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安東能明

著者情報
著者名:安東能明
あんどうよしあき
アンドウヨシアキ
生年~没年:1956~

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このランキングは1日1回更新されます。
      撃てない警官
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
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      • 「BOOK」データベースより

        模範的な警官になろうと、誰よりも強く思ってきた。ノンキャリアながら管理部門で抜擢され、エリート部署へ配属された。だが、待っていたのは不祥事の責任を被る屈辱の左遷…。若き警部・柴崎令司が、飛ばされた所轄署で体験する人生初の悪戦苦闘。他人には言えない屈託を抱えた男が、組織と世間の泥にまみれて立ち上がる人気シリーズ全七編。第63回日本推理作家協会賞短編部門受賞作「随監」収録。


        これを読んではっと思ったのは、管理部門とかだと警察の人でも捜査とかに関わらないんですね。警視庁の人なんて言われたらそういう事にみんな1回位関わっていると勘違いしそうです。エリートだったのに左遷でそういう部署に飛ばされたら、周りからは使えない奴めなんて言われて悔しい思いしてしまうのでしょう。どんな業種でも現場と事務職の軋轢っていうのはありますですね。

        この主人公正義の味方でも悪党でもなく、ひたすら組織の中でもがいて自分の立ち位置を模索する様が何とも人間的で、僕的にはかなり良い作品だと思いました。
        主人公が自分を陥れた同僚上司たちに一矢報いようと、正規の方法では無く弱みを握ろうと画策しますが、現場の空気を吸う事によって、次第に考え方が変わっていく描き方も自然で違和感なく読めました。

        警察も人間の集まりだし、これ以上無い位に部署ごとの軋轢や思惑にまみれているだろうし、警察組織の内部事情と絡み合って色々なものが置き去りになって行くんだろうなとしみじみと思う本でした。


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        2015/08/14 by ありんこ

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      境界捜査
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • <警視庁生活安全特捜隊>シリーズ第2弾。

        引き続き結城公一をトップとした生活安全課の活躍を描く警察小説。
        連作短編集という体で出版されているが、それぞれのエピソードに味わいがあり、安心して物語を堪能できる逸品。

        『警視庁捜査一課・○○の事件簿』という副題がつくような、売られ方をせずによかったと思う。

        点数は4に近い3。面白く、有意義な時間を過ごせた。
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        2014/07/27 by 課長代理

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      強奪箱根駅伝
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 12月30日の夜、神奈川大学駅伝チームの女子マネージャーが誘拐され、監禁中の彼女の映像がテレビ局に届く。
        駅伝生中継のジャックをも仄めかし、次々と要求を突きつけてくる誘拐犯。
        混迷の中でスタートした箱根駅伝。
        そして、激走とシンクロするように誘拐犯・テレビ局・警察の熾烈な攻防戦が始まった。
        ハイテクを駆使し可能性の限界に挑んだ犯罪の結末は。

        安東さんの近著では、悲しいかなハズレを引くことが多くなっていたので、初期の作品に触れてみようと手に取りました。
        平成15年に新潮社から刊行されたものです。
        著者の作風の多彩さ、筆力の確かさを改めて感じられた、骨太の一冊
        でした。

        箱根駅伝本番を数日後に控えた神奈川大学駅伝部。
        出場選手枠を巡り、最後の最後まで選考に頭を悩ます監督以下、関係者。ひたすらタイムを叩きだし続け、ひたむきに練習に打ち込む選手たち。
        そして、彼らを支えるマネージャーたち。
        極度の緊張感の中、白昼堂々、その誘拐事件は発生します。
        薬局へ買い物に行った女性マネージャーが帰ってこない…。
        彼女は、神奈川大学周辺の住宅地の中で、突如あらわれた複数の男たちの手によって拉致されたのでした。

        一方、こちらも箱根駅伝放送を数日後に控えたテレビ局内。
        綿密な打ち合わせを繰り返し、当日のシュミレーション、カメラのチェックが行われる中、不可解な動きを見せる中継所が。
        現場責任者・幸田が見たものは、乗っ取られた電波に乗ってライブ放送されている映像でした。
        どこか室内を映し出している映像の中心には、倒れている若い女性の姿が。
        間もなく、画面には目出し帽をかぶった若い男が現れ、不可解な要求をつきつけてきます。
        「神奈川大学の津留康介選手に、箱根を走らせるな」

