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貫井徳郎

著者情報
著者名:貫井徳郎
ぬくいとくろう
ヌクイトクロウ
生年~没年:1968~

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このランキングは1日1回更新されます。
      慟哭
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! ooitee

      • 貫井徳郎の第4回鮎川哲也賞最終候補作「慟哭」は、25歳の若さで世に問うた、完成された文体と重層的なストーリー展開でグイグイ読ませる、著者のデビュー作だ。

        スピード出世した佐伯捜査一課長は、都内で起きた幼女連続猟奇殺人の捜査の難航、警察組織の構造的な問題であるキャリアとノンキャリアの対立、名簿流出疑惑と内憂外患を抱え、マスコミの仮借ない報道で、妻や幼い娘と別居して愛人がいることまで知られてしまう。

        この物語は、この幼女連続誘拐事件を取り仕切る佐伯捜査一課長を中心に、三人称多視点で進行していく。

        このプロットと並行して、交互に語られる筋では、心に傷を負った敗残者の「彼」が、魂の空虚を埋めようと、新興宗教の「白光の宇宙教団」に救いを求めた果てに、教団のシステムにのめり込み、黒魔術にまで手を染めてしまう男の心理と行動が克明に綴られる。

        犯人の手掛かりも掴めないまま、事件は被害だけが進行し、混迷を深めていく。
        そして、黒魔術を繰り返す男は、生贄となる幼女を次々と探し求め、儀式を遂行していく。

        警察機構の暗部、家族崩壊、カルトを求める人間の弱さ、私情と法の対立など、重厚な社会派サスペンスになっていると思う。

        そして、抑制の効いた文章には、騙りのトリックがアナログディスクの針飛びのように隠されている。
        人物の素性や時間の流れに対する、読む者の予断を一気に引っくり返す荒業が、実に凄いと思う。

        >> 続きを読む

        2018/11/18 by dreamer

    • 他12人がレビュー登録、 38人が本棚登録しています
      乱反射
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね! ooitee
      • 冒頭に2歳の幼児が死ぬということが分かっている。
        その上で過程を読むのだかtら中々にヘビーだ。

        複数の人物が絡むことによって生まれる事件。
        その誰もがちょっとずつ関わって起こることで、責任や行為の重さがのしかかって来る。

        誰が悪くて良いのかという線引きが難しい。
        そもそも被害を食らった当事者ですら困惑する状況。
        些細なモラルが負の連鎖となってゆく展開。

        気持ちの整理は待っていてもしょうがない。自分でつけるものという言葉は納得せざるを得ない心境だ。
        >> 続きを読む

        2019/06/16 by オーウェン

    • 他4人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      神のふたつの貌
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね! ooitee

      • 気になる作家のひとり、貫井徳郎の「神のふたつの貌」を読了。

        牧師の息子・早乙女は、"痛み"を感じることが出来ない"無痛症"だった。
        彼は、肉体的苦痛のみならず、情愛や悲しみ、あるいは死への恐怖といった強い感情にも無感覚である自分に欠けているのは、痛みの感覚ではなく、人間だけが具えているはずの想像力なのではないかと思っている。

        それを持たない自分は、人間とは別の生き物なのではないかと脅える早乙女。
        感じ取ることが出来ない神の愛を論理的・実証的に求めて、彼は蛙を殺し続けるのだった。

        そして、日曜礼拝のさなか、ヤクザに追われた一人の男が教会に逃げ込んで来た時、厳格な牧師と鬱屈した妻、そして、双方と距離を取る息子が築いてきた危ういバランスの家族関係は、静かにその緊張の度合いを増し始めるのだった-------。

        日本におけるキリスト者の苦悩を描いた小説は、遠藤周作の純文学作品が、その代表的なものですが、それは、見方を変えると、しばしばミステリ的でもあると思う。

        欧米社会ならば、実感的に自明である"絶対的な神の存在"を、日本人は、まず論理によって納得するところから始めなければならないと思う。
        ある出来事に、"神の意志"という意味付けをすることが必要になってくる。

