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京極夏彦

著者情報
著者名:京極夏彦
きょうごくなつひこ
キョウゴクナツヒコ
生年~没年:1963~

この著者の本を読んでいる会員ランキング

このランキングは1日1回更新されます。
      姑獲鳥の夏
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
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      • メチャクチャ面白かった。

        久々に、一から全作読もうと思える筆者に出会った。


        推理もので言えば、やはりアガサクリスティが秀逸で、全てのトリックはアガサクリスティがやりつくした、と言われるのも分かる程。

        しかしながら、京極堂シリーズを読んで、アガサクリスティにも欠点があったと気づかされる。
        それは、アガサクリスティは、犯人の意外性も、トリックの奇抜性も、犯行動機の心理描写も全て巧みで秀逸ながら、途中の文章そのものは平凡で、内容に面白味があるものではない、という点。

        全て、作中の文章はトリックや犯人像に繋がる伏線なので読み飛ばせないのだが、それ自体は特に面白い文章ではないと。

        このあたりは漫画の金田一も同じ。しょうがないから恋愛ネタやボケネタを入れて場を賑やかすけれど、そうするとそれらは場の賑やかしにはなるけれど、落ちへの伏線という本来の役目を果たさなくなる。

        この点、この京極堂は震撼に値する。
        まず、一見迂遠な京極堂の解説が知的好奇心としてとても面白い。推理物として読まなくても十分に面白いと思わされる内容。
        しかしながら、「とはいえ雑学と薀蓄を散りばめただけ」では決してなく、一見迂遠なそれらの解説が絶妙な伏線となってトリックや犯人に繋がってくる。

        これをGWに暇を持て余してだだだっと書いたというのだから参った。鬼才です。

        良い作者と出会いました。今後かなり楽しめそうです。
        >> 続きを読む

        2017/08/19 by フッフール

    • 他7人がレビュー登録、 37人が本棚登録しています
      魍魎の匣
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • 一旦前作の話ながら、姑獲鳥の夏で「凄い」と震えたのは、榎木津の存在。

        「(精神作用のせいで)見えるべきものが見えない」、というのが要は姑獲鳥のトリックの根幹なのだが、これを、精神作用が変になっている人物だけその場面に登場させて叙述しても、「そりゃ見えない人たちの会話だから見えるとは叙述できなかっただろうけれど、それって酷くない?」という読者の愚痴になる。

        とはいえ、「見える」普通の人をそこに登場させると、見えちゃうんだから当然に会話や叙述がおかしくなる。
        「なんでお前見えないんだよ」というセリフがどうしても必要になる。ここまでくると、読者も推理物のベテランだから、さては!、と感づいてしまう。

        この難点を解決したのが榎木津の存在。

        通常の人には見えないものが見える、という触れ込みの超能力探偵を登場させ、その彼をして、「なんで君らには見えないんだ?」と語らせることで、読者はてっきり、榎木津だけが特殊能力を使って見えているのだろう、と思い込んでしまう。

        巧いことをやる。

        しかも、単に超能力なら簡単に作れるが、さすが京極堂では、超能力という存在は基本否定していて、理屈で説明がつく、ということで、榎木津の直観の鋭さをなんとなく科学的に説明している。

        ので、かなりのウルトラCの存在なんだが、まあそういう人もいるのかな、ということで「ずるい」存在にはさせていない。
        (例えばコナン君なんかではウルトラCみたいな特殊アイテムがすぐ都合よく出てくるんだけれどそういうものとは一線を画せるようにしている)

        繰り返すが姑獲鳥で震撼したのは、この一点、肝のこのトリックの叙述のために、榎木津という存在を作った点。これがまさに恐れ入る。

        そしてそして、、、
        ならばこそこの榎木津はもう使い切りの一発屋で役割を果たしたかと思いきや、その後の作品でもいい感じに登場してくる。
        このあたりの使い方もとても好ましい。

        次作たる魍魎の匣でまず思った感想はそこ。
        前作で精神的に崩壊して全てキャラクターを出し切った感のある関口や、もう存在価値が無くなったと思われる榎木津を引き続き全面に出して、そしてそれが却って味わい深い作品の雰囲気になっている点がとても驚いた。