        ネット通信網を駆使し警察を嘲笑うかのように挑発・要求を続ける犯人、渦中に巻き込まれた神奈川大学駅伝部、そして翻弄されつつ着実に犯人に近づいていく神奈川県警。
        3者の息詰まる攻防は、スタートした箱根駅伝とともに、加熱していきます。


        まず、出場大学名がすべて実在校であることで、物語自体の現実感が高まっています。
        これは結構高いポイントで、関係各位に許可をもらうのは大変だったのではないでしょうか。
        作中に何度も出てくる実況中継のアナウンサーのコメントも、実在校を連呼するあたり、かなりの臨場感です。
        また、大学関係者・テレビ局員・警察官すべての登場人物に、これといった個性がないところが、かえって好感がもてました。
        それぞれの立場での行動・言動に違和感がなく、没個性でしたがリアリティは増しました。
        犯人の犯行動機もありきたり。
        これが素晴らしい。
        ともすればサスペンスは、意外性のある動機だったり、犯人像だったりに作品の出来不出来を頼りがちになってしまうものですが、それがなく、誰もが肯けるありきたりな犯人像。
        このような、誰でも書けそうなテーマを作品に仕上げることができるというのは作者の力量の賜物。
        キャッチコピーは伊達ではなく、本当に一気読みでした。
        箱根駅伝フリークは、日本全国にたくさんいらっしゃると思いますが、頭の中に残っている映像と、本作がシンクロして、とても面白く読みました。

        僕も毎年、箱根駅伝を観ています。
        「た~だ、走っているだけを観て、何がいいわけ?」と妻には言われますが、これだけは譲れません。
        新年早々の必須行事のようなものです。
        本作を読んで、走っている選手・チームだけでなく、我々視聴者に映像を届けてくれるテレビ関係者の並々ならぬ苦労も知ることができました。
        その点も、良かったです。

        ただ、タイトルがおっさんくさいんですよね。
        もう少し何とかならなかったものか。
        中身カラッポでもタイトルと装丁でバカ売れする作品もある中で、中身詰まっているのにタイトルがしょぼくてジャケ買いされないというのは、悔しいですね。
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        2015/02/11 by 課長代理

      • コメント 4件
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      潜行捜査一対一〇〇
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 大晦日に発覚した一家皆殺しという残虐な犯罪。
        その捜査本部で重要な任についた幸本は、捜査方針の対立から、本部付を解任されてしまう。
        それから5年、膨大な物証に振りまわされ、事件は迷宮入りの様相を呈してきた。所轄署の生活安全課へと異動となった幸本は、捜査本部と異なる視点で、事件を追っていた。

        実際に起きた世田谷一家惨殺事件をベースにしたフィクション。
        事件発生から初動捜査段階あたりまでは、緻密な取材を裏付けるように、非常に微細にわたって、当時をなぞるように描かれる。
        これが実に読ませる。

        また、後半、著者の推理や創作の部分になるが、荒唐無稽な結末になることなく、また、あまりに理路整然としすぎていない結末に唸らざるを得なかった。

        暗黒である。
        無残にも一夜にして惨殺された一家。
        現場に残る、異常なまでに多い犯人の遺留品の数々。
        綺麗にたたまれた犯人が着ていたと思しき衣服。
        鮮やかに残された指紋、指紋、指紋・・・。
        殺害後、冷蔵庫内を物色し、アイスクリームをいくつも食べ、お茶などを飲んでいた犯人の異様。
        インターネットの閲覧履歴から、犯行発覚時、すぐそばにまだいたかもしれない事実。
        韓国製の靴の足跡と、ぬぐえない外国人犯人説。

        余りある物証を前に、捜査本部は間違った方向へ導かれてしまったのか。
        主人公は事件に憑りつかれたように、ひとり犯人を追ううち、酒におぼれるようになる。
        しかし、冷え切っていた家庭は、事件を追うごとに妻の協力を得るなど、徐々に明るい方へ進み始める。

        絶妙なバランスで、犯人にたどり着くまでの展開をスリリングに読ませるので、ほんとうに一気読みしてしまった。
        地味なタイトルで埋もれがち。題名で損をしていると感じた。

        しかし、こんな事件が解決していないなんて。
        何が原因なんだろう。この夏休みをつかって調べてみようか、と思わせるほど、インパクトがあり、読む側に執着心を起こさせる作品だった。
        >> 続きを読む

        2014/08/12 by 課長代理

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