        この「神のふたつの貌」もまた、神の意志という真相=動機に迫ろうとする〈探偵〉の精神的な彷徨を描いたホワイダニットなんですね。

        しかも、彼が神の意志を読み解いていこうとする、論理の道筋はそのまま、神の意志に添う、被害者にとっての救いとしての殺人へと、彼を駆り立てる論理に繋がっていくのだ。

        〈探偵〉が、真相を求めて〈犯人〉を追ううち、その〈犯人〉の心理をトレースし、やがて、自らが〈犯人〉と化していく-------。

        殺人者の倒錯した論理と、探偵という行為が探偵自身を犯行へと追い込む連鎖の構図を提示したこの作品は、だから、ある意味、二段構えのサイコミステリだとも言えると思う。

        さらには、もう一つの連鎖-----親から子へのそれをも、著者の貫井徳郎は、極めてミステリ的に描いてみせるのだ。

        テーマと手法が渾然一体となった、幸福な本格ミステリの形がここにあると思う。

        >> 続きを読む

        2018/07/29 by dreamer

    • 他4人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      プリズム
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!

      • 小学校教諭の山浦美津子が、アパートの自室で殺された。
        胃の中からは睡眠薬が検出され、頭にはアンティークの置時計で殴られた跡があった。

        だが、状況は一筋縄ではいかなかった。
        部屋には、同僚の男性教諭から送られた箱入りのチョコレートがあり、それに睡眠薬が混入されていたのだ。

        さらに窓がガラス切りで切り取られており、侵入者が入り込んだ可能性もあった。
        また、被害者の無邪気すぎる性格は、同僚や友人の間に、さまざまな軋轢をも生んでいた-------。

        この貫井徳郎の「プリズム」は、ミステリ好きなら誰しもがわかるように、アントニー・バークリーの名作「毒入りチョコレート事件」にオマージュを捧げ、この作品に敢然と挑んだ作品なんですね。

        すなわち、意外な結末で読者にカタルシスを与えることが眼目の作品ではなく、何通りもの結末を開示していくことが狙いの作品だと思う。

        小学校の教え子から始まり、同僚の教師、元恋人、父兄といった具合に、次々とそれぞれが連関するように、推論を構築していくんですね。
        それも、アントニー・バークリーの六通りを上回る十通りも。

        そして、最後に衝撃的な推論が用意されてはいるものの、果たしてそれが真実かどうかは断定できない。

        この作品は、我々ミステリ好きの読者の参加を誘う、企みと実験精神に満ちた貫井徳郎の挑戦作なんですね。

        >> 続きを読む

        2018/05/15 by dreamer

    • 他4人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      光と影の誘惑
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね! ooitee

      • 貫井徳郎は、自分の本領は長篇にあるとし、短編は向いていないとまで語っていますが、この「光と影の誘惑」は、初期の中篇と書き下ろし中篇を二篇ずつ収録している。

        表題作の「光と影の誘惑」は、鬱屈した男たちの一億円強奪計画を描いていて、スマートな騙り技巧が冴え、中篇でも著者の必殺技は見事に開花していると思う。

        出生の秘密をめぐる語り手の推理によって、家族の前史が論理パズルのように形を変えていく「我が母の教えたまいし歌」の結末の不意打ちは、実に強烈だ。

        二重三重に仕掛けを施したプロットが走り出したら止まらない「長く孤独な誘拐」の結末の着地点には、驚くべきものがある。

        「二十四羽の目撃者」は、サンフランシスコの動物園での、日系のラーメン屋店主の死の真相を、女上司に振り回されっぱなしの保険調査員の"おれ"が、ぼやきながらも聞き込みで洗い出すという異色作だ。

        コミカルでトホホな私立探偵小説ふうのこの作品集が、最も本格コアな着想で書かれているのも興味深い。

        いずれの作品も、流麗な筋運びで"本格魂"の作用域をどこまで広げられるかという、楽しくて魅力的な挑戦をしていると思いますね。

        >> 続きを読む

        2018/10/15 by dreamer

    • 他3人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      灰色の虹
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! oasamaru

      • 貫井徳郎の「灰色の虹」は、冤罪被害の復讐を描いた問題作だ。

        微塵も疑わない検事、だらしない弁護士らに、よってたかって身に覚えのない殺人の罪を着せられ服役した江木雅史は、刑期を終えた後、彼らへの復讐を誓う。

        やがて、江木の裁判の関係者たちが次々と変死した。
        警察は江木に疑いの目を向けるが、警戒の隙をつくように犯行は続いていくのだった-------。

        貫井徳郎の「灰色の虹」は、冤罪というテーマを真正面から扱ったミステリだ。
        足利事件をはじめ、警察や司法への信頼を失墜させる不祥事が、次々と明らかになっている昨今の日本においては、極めてタイムリーな作品と言えると思う。