        魍魎の匣のストーリーそのものはそんなにぐっと来なかった。姑獲鳥ではなくこれが受賞作品だというのがちょっと不思議。

        手足を切った人間を箱に詰めて、それでも生かせられるというのが、ちょっと納得感なくてだめだったかな。ただそんなこと言えば姑獲鳥も狂骨も非現実的なんだが。。。


        とはいえ、魍魎の匣の伏線の張り方は相変わらずさすがとの感想。
        読み返すとそもそも箱に人を詰める、という叙述から始まっている。
        途中の猟奇殺人では人を箱に詰める話が延々書かれている。

        のだが、それでもあの公然逸失トリックでは、それまで生きてそこに居た人間が箱に詰められて外に持ち出されていたとは考えがたく、想像はするのだけれど否定して読んでいき、最後に、えーやっぱりそれですか、という感想に。

        一応色々これができる環境になっているということは延々説明があるのだけれど、それでもちょっと無理があるんじゃないかな、という気がして、これが姑獲鳥のシンプルなトリックと比べると微妙な感想。
        ただ、繰り返すけれど、延々箱に人を詰める、と書いているじゃないか、というのはその通りで、そう考えると、そういう落ちは納得というか、迫力を感じました。
        (例えばあの治療施設は四角形の箱である必要は全くないのだけれど、あえて大きな箱、として存在させ、箱、というキーワードを強調していて。)

        なんにせよ京極堂面白いです。
        >> 続きを読む

        2017/08/19 by フッフール

    • 他4人がレビュー登録、 32人が本棚登録しています
      書楼弔堂 破曉
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね! yana nasubivi
      •  明治の中頃の話である。
         ある男。魔が差して、職を自ら辞し、妻子を避け、一人閑居することとなった。その男の趣味は読書であり、その趣味と暇が縁となって古本屋、書楼弔堂にたどりつくこととなった。坊主から還俗し弔堂を創った主人主張する処の「人の生涯で一冊の本」という観念。それを人間と縁を通して感じ入る物語。


         原点は「一人の人間、その生と間に一冊の本がある」という思いがこの物語の最初なのではないかと思う。その最初の思いは願いと確信の狭間、もしくは美学か。学識ある人の思いであり望みだろう。その原点を検討した結果、現代という意識が相互的になった時代よりも明治という山に栄える木々のように意図が育つ時代を舞台に選んだのではないか、というのが最初の感想だった。
         歴史の嘘か誠かわからない場所から人々が出てくる。今はもう廃となった江戸と開国の気風も登場人物の心内から描かれている。そしてそこに高等遊民という憧れの眼差しを現在から一心に浴びる階級をも描く。そのような色々なものが交わりあって本と人の縁を薄暗い書楼から書き出した話である。


         個人的には話として慣れが目立つ。いやさそこは手練さ加減でありつまりは腕利きということか。あまりにも綺麗にまとまっている。もうそういう形式がある。こういう話がプロットとしてまとまっていると表現するのであろうか。著者のシリーズ物である京極堂の方は関口君が川赤子を見つけたあたりまでしか読んでいないので詳細が茫としているが、こちらは京極堂正史なのかどうか見当がつかない。あれは似た人だったのだろうか。四角顔の巡邏に聞かなければわからないのだろうか。

         明治か本、どちらか好きであればそれで十分楽しめるだろう。これはいい形をした童話だ。ほぼ誰でも楽しめる。あとは虚言少年でも読めばいい、なぜだかあれが好きなんだなあ。
        >> 続きを読む

        2016/08/18 by ginhai

    • 他4人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      いるのいないの
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.8
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      • 絵本カフェで…。
        読友さんおススメ。
        まさか絵本で怖い思いをするとは思わなかった!!ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
        内容と絵がピッタリ合ってる。


        おばあちゃんの家で暮らしてみると
        気になる事が出てきた男の子
        気になって、気になって仕方がない……


        おばあちゃんの言うことはもっとも…
        見えないモノは見えない
        でもね……
        見えるモノは見えるんだよ…。


        さすが京極夏彦!!w(*゚o゚*)w おぉ
        >> 続きを読む

        2017/06/12 by あんコ

    • 他4人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      鉄鼠の檻
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 憑き物を落とす、

