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川上弘美

著者情報
著者名:川上弘美
かわかみひろみ
カワカミヒロミ
生年~没年:1958~

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このランキングは1日1回更新されます。
      センセイの鞄
      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね! Shizu
      • 国語教師だったセンセイと、元生徒のツキコ。
        年のはなれた男女の、慕情を丹念にえがく物語。

        話すのは落ち着く。でも触れるのは、緊張。
        好き。けど近づきすぎるのは、おそろしい。

        ひとと付き合っていくのには、うっすらとした恐怖がつきまとう。膜を、やぶっていくような。
        でもこうやって、ひとと少しずつ距離をちぢめていけるのかも、と思った。
        いま心が、春みたいにあったかい。
        >> 続きを読む

        2016/11/13 by botan

      • コメント 2件
    • 他4人がレビュー登録、 22人が本棚登録しています
      神様
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 現実と非現実が絶妙に混ぜ合わさっていて、そこに違和感を全く感じない不思議な絵本のような小説。1話が短いので乗車時間があまりない時の電車の中で読みたいなと思わせる。よい本に巡りあった。 >> 続きを読む

        2015/12/12 by Seiko

      • コメント 1件
    • 他3人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      七夜物語
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • イラストが素敵。二人の子供が異世界へ迷い混んでは戻ってきての繰り返し。本が具体的にどう関係するのか下巻で明らかになるのかな。 >> 続きを読む

        2016/04/05 by tomolib

      • コメント 1件
    • 他2人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      七夜物語
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 上巻と比べると間延びしたかな。南生と麦子にもっと関わってほしかった。

        2016/04/06 by tomolib

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      ゆっくりさよならをとなえる
      3.5
      いいね!
      • 一編が文庫3ぺージに収まる長さで、ほっと心が休まるエッセイ集。
        あ~そうですそうですと、思い当たるようなちょっとした出来事や、出先で見聞きしたことなどが書いてある。
        中でも、読んだ本がうまく引用されて、読みたくなってしまう。

        好きな食べ物は飽きるまで食べる、なんかそのこだわりが良く分かる。私も米粉パンを卒業して今は塩バターパンに凝っている。
        どこを読んでも、川上さんの人柄がにじみ出ている。拘らない楽そうな生き方や、作家で主婦でお母さんのゆったりした毎日が微笑ましい。
        身近なものに向ける視線もユーモア含みのほっとする文章が短い中に納まっている。

        織田作之助の「楢雄は心の淋しい時に蝿を獲った」にふれ、そうやって楢雄は自分の不器用な生をめいっぱい喜んでいたんじゃないだろうか、その人の奥底も知らずに、と思う。
        少し淋しかったので風呂場に潜んでいた蚊を潰した。

        言葉で書いてある「あやとり」をやってみる。
        一一そして再び小説に、もどる。安らかさとは正反対のところにある営為に。正反対にあるからこそ、いっそのこと安らかなのかもしれない、営為に。

        博物館に行ったり、古本屋をめぐったり、昼顔を見たり、漫画の欠けた巻が近所ではどこにもないので、電車に乗って探しにいく。
        一一あてもなくのんびりと電車に乗って隣りの町に行くことを信条としている私の人生が、立った一冊のマンガによってすっかり血走ったものになってしまった。

        一一「田紳有楽」という本を借りた。仰天したままその日のうちに本を読み終えた。「すごいね」とマリ子さんに言うと、マリ子さんはエヘへと笑った。以来私は「田紳有楽」という本を愛してやまないのだが、いまだにその全貌をうまく把握することができない。なんだかわからないけれど、小説ってものは、やはり凄いな、と私は思ったのだ。

        数えてみれば全部で59編あった。218ページにそんなに入っているのに、楽しく暖かい。

        最後に詩のように日々の生活から切り取った言葉が並んでいる。
        (略)今まで言ったさよならの中でいちばんしみじみとしたさよならはどのさよならだったかを決める(決まったら心の中でゆっくりさよならをとなえる)
        一一 連載エッセイを書いていて、最後の回になると、私はさみしくてたまらなくなってしまいます、表題作も欄さいの最後の回に書いた文章です。


        辛い本もあればこんなにゆったり、ほっとする本もある。
        >> 続きを読む

        2014/10/02 by 空耳よ

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      センセイの鞄
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • ごく自然な 流れの中の、ゆっくりと流れる小川みたいな恋愛でした。
        山に行くにもきっちりした服装と鞄、読みながら色々なシーンを頭の中で考え、楽しませてもらいました。
        >> 続きを読む

