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とても面白かった。追放されてひとり渡りとなった山の者多十が、幼子と少女を助けて忍者集団と死闘を繰り広げる戦国忍者活劇。病の身に武田家の侍女から塩と味噌を施されたことを恩義に感じた多十は、武田家滅亡に際し唯一の嫡流で五歳の若千代を預かる。その多十を、武田の御遺金の在り処を探る真田忍群「猿」と伊賀忍群服部半蔵が追う。嶽神とは、山の者の中から時として現れる知力と技に長けた者をいう。知力を駆使して鉈と山刀と竹槍で戦う多十は真田の猿をはるかにしのいだが、伊賀の四天王という恐るべき相手との戦いが待っている。残酷で血なまぐさい場面も多いが、孤独だった多十が若千代や少女蓮と絆を深めていくのがいい。ただでさえ面白い忍者活劇に宝探しの謎も加わって、下巻の展開が楽しみ。 >> 続きを読む
2018/01/24 by Kira
下巻。上巻に引き続き、幼い勝三(若千代)と少女蓮と逃避行を続ける多十に、服部半蔵が放った異能の殺人集団伊賀の四天王と朽木一族が襲いかかる。知力と胆力で戦う多十たちの絆は深まる。やがて、一行は武田の御遺金の在り処へと導かれる。この作品の最大の魅力は、なんといっても多十である。かつて属していた集落の者たちに裏切られた復讐を遂げるという激しさを内に秘めながら、弱い者を守り抜き、敵にも情けをかける。勝三と蓮の優れた能力を引き出しながら成長させていく。多くの血で山を汚した罰として、最後は一人で厳しい孤独に耐えるという生き様に魅了された。時代伝奇ものだがサバイバルストーリーでもある本作を読みながら、幸せな読書時間を過ごした。 >> 続きを読む
2018/02/02 by Kira
山登りが好きな父が山の本だよってくれたので、勝手に、のどかな物語を想像してたら、ガチで山に住んでる人のお話でした。何十キロも一日で走り通す足を持ってて、クマも倒せて、強い。カッコいい。里に下りて戦に加わり戦闘したり、盗賊と化した別の山のものを倒したり、アクション色が強い。それでいて、家族や仲間のほんわかしたやり取りもあり、それから自然にまみれてて、読んでて気持ちよかった。特に心に残ったのが、この上巻の終わりに出てくる、病を患って山を死ぬまで歩き続ける人を、主人公の無坂が世話する場面。村を追われて、自分なんか取るに足らないって言う病の人に、無坂が言う言葉がとても優しかったし、生を大事にしてるなと感じた。 >> 続きを読む
2013/12/11 by bob
山に住む人たちのお話の下巻。山の者の掟を破った者との格闘や、人を襲う猿の群れとの戦いは、ドキドキしてしまった。家族や仲間との繋がりがとても深くて、時折あるやりとりにあったかい気持ちになる。読んでるうちに、山に住んでいない普通に?生活してる人が残念に思えてくる。また、戦国時代の戦の辛辣さは、山で生きる厳しさとは違う、無駄を感じるものがあった。この人の山の者系の小説を読もうと思った >> 続きを読む
「高積見廻り同心御用控」シリーズ第一弾。南町奉行所高積見廻り同心の滝村与兵衛は、定廻りに加勢した大捕物で手柄を立て、新たな探索に加わるよう命じられる。「百まなこ」と呼ばれる面をつけた義賊が極悪人を殺害する事件が相次いでいたが、その正体が全くわからない。与兵衛は江戸一の悪党といわれる男に近づき、百まなこをあぶり出そうと試みる。個人的に今一番気に入っている作家さんの捕物シリーズで期待して読んだが、主人公がとても真面目で、もう少し型破りなところがあってもいいのではないかと思ってしまった。脇役にもこれといって個性の強い者もいない。「戻り舟同心」シリーズや「北町奉行所」シリーズを読んだ後では、なんとなく物足りない。ストーリーは面白いので、第二弾に期待しよう。 >> 続きを読む
2020/07/24 by Kira
シリーズ第二弾。百まなこ事件で活躍はしたが定廻り同心への昇進を辞退した与兵衛だが、またしても定廻りの助太刀を命じられる。犬目という伝説の殺し人の手口に似た殺しが続いているが、誰もその正体を見たことがない。手がかりのほとんどないところから、与兵衛は犬目捕縛の探索を始める。犬目の正体に迫るあたりはミステリとして面白いのだが、与兵衛が真面目すぎて、ちょっと面白みに欠ける。真面目が悪いとは言わないが、個性の強すぎるメンバーが揃った「戻り舟同心」シリーズに比べると、いまひとつという感じがする。続きは、もういいかな。 >> 続きを読む
2020/08/27 by Kira
図書館本。山の者を描いたシリーズの一つ。渡りをする山の者は、六十歳になると新たな渡りには行けずに置き去りにされる。山の者四三衆(しそうしゅう)の月草は、五十七歳で仲間から離れる決心をする。二十年前に去った隠れ里に戻り、そこにある山桜の木の根元に亡き妻の遺骨を埋め、墓を守りながら自身もそこで果てるつもりでいる。四月のある朝、月草は旅立つ。それは、孤独な「逆渡り(さかわたり)」という旅だった。里の者とはできるだけ関わらないつもりの月草だが、行く先々で厄介事に巻き込まれる。山犬の群れに襲われたり、左膝を骨折したりという災難にも遭う。死と隣合わせの旅を続けながら、生とは何か、命の重みとは、と考える月草の物語は読みごたえがあった。月草は嶽神伝の他のシリーズにも出ているらしい。読む楽しみがまた増えた。 >> 続きを読む
2020/01/11 by Kira
父の仇を探して旅する剣豪と徳川三代将軍を取り巻く陰謀。剣豪小説としての迫力に欠ける。将軍家指南役としての柳生一族の名声を影で支える暗殺集団。ちょうどアニメ作品「修羅の刻」を観ていたことも有り、背景についての理解も深く、感情移入し易いアドバンテージが有ったにも関わらず、肝心の殺陣の迫力に欠けるため入り込めなかった。父の仇を追う主人公という設定は分かりやすいのだが、無理に将軍家を登場させたのが焦点がぼやけた原因かもしれない。スッキリ感の無い剣豪小説はつまらない。 >> 続きを読む
2012/11/04 by ice
【長谷川卓】(ハセガワタク) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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