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中島賢二

著者情報
著者名:中島賢二
なかじまけんじ
ナカジマケンジ
生年~没年:1941~2009

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      虚栄の市
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 2016年最初の読書記録は、この作品から。全四巻のうちの第一巻です。年末から読み始めていたのですが、これが面白いのなんのって!

        モームが『お菓子とビール』で名作として挙げているのを読んでから、ずっと私の課題図書でした。年末年始で時間もあるし、と思って図書館から借りてきたのですが、実家に帰るときに二巻を置いてきてしまったのが悔やまれてなりません。
        主人公はレベッカという女性。才色兼備だけど気が強くて、身分は低いけど向上心に燃え成り上がりを目指す。
        語り手は、俗物の打算や駆け引きが行きかう娑婆の世界を「虚栄の市」と呼び、そこでたくましく生き抜こうとするレベッカの人生を芝居めいた口調で語っていきます。
        貴族さんがたの吝嗇ぶりや軍人さんたちの賭け事や放逸ぶりを面白おかしく語り、彼らの失敗を嘲笑い、かといって善良なだけの人に温かい目を注ぐでもなく、だまされる方が悪いとばかりにあしらう。

        かといって町民が貴族階級を揶揄するような感じではなくて、サッカレー自身もそれなりにいいとこの出なんですよね。批判精神に富んでいるというか、皮肉な言い回しがたまりません。第六章の「ヴォクソール遊園」冒頭のサッカレーのおふざけがツボでした。(気になる方は是非読んでください)

        一巻ではレベッカがいかにして成り上がり、財産をせしめるかっていうところにスポットが当たっていましたが、どうやら二巻ではレベッカの友人の超善人アメーリアにスポットがあたる予感がします。楽しみです。

        ちなみに舞台は英国ですが、ナポレオンの嫌われっぷりがすごくて…あと東インド会社とか、ちょくちょく当時の時事ネタ挟んでくるのが面白いです。
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        2016/01/01 by ワルツ

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      虚栄の市
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 2巻です!
        正月休みに1巻を読み終わって、早速2巻に進みました。
        2巻ではもう一人のヒロイン、アメーリアにズームアップです。

        善良なお嬢さんを絵に描いたようなアメーリアですが、父親の破産で幼馴染との結婚が危うくなります。父親というのは株式仲買人なのですが、ナポレオンがエルバ島から脱出して返り咲いたおかげで、もっていた公債が大暴落して破産したのです。欧州って、こんな頃からマネーゲームしていたんですね…資本主義の年季が違います。
        なんやかんやありながら、なんとか無事に結婚することができたアメーリア。しかし、夫のジョージは軍人なので、返り咲いたナポレオンを倒すべくベルギーに向かうことになります。ワーテルローの戦いです。当時は奥さん連れで戦地の近くまで向かうことがあったんですね。1815年、まだ家柄がものをいう時代です。華やかな騎兵もいる時代ですね。この辺、現代の感覚とは違うんですが…世界大戦以前の戦争が、それぞれの時代でどの程度異なるのかがうまくイメージできないので困るのですが、銃剣とかは使っていた時代のようです。主な移動手段が馬だった時代。

        この作品の面白いところの一つは、ある意味で歴史小説になっているところで、当時の時事ネタがふんだんにちりばめられているのです。ナポレオンの返り咲き、そこからのワーテルローの戦い。2巻ではワーテルローの戦いが終わるところまでです。何度も1815年、と出てくるので、さすがに覚えてしまいました。フランス革命が1789年なので、このときのフランスはほんとにごちゃごちゃしていますね。

        スタンダールとかバルザックとかユーゴーなどはこのあたりの時代の人なので、フランス人としてこの時代を見ていたんですよね。彼らの観方と、英国人であるサッカレーの観方というのはやっぱり違うわけで、でも長い付き合いのある隣国でのことなので、完全に他人事ではない。ついでに言うとサッカレーは1811年生まれで、1816年に出生地インドからイギリスにやってきたとのことなので、1815年のワーテルローの戦いをこの目で見たというほど近くにいたわけでも大きかったわけでもないのですが、親世代からいろいろ聞いたのでしょうねぇ。現代の私たちにとっては歴史上の話でも、当時のサッカレーにとってはつい最近の現代史だったわけです。うーん、19世紀は遠いですね。

        そもそも虚栄の市が発表されたのは1847年とのことですが、軽くググってみたところ、フランスは第二共和政、これからルイ・ナポレオンが台頭してくるところでした。サッカレーの祖国であるイギリスは、ボナパルトの脅威も去り、産業革命に精を出して、けっこう平和だったようですね。というかイギリスは自国を戦場にしたことがあるのでしょうか。あんなにいっぱい戦争してるのに、だいたい大陸側までお出ましになるか、海の上で一戦交えている印象が強いので…