        2016/06/01 by はなもも

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      夜の公園
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • 川上弘美は、少し不思議な関係性を描く。もともと人間は個々に違うので、人間関係というのも十人十色なわけですが、川上弘美は中でも一風変わった関係性を描く。変わってるけど、ありえないわけではない。あなたの隣のひとかもしれないし、あなたかもしれない。身近に転がっていそうなところからひっぱってくる、わりに、やっぱりちょっと変わっている。

        女の友情が難しいものであることは古今東西変わらないものです。春名とリリは親友だけど、お互いのことでまだわかってないことも多い。そんなものでしょう。そして、春名のような女よりもリリのような女のほうがタフであるというのも、まぁよくある話ではある。一番悪いのは誰なのか、というのも意味のない問いです。暁くん悟くん兄弟は一番とばっちり食ってる感はあるけど、まぁ、仕方ない。好きになる相手は選べないものですし。仕方ない。

        個人的に暁くんがとてもタイプでした。ストイックで、機を逃さない判断力もあり、素直でかわいい。年下の男の子って感じがいいんです。

        なんだか一気に読んでしまいました。とても面白かった。
        >> 続きを読む

        2016/11/20 by ワルツ

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      蛇を踏む
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
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      • 公園で蛇を踏んだら、蛇が女の姿になって、自宅へ居座ってしまう「蛇を踏む」。主人公は大して動じることもなく、ちょっと困ったな、くらいにしか思っていない。

        日常と非日常が溶け合う世界観が好きだ。
        疲れてこわばった心をほぐしてくれる。

        一緒に収録されている「消える」と「惜夜記」も良かった。

        どの作品も書き出しの一文に吸引力がある。
        物語の世界へ引きずりこんでくれる。

        p119「いくら注いでもコップが一杯にならないと思ったら、コーヒーだったはずの液体が、いつの間にか夜に変わっているのだった。」
        >> 続きを読む

        2014/08/23 by seimiya

      • コメント 2件
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      蛇を踏む
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね!
      •  ウソだと分かりきっているおじいちゃんの昔話がおもしろい、これは語り手の人柄の為せる技だが、現実離れした小説に自然と引き込まれる、これはその作家の言葉を操る技術がものを言う。想像力に身を任せた作品は、とかく話の筋の突飛さが一人歩きしがちで、個々の表現があまり印象を残さない。しかし、この『蛇を踏む』はその反対で、ストーリーよりもそれを紡ぐ言葉に意識が向く。ことに、唐突にはじまる「性的な告白」がこの小説の肝であり、読み終わったあと、書き出し、この告白、結びの構成美に気付かされ、また読みたくなる。そして再読すると、話の運びが適切だから、言葉が生き生きすることにも気付かされる。生き生きとした言葉に流される。 >> 続きを読む

        2014/12/24 by 素頓狂

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      神様2011
      カテゴリー:小説、物語
      いいね!
      • すばらしい。

        もともと「神様」というタイトルで20年近く前に発表されていた短編を、3.11を受けて書き直した「神様2011」です。

        「神様」の方は、熊と不思議な散歩をする、とっても穏やかな気持ちになる、童話のようなお話です。川上弘美さん独特の、決してあつくなりすぎず、感情を込めすぎない文章で淡々と描かれる、だけど暖かい物語。

        その物語が、「放射能」と出会ったとき、景色は一変します。
        ここまで物語の印象が変わってしまうのか、と放心状態になってしまいそうです。

        作者がその代表作を書き換えるなど、よほどのことがない限りあり得ない話でしょう。
        ポール・マッカートニーが「yesterday」を、ジョン・レノンが「help」の歌詞やメロディを一新してしまうようなもの。
        だけど、川上さんはそれをやらずにはいられなかったのです。3.11の後では。
        ぜひ多くの方に読んでいただきたい。
        あとがきにもありますが、「静かな怒りはおさまらない」という言葉は重く響きます。
        >> 続きを読む

        2011/10/04 by miles

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    • 2人が本棚登録しています
      ハヅキさんのこと
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 短編集、というか、散文集、というか。小説なんだけど、現代日本が舞台なんだけど、どこか宙に浮いたような不思議なおはなしたち。
        川上弘美は『センセイの鞄』が大好きで、たまに不思議系小説も読みたくなって、ふらっと図書館で借りてきます。
        最近アメリカの短編小説とか読んでいたら、なんだか川上弘美のことを思い出して、懐かしくなって未読の本を図書館で借りてきたのが、これです。なんとなく、共通項があるように思います。