        江木を冤罪に陥れた人々は、違法行為をしたわけではないし、意図的に悪事に手を染めたという意識もない。

        だが彼らは、職業的なプライドが異常に高すぎたり、逆に職業意識が乏しすぎるなどの欠点を持っており、そのため、ひとりの人間の一度きりの人生がどうなるかということには想像力が及ばない。
        そんな彼らが、自分の命をもってその罪を償わされることになる。

        現実には、強引な捜査をした警察官や検事、誤った判決を下した裁判官などは、形ばかり謝罪することはあっても自分の人生で償いをすることはない。
        その意味で、この作品の展開は「殺されて当然」といったカタルシスを我々読者に感じさせるかも知れない。

        しかし、復讐のための殺人なら許されるのかという問いが、物語の結末に近づくにつれて重くのしかかってくるため、読み心地は痛快さからは程遠い。
        人間の"罪と罰"について、真摯な考察を重ねてきた著者ならではの力作だと言えるだろう。

        とはいえ、かつての大阪地検特捜部による証拠改ざん隠蔽事件からも明らかなように、現実の"司法の闇"は、我々一般人の想像を超えていて深いものがある。

        その前では、この作品における"司法の歪み"の描写すら、まだ甘いように感じてしまうのも否めないのだ。

        >> 続きを読む

        2018/10/30 by dreamer

    • 他3人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      北天の馬たち
      カテゴリー:小説、物語
      2.6
      いいね!
      • 喫茶店「ペガサス」で働く毅志は、マンションの2階に皆藤と山南が探偵事務所を開くことを知る。
        毅志は探偵に憧れを抱いており、二人は探偵仕事を手伝わそうとするが。

        全3章になっており、1と2で起きた出来事が3章に繋がっていく連作集。

        1章と2章で感じるラストの違和感は、そのまま毅志の違和感と重なる。
        それを解消するのが3章なのだが、毅志と探偵の繋がりが正直弱い。
        だから二人のために毅志が単身という部分に説得力が乏しい。

        貫井さんにしてはかなりストレートな人間ばかりだが、それも含めてのズレが個人差によって変わると思う。
        >> 続きを読む

        2018/09/27 by オーウェン

    • 他2人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      被害者は誰?
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね!
      • ミステリ作家でありながら頭脳も容姿も端麗。
        しかし態度もデカいという、吉祥院喜彦が後輩の刑事の事件を解決していく。

        「被害者は誰?」
        自宅の庭から白骨死体が出てきて、犯人は判明する。
        しかし有力な被害者は3人おり、犯人の手記には手掛かりが。

        「目撃者は誰?」
        社宅で不倫を重ねる男。
        その目撃情報を兼ねて、現金を要求する謎の男。
        そして起こる殺人事件。

        「探偵は誰?」
        先輩が書いた自筆の作品で、後輩に探偵が誰なのかを推測させる。
        実際に起きた事件の解決も試みる。

        「名探偵は誰?」
        先輩と後輩の病院での会話で進めいていく構成。
        一番安楽椅子探偵らしい作品。

        4つとも貫井さんらしくないライトな構成だが、当然裏のトリックはある。
        個人的には「探偵は誰?」が一番オーソドックスに面白い推理だった。
        >> 続きを読む

        2018/11/05 by オーウェン

    • 他2人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      後悔と真実の色
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!

      • 第23回山本周五郎賞受賞作の貫井徳郎の「後悔と真実の色」を読み終えました。

        ある夜、東京の神楽坂に程近い赤城下町の空き地で、若い女性の他殺死体が発見された。

        被害者は、刃物で顔といわず身体といわず、めった刺しにされており、なぜか右手の人差し指が切断されていた。

        この赤城下町は、新宿といっても夜は人通りがほとんどなく、先日来、痴漢が出没していたというから、変質者の犯行かと思われたのだ。

        だが、同じく人差し指を切り取られた第二、第三の被害者が出て、「指蒐集家」と名乗る犯人が、自身の犯行の様子をインターネットで実況するに及んで、事件は世間を震撼させる連続殺人へと発展していくのだった-------。

        果たして、犯人の目的はいったい何なのか?
        一見、なんの接点もないように見える被害者の間に何らかの繋がりはあるのか?

