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池田真紀子

著者情報
著者名:池田真紀子
いけだまきこ
イケダマキコ
生年~没年:1966~

この著者の本を読んでいる会員ランキング

このランキングは1日1回更新されます。
      ボーン・コレクター
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • 【究極のArmchair-Detective】

         大変評判が良いので、初めてジェフリー・ディーヴァーの作品を読んでみました。これがリンカーン・ライム・シリーズの第一作目で良いですよね?
         このシリーズの主人公はリンカーン・ライム。元警察官で、現役時代はN.Y.市警の中央科学捜査部長。捜査中に事故に遭い、全身麻痺の寝たきり状態になっています。
         まさしく究極のArmchair-Detective(安楽椅子探偵)ですね。
         科学捜査の鬼でして、とにかく物証を収集・分析することに精力を傾けます(動機なんて興味無いと、極端なことをおっしゃる)。

         この作品の犯人はどうやら、タイトル通り、人間の骨を集めているようです(まだ上巻を読了した時点なのではっきりした状況は判明しませんが)。サイコ・パスと感じるんですけどね。
         最初は空港でタクシー待ちをしていた男女2人組を誘拐し、二人とも殺害してしまいます。
         既に引退して、自殺を考えていたリンカーン・ライムのもとに、元同僚らがやってきてこの事件についての助言(というよりは、実質的な捜査指揮)を頼み込みます。
         最初はやる気が無かったのですが、捜査報告書を見ているうちにいてもたってもいられなくなり……という展開。
         犯人は、死体のそばに次の犯行を予告するかのような証拠物をわざわざ残しているかのようです。ライムはその証拠物を分析することにより着実に犯人を追い詰めていきます。
         
         非常にテンポ良く物語が進んでいくのでどんどん読み進んでしまいます。
         リンカーン・ライムは、性格的には褒められたもんじゃないですが、捜査の手腕は超一流の様ですし、何よりも科学的捜査を徹底しますので、その辺の面白さがこのシリーズの魅力なのかなと感じます。
         まだ上巻を読んだ時点なので最終的な評価は何とも言えませんが、ここまで読んだ限りでは評判が良いのも頷けます。
         下巻に期待ですね。
        >> 続きを読む

        2019/08/22 by ef177

    • 他4人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      ロードサイド・クロス
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね! Tukiwami
      • キャサリン・ダンスのシリーズ第2弾。

        十字架が置かれた、それは犯行予告を知らせるもの。
        その先はネットに繋がれた1つのブログが関係しており、ダンス一行は捜査を始めるが、その後も犯行は続く。

        刊行が2010年ということで、SNS関連よりはブログが大きなネットの力となっていたころ。
        そこに本名で書きこむあたりから犯人の狙いがついていく。

        サプライズはやはり犯人が誰かという点。
        二転三転は当然だが、中々意外な犯人であるし、動機もネットが中心の時代ならでは。

        ラストはダンスの新たな一歩を示唆して終わる。
        >> 続きを読む

        2020/06/08 by オーウェン

    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      007白紙委任状
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 【ジェフリー・ディーヴァーが書く007はやはりどんでん返してんこ盛りだった!】
         さて、下巻に入り、大量虐殺計画『インシデント20』の謎がジェームズ・ボンドにより徐々に解明されていきます。
         上巻のレビューで、ボンド・ガールとのアヴァンチュールは出てこないと書きましたが、やっぱりこれを出さないとボンドらしくないということなのか、下巻でしっかり出てきましたよ(苦笑)。
         ただ、映画のように、何人もの女性と、とっかえひっかえというわけではありませんが。
         関係を持つのは一人だけ。
         で、一人にはふられちゃうし。

         下巻では、南アフリカでの活動が中心になりますが、現地でのボンド・カーは、なんとレンタカーなんですよ。
         しかも、これがスバルのインプレッサときたもんだ!
         まぁ、南アフリカでのボンドは表向きは商人を仮装しているので、上巻で乗り回したベントレーというわけにもいかないのでしょうけれど、インプレッサが来ましたか。
         現実的と言えば現実的ですし、ベントレーもインプレッサも、チューンアップはともかくとして、別にマシンガンが装備されている等の改造は施されているわけではなく、いたってノーマルに登場しますよ。
         でも、ボンドはインプレッサのことを「元気な車だ」と言って結構気に入っているようですけれど。

         さて、本筋の方ですが、これはジェフリー・ディーヴァーが書いているだけあって、お得意のどんでん返しをかましまくります。
         そういう訳なので、詳しい粗筋のご紹介はちょっと控えさせていただきます。
         あんまり書いちゃうとどこからがどんでん返しなのかが分かっちゃいますからね。

