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伊藤たかみ

著者情報
著者名:伊藤たかみ
いとうたかみ
イトウタカミ
生年~没年:1971~

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このランキングは1日1回更新されます。
      誰かと暮らすということ
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 短編集かと思いきや、ん?連作?お?最初の主人公たちがまた登場?

        孤独とどこか切なさが漂いながらも、ほっこりさせるような、静かな物語たち。

        「一人で住むには広すぎるけど、二人じゃ狭すぎる、男と女はそれぐらいが丁度ええもんや。男と女は狭いところに放り込まれたら大体なるようになるもんや。合うも合わんもない」

        「他人の孤独と暮らせば自分の孤独がより浮かんでくる。けれどそうして互いの孤独同士を想像しているうちに、奇跡のようにわかり会える瞬間が起こったりする」
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        2016/09/28 by もんちゃん

    • 1人が本棚登録しています
      指輪をはめたい
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 輝彦はスケートリンクで転んで頭を打ち気絶状態に。
        目を覚ますとその前の記憶が無くなっていた。
        婚約指輪を買って3股していたどれかの女性にプロポーズする予定だったが、その誰かが分からない。

        タイトルは輝彦の悩みを当てはめているわけだが、しかしこの作品は別にそれを謎としようとは思っていない。
        なぜなら3人の女性以外に、輝彦に近づいてくる少女がいるから。

        映画やゲームオタクに、赤裸々な性描写まであるが、それらは一部。
        ある意味ファンタジーのような中身と捉えた方がいい。

        映画版の方も見たが、少女に二階堂ふみというのはイメージピッタリだった。
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        2019/04/27 by オーウェン

    • 1人が本棚登録しています
      八月の路上に捨てる
      カテゴリー:小説、物語
      2.0
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      • 暑い夏の一日。
        僕は30歳の誕生日を目前に離婚しようとしていた。
        愛していながらなぜずれてしまったのか。
        現代の若者の生活を覆う社会のひずみに目を向けながら、その生態を明るく軽やかに描く。

        第135回芥川賞受賞作。

        「伊藤たかみ」という名前で、勝手に女性だと思いこんで読んでしまいました。
        調べると、もと角田光代さんの旦那さんとのこと。
        当然、正真正銘の男性作家さん。
        読んでいる間中、どうもしっくりこなかった文体が、男性が書いた物語ということでストンと腑に落ちました。
        女性作家であれば、この物語に登場するような女性は書かない気がします。
        男性が求めるような女性。
        男性には理解不能な女性。

        自動販売機のルートセールスのアルバイトに精を出す、映画脚本家志望のアラサー男・敦。
        ペアを組むバイタリティ溢れる中年女性の先輩・水城さんはシングルマザーで、とにかくお金を稼ぎたい。
        そんな二人の、夏のある一日の物語。
        敦は、妻と離婚しようとしています。
        夢を追いかけて未だまともな定職にもつかない敦でしたが、年齢を重ねるにしたがって現実というものと向き合いはじめます。
        妻は、早々に夢を諦め現実を選択しますが、いつしか夢を追い続ける敦を妬むようになります。
        お互いの心を思いやれなくなったとき、離婚は必然でした。
        敦は、その過程を、エネルギッシュにハンドルを操作する水城さんに語って聞かせます。
        諦めだったり、不安だったり、後悔だったり。
        タイトルにある、八月の路上に捨てたのは二人の若い夢のこと。

        まさかつきあい始めにやっていたようなゲームをまだ続けているのか。何か特別なことでもしていないと順位が下がるというのか。自分たちは二十代も半ばを過ぎている。夢なんて大久保の排水溝に落っことした。新宿の路上で汗と一緒に流してしまった。それでもその先には、案外、まっとうな幸せがあるような気もしている。
        むかむかとしてきた。
        趣味でやるのはいいけど、今さらそんな金を使ってどうなるの。アナウンサーになんてなれっこないじゃん。二十万あったら、俺たち、今月どれだけ楽だったか。敦はついに言ったのだ。すると知恵子は、考えていた以上に反応した。何かに取り憑かれたようになって、どうしてどうしてと、敦の襟首をつかんで揺さぶった。どうしていけないの。私だけどうして夢を追っちゃいけないの。私はずっと辛かった。そんなとき、思い出した…。言い方が、安っぽいドラマのヒロインみたいでまた憎らしくなり、敦は冷たく言い放つ。そんな暇があるんなら、いい加減、働いてくれよ。
        ぎゃあと叫び声が聞こえたが、定かではない。そこから先、敦はなぜか醤油差しの注ぎ口ばかり見ていた。垂れた醤油がこびりついている。はっきりしない不満のように凝り固まっていた。

        若者の姿ではなく、これではこどもです。
        世の中が、皆、甘えん坊に見えるらしい。
        結婚生活の破綻をどこか他人事のようにとらえることで、わずかばかりの自分自身の流出を押しとどめようとしているのか。

        文章はとても上手です。
        受賞作以前から文筆業を生業となさっていたらしい、老練な音律。
        だからでしょうか、芥川賞という賞には似つかわしくない気がしました。
        先端の尖りや、丸いのであればこれまでにないような丸みが欲しい。
        粗削りな才能の噴出こそを感じたい。
        恰好をつけたばかりで奥行きの無いこどもの戯れ言芝居を観ているかのよう。