        というのがこの京極堂シリーズのテーマ。


        憑いているものが落ちると、ハラリと世界が開ける。
        怯えや萎縮や強がりや衒いなどが無くなり、泰然自若と世界に溶け込める。


        分かるような気がする。
        自分も5-6年ほど前に一度人生観を見直すことがあった。

        それ以前は、まだ社会の新参だったこともあるのだろうが、やはり、憑りつかれていたように思う。

        善く生きる
        成長が大事
        前に倒れるべし
        汗をかけ
        アンテナを広く
        謙虚に
        慮って
        謙って
        器用に
        最善を尽くす
        一級品を
        一軍で
        誇り高く


        なんだか、今では上手く書けないのだけれど、
        こういうような概念に囚われて、心底息苦しかった。

        これらのテーゼが勿論間違っているとか自分に無かったというわけではなく、ただ、脅迫観念として迫られていて、しかしそれに気づかずに、とにかくそれらが軽率な自己否定や不遜な他者否定となり、グルグルぐるぐるした気持ちに憑りつかれていた。

        のだと思う。


        パコーンと鈍器で頭を殴られるような形で、ぼーっと自分の人生観を問い直した日々があり、その期間そのものは物理的には短いのだけれど、これが契機で「憑き物」が自分から落ちた。



        あれ以降、自分でも驚くほどリラックスして生きられている。
        あれ以降、あの傲岸不遜で自分本位な父に、あの父によく似てきた、と人に言われることが増えたように思う。
        あれ以降、胃痛も無くなった。


        この作品では、小悟とか大悟とかが出てくるのだけれど、禅問答の類はよくピンと来ないものの、そこで描かれる晴れ晴れとした心境だけは、なんとなくわかるように思う。

        境内の結界が、檻となって鉄鼠(お坊さん)を閉じ込めて苦しませていた、という話なのだが、
        そう考えると自分にとっては、東京というものが檻だったのかもしれない。


        この作品そのものはそこそこだったけれど、相変わらず知的好奇心は満たしてくれるし、考えさせてくれる。
        >> 続きを読む

        2017/08/19 by フッフール

    • 他2人がレビュー登録、 19人が本棚登録しています
      絡新婦の理
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
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      • 面白かった。
        肉薄しても肉薄しても事件を止められないところが非常に躍動感あり良かった。

        冒頭にエピソードを持ってくる構成もとてもよかった。
        >> 続きを読む

        2017/08/19 by フッフール

    • 他2人がレビュー登録、 20人が本棚登録しています
      塗仏の宴
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • 盛り上げたな~と。

        関口を拘束し、絡新婦を引き出して即退場させ、朱美も再登場。

        ちなみに、宴の支度は整いました、の決め台詞が帯に書かれているけれど、これ下巻?の100P目くらいに出てくるメッセージで、それならそこで上巻を切りなさいよと。。。出てこないメッセージを帯に書いちゃいけません。

        いやしかし、「世界に不思議ではないことなどないのですよ」のセリフ、いいですね~。
        京極との対決、とても楽しみです。


        追伸:作中の一節、「蒼穹はあくまでも高く澄み、翠層はあくまでも深く冴えていた」はとても綺麗で格調高い表現と感じ入りました。京極は、話が面白い一方でこうした文章表現が巧いところ、本当に気に入っています。
        >> 続きを読む

        2017/08/19 by フッフール

    • 他1人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      塗仏の宴
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
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      • いや~相変わらず面白かった。

        ミステリーの落ちとしてはオリエント急行のような話。
        そう思えば気づけても良さそうだったところを鮮やかに騙されてしまいました。

        好きなシーンは関口妻が震えながら零した一節

        「---ですから、有罪か無罪かなんてことは---それは世間的には大変な問題なのでしょうが、夫婦の間では大きな問題じゃないです。無罪でも有罪でも---夫婦であることに変わりはありません。罪を犯したから離縁するとか、犯してないから離縁しないとか---そんな馬鹿な話はありませんでしょう。そんな理由で添っている訳ではないですから---命さえ---取られなければ---」

        うまいシーン作るなあと。
        >> 続きを読む

        2017/08/19 by フッフール

    • 他1人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      百鬼夜行
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • サイドストーリーとはいえ京極先生、これはファンを殺すなあ、と(笑)。