         また、本書では、ボンドの両親の謎も並行して描かれていきます。
         ボンドの両親はスキー事故で亡くなったとされているんですよね。
         これは、これまで語られてこなかったサイド・ストーリーというところでしょうか。

         巻末解説を読むと、どうやら本書はフレミング財団公認の作品としてディーヴァーに委ねられたようなのですが、私は結構良い出来ではないかと思ったものの、今のところディーヴァーによるさらなる続編という話は無いようです。
         フレミング財団は、公認のボンド・シリーズの作者は一作ごとに変えているようなのですね。

         ディーヴァーが描くボンドは30代とされており、例えば映画のショーン・コネリーよりは若々しく感じます。
         アクション・シーンも盛り込まれていますが、これは映画のようなド派手なものではなく、カー・チェイスや緊迫した銃撃戦程度に抑えられています。
         このまま映画化しても悪くないと思いますが、映画化するとなるともっと派手なシーンを入れろと要求されそうなので、これはこれで小説として読むのが良いのでしょうね。

         ジェフリー・ディーヴァーが007を書いているという、異色作として読んでみましたが、どうして、どうして。
         十分しっかりしたボンド物になっていたと思います。
         安心して楽しめる内容ではないでしょうか。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
        >> 続きを読む

        2020/05/03 by ef177

    • 他2人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      魔術師
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • 【推理小説とMagic】
         おなじみリンカーン・ライム・シリーズです。今回のライムの敵は、何とマジシャン。操るのはイリュージョンだけじゃなく、スライハンドマジックやいわゆるメンタリストが使うような心理トリック、変装その他もろもろのマジシャンのトリックです。
         最初の殺人事件では、密室殺人?と思わせるようなトリックを使ったりします。

         もとより、推理小説とMagicって親和性高いですよね。どちらも不思議な現象を読者や観客に見せつつ、その裏でしっかりタネを仕込んである。用語にしても、ミス・ディレクションやレッド・ヘリングなどの誤導に関する言葉とか、共通に使ったりしますものね(ちなみに、レッド。へリングとは薫製ニシンのこと。猟犬のトレーニングで、わざと匂いの強い薫製ニシンを地面に引きずって誤った臭いをつけて惑わされないようにすることが起こりで、転じてその様な誤った手がかりを見せてひっかけるという意味です)。
         適役にマジシャンをもってくるとは、さすがにジェフリー・ディーヴアは目の付けどころがシャープです。

         上巻ではライムもかなり苦戦しつつも、マジシャンの女性の助力も得て犯人に肉薄します。
         ところが! ここが今までのシリーズに無かったところなのですが、犯人は完全に追い詰められ、手錠、足かせまでかけられる状態になっているにもかかわらず、忽然として姿を消してしまうのです。
         アメリア・サックスですら、目の前から逃げられてしまいます。
         今までのシリーズは、犯人を追い詰めはするものの、ご対面となるのは最後の最後なのですが、本作では追い詰めても易々と逃げられてしまうことの繰り返し。
         う~ん、これは強敵だ!

         犯人は相当に追い詰められているにもかかわらず、次の殺人(マジック・ショーに見立てた殺人を繰り返します)を諦めようとはしません。
         果たしてライムはこんなやっかいな犯人を仕留めることができるのか?
         下巻を読了したらまたレビューしますね。
        >> 続きを読む

        2020/01/16 by ef177

    • 他2人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      幼年期の終わり
      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね!
      • ※(感想文です)

         四年ほど前に読みました。不思議な世界観と異常な加速感がひたすら面白かった。 >> 続きを読む

        2018/09/16 by moba

    • 他2人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      スリーピング・ドール
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! Tukiwami
      • 「ウォッチメイカー」で初登場したキャサリン・ダンスの単独シリーズ第1弾。

        相手の表情を見るだけでその真意を読み解く人間嘘発見器の異名。
        それを使い殺人犯と対峙するのだが、その直後に刑務所を脱走。
        ダンスは自身の能力と、チームの助けを借り捕獲に向かう。

        リンカーンライムと違うのは、やはり行動する点。
        その場所で推理も行うし、出会う人々はすべて質問するだけで同時に尋問ともなる。

        ディーヴァーなので当然逃亡犯以外にも、協力者や黒幕がしっかりと存在する。
        黒幕の正体はかなり分かりやすいが、最後に直接尋問をして追い詰めるというのはダンスならではな幕引きである。
        >> 続きを読む

        2020/06/07 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      シャドウ・ストーカー
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • キャサリン・ダンスのシリーズ第3弾は、休暇の折に親友で歌手のケイリー・タウンがストーカーに悩まされていることを知る。
        次第にそれが恐怖へと変わっていき、遂には殺人が起こる。