        と、思っていたら、解説を柴田元幸が書いていました。いい解説でした。やっぱり川上弘美って、そっち系な気がする。この世とあの世の境にいるというか、地面から三センチくらい浮いている感じ。最近の純文学で見かけるような、現実と皮一枚隔てた別世界とはまた少し違う。似たものはあっても、同じカテゴリに入れるにはためらわれる。
        多分、川上弘美は、川上弘美というだけでひとつのジャンルを作っているのだ。

        どれが一番好き、というのはちょっと選べませんが、行間にひそむ孤独や悲しさに、はっとする。じんわりと温かい雰囲気が漂っていて、ほっとする。甘いだけでも悲しいだけでもない川上ワールドが大好きです。
        >> 続きを読む

        2016/05/31 by ワルツ

    • 5人が本棚登録しています
      機嫌のいい犬 句集
      カテゴリー:詩歌
      4.0
      いいね!
      • 俳句、川柳、短歌。
        17文字や31文字の世界。
        ツイッターは140文字の世界。
        その中でコンパクトに、自分の思いを凝縮することの楽しさはあるよなあ~と思う。
        何だか、俳句を作ってみようかと思わせる句集だ(^^)
        >> 続きを読む

        2015/06/11 by けんとまん

    • 1人が本棚登録しています
      ニシノユキヒコの恋と冒険
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • こんなひとがもし本当に目の前に現れて「あなたは他の人とは違うから」なんて言われた日には、陥落してしまうに違いない。好きにならないように意識するとか、しないと。どんなに背後にほかの女の影がいても、自分が一番だと思ってしまう、あるいは、一番でないことを承知することでイーブンを保とうとしてしまう、ような。そんな気持ちにさせる男、ニシノユキヒコ。

        はたして彼の一生は幸福だったのか。数多くの女性と浮名を流して、しかし結婚はせず、誰もが彼のもとを去ったのは、彼が博愛主義者だったから。だれにでもやさしい、は、だれのことも好きではない、ということ。

        しかしニシノユキヒコの精神分析はまぁ置いておいて、この連作短編集の話の置き方に川上弘美のセンスを感じます。時系列ではない、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、自在に時間を飛び越すのは、さすがです。そしてそれらの配置が最高の効果を生んでいると思います。完璧な布陣。

        ニシノ自身の独白はないけれど、彼は本当に結婚したいなんて思っていたのか。『ぶどう』の愛にみせた執着は、彼女がニシノに執着しなかったからだとか、心理学的にはいろいろ言えるかもしれないけれど、この小説のキモはそこではない気がする。ただの女たらしでもない、ニシノユキヒコ。不思議な人だ。どこにもいなくて、どこにでもいる感じ。
        川上弘美って感じ。ほんとうに、個々の話のしんみり感もさることながら、並び順がすばらしかったです。この順番でなければいけなかった、と思う。
        >> 続きを読む

        2016/12/06 by ワルツ

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    • 8人が本棚登録しています
      古道具中野商店
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • センセイの鞄でにわかファンと化したので何冊か買ってみました。基本的には長編か連作好きなので、ちょっと長そうなこの本からにしてみました。

        内容(「BOOK」データベースより)

        東京近郊の小さな古道具屋でアルバイトをする「わたし」。ダメ男感漂う店主・中野さん。きりっと女っぷりのいい姉マサヨさん。わたしと恋仲であるようなないような、むっつり屋のタケオ。どこかあやしい常連たち…。不器用でスケール小さく、けれど懐の深い人々と、なつかしくもチープな品々。中野商店を舞台に繰り広げられるなんともじれったい恋と世代をこえた友情を描く傑作長編。


        最近嫁の雑貨熱がヒートアップしていた為、この表紙がとっても素敵に見えたので所謂ジャケ買いに該当するのでしょうが、なかなかどうして中身も渋くてよろしかったです。

        「わたし」は特にこれと言った特徴もなく、多分それなりに可愛らしく、でも飄々としているので女の子らしい愛らしいさとは無縁。同僚のタケオの事が好きでありながらどうアプローチして良いか分からずに、時にタケオからザリガニのように引かれたりする始末。

        仕事はぼちぼちで、店主で女ったらしの中野さんや、中野さんの姉マサヨさんとも上手くやっているが、どちらからも小金額を授受しダブルスパイをしてそのお金でお菓子やお酒を買ってタケオと酒盛りしてしまったりする。
        そんな淡々とした楽しい生活もいつまでも続かない。いつか人は変わって行かなければならない。それは人も、そして店さえも。

