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池上永一

著者情報
著者名:池上永一
いけがみえいいち
イケガミエイイチ
生年~没年:1970~

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このランキングは1日1回更新されます。
      シャングリ・ラ
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 「バベルの塔」(ブリューゲル)表紙のSFならば面白く無いはずがない!と購入。見事ジャケ買い失敗作品の殿堂入り。

        近未来の炭素経済が支配する世界で東京は森林都市へと変貌。
        超巨大都市アトラスには選ばれた人々だけが住むことが許される。

        いわば権力・選民主義とゲリラの戦いというよくあるパターンではあるが、こういう設定のSFも嫌いではない。

        ただセーラー服姿の少女がブーメランで戦車や戦闘機に戦うという幼稚な設定に大きく躓いた。

        個性が強く変態的なキャラクターが多くてエンターテイメント性は高く、好きな人は好きなんだろうけれどもSFといえど(むしろSFだからこそ)現実無視の破綻した描写は心底萎える。
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        2013/02/12 by ybook

      • コメント 5件
    • 4人が本棚登録しています
      シャングリ・ラ
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 以前から気になっていた作家・池上永一の近未来SF小説「シャングリ・ラ」を、あまりの面白さに一気に読了。

        日本政府は二酸化炭素削減のため、東京を熱帯雨林に変えた。代わって東京上空に建設されたのが、アトラスと呼ばれるハイテク積層都市だった。

        同時にそれは、アトラスに住む者と住まざる者との超格差社会の始まりでもあったのだ。

        強烈なカリスマ性を持つ少女・北条國子は、貧しい人々のためゲリラ組織を率いて、体制に叛旗を翻す。だが、彼女は知らなかった。アトラス建設の真の目的を、自身の血に流れる秘密を。

        そして、それらが明かされる時、東京と日本の歴史が動いていくのだった-------。

        高密度で詰め込まれたSF的なアイディアとブッ飛んだキャラクターたちが織り成す、イメージを過度に刺激する、この豊饒な物語世界はページを繰る手を止めさせない。

        そして、作者・池上永一の剛腕は、読む者を東京に秘められた、ある不可思議で不条理な領域へと否応なく引きずりこんでいく。

        この作品は、ある意味、異色の東京論としても読める、近未来SF小説の傑作だと思う。


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        2018/03/28 by dreamer

    • 3人が本棚登録しています
      テンペスト
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
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      • 時は19世紀、琉球。首里城に囚われていた竜が逃げ出し、嵐を呼びつつ交尾する。
        その晩に生まれた娘・真鶴は、13歳の時、宦官の孫寧温と身の上を偽って科試(琉球版科挙)を突破、高級官僚として首里城に仕えることになった。

        だがそこは、国王の姉で王族神でもある聞得大君と王妃の対立、そして官僚の腐敗がはびこる、権謀術数の世界だった。
        そして、清と薩摩藩の二重支配を受ける琉球尚氏第二王朝にも、激動の清末・幕末の時代の波が押し寄せようとしていた--------。

        池上永一の「テンペスト」(上・下巻)は、美貌の宦官・孫寧温=絶世の美女・真鶴の運命やいかに? という波瀾万丈の物語だ。

        19世紀の琉球の全てが詰まった傑作小説だと思う。
        琉球文化・信仰(アニミズム)・王宮内の権力闘争・華麗な王朝絵巻・列強の影・ペリー来航・琉球処分などなどが、最初から最後まで息をもつかせず、極めて劇的に展開される。

        物語の奔流は圧倒的であり、一部で出て来る、近代的に過ぎる言葉や砕け過ぎた台詞回しを気にする暇もなく、全編を通じて押し流され、夢中になって一気読みしてしまった。

        そして、作品全体を結合しているのは、小国であるがゆえの悲しさと逞しさ、そして寧温=真鶴の「男として生まれたかった」と「女として生きたかった」の相克なのだ。

        これがあるからこそ、本当に様々な要素とエピソードが詰め込まれているのに、我々読者は、物語に中心があるという確固たる手応えを感じることができるのだ。

        この真鶴と孫寧温だが、同時に首里城にいる時期もあるのに、何故か同一人物だと気付かない。
        寧温もしくは真鶴を尊敬していようが懸想していようが、実際に寝ていようが関係なく、本当に誰もが気付かないのだ。

        これは紛れもないご都合主義だが、同時に、寧温=真鶴の引き裂かれたジェンダーを、より一層強調している点は見逃すべきではないと思う。

        そこに、清の冊封体制に属しつつ、薩摩経由で日本の幕藩体制下にも組み入れられるという二重性、そして、日本領でありながら全く異なる歴史を持ち、以後も沖縄戦・米軍統治・日本「返還」などの特殊な歴史を歩み続けたという、現代まで連綿と続く二重性のメタファーを読み取ることも不可能ではない。

        沖縄県民はいざ知らず、少なくとも私自身は、沖縄が全く異なる歴史を持つ別の国家であったことは知りつつも、日常においては意識せずに他の地域と同じレベルで「日本」であると感じてしまうのだ。

        寧温=真鶴であることに気付かないことと、根は同じかも知れない。
        登場人物たちが、あれほど懸命に守り抜こうとした《琉球》が、琉球処分によって日本に併合される最終幕。

        我々「日本人」はそこに何を感じ、何を見るのか。そこが一番重要だったような気がしないでもない。

        >> 続きを読む

        2021/04/02 by dreamer

    • 9人が本棚登録しています

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