        ダンスの尋問が読みにくい相手のため、本当に殺人を犯したのかが判別しない。
        そこで関係者や議員などにも疑惑の目が。

        今作はリンカーンやアメリアが手助けするサービスシーンもあるが、やはり事件が解決してのサプライズが待ち受けている。
        でも残りページで判断できるので、サプライズが驚きに繋がらなくなってきているのはある意味残念。
        >> 続きを読む

        2020/06/12 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      ボーン・コレクター
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 衝撃のラストはまさに超ド級クラスだ。いやいや、そうくるか!って感じです。結末や犯人は言えませんが、リンカーンとアメリアの恋の行方も気になります。一つ難を言うと場面がいつの間に変わって読みずらい所が有りそれが残念です。でも面白い事には間違えありません。 >> 続きを読む

        2019/08/23 by rock-man

      • コメント 2件
    • 他1人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      コフィン・ダンサー
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 【残された時間はどちらのため?】
         リンカーン・ライム・シリーズの第二段です。タイトルのコフィン・ダンサーとは、今回のリンカーン・ライムの宿敵となるスナイパーのニックネーム。棺桶を前にして女性と踊る死に神の入れ墨をしていることからそう呼ばれます。
         素性は一切不明。プロの殺し屋であり、腕は超一流。過去に警察官が爆殺されたこともあり、警察は仇敵として検挙に全力を尽くします。いえ、検挙なんて生ぬるいし危険すぎる。発見したら即座に射殺するようにとの命令が出ます。

         コフィン・ダンサーの今回の標的は、とある重要な容疑者に関し、裁判での証人になることが予定されている3名の男女です。どうやらその容疑者に雇われているらしいのです。
         そして、あっさりと証人の一人が飛行機ごと爆殺されてしまいます。
         ここでリンカーン・ライムに援助要請が出るのですが……。
         証人が証言する予定はあと2日後。それまでの間、残り2名の証人を守りきらなければなりません。

         通常、タイムリミットが設定されるのは、警察側であることが多いですよね(監禁されている人質を救出されるために残された時間等々)。ところが本作ではそれが逆転していて、殺し屋側のタイムリミットなのです。
         各章には「残り○○時間」とタイトルが振られており、いやがおうにもタイムリミットを意識させられます。

         殺し屋は、読者の前には早々に姿を現し、様々な手を使って証人を殺害しようと企てます。
         リンカーン・ライムは、例によって徹底した鑑識捜査とプロファイリングにより、殺し屋を割り出そうとし、あるいはその手口を先読みしようとします。
         両者の攻防が非常に緊張感を醸し出す作品となっており、ライムの側も何度も出し抜かれますが、殺し屋の方もあやうくライムの仕掛けた罠に陥りそうになり恐怖を感じます。
         まさに知恵比べと言った様相を呈してきます。

         ここまでが上巻ですが、下巻への期待が増します。
        >> 続きを読む

        2019/10/25 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      コフィン・ダンサー
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 【これはやられた!】
         一気に下巻まで読了してしまいました。
         上巻のレビューで書いたとおり、残り2名の証人を殺害しようと迫るプロの殺し屋コフィン・ダンサー。それを阻止すべく、着実に殺し屋に迫り、はたまた罠をしかけるリンカーン・ライムの対決です。

         で、ラストの大どんでん返しにはやられました。
         「うっそ~!」が2回。これは参りました。
         よく練られている筋で、ある意味で完全に作者のミスリードにひっかかってしまいました。
         なるほど、だからこういう風に展開させたし、こういう仕掛けをしていたんだ、と読了して腑に落ちました。

         なかなかに凝ったプロットで、秀逸な作品だと思います。
         若干無理があるかなぁと思うところも無いではないので☆4.5にとどめましたが、このアイディアは素晴らしかった!
         
         リンカーン・ライム・シリーズのその後の作品も既に翻訳されていますので、引き続き読みたいと思います(そういう気持ちにさせてくれる作品でした)。
        >> 続きを読む

        2019/10/26 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      ウォッチメイカー
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • 【偶然に救われてる?】
         四肢がほとんど麻痺した、究極のアームチェア・デティクティブ、リンカーン・ライムシリーズの第7作目です。
         今回のシリアル・キラーは、ウォッチ・メイカー!
         殺害の仕方が残虐です。桟橋から両手で捕まるように身体を海に落としておいて、手首を切ります。当然そんな姿勢では長く持ち堪えることはできず、助けられなければいつかは海に落ちてしまうでしょう。その側には迫っている死の刻限をわざわざ知らせるように置き時計が置かれています。
         同様にして2名が殺害されるのですが、捜査の結果、同種の時計はウォッチ・メイカーによって10個も買われていたことが判明します。あと8人殺すつもりなの?
         しかも、ウォッチ・メイカーはかなり慎重で、現場にほとんど痕跡を残しません。そのため、ライムの切り札とも言える微物鑑定がなかなか使えずにいるのです。