        なんとも人間臭い愛おしさに満ちたお話でした。
        >> 続きを読む

        2015/08/12 by ありんこ

      • コメント 4件
    • 4人が本棚登録しています
      パスタマシーンの幽霊
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 本の帯に「恋の深みに足をとられた女たちをあたたかに慈しむ22の情景」とある。
        「恋の深み」と言うと、なんだかドロドロしているみたい、と思うが、そこは著者の描く人たち特有の「ふわふわ」「さらさら」した感じが、「ドロドロ」を綺麗に覆い隠しているように思う。
        ちょっと不思議なことが起こっても「そういうものか」と受け入れていくような柔らかさがある。
        それでも、「ふわふわ」してるだけではなく、きっちりとした形の現実味ある物語と思うのは、固有名詞がたくさん出てくるからだと思う。書体は「わたし」だったり「あたし」だったりの一人称なのだが、「彼」とか「彼女」とかはほとんど使われず「山口さん」とか「修三ちゃん」とか「小林先輩」とか具体的な名前が記されているので、生々しく感じるし、自分の近所にいそうな感じがするのかもしれない。
        >> 続きを読む

        2014/08/20 by Y_sheep

      • コメント 2件
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      どこから行っても遠い町
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 何が起こるわけでもない。ストーリーらしいストーリーもない。

        でも、なぜか言葉が(文章が)深く胸に入ってくる。

        音楽を聴いているような・・・、こういうのを、味わい深いっていうのかな。

        短編集なんだけど、それぞれの章の登場人物が繋がっている連作短編小説。

        一人ひとりに人生(物語)がある。

        1編読む度に、「生きる」ということ、人生について考える。

        何気なく挨拶したり、おしゃべりしたり、すれちがったりしている人、一人ひとりに

        それぞれの人生(物語)があるんだなあ、ってあらためて思う。

        そう思うと、一人ひとりが、みんな愛おしいというか、大切にしたいと思えるのです
        >> 続きを読む

        2013/01/09 by バカボン

      • コメント 3件
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      神様
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 同じアパートに暮らすクマとの出会いと触れ合いの物語。
        不思議な世界やけど、ちょっとそこ住んでみたいな。
        (10.04.08 読了)

        続編が出版されていた理由が“あのこと”にあることを、2010年の私は知りもしないのです。
        >> 続きを読む

        2015/05/06 by のこ☆

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      INVITATION
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 図書館で偶々見つけて借りたもの。8名の女性作家さんの短編が収録されています。いずれも有名な方々ですが、私が読んだことがあったのは小川洋子さんのみ。今回も、小川さんの名が無ければ手にとっていなかったでしょう。

        書籍タイトルのinvitation の通り、個々の作家さんの世界を少しだけ知るための招待状のような作品集でした。特に何か共通テーマがあるわけでもなければ、掲載順も50音順以上の意味はなく、自由に描かれている感じがします。

        それぞれの魅力があって、人によっては合う合わないもあるかと思われます。個人的には小川さん目当てで借りたので、その点は満たされました。巨人のお話は小川ワールドという感じで、ぱっと明るいわけではないのに心に灯火が灯ります。
        ラストの林真理子さんも気に入りました。不倫もの、それもかなり熟れた年代の女性。この辺りの描き方が絶妙にうまい。他の作品も気になります。
        高樹のぶ子さんの短編も面白かったのですが無理やり短くまとめてしまっている感があったので、中〜長編で読んでみたいです。

        一読して印象に残ったのはこちらの3作品でした。でも、本当にさまざまな物語が同居してますので、お気に入り作家さん以外にも手を出してみたいな、という時にはもってこいですね。

        ステキな御招待でした。
        >> 続きを読む

        2015/11/22 by pechaca

      • コメント 4件
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      精選女性随筆集
      4.0
      いいね!
      • 日記が、読み応えのあるものになるなんて、

        実は、文庫本で、昭和39年7月4日の最初の日から読みはじめたのですが、
        最初は、お天気、買ったもの、三食食べたもの程度しか書かれて無かったのですが、
        何となく飽きて来そうだった時、図書館でこの本を、そこには「富士日記」の抜粋版が。

        読んでいる内に、ご近所の方の性格や顔、形まで、夫の性格や空気感、
        そしてご本人さんの、活動的な様子がみえてくる。

        日々の出来事を淡々と書き連ねられているだけだが、エッセイ以上に
        リアル感に満ちて、迫ってくるのは何か・・・・恐るべし、日記でおます。
        >> 続きを読む