        まず、各短編の主役が脇役過ぎる。。。

        杉浦(女郎蜘蛛の脇役的殺人鬼)
        平野(同上)
        鈴木(百鬼夜行シリーズでは不登場・・・)
        棚橋・堀越(鉄鼠の消防団。ただし棚橋は鉄鼠では不登場・・・)
        山本(女郎蜘蛛の犠牲者の女教師。出るなり死んでた人物で印象薄い)
        岩川(塗仏で子供に弄ばれた無能な警察)
        円(鉄鼠の貫首。ほぼ登場しない)
        木下(警察。色んな作品に出てくるが地味で存在感なし)

        目を引く話はせめて二つで、
        久遠寺涼子(姑獲鳥の主キャラ)と関口夫妻、の話くらいだろう。
        それらもとはいえ暗く、特に読んで何か思い入れが深まるような情報も逸話もないしと。


        京極シリーズは、
        姑獲鳥が切れ味鋭く一部のファンの口コミを中心にヒットして、
        魍魎で受賞と共に大ヒットしてファンが増えて、
        しかし狂骨と鉄鼠で分量が長大になったこともありライトなファンを振り落として、
        女郎蜘蛛が巧い話で残っていたファンを満足させて、
        しかし塗仏が異常な長大さでコアファンのみを残してほぼファンを駆逐して、
        そのコアファンをも殺そうというのがようやく出たこのサイドストーリーで、

        自分の場合にはその後の作品含めもう沢山出ている状態なのでまだ耐えられるが、
        寡作になった当時の京極シリーズで、これはきついだろうな(笑)。
        当時にファンだったら果たして残れていたかどうか。。。


        というのが一番の感想だったのだけれど、もう一点、これは前向きな感想で、
        この短編集そのものは大して面白くないのだけれど、一つ一つが、百鬼夜行画集に載る妖怪から発想を得て書かれた話で、この妖怪の絵からよくまあこんな話を考え出したな~という観点で見ると感心が尽きない作品。

        個人的にはこれで妖怪への興味が飛躍的に増してしまって、今や、百鬼夜行画集はおろか、妖怪談義の類いもネットで買い集めてしまっています。
        今度、アベノハルカスの大妖怪展にも行ってきます。

        妖怪は奥が深そうな世界で、これは拓かれた思いです。
        >> 続きを読む

        2017/08/19 by フッフール

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      魍魎の匣
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 2015/2/10 再読了。
        京極堂シリーズは全て分冊で購入している。
        感想は下巻に
        上巻で京極堂が出てくるのは遅めだけど、出てきた瞬間からいつもの京極堂で語りに引っ張り込まれる。
        >> 続きを読む

        2015/02/11 by げっち

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      鉄鼠の檻
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • レンガ本に挑戦する気が起きず分冊本に手を出した。今川の父や兄への劣等感やそれに対しての諦念ぶりはいつ読んでも興味深い。彼の心情を読んでいると、外見が枯れているのは伊佐間だけど内面は今川の方がずっと枯れてるというか成熟しているなあと思う。伊佐間なんて今川に比べたら枯れてるふりした人妻好きのむっつりスケベの風来坊だ。それにしても関口は千鶴子や雪絵を哀れな妻達だと言っていたが、彼女らはそんなに哀れなのか?関口も中禅寺も収入は安定しないけれど働く気がない訳ではないし、あの時代で飲む打つ買うもせず子供ができなくても離縁しない男が夫だなんてむしろ幸せ者ではないか?というかこの2人が哀れなら戦前の朱美や「陰摩羅鬼の疵」の老刑事の亡くなった妻はどうなるんだと。読んでるこちらが平成の人間だから苦労な妻達に見えるけど、時代背景を考えたら全然不幸じゃないんだよなあこの美人妻達は。特に千鶴子。 >> 続きを読む

        2016/12/22 by kikima

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      今昔続百鬼-雲
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • メチャクチャ面白かった。

        京極夏彦の本懐は文章力にある、ということを痛感する一作

        一応、ジャンルとしてはミステリー作家となっているけれども、
        そしてミステリーの構成がズバ一流なのでそれで違和感は無いのだけれど、
        やはり、京極先生の魅力は、表現の巧さ。

        博覧強記で、構成力が図抜けていて、文章が巧く、ユーモアに富んでいる、というのが、先生への素直な評価です。


        この作品は、百鬼夜行シリーズのスピンオフながら、これだけ読んでも十分に楽しめる一冊。
        例えるなら、森見登美彦のような話力で、面白おかしく、妖怪探検談を語る話。