         ここで登場したのがキネシクスの専門家。キネシクスとは被尋問者の身体の反応や表情などから虚偽を見分け、そのパーソナリティに合った尋問方法を取ることによって供述を引き出す技術とされています(そんな便利なものがあるのかいな)。
         普段は供述に余り重きを置かないライムも、今度ばかりはその有用性を認めざるを得なくなり、何度と無くその専門家の助力を乞います。

         そうやって徐々に捜査の環を縮めていくのですが、ウォッチ・メイカーは第3,第4の犯行に着手します。しかしこの二つはかろうじてセーフ。でも、いつものようにライムの捜査によって犯行を阻止したというよりは、どちらかというと偶然的要素によって失敗したように思えます。
         とは言え、まだ6つの時計が残っていますし、そもそも、被害者のつながりが皆目分からず、ウォッチ・メイカーの動機が判明しません。一体何のために殺人を繰り返しているのか?次に狙われるのは誰なのか?
         しかも、悪いことに、今回、ウォッチ・メイカーは共犯者を用いています。これが卑劣な強姦魔ときています。
         どうやら、女性被害者を襲う場合、その被害者を好きにして良いという条件で共犯になっているようです(とんでもない奴だ!)。

         はたまた、ネタバレになるので詳しくは書きませんが、とある事情から、ライムのパートナーであるアメリア・サックスは警察官を退職することをほぼ決意するに至ります。退職してもライムとの関係は変わらないとは言うものの……

         相変わらず上手い筆裁きでぐいぐい読ませるのはいつもどおり。下巻が楽しみです。
         きっとまた、とんでもない何重ものどんでん返しが用意されていることでしょう。
        >> 続きを読む

        2020/02/22 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      ウォッチメイカー
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • 【また騙された】
         毎度の事ながら、ジェフリー・ディーヴアのどんでん返しには参ります。今回もあららこんな結末?と思わせておいて……(とはいえ、まだ残りページがこれだけあるのだから、これじゃあ終わらないのだろうなぁとは想像できるのですが)。
         凝りに凝った展開になっています。
         とは言え、ちょっと凝り過ぎ?と思わないでもないですが(そこまでのことをやらなくても、ウォッチメイカー本来の目的を達することはできるのではないかと考えたり。だって、やればやるほど自分を晒すことになるのですから)。
         ウォッチメイカーとの闘いは、今回は引き分けかなぁ。
         だって……ネタバレになりますが、書いちゃいますよ。嫌な方はここで読むのを中断してください。



         ウォッチメイカーを逮捕することはできなかったのですから。
         そして、こういう終わり方をしたところをみると、またこの後の作品でウォッチメイカーとの再戦があるのかもしれないと思ってしまいます。
         そうそう、本作では、リンカーン・ライム・シリーズの第一作目である、「ボーン・コレクター」に関係する部分も出てきます。
         このシリーズのレビューで何度も書いていますが、まだ未読の方は、是非第1作から順を追って読むことを強くお勧めします(各話完結ですので、独立でも十分楽しめるのですが、堪能するためには順番に読む方が絶対に良いです)。

         また、前作で瀕死の重傷を負ったルーキーである(ニックネームも未だ「ルーキー」のままですが)、ロナルド・プラスキーが結構良い活躍を見せたりもします。これは鍛えればアメリア・サックスの良い後継者に育つかも知れないですね。
         え? こんなことを書くところを見るとやっぱりアメリアは退職してしまうのか?ですか?
         それは読んでのお楽しみ。
         さらに、本作で大活躍したキネシクス(詳しくは上巻のレビューをご覧ください)の専門家であるキャサリン・ダンスですが、何と!彼女を主人公とした作品も書かれているのですね!
         これもチームのメンバーのキャラが立っているからこそでしょう。

         とにかくこれほど安心して読めるシリーズは滅多にないと思います。
         どれを読んでも面白いことは間違いないし、語り口も大変上手い。絶対にハズれ無しという保障付きの作品群です。
        >> 続きを読む

        2020/02/23 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      ポーカー・レッスン
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 【長編作家と短編作家】
         『リンカーン・ライム』シリーズで大人気のジェフリー・ディーヴァーの短編集です。
         どれも大変面白い作品で、水準を十分超えていると思いました。
         ええ、特に文句をつけるようなところもなく、手放しで上手な作品だなと感じました。

         ですが!
         ですが、敢えてここで書かせていただきたいと思います。
         作者によっては、やはり、『長編作家』と『短編作家』という評価は厳然としてあり、長編と短編、どちらが得手不得手か、どちらがより魅力的かということはあるのだろうと思うのです。