        タイトルだけ、良かったです。
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        2015/05/26 by 課長代理

      • コメント 6件
    • 4人が本棚登録しています
      八月の路上に捨てる
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 第135回芥川賞受賞作「八月の路上に捨てる」、他「貝からみる風景」、「安定期つれずれ」が収録された短編集。

        どこにでもある日常の些細なさざ波を、ほのぼのとした語り口で描いた作品集になっている。どの作品も心温まる話というわけではないのだが、文体が清々しくて読んでいて気持ちが良い。口角がほんのり上がるくらいの可笑しさがある。昭和のホームドラマのみたいに、なんとなく眺めているだけで、すーっと心に染み入ってくるのだ。

        痛々しい程に心情を吐露する類のものではないので、ぐさり と刺さり込んでくる感覚は受けない。純文学にこれを求める方には、明らかに物足りないと感じるだろう。さらさらと読みやすい文体も、好き嫌いが分かれるのかもしれない。文芸作品をあまり読まない僕にはフィットしているので、長い作品を読んでみようという気にさせてくれる。

        「八月の路上に捨てる」は、自動販売機の補充のバイトをしている敦が、先輩の水城さんに自身の破たんした結婚生活を語るお話し。水城さん(女性)の外勤最後の一日に、敦の結婚生活が挿入されるかたちで、展開していく。

        脚本家を夢見る敦と、雑誌編集者志望の妻 知恵子が、除々にすれ違っていく描写がせつない。どちらかが夢に近づこうとしたときの、素直に喜べない感じが理解できる。二人の関係性の変化をあらわすエピソードが面白いのだが、特に印象的なのは敦が浮気相手のヘルペスを自分にうつそうとする場面だ。結婚生活の幕引きの切っ掛けすら なかなか見い出せないじれったさが良く出ている。

        敦に対して、もっともらしいアドバイスをしない水城さん。身近な先輩というのは、確かにこういうものだろうと納得した次第。

        「貝からみた風景」はスーパーの投書を見て想像を逞しくする夫と、それに乗っかる妻の微笑ましい関係を、「安定期つれずれ」は里帰りした娘の夫婦仲を心配する父親を描いている。

        どの作品も身近な人との関係性に焦点をあてていることになるのだろなぁ。
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        2013/02/01 by hit4papa

      • コメント 3件
    • 1人が本棚登録しています
      ぎぶそん
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 学生時代図書館で読みました。
        バンド音楽を中心に主人公の学生達が前向きに明るく、ただひたすら音楽に夢中になる姿が印象的な本です。
        読み終わってから、登場する楽器のギブソンや、プリンセス・プリンセスが気になるような本でした。
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        2019/04/02 by 竹下真弘s

    • 2人が本棚登録しています
      ポリリズム 音楽小説コレクション
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 音楽。
        確かに音楽はいろいろ聴いてきた。
        青春の想い出。
        すべての作家さんを読んできたのではないで、何ともいえない部分があるが、それぞれのカラーが楽しい。

        いろんな懐かしい曲を聞きたくなってしまったし、いろんな想い出も・・・・。
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        2015/04/20 by けんとまん

    • 1人が本棚登録しています
      オトナの片思い
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 静かに想いを消していくような、秘めていくような、そんな「オトナ」の片思いのお話がたくさん入っていて素敵でした。伊藤たかみさんの、のからし、三崎亜記さんのEnak!作家さん忘れたけどゆっくりさよなら、橋本紡さんの鋳物の鍋、わか葉の恋、とくに印象に残ります。からしはどうしようもない天然男子との日々、横たわっていたディスコミュニケーションもいつかは楽しかった思い出になる。笑っちゃうような最後を後に笑っちゃえるようになるのは素敵です。Enak!は影無きものというまた三崎さんの世界観の彼が素敵でした、自分のしがらみも何もかも棄て、今だけを生きる。私も全部捨ててリセットしたくなる時がよくあります。実際それをできる世界で、それをした彼らのその後の苦しみを丁寧に描かれていてじんわり刺さります。誰もが全てを棄てたくなる日があるけれど、愛しいものができたとき、人はまた未来へ生きはじめる。色んな悲しみも苦しみも、背負ったままで。そんな素敵なラストに感じました。ゆっくりさよならはなにかあったわけじゃないけどどうしようもなく別の道を歩むことになった二人のはなし。まだ好きだからこそゆっくりさよならしたい。それは提出までだけじゃなく大好きな誰かを大好きから少し覚まして、かつて大好きだった、大切だけど遠くなる人への想いもおなじかなー。と。今ちょうど自分がそんな感じなので余計にそう思いました。無理に急いで忘れることはつらい、ゆっくりゆっくりさよならしたい。そう思えるお話です。鋳物の鍋とわか葉の恋はオトナになってしまった女性たちがそれでもまた少女のように片思いをしていくお話。酸いも甘いも知ったあとでも人はまた不毛な片思いをしてしまうし、それでいいのだとなんだか少し勇気がでるようなお話でした。自分がその年になったときへの希望が少しわいたかな。
        全体としてすごくよくて、ぜひ購入して本棚にいれたい1冊です。
        >> 続きを読む

        2018/12/01 by kaoru-yuzu

    • 3人が本棚登録しています

【伊藤たかみ】(イトウタカミ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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