        多々良センセイ、女郎蜘蛛で出てきたときから気になっていたけれど、やはりナイスキャラでした。
        とても好きです。
        >> 続きを読む

        2017/08/19 by フッフール

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      陰摩羅鬼の瑕
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • これは先生、切れ味落ちてた。

        コンセプトも姑獲鳥のコピーの域を出ないし、京極の活躍も最後に少しで物足りないしと。
        良かったのは途中の儒学と姑獲鳥のあたりの会話でしょうか。

        ただ、さすがだなと思わせるのは、あらゆる鳥の剥製で埋め尽くされる鳥屋敷と鳥伯爵を作り出して、その上で、「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志をしらんや」の一言を入れてきたあたり。

        この諺をこうまで見事に使った場面や作品を知らない。
        うまいなあと。

        次作に期待です。
        >> 続きを読む

        2017/08/19 by フッフール

    • 他1人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      邪魅の雫
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • これは、京極先生、切れ味が鈍っている。。。

        これで長編の百鬼夜行シリーズは読破。
        印象点をまとめると

        姑獲鳥  100点
        魍魎    80点
        狂骨   120点
        鉄鼠    70点
        女郎蜘蛛 90点
        塗仏    90点
        陰摩羅鬼 30点
        邪魅    50点

        という感じ。

        姑獲鳥~狂骨までの出来が良すぎて取り込まれたけれど、
        邪魅から上に上がるんだったら読破は無かったなあ。
        話術は相変わらず面白いんだけれど、ミステリー要素が弱くなっちゃったね。。。

        なりすましがテーマの本作だけれど、なりすましって、同じ名前の人が何人も登場することになって、整理しながら読んでいけば理解もついていって、最後に、え~あなたが一人で何役も!
        と驚くことはできるかもしれないんだけれど、面倒くさいんだよね。
        なりすましであることは分かる展開で、誰が主犯かも簡単に分かる展開で、後は誰にどうなりすましたかというところがミステリーなんだけれど、そんなところはどうでもよく。。。

        榎木津を元気の無い振り付けにしたのも非常にいけてないと思う。世界が暗くなっちゃったよね。

        京極が、赤木や江藤のことは会ってないから知りません、これは私の想像です、と一々断るのも、なんかサラリーマンの言い訳みたいで聞こえがよくなかった。
        そんな当然の言い訳は言わずとも、京極は常々読者を驚かしてきたわけで、今回は謎解きの迫力も弱いし、言い訳多いし。。。

        そもそも澤井がなぜ榎木津のお見合い話が持ち上がるたびにそれを把握したのかが甚だ不明で、謎解きに唐突感がありすぎる。お見合いしたならともかく、たかだが縁談が持ち上がったレベルで、一介のしょうもない男になぜタイムリーに情報が入るのか? 

        最後の場面で警察が囲んでいるというのに犯人の女から逃げられてるし、甚だ理解しがたい。

        うーん、切れ味不足。。。
        >> 続きを読む

        2017/08/19 by フッフール

    • 他1人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      謎
      スペシャル・ブレンド・ミステリー
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • スペシャルブレンドミステリー初体験です。

        短編ミステリーから、人気作家が好きな作品をセレクトしたこの企画。
        第4弾の京極夏彦から入りました。

        各テーマごとにブレンダー(京極氏)のメッセージもついていて
        著者の作品を読んでいる時よりも親近感がわきました♪

        ◆謎
        「重ねて二つ」 法月綸太郎
        「マジックボックス」 都筑道夫

        ◆疑
        「暗い玄海灘に」 夏樹静子
        「理外の理」 松本清張

        ◆譚
        「熱い闇」 山崎洋子
        「室蘭と二人の男」 陳舜臣

        ◆情
        「別荘の犬」 山田正紀
        「黒髪」 連城三紀彦

        初めての作家さんに出会ったり、
        普段手に取らないようなストーリーに出会ったり、
        これから読む本の選択肢を広げてくれる企画ですね!