         大変乱暴なくくり方をしますが、efが思う短編、長編のそれぞれの魅力、セールス・ポイントというのは以下のような点にあるのではないかと思っています。
         短編は、「ショート」、「シャープ」、「ショック」の3Sがやはり大切です。
         いかにキレの良い文章で、極限までそぎ落としてソリッドに書くか。
         オチの価値を最大限に高めるように構成するか。
         そのオチも、「あっ!」と言わざるを得ないようなものを用意できるか。

         そんな短編が素晴らしい作家さんで思い浮かぶのは、ポオ、コナン・ドイル、江戸川乱歩なんかでしょうか。
         もちろん、それぞれ長編も書いていますが、この3人あたりは明らかに短編の方が巧いです。
         ポオの長編も捨てがたいところはあるのですが、やはり名作短編のあの切れ味の良さに比べると、どうしても短編を選んでしまいたくなります。
         ドイルも、ホームズ物の中にも長編がありますが、どう比べても短編の方が上手い!
         乱歩に至っては、長編はどうやら全体の構想が定まらない内に書き始めたようで、途中で「あわわ……」となってしまっている作品も多々ありで。

         他方、長編の魅力と言えば、丹念に描き込まれた人物描写、重厚な、考え抜かれた構成、ロング・スパンの時の流れなどなど。
         すっごい超長編で言えば、プルーストの『失われた時を求めて』なんてありますよね。
         ありゃ、長過ぎ! もう読んでいて苦役でしかない(というのは言い過ぎ)。
         実際、いつ終わるのだ?と思いながら読み通した思い出がありますが、不思議なもので、読み終わってから時間が経つに連れて自分の中に残った物語が『発酵』、『熟成』していくのですね。
         もう一度読むぞ!と覚悟を固めるのは大変ですが、でも、是非、いつかもう一度絶対に読む!と決意した長い、長い作品でした。

         そんなことを一くさり書いた後で、敢えて言います。
         ジェフリー・ディーヴァーは、長編作家である!と。
         いえ、短編も十分面白いのですよ。
         当初提示された構図がラストでガラリと変わるようなサプライズを見せてくれますし、その手腕は長編における多重どんでん返しと同様です。
         このように短編も十分面白いのですが、でも、その魅力は長編においてこそより発揮されると再認識した作品でした。

         おっと、前振りが長くなりました。
         いつものように収録作品の中からいくつかご紹介しましょう。

        ○ ウェストファーレンの指輪
         骨董業を営みながら、万全の準備、情報収集をした上で完璧な計画の下に盗みをはたらいている男がいました。
         彼は、一度たりとも疑いをかけられたことはありません。
         彼が手がけた盗みはことごとく迷宮入りしています。
         今回狙ったのは、メイヒュー卿の家でした。
         敢えてさりげなく安物の装飾類の中に紛れ込ませていた至宝のお宝の指輪。
         彼の肥えた鑑識眼からすれば、そんな偽装は無駄なこと。
         首尾良く入手したのです。
         ところが! 今回は何故かスコットランド・ヤードの動きが妙に的確で素早いのです。
         思いもよらなかったポイントから、主人公に捜査の焦点が絞られてしまったことを知ります。
         あれほど警戒を怠っていなかったのに、遂に盗品を保管していた骨董品店に踏み込まれてしまいます。
         そこに現れたのは、何と! シャーロック・ホームズご一行様でした。
         はい、この作品、ホームズ物のオマージュで書いてくれているんですね~。
         もちろん、ホームズは間違っているぞ~みたいなところもちくちくと書いてくれていて。
         さて、稀代の大泥棒とホームズの対決やいかに?
         ジェフリー・ディーヴァー流に書いてくれますよ。

        ○ まとめて『章と節』、『監視』、『生まれついての悪人』、『動機』
         警察物です。
         証人保護というのはアメリカでは当たり前のことなんでしょうか?
         起訴された被告人がかなり自由にできるという点が一つの問題のように思えますが、自分の刑事裁判にとって致命的な証言をするであろう証人を殺害することが普通にまかりとおっている社会ということでしょうね。
         だから、捜査機関はその証人を保護するというミッションを通常業務の中に持っているわけですね(あー、嫌だ、嫌だ)。
         その辺りの警察活動の裏をかくような作品群です。
         『生まれついての悪人』はちょっと違いますね。でも、警察物で、視点のダイナミックな展開、語り手によって物語はいかに簡単に捏造されるかというテーマとも読めます。

