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ひとつひとつの文章がきめ細かくて、文学だなあと思いました。自分には正直いって、難解でした。この本は実話ではなく、メタファーとしての感染症という解説を見たこともありますが、いま感染症を生きている身としてはとてもリアルで、お店が閉まったり、当局が世論を不安にさせないように不正確な情報しか出さない、など、あるあるという感じでした。いま、世界的に人心が不安定になっているのも、身をもって感じることですね。主人公(?)の医師リウーを中心に、判事や司祭、新聞記者や役人など、いろいろな登場人物が現れ、それぞれのペストとの格闘が描かれています。序盤の、ネズミがどんどん増えてゆく描写、すごみがありました。印象に残ったのは、子供の死という不条理にふれたバヌルー神父の「神への愛は困難な愛であります」「(神も)極度の不幸のなかではその魂が激越ならんことを望むのである」という言葉でした。すべてを信仰に向けるキリスト教の厳しい教えをみました。今のコロナウィルスもやがて収まるのだろうと思いますが、この小説にあるように、収まってくればお祭り騒ぎで、その陰にあった多くの死のことを忘れてしまうのかもしれません。ひとつひとつの死に悲しみが宿っていることを忘れてはいけないと思いました。 >> 続きを読む
2020/10/08 by みやま
カミュの小説を好んで読むので、その背景にある彼の思想を垣間見ることができました。周囲の人からはあまり理解されなかったみたいですね。次は『ペスト』でも呼んでみます。 >> 続きを読む
2016/05/21 by とーます
カミュは46歳で交通事故死してしまうので、小説としての作品はそれほど多く残っていないのですが、この中篇「転落」と短篇集「追放と王国」は彼の晩年の作品群ということになりますかね。パリからアムステルダムへ落ちてきた元弁護士が自ら半生を語る「転落」は、いろいろ文壇ですったもんだがあった後らしく、彼なりのユーモアと皮肉を交えながら正義や罪と罰といった見解が展開されていて面白い(笑)彼の作品は、理性的であろうとしたが故に常に孤独感に悲しいまでに満たされているような気がしてならないのですが(笑)、この本に収録されている作品群はその色合いがさらに濃いなーと思います。個人的には、辺境の地で教師をしている男と身内を殺害した罪で捕らえられたアラビア人との束の間のふれあいを描いた「客」が好み。 >> 続きを読む
2015/08/02 by ao-ao
【アルベール・カミュ】(アルベール・カミュ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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