        次は東野圭吾のスペシャルブレンドかな♪
        >> 続きを読む

        2013/03/12 by アスラン

      • コメント 3件
    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      冥談
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • 京極作品の中では珍しく?薄め。
        日本的な怖さを感じさせる作品でした。
        がっつりこわいというよりも、じんわり怖さが這い上がってくるような感覚。
        海外の、驚きとともにくる恐怖より、足下から登ってくるような日本的な恐怖の方が好みなので、冥談はとてもおもしろく読むことができました。

        日本の恐怖の中には懐かしさやある種の親しみも含まれていると、というようなことが作品の中述べられていましたが、この考え方には深く同意します。
        私はこの作品を読むときに祖母の家を想像しながら読んでいたので、そのことも相まって、 怖さを感じつつも、鼻先に古い日本の家の匂いをかぎ取りました。
        何度でも読みたい作品です。
        >> 続きを読む

        2014/10/14 by みかん

      • コメント 3件
    • 5人が本棚登録しています
      嗤う伊右衛門
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • --その時。
         ぞろり、と何かが動いた。
         岩の下に、
         大きな蛇がいた。ぞろり。--

        面白かったです。文章力があるので何を書いても読みやすくて良いですね。

        お岩さんをこう書くか~、と新鮮な感慨もあり。

        とはいえやはり最大の感銘は、作中、かな~り強引に、全く不必要な箇所で、脇役の男を暗闇で疾走させて、「川赤子」「鬼火」「姑獲鳥」「魑魅魍魎」の単語を登場させたところでしょう。妖怪愛の執念を感じられてとても嬉しかったです(笑)。
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        2017/08/19 by フッフール

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      巷説百物語
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
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      • 京極夏彦と言えば辞書の様に分厚い京極堂シリーズが有名ですが、私は巷説百物語シリーズの方が好き。(というか京極堂シリーズは苦手)

        妖怪・物の怪のたぐいの小説と思いきや実は勧善懲悪の時代劇エンターテイメント。
        妖怪による奇妙な事件の裏には外道を嵌めるための仕掛けが隠されている。それを諸国の百物語の開版を志す戯作者の山岡百介の視点で描かれます。
        小悪党一味の又市、おぎん、治平のキャラクターが個性的で主人公・百介とのやりとりで笑いを誘います。

        事件の裏側のトリック・仕掛けは秀逸でミステリ的にも面白い。
        本作に続けて「続巷説百物語」と直木賞受賞の「後巷説百物語」を読みましたが全作読み応え十分。シリーズの終わり方としても納得しつつも、もう続きが読めないことを残念に感じました。
        (前巷説百物語と西巷説百物語は続編より外伝的な扱い)
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        2012/07/31 by ybook

      • コメント 3件
    • 10人が本棚登録しています
      妖怪大談義 対談集
      3.0
      いいね!
      • これも面白かったです。

        妖怪バカなど、この世に多くないと思っていたものの、まさかまさか、妖怪学なるものまであって、何人もの教授がこれに人生賭けて研究を進めているという事実。

        宮部みゆきや宮崎駿、手塚治虫に宮沢賢治、等々、
        大御所もまた妖怪に魅入られ、妖怪を研究し、それを自分の作品に生かしている。

        毛嫌いされる妖怪ですが、皆が好きな物語にも多く反映されている、ファンタジーに大切なエッセンスです。

        この作品は対談集。
        妖怪への熱い思いを交換する。
        読むだけで熱にほだされ魅入られていく思い。

        打ち込むほど好きになれるものって素敵です。

        小松和彦氏の、科学的に妖怪に向かい合う、という研究姿勢には興味を覚えました。
        ので、彼の作品は2つほど購入済みです。
        良著は次に読みたい作品を教えてくれる、と思ってます。
        妖怪だけで読みたい本が溢れていてちょっと手一杯ですが。。。
        >> 続きを読む

        2017/08/19 by フッフール

    • 2人が本棚登録しています
      巷説百物語
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 言葉が昔でおもしろい。「白河夜船・・」なんて言葉を初めて知った(調べると、同名の書籍・映画もあるようで無知でした)。やたら人が死ぬがそれぞれの謎解きも決め台詞とともに楽しめた。死人の腐敗の様子を段階的に表した背表紙もおもしろく、見ながら読み進めた。
        >> 続きを読む

        2017/04/04 by Matching

    • 2人が本棚登録しています

【京極夏彦】(キョウゴクナツヒコ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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