        ○ 一事不再理
         ある弁護士の末路を描きます。
         弁護士の職業倫理はどこにあるのでしょうね?
         刑事弁護で言えば、自分の依頼者(被疑者、被告人)が真犯人だと分かっていても無罪を獲得する活動をするのが弁護士だという意見もあります。
         実際、そういうことをしている弁護士はいるよというお話。
         私には、それは到底受け入れられない考え方なのです。
         だって、真犯人を無罪にすることのどこに意味、価値があるのでしょう?(アナーキーな考え方を持ち出されるとしたら、それは問題外)。
         でも、そういう考え方をする人は、日本にも、実はいます。
         その辺りの「それで良いの?」という点を痛烈に突いた作品です。

         冒頭、短編、長編に関して長々と書いてしまいました。
         この本への興味がそれで薄れてしまったとしたらごめんなさいです。
         この本は、それ自体として評価してとてもよく書かれていますよ。
         おっと、紹介し損ないましたが、本書には、リンカーン・ライムが登場する中編も一つ収められています。
         『ロカールの原理』という作品で、アメリア・サックス刑事やセリットー刑事部長などのお馴染みの面々も揃ってくれるというファンには嬉しい作品。
         でも、そこは中編なんですよね。
         レギュラーのライム・シリーズに比してしまうとやはりもうちょっと、おかわり!と言いたくなってしまうところがどうしても残ってしまいました。

         やっぱり、ジェフリー・ディーヴァーは長編の魅力がとてもすごいなぁと再認識した読書でした。
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        2019/11/07 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      血霧
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 検死官シリーズは初期の方が面白かった。でも長く読んでいるので、主要人物の、ケイ、ルーシー、マリーノ、ベントン等に愛着がわいてしまい、その後が知りたくて、半ば惰性で読んでいる。皆そうそうたる経歴・経験があるのに、長所だけでなく欠点もあり、時には破滅しそうになりながらも、それぞれに必死に頑張っている所が人間ドラマとして面白い。
        テクノロジーの進歩には、正直ついて行くのが精一杯だし、残酷な被害者の詳細も、読んでいて気持ちが明るくなるものではない。人間の残虐さにも憂鬱になる。けれども、難事件を真摯に解明しようとする努力や誠実さが救い。登場人物の関係性を考えると、初めて読むなら、面倒でも初期の作品から読んだ方が面白いと思う。この作品にかかわらず、登場人物の大事な人達が、え~っと驚く位亡くなっていくのは残念ではあるが、一人一人が丁寧に書かれており、不謹慎だが、そこが面白いというか、何だかんだ言っても読み始めたら夢中になってしまう。この作品に限らず、前作からの関係人物も出てくるので、途中を飛ばしてしまうより、順番通りに読む方が分かりやすいと思う。
        ミステリーは途中でこいつが犯人じゃない?と予想できるものもあるが、この作品に関しては、お前かよって意外性があって面白かった。
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        2017/03/19 by チルカル

    • 3人が本棚登録しています
      死層
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • あらゆるテクノロジーの進歩により、事件解決が容易になっていく事は喜ばしい事かもしれないが、同時にネットや、こういう小説によって、知らなくても良かった犯罪の手口が広まっていく事にもなるのかもしれない。このシリーズも長いが、昔は1冊で収まっていた事が、主要登場人物の非常に細かい描写やプライベートが延々書かれている事で2冊になっているのかもしれないとも思う。長い付き合いで主要登場人物に愛着もあるのだが、その部分があまりに長すぎて、結末が本当にラストの方だけ、しかも主人公や登場人物に危険が降りかかっての結末に、ハラハラし過ぎる。
        主人公ケイの料理の描写が、単に美味しそうというだけではなく、残酷すぎる毎日の中で自分を保つ為の、丁寧な暮らしを少しでも心掛けようという所が救い。読んで幸せな気持ちになる本ではないが、なぜだか読まずにいられない。本当に残酷で利口で愚かな人物ばかりごろごろいない事を願うばかり。
        現実では何かと理不尽な事やしんどい事もあり、せめて趣味の読書位はほんわかと幸せな気持ちになる物を読みたい気持ちはあるのだが、世界中でこれだけ売れている本だけに、読み始めたら読まずにいられない、ある種の面白さはあると思う。
        初めてこのシリーズを読むなら、初期のものがお薦め。
        >> 続きを読む

        2017/03/25 by チルカル

    • 3人が本棚登録しています
      トム・ゴードンに恋した少女
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! youmisa
      • 「トム・ゴードンに恋した少女」スティーブンキングのホラー。広大な自然保護区で行方不明になった少女。
        http://youyou-bookmovie.blog.so-net.ne.jp/2015-03-20
        >> 続きを読む

        2015/05/03 by youmisa

    • 2人が本棚登録しています
      出生地
      カテゴリー:小説、物語
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      • 私は娘たちを、慈しみ、愛し抜きたい。リサ、これでは、あんまりだ。