        卓越した推理能力から揶揄と羨望を込めて「名探偵」と呼ばれる捜査1課の西條刑事をはじめ、同じく捜査1課の三井、第一の被害者を発見したことから捜査本部に加わり、西條とコンビを組むことになる大崎巡査、西條に異常ともいえる敵愾心を燃やす機動捜査隊の綿引警部補-----。

        これら、様々な立場とキャリアを持つ警察官たちが、各々の信じる正義のために、それぞれのやり方で事件の捜査に挑むのだ。

        この作品は、サイコキラーを扱った重厚な警察小説としてスタートします。
        堅実な捜査が続く序盤から、何者かの罠にかかった西條刑事が、絶体絶命の窮地に追い込まれる中盤まで、「指蒐集家」は容易に姿を現わさないが、その正体を示す伏線は、実は随所に張られているんですね。

        そして、ラストに詰め込まれた意外な展開の連続には、誰もが度肝を抜かれること間違いなしですね。

        抜群のストーリーテリングと構成力で、警察小説と本格ミステリの融合に成功した傑作だと思いますね。

        >> 続きを読む

        2018/08/24 by dreamer

    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      愚行録
      カテゴリー:小説、物語
      3.2
      いいね!
      • プリズムに似た進行。筆者にとっては真実よりも、人物がどのような人間であるかを書き尽くすことのほうが大事なことのように感じたりする。夏原さんのような女性って小説ではよく見る(白夜行の雪穂とか)気がするが、実際に女子校などにはいたりするんだろうか。完璧な人間って怖い。 >> 続きを読む

        2018/05/15 by aki

    • 他2人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      天使の屍
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 身構えすぎててもっとエグい真相があるのかと思ってしまった。
        子どもは子どもの論理があるとは言うけれど怖すぎるよ子どもの世界…。
        >> 続きを読む

        2018/07/27 by aki

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      崩れる 結婚にまつわる八つの風景
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね!
      • タイトル通り、『結婚』をキーワードにした
        心理サスペンス短編集。

        男性作者が描いたとは思えないほど、
        女性が主人公のストーリーが切実である。

        特に感心させられたのが『誘われる』という話。
        育児ノイローゼにかかった母親の崩れて行く過程や、
        ネジ曲がってしまった人との距離感。
        女性にしか分からない“女同士の見えないモラル”を
        取材もなしに良く表現できたモノだ。

        ささいな事がきっかけになる人間関係の行き違いが、
        異常殺人の事件なんかよりも、
        誰でも起こりうる分、より一層恐怖だった。
        >> 続きを読む

        2019/01/28 by NOSE

    • 他1人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      修羅の終わり
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • はじめからずっと暴力の気配が見え隠れし続ける恐ろしい小説だった。シンプルにいうと国家権力怖い… >> 続きを読む

        2018/06/11 by aki

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      迷宮遡行
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • この後味の悪さが貫井徳郎の持ち味なんだろうか。綺麗には終わらせてくれない。

        ヘタレな主人公が凶暴化していくさまがちょっと怖い。正常と狂気の境目って案外曖昧なのかも。

        絢子の性格はバランスが悪い気がする。善人にも悪人にもなりきれてなくて、最後までよく読めなかった。
        >> 続きを読む

        2018/08/25 by aki

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      夜想
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 妻子を事故で失った雪藤。その折に出会った天美遥。
        彼女は触れると心が読め、雪藤の心情に共感をする。
        次第に雪藤はその力を広めていき、遂には遥による組織が出来上がっていく。

        いわゆる宗教団体の出来方が記されている。
        本人は否定するのだが、まるで宗教法人のような組織が出来上がっていく過程。

        次第に雪藤や遥の力が及ばないほど大きな組織に。

        魂の救済に金が入ることはどうしようもないが、理想と現実の違い。
        絶望的な雪藤なので、そこにミステリが仕込まれているとは予想しなかった。

        ラストはハッピーエンドのように見えるがそれは雪藤であって、遥は果たしてそうなのだろうか。
        >> 続きを読む

        2019/05/19 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      悪党たちは千里を走る
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 貫井徳郎の作品は本格派ミステリーとか奇抜な仕掛けやトリックがあったりというイメージが強い。そういう意味では「異色作」であることは間違いない。とにかくポップだ。ストーリーは軽快に進む。ユーモアとシニカルが入り乱れて痛快だ。


