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いぬいとみこさんの「ながいながいペンギンの話」のタイトルが「長い長いお医者さんの話」からとられたというエピソードを知り、子供のころに読んで両方とも好きだったことを思い出しました。当時から、そっくりなタイトルだなあとは思っていたのですが、本が書かれる背景なんて、子どもの興味を惹くものではなかったんですね。それで、この度再読してみました。ほぼ全編ホラ話。そういえばそうだったっけ。こどもって、ホラ話が好きなんですよね。起承転結なんかなくてもお話しそのものが面白ければいい。だからお話しの方はもう全然覚えていなかったけれども。現実世界へのアイロニーは、官吏が不親切で不調法だなどの当てこすりなどが時々チラリと出てきますが、おおむね楽しいお話しに徹していると言ってよいでしょう。魔法使い、妖精、王様と王女様、木こり、御者、おまわりさん、なかでもカッパの登場にはびっくり。チェコスロバキアにもカッパがいて、彼らはきちんとお仕事もしています。チェコの温泉はカッパが汲み上げているらしいですよ。(^^)「長い長いお医者さんの話」 ヘイショヴィナ山に住む魔法使いのマジャーシュは、 ある日ノドに梅の種を詰まらせてしまって、お医者さんを呼びますが…「郵便屋さんの話」 夜中の郵便局では郵便局員の妖精が現れてお仕事をしているんです。 彼らは封書を開けなくても中身を知ることができるのです。「カッパの話」 チェコのカッパはすごいんですよ。 洪水を起したり止めたり、温泉を汲み上げたり!「小鳥と天使のたまごの話」 にわとり以外の鳥がなぜ空を飛べるようになったのか? 「長い長いおまわりさんの話」 町を巡回するお巡りさんはいろいろな事件に出会います。 ある時、お巡りさんが拾った卵から生まれたのはなんと9つの頭をもったヒドラの赤ちゃんでした。 トゥルティナさんは、ヒドラを引き取り、アミナと名付けて可愛がりますが、 口うるさい世間がそれを許そうとしません。 窮地に立たされたトゥルティナさんは?!「犬と妖精の話」 粉屋で働く犬のヴォジーシェク君。 ある時置いてけぼりにあい、一人でおうちにかえるハメになりました。 森を通りぬけようとしたとき、犬の妖精たちに出会い、 犬の妖精の長老の面白い話に心を奪われます。 なんと犬のお願いを聞いて、神様が、犬以外の動物の骨を集めさせて作ったのが人間なんですって。 だから人間にはあらゆる動物の特徴が混ざっています。 ただ一つ犬の「忠実さ」だけを除いて。「宿なしルンペンくんの話」 無欲で正直者のルンペンくん。見知らぬ人からカバンを預かったら… 大金を盗んだ罪で死刑を求刑されてしまいます!「山賊の話」 残虐非道の山賊の親玉が自分の愛息に教育をあたえたところ… オチが気の毒です。適材適所って大事ですね。「王女さまと小ネコの話」 王女さまのところに届けられた謎の生き物とは? おばあさんが謎かけをしたその動物は、皇太后の夢のお告げでも重大なカギを握っていることがわかりました。 ところがある日このネコが連れ去られ、その男(どうらやら魔法使い)を探し出すために探偵が動員されます。 この事件と探偵たちの失敗を知りアメリカの名高い探偵シドニー・ホール君が、ついに立ち上がります。 世界一周をする、という彼の計略とはいったい?「訳者のことば」 イギリス文学の翻訳で有名な中野好夫氏のは言葉のチョイスも渋いです。 お子様ことばを使わずに漢字も多様せず、それでいて語彙が増えるようなそんな言葉使いを選んでおり、巧い翻訳だと思います。「チャペック童話に学ぶ」 「おうさまシリーズ」の寺村輝夫さんは童話の描き方をチャペックから学んだと語っています。 確かに「ぼくは王さま」のほら吹き加減とか、影響があったといえばその通りかも。挿絵はヨセフ・チャペック、カレルのお兄さんです。ヘタウマの元祖のような子供っぽく、愉快な絵です。悲しいことにヨゼフはナチスドイツの強制収容所で命を落としました。カレルチャペックは、チェコスロバキアの国民的作家です。第一次大戦と第二次大戦の間の時代に、鋭い時代認識に巧みなユーモアを織り交ぜた幅広いジャンルでに活躍した作家です。ヒトラーとナチズムを痛烈に批判し危険人物と目されていたといいます。実は私がカレル・チャペックという名前を意識したのはこの本の作家としてではなくて、「カレルチャペック紅茶店」の店名からでした。この時のチャペックは「園芸家」の顔をしていました。童話や園芸のような暖かな顔のほかに辛い時代に生きた純粋な魂の作家の横顔を知って、彼の物語を読む目線も変わるでしょう。しかし、この童話は純粋に楽しくお読みください。子どもの本ですから。 >> 続きを読む
2013/10/08 by 月うさぎ
SFの古典とされる戯曲。序幕含め、全四幕。原題はR.U.R(ロッスムのユニバーサル・ロボット)で、ロッスムはロボットを製造する企業名。本書内には、実際に登場人物を演じたらしい役者の古い写真が挿入されている。「賦役=robota(ロボタ)」を元にしたロボットの言葉が生まれた時点でその反乱がテーマだったこと、ロボットが機械仕掛けではなく生物学的人造人間だったことに驚く。解説では、各登場人物名の意味を知る。SFに慣れたいまの目で見るとストーリーに新奇さは感じないが、「ロボットの反乱」のオリジナルを確認できたことに満足した。 >> 続きを読む
2021/01/25 by ikawaArise
【CapekKarel】(CapekKarel) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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