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泳げない人である40を過ぎた著者がスイミングレッスンに通いカナヅチ克服を目指した体験記です。大の大人が泳げるまでの課程を描いた記録は意外と少ないのではないでしょうか。その理屈っぽさから呆れられたりさぼったりしながらも、「泳げる人」の境地に至りたいともがき、読み手に泳げないもどかしさを体験させてくれます。また、コーチや同じレッスン生たちへのユニークな観察も見逃せません。この本の影響もあって、久々に泳ぎました。 >> 続きを読む
2020/07/23 by ikawaArise
「趣味がない」著者がさまざまな趣味に勤しむ人々への取材を行い、12章に分けて多種多様な趣味人たちを訪ねて、そこに驚きを見つけていきます。鉄道、坂本龍馬、航空無線、そば打ち、ヨガ、切手、エコ、防災、亀、俳優、ゲーム、ラジコン、ボウリング、階段、茶道、ガーデニング、登山。未知の世界ばかりで、面白くないわけではないのですが、それぞれへの掘り下げがほどほどになってしまっていて結果的に浅く広く羅列する作業で終わってしまった感があります。「ラジオ体操」だけで対象にある意味くどく迫りつづけ、一冊の本として成立させてしまう著者にとっては本書での「趣味」というテーマはあまりに広大すぎてかえって持ち味が発揮されなかったのではないでしょうか。前述の『素晴らしきラジオ体操』や『はい、泳げません』のように対象を絞って取材だけでなく体験にまで至っていればより興味深い著作になったように感じます。 >> 続きを読む
奥さんは、結婚してからみるみる太り、小泉今日子似だった顔は、贅肉による余白が増えることで、真ん中に集まってしまった。ある日、心臓がバクバクするといって救急車を呼び病院に行ってみるも、検査ではなんの異常もない。挙句には、先生に「その体格では」と言われる始末。痩せようかなとつぶやく奥さんのために、筆者はダイエットについて調べ始めた。この本は、奥さんのダイエット日記ではないのです。後から考えると、ダイエットの考察といった方が的確なのかもしれない。しかし、筆者によるダイエットに関する調査や、ダイエット特集を組む編集者の人へのインタビュー、ダイエットをした人自身の体験などから、面白い事実が次々に導き出される法則が面白い!!「やせイコール美ではない」「ダイエットとの出会いは、白馬の王子様と出会う夢のようなもの」「カロリーで計算される必要量は、正しくない?」文中を通じて奥さんと二人のやり取りは、読後に、心にほんわかとした温かみを残してくれるので、構えないでさらっと読んで楽しめる本だと思います。 >> 続きを読む
2011/06/21 by sasimi
「白黒はっきりさせない」スタンスはノンフィクション作品の方向性としては一般的なものですが、著者の作品においてその傾向は顕著であり、本作でも対象に「思い入れ」を抱かない(または抱けない)一定の距離を取った姿勢が際立ちます。本書についてあらかじめ明らかにしておきたいのは、ここに記録されたものがタイトルから想起されるような、いわゆる政治形態としての「民主主義」のあり方に焦点を当てたものではないということです。内容としては序章から10章まで以下のように硬軟取り混ぜた各種のトピックを対象に取材と考察が為されています。序章 テレビ局に寄せられるクレーム(※著者の体験談)第1章 「小さな親切」運動第2章 統一教会第3章 世界遺産観光第4章 諫早湾干拓問題第5章 上九一色村オウム反対運動第6章 沖縄米軍基地問題第7章 若狭湾原発銀座第8章 横山ノック知事セクハラ事件第9章 富士山青木ヶ原樹海探訪第10章 車椅子バスケットボール著者は終章でタイトルについて「『からくり民主主義』とは「からくり民主―主義」」であるとし、メディアによってつくられた「みんな」=「民主」とする「からくり」こそが日本における「民主-主義」だと考察しています。そのうえで本書は「みんな」(世論)に還元される以前の個々の声を拾い上げようとしており、その態度こそが本書の目的だといえそうです。解説は『アンダーグラウンド』で高橋氏の協力を獲た、村上春樹によって著されています。 >> 続きを読む
2020/07/24 by ikawaArise