        真面目に生きることが嫌になった三人、として冴えない詐欺師と頭の弱い相棒が美人詐欺師とひょんなことからつるみ出し「人道的かつ絶対安全な」誘拐を企てるが、自ら狂言誘拐を持ちかける少年が加わり事態は急展開?


        登場人物に愛着が沸く。ワイズクラックを連発する高杉とアイロニー連発の美女・菜摘子。盲目的にアニキ高杉についていく相棒や、頭脳明晰な渋井少年や渋井夫妻。


        久しぶりに一気読みできるスピード感のある本だった。力が抜けていてただ単純に「面白い」。ドタバタコメディ誘拐劇、いかがですか?

        >> 続きを読む

        2016/09/06 by hibiki

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      転生
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 脳死や臓器移植などの問題を改めて考え直した作品。

        心臓の移植手術を受けた青年が、
        ドナーの趣味嗜好までもが乗り移った感覚に陥る。
        脳が記憶や心を持っているという固定概念を打ち破り、
        やはり心は心臓にあるのかもしれない…という考えが
        ものすごく興味をそそられた。

        タブーであるドナーの家族との接触を図り、
        謎を解けばさらに謎を深めていくミステリー性には脱帽。

        近代医学の闇と、青年の純粋な恋愛、母の愛情、
        見所はたくさんあったのに謎が解けた瞬間から展開早すぎて、
        もう少し余韻を残して欲しかった…ので星は4つ。
        >> 続きを読む

        2019/01/28 by NOSE

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      悪党たちは千里を走る
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 人質公認で誘拐計画をあたためていたところ、その人質が先に誘拐され、代わりにその親を脅迫するよう持ちかけられるという新しい展開と、高杉、園部の憎めないキャラクターに引き込まれた。あと妙にませくれた賢い人質である巧もどこか愛らしい。もとは子供の考えた誘拐なのに計画がしっかりしすぎていると思うのは私が世間知らずだからなんだろうか?子どものころ読んでみたかった。 >> 続きを読む

        2018/05/11 by aki

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      ドミノ倒し
      カテゴリー:小説、物語
      2.8
      いいね!

      • 貫井徳郎の「ドミノ倒し」は、地方の小都市でハードボイルドな気分に浸っている私立探偵が主人公だ。
        だが、その実情はほとんど便利屋扱いだ。

        そんなおり、死んだ恋人の妹から、元彼の殺人容疑を晴らしてくれとの依頼が舞い込む。

        全体にコミカルなタッチで描かれて、実に読みやすい。
        個人的には、ことごとく外す探偵のひとりつっこみがツボでしたね。

        この久々の依頼に、旧友の警察署長の助けを借りて探っていくと、過去に起きた別の事件との共通点が見つかる。
        そこで、今度はその事件を調べてみると、またしても別の殺人事件との関連が疑われるのだった。

        まるでドミノ倒しのごとく事件が連鎖していくのだったが、広がっていくだけで、解決の見込みは一向に見られない。
        それどころか、残りページがあとわずかに迫ってくるのだった。

        一体、どう決着をつけるつもりなのかと思っていると、ここから話はいきなり、とんでもない方向に飛んでいく。

        そうか、そうきたか。一瞬にして世界が変貌する恐怖の展開だ。
        いやあ驚きました。

        >> 続きを読む

        2019/02/28 by dreamer

    • 他1人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      失踪症候群
      カテゴリー:小説、物語
      2.5
      いいね!
      • 匿名化する若者たち、と聞いてさほど違和感はないが、書かれたのは1995年。ただ庇護してくれる家族であれば縁を断ち切るように逃げても構わないというのがまた甘えの極致のような気もする。
        倉持のキャラが憎めなくてかわいいなぁ。
        >> 続きを読む

        2018/06/02 by aki

    • 他1人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています

【貫井徳郎】(ヌクイトクロウ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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