        2013/02/27 by 紫指導官

      • コメント 3件
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      ボ-ン・コレクタ-
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 骨の折れる音に耳を澄ますボーン・コレクター。
        すぐには殺さない。
        数々のメッセージを残しながら、数時間おきに被害者を監禁する稀代の連続殺人鬼。
        受けてたつは元刑事ライム、四肢麻痺―首から下は左手の薬指一本しか動かない。
        だが、彼の研ぎ澄まされた洞察力がハヤブサのごとく、ニューヨークの街へはばたき、ボーン・コレクターを追いつめる。
        首から下が麻痺した元刑事と、彼の目・鼻・手足となる女巡査が、犯人を追う。
        「リンカーン・ライム」シリーズ第一弾。

        ニューヨーク・マンハッタンに行ったことがなくても、今はインターネットの時代。
        グーグル・マップのストリート・ビューで臨場感を体感できます。
        想像することが困難だった(というか、煩わしかった)為にながらく翻訳ものから遠ざかっていました。
        ただ、大好きな映画の原作本なら、その配役そのままに楽しく読めるのではないかと思い立ちました。
        それから、ディーヴァーの「ライム」ものを読んでいないなんて人生半分くらい損してる、といった紹介文の数々に心が揺れて。
        デンゼル・ワシントンと若きアンジーを念頭に読み進めましたが、殊の外スラスラと読み進めることができたことに自分でも驚きです。
        もちろん原作者のストーリイテラーとしての力量と、訳者の表現力の賜物なのでしょうが、見事に“物語に浸る”ことができました。
        本作を読んでいる間は、僕はマンハッタンのダウンタウンにいました。
        湿った地下室、喧噪が喧しい交差点、ハドソン川のうら寂しい夕景。

        怖ろしい殺人鬼ボーン・コレクターが仕掛ける数日間の挑戦。
        情け容赦ない殺人の手口に、思わず怒りを覚えてしまう“万年巡査の娘”アメリア・サックス。
        運悪く彼女は本日付でNY市警広報課への転属が決まっていました。
        最後のパトロールで発見した無残な遺体。
        上司の許可なく現場保全の観点から、独断で列車、交通を遮断をします。
        彼女を待っていたのは上司からの叱責と、咄嗟の判断力を高く評価した元・名鑑識課員リンカーン・ライムからのご指名でした。

        映画よりも、やはり原典にあたるべきだと痛感しました。
        デンゼルとアンジーの映像は、あれはあれで一本の映画としては優れたものであったと思いますが、やはり時間の制約の中で、しかも誰しもに受け入れやすい内容にするために、わかりやすく、そしてよりドラマチックに(ちょっと幼稚に)作り変えられています。
        結論から言わせてもらえれば、あの映画は純粋な『ボーン・コレクター』ではありません。

        純粋なライム・シリーズ第1作には、自殺願望を捨てきれず安楽死を勧める団体に接触しようとしているライムがいます。
        恋人を亡くし、人生に絶望し、諦めようとしていたアメリアがいます。
        殺人鬼のしつらえたイエローキャブに押し込められた、被害者たちの恐怖が詳細に描かれます。
        殺人現場を覆い尽くす音、臭い、犯人の痕跡、想像力の先にみつける発見、古きニューヨークに固執する犯人の狂気があります。
        すべてが映像を凌駕している、見事なエンタテインメント作品です。
        読んで、時間を返して、とは思わない、とても面白い作品でした。

        ちなみに、リンカーン・ライムは白人の設定です。
        デンゼル・ワシントンの、あのくるくる巻きの堅い頭髪をイメージしていると、柔らかな黒髪が伸び放題になっている実際のライムに面喰うことになります。

        小学生のとき、クリスティの『ABC殺人事件』の少年少女向けのを読んだのが翻訳ものの最後でした。
        何より、読み通せたことに少々驚いています。
        >> 続きを読む

        2015/12/10 by 課長代理

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      ウォッチメイカー
      カテゴリー:小説、物語
      2.0
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      • 映画にもなった「ボーンコレクター」のシリーズ。
        「ボーンコレクター」は原書でも読んだし、当時はこの作家の小説が世に出るとむさぼるようにして読んだものだ。

        読者を裏切ってくれる“どんでん返しプロット”がこの作家の身上であり、そこが映画化もされ、これほど次々と作品が世界中にベストセラーで通る最大の理由であろう。

        10年以上前はそのようにしてむさぼるように読んでいたが、子育てや毎日暮らしが忙しくなり、私自身は読書と長らく距離を置いてしまうことになった。

        今回図書館の貸し出しカードも新調し、また昔のように読書を楽しむ時間もできたことで、さあ、なにを読もうかしらん、と思ったとき思い出したのがこの作家「ジェフリー・ディーヴァー」という名前だった。