ノンフィクションの本です。読了し、全体の中の立ち位置や、相手に合わせたコーチングが必要であると思いました。「常識を疑え」ということです。□ あらゆる可能性は理屈で引き出せる□ 野球だから野球するに決まっているのに、彼らは「野球しようとする」ので意味が重複してコントロールも乱れてしまうのである。□ 何がなんでもヒットにじゃなくて、何が何でも振るぞ!だろう。大体、打つのは球じゃない。物体なんだよ□ 必要十分条件□ 迷ってもいいんだよ。迷うこと自体は悪くない。迷ってもいいから決断しろ。適切なタイミングで決断するのがコーチの役目だ■ 野球の球を追って 桑田真澄□ 野球には3つのことが大切です。言葉・感覚・実際の動き□ 勉学で学んだ努力をグラウンドで生かし、グラウンドで実践したことを日々の生活に役立てる。それが本当の「野球道」じゃないでしょうか >> 続きを読む
2016/07/17 by Minam
「お前は最後の縄文人だよ」同窓会で、友人にそのように言われた筆者は、それをきっかけに自分のルーツを探ることになる。父方の祖先から探してみると、あっという間に、先祖不明になってしまい、曾祖父のあたりからもう怪しくなってしまう。どうにか調べ物をしているうちに、どうやら源氏の血筋に当たるようだと分かってきた。これは、大変なことになってきたと、もっと詳細に調べると、平家の血筋だとの話も出てきて・・・。自分のルーツというものは、歴史好きな人は一度は気になるテーマなのではないだろうか。有名な武将が祖先じゃなかったとしても、武士だったのか貴族だったのか、あるいは農民なのか。そんな素朴な疑問を徹底的に追及する筆者の行動が、調べることの出来ない私達の好奇心を満たしてくれる。いくつか不思議な話題があるのだが、自分の親は2人いて、その親は2人ずつだから4人、そのように4代(約100年)遡れば16人、8代(200年)遡ると128人、とすると、江戸時代初期(500年前)まで遡ったとしたら、500万人以上。。。関ヶ原の合戦時には、日本の人口が1,200万人と言われてるらしいので、2人に1人は、自分の先祖なのか?いやいや、そんなわけないでしょう。とにもかくにも、筆者の調査能力としつこさ(笑)には脱帽。内容・ボリュームともに満足しました。 >> 続きを読む
2011/08/04 by sasimi
長いインタビュー経験を通して「今更ながらしみじみ思うのは、男に聞いても埒が明かないということである」ことに思い至った著者は男がどういった存在なのかについて、調査をはじめます。男性が強かったとイメージされる明治時代以前の文献からは、「男は女性たちに全責任を負わせて恐怖から逃れ、後で文句だけ言える楽な立場を作り出した」とし、男性を優位とする状況はあくまで恣意的に導かれたものだと考察します。学習塾や保育所などでの保護者への聞き取りや児童たちの観察からは、いかに男児が幼稚で話が通じず、比較して女児が明らかに理路整然としていて自分を客観化できること、女児に比べて男児に要求されるものが少なく、「男はバカだから仕方がない」と諦められていることがわかります。生物学的にも女性は右脳と左脳の連携がスムーズで洞察力に優れていること、生殖についてもリスクが高い女性の男性に対してのセンサーは発達しており快・不快の見極めがはっきりしており生殖中心に考えるとオスはメスのフォロワーに過ぎないことが明らかになり、筆者は乳牛の世界ではオスが基本的に存在しないように「今は男がいるから意識されるだけで最初からいなければそれはそれで成立したりするのではないだろうか」と自問します。このように著者は各方面から男性がいかにダメな存在であるかについて詳らかにしており、男性にとっては耳の痛い話が満載です。普通ここまで存在意義を全面否定されると男性にとって救いとなる要素も提示されそうなものですがそれもなく、ここまで徹底していると痛快です。男女問わずこれを読んで腑に落ちることは多いのではないでしょうか。本書では男性のダメさと女性の優秀さについてだけではなく、調査の過程で「言葉を垂れ流しあうことは崇高な知識構築作業」「会話は『体験返し』が良く『蘊蓄返し』は最悪」「気持ちは知識のヘッダー」「怒ったほうにストレスはない」「男には好きという気持ちがない」「男に足りないのは妄想と共感」など、性差にまつわる興味深い知見を数多く教えてくれます。これまで読んだ著者の作品のなかでは最も面白かったです。 >> 続きを読む
【高橋秀実】(タカハシヒデミネ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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