こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)


たつみや章

著者情報
著者名:たつみや章
たつみやしょう
タツミヤショウ
生年~没年:1954~

この著者の本を読んでいる会員ランキング

このランキングは1日1回更新されます。
      ぼくの・稲荷山戦記
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 環境保護をテーマにした純和風ファンタジー。
        第32回講談社児童文学新人賞受賞の著者デビュー作。
        小学生向けに書かれたものだが幅広い層に読んでもらおうと、
        ライトノベルとして文庫で再出版されました。

        【開発=自然破壊vs自然保護】
        という対立図式の物語ではあります。
        しかし、逗子での高校時代の実体験を基に、
        「20年の時を経ても忘れられなかった当時のくやしさ」をもって
        熟成された作品なので、その結論は思いのほか深いのです。
        (意外なことに著者は女性です)

        もともと児童文学ですから、会話文は子供っぽく、ストーリは単純化しています。
        また、「純和風美形」の青年守山初彦のキャラクターで惹きつけるなどの
        少女マンガチックなアレンジはしていますが、嫌味のない程度です。

        何といっても、日本の伝統のお稲荷様とお使い狐が登場するお話しです。
        信仰以前に、自然の中に神性を信じる心が日本人には染みついているので
        非科学的ですが、真っ向から全否定する人はあまりいないでしょう。

        ところで、我々の多くは神社に行けば自然に手を合わせ参拝しますが、
        ではご神体は何なのかといえば、あやふやであったりします。
        お稲荷様といったら、キツネが神様だと信じている人が実は多いんじゃないでしょうか?
        そういう方は、ぜひこの本を読みましょう(笑)
        日本人の古来の自然観、お稲荷さんを正しく理解できます。


        実話をもとにしている以上、正義は必ず勝つ!とは簡単にはいきません。
        この話もいわば挫折を描いているとも言えます。
        しかし、主人公の守は共闘した大人のひとり、鴻沼秀二と共に
        より大きな真実にたどり着きます。

        「自然を守ろうとか世話しようとなんて考えは、思い上がり」
        「どこまで行っても、人間は自然に守られて生きている存在」だという真実。


        もっと謙虚にならなければならない、人間の小ささに。

        軽く読めるお話しの形式をとりながら(特にラストはかわいすぎる気もしますが…)、
        大人が読んでも意味深いお話しに仕上がっています。

        青臭いだけじゃない、秀作です。
        >> 続きを読む

        2012/05/23 by 月うさぎ

      • コメント 4件
    • 2人が本棚登録しています

【たつみや章】(タツミヤショウ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

会員登録(無料)

今月の課題図書
読書ログってこんなサービス
映画ログはこちら
読書ログさんの本棚

レビューのある本