くごとに、ベータ・ハウチャーの人となりや、その前に話した人物が言わなかったことなどが少しずつ明らかになっていくのです。

        隣人のことを知り尽くしているような気になる田舎町でも、まだ知られざることは残っていたというのがいいですね。
        しかし、その辺りも愉しく読めるのですが、本当に面白かったのは終盤に入ってから。

        この畳み掛けるようなラストは凄いですね。
        スリルに満ちて迫力満点。実に面白かったですね。
        そして、翻訳物を意識させない文章もいいですね。

        ただ、読んでいる間に少々気になってしまったのは、ジョーディ自身のこと。
        ジョーディの姉のアーリーンは、アルツハイマーの母親の世話を施設に任せたいと考えているのですが、ジョーディはどうしても自宅で介護したいと考えています。

        その本当の理由は、資金的にあまり余裕がないから。
        母親の世話など実質的なことはほとんどアーリーンがしているようなのに、なぜそのことを言わないのでしょう。

        私の目には、ジョーディは母親のことを姉に押し付けてほっつき歩き、そのくせ「わざわざボストンから帰ってきた」という自分を免罪符にしているように見えてしまいました。

        もちろん、ジョーディが何もやっていないわけではないですし、13歳のマークにだってできることはあります。
        アーリーンが一人背負い込む問題ではありません。

        しかしその前に、もっと根本的なところでアーリーンの精神的な負担を減らして欲しかったと思いますね。

        >> 続きを読む

        2021/03/27 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています
      君のためなら千回でも
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      •  上下巻まとめてのレビューです。
         最初に目を引いたのは、本書のタイトルでした。「君のためなら千回でも」なんて、素敵なタイトルじゃないですか。
         書評を読むまでは、みずみずしいロマンスだろうかなどとも想像しました。
         ですが、まったく、そういう作品ではありませんでした。
         それでも、本書を読もうと思い、購入して読んでみて、あぁ、素敵な、良い本だなって、思いました。

         物語の部隊はアフガニスタンです。しかも、主人公が生まれたのは1963年。
         つまりは、私たちが日本で生まれたちょっと後のアフガニスタンの事柄から、この物語は始まるのです。

         私も、アフガニスタンの歴史については無知も良いところです。
         昨今の事情から、民族紛争や、テロ、タリバーンのことや、いえ、例の9.11のこと、その後続いている混沌とした状況程度の知識しかありませんでした。

         作者のカーレド・ホッセイニは、1965年にアフガニスタンに生まれたそうです。1976年(作者が11歳の時)父親が在仏アフガニスタン大使館に赴任したのを機にパリに移住。 数年後にアフガニスタンに帰国する予定でしたが、ソ連によるアフガニスタン侵攻が始まったため(このことは作中でも描かれます)、家族はアメリカに亡命します。

         その後、作者はカリフォルニア大の医学部を卒業し、1996年から内科医として勤務をしているとのことです。
         この経歴を読むと、この作品は、作者の自叙伝的なテイストも少なからず生かされているのかなと思いました。

         物語のことをお話しします。
         主人公はアミール。
         彼の父親であるババは、男らしい男、情味にあふれ、勇敢で人望があり、「熊と闘った男」、「トゥーファン・アハ(Mr.ハリケーンの意)」と呼ばれた誰にでも尊敬された男。
         そびえるほどの大男であり、商売もうまく行き、しかも、孤児院を自分の手で建てるような男。
         ですから、アミールは、何不自由のない、非常に裕福な家の子供として育てられていました。

         アミールの母は、アミールを生んだ時に亡くなってしまいました。
         アミールの家には、下働きをするアリ親子が別棟に住んでいました。何故下働きをするかと言えば、それは「ハザラ人」であるから。
         ごめんなさい。作中ではそういうことだと書かれていますし、それに関することも少しは書かれていますが、私は、知識が足りなくて、何故そういうことになったのかを、ここでちゃんと書くことが出来ません。

         父親のババと同年代であるアリは、片足が不自由でした。
         子供は残酷です。アミールは、アリと一緒に買い物に出かけた時、アリの不自由な片足の動かし方を真似したりしました。
         アリにはアミールと同じ位の年のハッサンという男の子がおり、アリと一緒にババの家の下働きとして働いていました。
         アミールと同年代で、一緒に遊んだりもするのですけれど、アミールからしてみれば、下男のようなものだったのでしょうか。
         いいえ、決してそうじゃなく、本当は友達だったのですけれど、「ハザラ人」は友達ではないのです。
         そういう文化だったようです。

         ですから、子供心に残酷なこともあります。
         アミールは読み書きができますが、ハッサンはできません。それでも、二人は仲良しですから、ハッサンの求めに応じてアミールは本を読んであげたりもします。
         でも、子供は残酷です。ハッサンが字を読めないことを良いことに、「○○ってどういう意味ですか?」と聞かれた時、真反対の意味を教えて遊びふざけるなどということもします。
         ……そういう、子供の残酷さは、私にも経験があります。
         ひどいことをしてしまったと、今でも忘れることができない悔悟が、私の心の中にも、あるのです。

         いえ、もっとひどいいじめをする悪ガキがいて、アミールとハッサンをメリケンサックで殴り倒す寸前まで行ったことがありました。
         その時、身を張ってアミールを守ったのはハッサンでした。
         得意のパチンコで悪ガキの目に照準を狙い、目を潰されたくなかったら止めろと言って、アミールを守ってくれました(本当は、本人だってがたがたぶるぶるだったのにね)。
         その悪ガキは、パチンコにおそれをなして、「覚えていろよ」という棄て台詞を残して逃げていきました。
         ……こういう悪ガキも、私が子供のころには確かにいました。
         私は、そうですね……色々な、当時の「子供の間の理屈」で、いじめられるままになっているような、、、子供だったと思います(ええ、私は、当時は、とんでもない、いじめられっこだったのですよ)。