        この作品を読んでると、当時の時代背景が気になっていろいろ調べてしまうのですが、探せば探すほどいろいろ出てきてきりがないです。しかし楽しい。
        とりあえずストーリーの感想としては、結婚するなら断然ドビン大尉だってことです。いい人すぎる。いずれ愛しのアメーリアと結婚できそうな雰囲気なので、楽しみにしています。
        3巻を読むのは、少し先になりそうです…
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        2016/01/05 by ワルツ

      • コメント 2件
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      虚栄の市
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 第三巻。アミーリアは夫を亡くし、息子を生きがいに貧乏に暮らしています。一方世渡り上手なベッキーは社交界の花形となり華々しく暮らしますが、実際そんなに稼いでいるわけでもなく、ついに破局も訪れます。

        メインはベッキーのほうで、たまにアミーリアの様子が描かれます。
        立ち回りのうまいベッキーと、貧困にあえぐアミーリア。しかし巻末までいくと、この後の二人の運命がちょっとわからなくなってきますね。まぁベッキーはあれだけ才覚があるし、ハングリー精神もあるので、心配はしませんが。

        ドビン氏は相変わらずアミーリアに忠誠を誓い結婚もせずにいますが、報われません。アミーリアは少女マンガで主役を張るタイプですが、そういう女の子(って歳でもないですけどね、もう。子持ちですし)にありがちなように鈍感で意図せず他人を傷つけます。もう、ほんとうに、ドビン氏が気の毒で…。
        ベッキーはベッキーでパトロンを得て抜け目なくお金を巻き上げて、けど借金の支払いはせずにへそくりとして隠しておくしたたか具合。夫のロードンのことはお気に入りなので捨てたりはしませんが、侮って軽んじているのは確かです。油断しましたね、ベッキー。奢れるものは久しからず、なかなか波乱万丈な生活を楽しんでいらっしゃるようで。ロードンはすっかりおとなしい亭主になって、息子のことを目に入れても痛くないくらいかわいがっているのが、なごみます。ベッキーの激しさをみていると、ロードンがかわいくて。稼げないダメ亭主かもしれませんが、善人だなぁと思います。学はなくても漢気はあるし、なかなかいい男なんですが、ベッキーにはかなわないでしょうね…それだけにベッキーにとってはかわいくて仕方ないだろうとは思いますが。

        次が最終巻です。サッカレーはどんな幕引きをみせるのか楽しみです。
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        2016/01/30 by ワルツ

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      虚栄の市
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 虚栄の市、全四巻で幕を閉じました。いやぁ、面白かったです!

        著者のサッカレーのドビン贔屓っぷりはすごかったけれど、最終的にはアミーリアとくっつくんだろうとは思っていたけれど、そうきたかー!という感じでした。盛り上げ方素晴らしかったです。

        最終巻では訳の中島賢二さんの解説もついていて、サッカレーについても語られていましたが、彼、放蕩息子だったんですね。虚栄の市は群像劇ですが、メインの登場人物の一部にそれぞれサッカレーの一部が宿っているのでしょう。

        中心となる登場人物はやはりアミーリアとレベッカですが、たぶんサッカレーはどちらのことも好きなんだと思います。レベッカは悪女だとか、最終的に殺したか殺してないかという議論もあるようですが、サッカレーがどちらとも断言しなかったのは正しい姿勢だと思います。断言しちゃいけないところですよね。
        私個人としては、レベッカは殺してない派です。立派な小悪党ではありますが、そこまでの悪女ではないと思っているので。

        しかしドビン少佐はいい男だった。何よりアミーリアにとって、自分を本当に大事にしてくれる人をちゃんと好きになれたことが最大の幸せだと思います。どんなに自分を大事に思っていてくれて、相手がどんなに素晴らしい人であっても、恋人として好きになれないことってありますからね。アミーリアは幸運だった。
        レベッカもロードンのことは好きだったと思いますけどね。解説でも語られていましたが、ロードンが相続するはずだったお金が手に入らなくても笑い飛ばせる女房だったわけで、それってなかなかいい女じゃあないですか。タフだし。クライマックスでアミーリアの目を覚まさせるときの振る舞いなんて、中国の列伝ものに数えられそうなくらいの名場面でしたよ。

        全巻通して、非常に面白かったです。19世紀の虚栄の市でのどんちゃん騒ぎ、そして今日も明日もこれからも、人生劇場は続いていくのですね。
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        2016/02/27 by ワルツ

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      灰色の女
      カテゴリー:小説、物語
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      • 顔が綺麗なだけで、何でも許されるのはおかしい。なので、ムカムカする場面多々。色んな事がてんこ盛りで、それはそれで楽しめた。 >> 続きを読む

        2013/03/26 by 紫指導官

      • コメント 5件
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【中島賢二】(ナカジマケンジ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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