        2016/06/02 by ごまめ

    • 1人が本棚登録しています
      精選女性随筆集
      5.0
      いいね! momomeiai
      •  女のひとは僕のことが嫌いかもだけど、僕は女のひとが好きだ。
         とりわけ年上が好みで、先日、室生犀星の『女ひと』を読んでいたとき、本の内容から離れてじぶんの年上好きについて考えをめぐらしていた。たぶんキッカケはあの人だろう。大学に入ると黒板の字がわからなくなった私は、みずからの無知よりもまず視力の低下を疑い、良心的な眼科を探すことにした。といっても近くの眼科を訪ねただけで、受付を済ませて名前を呼ばれて診察室に行くと白衣の女性が座っていた。年のころはアラサー。ボールペンをかちかちしている。当時の僕はまだ女も知らない風で、とにかく吃りがひどく、ちょっと不幸だった。いろいろな質問が矢継ぎ早に飛んでくる。そのなかの
        「メガネにするの? それともコンタクト?」
        という質問にはどう返答したらいいかわからなくて、
        「どっちがいいと思いますか?」 と質問を質問で返したら、
        「生活に便利なのはメガネね。でも顔だちがいい子にはコンタクトをすすめるわ。あなたは……コンタクトがいいかもしれない、あ、でも君はコンタクトをつける勇気がなさそうね」
        とか言いながら独りで大ウケしていて、なんだかきまりがわるかった。言い添えるまでもないが、その眼科はメガネ屋さんと隣接している。

         しかし年上好きを表明するには私は年をとりすぎた。それでも恋をするらしく、おそらくだれも憶えてないと思うけど、既レヴューで言及した近藤さん(仮名)のことが忘れられなくて困っている。こんなことは今までになかった。もちろん年下で、30半ばくらいだと思う。歩くのが競歩の選手くらい速くて、エスカレーターはほとんど使わない。さっきまでスマホをいじっていたのに、ちょっと目を離せば幽霊のように消えている(足はあるよ)。とても不思議な人だ。これはまったくの想像だが、上目づかいをするとやさしい眼差しなのに、下を見下ろすと若干いじわるっぽい顔だちの美人だ。カミさんに打ち明けたら興味津々で、ぜひ見てみたいと言うから一緒に何度も通勤したけどそう都合よく出くわすわけもなく、ひょっとすると僕にしか見えない人なのかと怪しんでいる。

         そうです。ぼくは女性のことをあまり理解していないらしい。そこで勉強することにした。もう生身の女ひとと触れ合うことはそうそうないので、書物の女ひとと沈黙の会話を愉しむことにする。久しぶりにいいシリーズ本を見つけたんです。文藝春秋刊の「精選女性随筆集」。名前も知っていて文章も読んだことがある人半分、名前は知っているけれど文章は未読の人が半分くらい揃っている。選者は小池真理子さんと川上弘美さんだから、まあ信頼できる布陣。今回は石井桃子・高峰秀子の巻をチョイスしてみた。
         まず断っておくが、石井桃子さんは抄録の本で済ますのは惜しいと思う。『幼ものがたり』はぜんたいを読まないと鰻の匂いでメシを食うようなものだ。というものの、こういう本がなければ単著に手を伸ばさない恐れもあるので有難い。このシリーズはそういう本です。
         それでも僕の目当ては高峰さんだった。あやふやな記憶だけれども、たしか扇谷正造の著作で高峰秀子の文章が扱われていて、しかもそれが東京大学の入試の課題文にも採用されて随分と話題を集めたとあった。このたび高峰さんの言葉による精神に触れ、女優としての輝きよりも美しい散文に目を見張る思いだった。とくに梅原龍三郎とその夫人の話は心に染みいるものがあり、ひとりの女と暮しつづける絆を教えられた気がする。岡崎武志さんの解説には、沢木耕太郎の言が述懐されていた。
        「『文章のうまい女優』がいるのではなく、単にひとりの『文章家』がいるだけなのだ」

         最後に、僕のおすすめは須賀敦子と武田百合子。『富士日記』は日本文学のなかでも特別な樹液そして果実。


        付記
         コナン映画観に行きました。ラストシーンが切なかった。
         それと、最近の音楽わりといいね。パスピエの「ヨアケマエ」とPerfumeの新曲、なかなかいいです。
        >> 続きを読む

        2016/05/05 by 素頓狂

      • コメント 12件
    • 1人が本棚登録しています

【川上弘美】(カワカミヒロミ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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