        検索してみると初期のころから変わらず今もこのシリーズはたて続けに刊行されていることを知った。

        そしてどれも相変わらず評価が高い。
        恐るべき、というべきか、相変わらずすばらしい、ジェフリー・ディーヴァーさん。

        とくに注目したのが、この「ウォッチメイカー」はこのシリーズのターニングポイントになるべきシリーズのなかでは重要な位置を締めることになる作品である、という講評だった。

        目立った諸表もすべて「おもしろい」「読み始めたら止まらない」など大絶賛である。

        そこで読んでみることにした。

        主要な人物2人以外はほとんど忘れてしまっているが、をを、読み始めるとたしかにおもしろい。

        文体も読みやすく、起こる事件も多少猟奇的だったりして、この手のプロットが嫌いじゃない人ならぜったい虜になるであろうストーリー展開だ。

        ただ、途中から、なんだろう、私にはその面白さがスピードダウンして感じられた。
        大絶賛されている講評も「本当にそんなにすごい?」と疑問視したくなるような感じ。

        これは例えていうなら、某テレビ局の日曜9時のドラマ帯「邪魔をしないでいただきたい! 私は5億を回収する!」にはじまるドラマが毎週新たな陰謀や相手を陥れようとするプロットの連続で、はじめはそれが面白かったけれど最近ではまったくの食傷気味でになってしまったのに近しい感じがする。

        たしかにこの作家の売りは「どんでん返しプロット」であり、それゆけそのスタイルは“ジェットコースター”と称されたりもする。

        でも、あまりの「どんでん返しに次ぐどんでん返しのどんでん返し」の連続で、うーん、ちょっとくどいかな。

        この本の評判は前述したように大絶賛なので、こんな印象を持つ私の感覚がおかしいのかな、と思ってネットで感想をググってみたところ、いや、同じような方たちがいらっしゃいました。

        「なんか、装飾過剰?」
        「こねくり回しすぎ」
        「ちょっと辟易」
        「さすがに疲れました。しばらくドンデン返し系は避けることにしよう」など。

        よかった~、私だけじゃなかったんだ~、とほっとした。

        全体のストーリーは最終的には本筋と無関係な話はまったくない。
        これ、なんの話?と思う話も、細かい描写まで微に入り細に入り計算しつくされているということが真相がわかると納得できる仕掛けになっている。

        でも、うーん、もうちょっとコンパクトにできないものか。
        冗長な感は否めない、との感想を私は最後まで払拭できなかった。

        ただ、ミステリ好きな人には間違いなく一度は読んでいただきたいと思える小説ではある。

        今回初登場した「尋問のスペシャリスト キャサリン・ダンス」の活躍シーンはなかなか読みごたえがあった。
        次はこのキャサリン・ダンスが主役話になっている小説を読んでみたいと思う。



        >> 続きを読む

        2020/02/03 by まみー

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      バーニング・ワイヤー
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • ニューヨーク市で、送電システムの異常によって発生した爆発的な放電が、路線バスを襲い、死人が出る騒ぎが起きた。

        やがて、ニューヨーク市への送電を50%に削減せよ、さもなくば新たな死人が出る-----という内容の脅迫状が、電力会社のCEO宛てに届く。

        メキシコ連邦警察と連携して宿敵"ウォッチメイカー"による暗殺を阻止しようとしていた四肢麻痺の名探偵リンカーン・ライムは、この電力テロ事件も同時並行して捜査することになった。

        お馴染み"リンカーン・ライム"シリーズ、9作目の長篇小説だ。
        毎回、天才的な犯罪者と名探偵の頭脳戦を描いてきたこのシリーズですが、今回は電気という目に見えない凶器を駆使する犯人が登場し、ライムとその仲間たちは、いつもと勝手が違う捜査を強いられることになる。

        またこの作品では、ライムがニューヨークの電力テロ犯とメキシコの"ウォッチメイカー"という二種類の敵を同時に相手にしなければならないという、スケールの大きな趣向も用意されている。
        将棋やチェスで言うところの"多面指し"なんですね。

        犯行の手段こそ特殊なものの、今回の電力テロ犯には、さほど意外な背景が隠れているようには見えない。
        だとすれば、著者ジェフリー・ディーヴァーの作品に不可欠のドンデン返しは、どこに仕掛けられているのか?

        不可視の電気の襲撃に怯える捜査陣さながら、読みながら私も、著者の見えざる意図を警戒しながらも、あっと驚く今回の大逆転で騙されてしまいましたね。

        とにかく、著者の筆力の凄さには毎回、感心してしまうのですが、今回もニューヨークの大停電に関するパニック描写、新世代のエネルギーに関する考察など、図らずも現実のトピックを予見していたかのような作品になっているんですね。

        >> 続きを読む

        2018/07/27 by dreamer

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【池田真紀子】(イケダマキコ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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