         アミールは、父親のババを尊敬していました。
         少しでも、ババの歓心をかいたい、二人だけで一緒にいたいと願っていたのですが、思うようにはならないのでした。
         ババは、アミールに対してと同じように、あるいはそれ以上にかもしれませんが、ハッサンも慈しみ、大切にしていました。
         それが、アミールにとっては、不満というか、自分は認められていないという気持ちになったのかもしれません。
         確かに、アミールは本ばかり読んでいる柔弱な少年で、剛胆な父親が勧めるサッカーも下手くそ、運動もまるで駄目という少年だったこともあったのかもしれません。

         当時のアフガニスタンでは、凧揚げ競技が盛んでした。
         沢山の子供達が自慢の凧を空高く上げ、ガラス糸で手を切り、血を流しながら凧を操り、他の凧の糸を切って落とすという競技でした。
         アミールも、ハッサンもこの凧揚げには夢中で、アミールもかなり良い凧使いでありました。
         ハッサンは、凧追いの名手だったのです。
         凧追いと言うのは、この競技で負けて落ちてきた凧を町中を駆けめぐってでも探して取るということ。

         中でも一番の名誉は、最後に残った二つの凧のうち、負けてしまったNo.2の凧を取ってくると、それはその年一年の家宝のようなものだったそうです。
         この凧追いって言ったって、日本人が想像するような、広い野っ原に落ちてくる凧を拾うなんていう生やさしいモノじゃなくて、入り組んだ街の路地の中にさえ落ちてくるかもしれない、あるいはどこか知れない広っぱらに落ちてくるかもしれない凧を取ってくるということです。
         ハッサンは、風を読めたのでしょうか?
         いつも、いつも巧みに凧の落ちる場所に先回りして凧を取っていたのでした。

         ある年、これまでの一つの町単位の凧揚げ競技だったものを、多くの町を合同して開こうという企画がが持ち上がり、開催されることになりました。
         アミールは、ババから、お前は、勝つと思うと言われます。
         それは、親の期待だけの言葉だったのかもしれませんが、アミールとしては、今ひとつ自分に冷たい、ハッサンにさえあのようにやさしい父の気持ちを、期待を得られる場所であると、そう思いました。
         その気持ちは、もちろん、ハッサンにも分かっていました。

         何度も練習し、アミールは、最後まで残る凧になること、そして、自分が落とした最後のNo.2の凧を、パートナーでもあるハッサンが、獲得して戻ってくる事を願っていました。
         アミールは、言います。「あの落ちた凧を取って来い!」と。
         素早く駆けだしたハッサンは、振り向きながら(おそらく笑顔だったのだろうと思います……)言います。
         「君のためなら千回でも!」と。

         その大きな凧揚げ競技の当日、アミールは遂にやり遂げました。
         最後まで残った敵の青い凧を落とし、手を血だらけにしながら優勝したのです。
         後は、あのNo.2であった青い凧を拾ってくればパーフェクトです。
         ハッサンは、任せて下さい!と駆け抜けていきました。
         アミールは、これでようやく父親ババに認められる男になれるのだ、と高揚した気持ちでいました。

         ……ところが、いつまで経ってもハッサンが戻ってきません。
         心配になったアミールは、一生懸命ハッサンを探して町中を駆けめぐります。

         そこで見てしまったんですね。
         あの悪ガキ連中がハッサンを取り囲んでいる場面を。
         ハッサンは、青い凧をしっかり手にしていました。
         そこで、悪ガキは、その青い凧を寄こせと言います。
         ハッサンは、その凧の意味することを痛いほど分かっていたので拒否しました。
         悪ガキというのは、性根から腐っている奴というのは、どうしてこういうことを言うのかなということを、ここでも言います。

         「分かった。その凧はくれてやろう。しかし、ただじゃないぜ。」と。
         アミールは、そこで助けに行こうと思ったのです。思ったのですが、恐くて、行けませんでした。
         そこで、どんなに屈辱的なことが行われるか、そして行われたことかを半ばまで見たのに、そこから逃げ出したのでした。

         しばらく後、アミールは、今着いたばかりという風を装って、ぐったりしているハッサンの元に戻って来ました。
         ハッサンのズボンの尻の辺りにどす黒い赤黒い染みがついているのを見ました。……

         その後、アミールは、ハッサンの友情と献身に応えることが辛くなる自分に嫌気がさし、遂に、ハッサンとその父親であるアリを家から追い出してしまうかもしれないようなことまでしてしまいます……それは、アミールが本当に望んだことなのか、そうではなかったのか……
         いずれにせよ、アリとハッサンは、家から出て行くことになります。

         大分、ストーリーを詳しく書いてしまいました。
         ですが、問題はこの後なのです。
         この後のことを「読んでみたい」と思って頂けたらいいなという気持ちだけのめに、今回は書き過ぎも良いところ。
         本当に上巻のほとんどのストーリーに近い所まで書きました。敢えてです。
          もちろん、アミールは、この事を深く恥じています。
         それは、それはとても。

         ここまででも書き過ぎではありますが、でもこのエピソードは、アミールがまだまだ子供と言っても良い時代のこと。
         この後、祖国であるアフガニスタンがとんでもないことになり、ソ連やタリバーンや……まるで地獄絵図のような状況になり、アミールもアメリカに移住します。
         でも、ハッサンとのことはアミールの心の奥にあって、それが……この後の、これまで書いてきた以上の長さと重さの話になっていきます。

         とても下手なご紹介でごめんなさい。
         それほど、長い作品ではないので、よかったら、読んで下さい。
        >> 続きを読む

        2019/08/09 by ef177

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