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トルーマン・カポーティ

著者情報
著者名:トルーマン・カポーティ
とるーまん・かぽーてぃ
トルーマン・カポーティ
生年~没年:1924~1984

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      ティファニーで朝食を
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね! Minnie
      • 「いつの日か目覚めて、ティファニーで朝ごはんを食べるときにも、この自分のままでいたいの」

        とてもチャーミングなオードリー・ヘップバーンがこちらを見つめる有名なジャケットは、映画を観ていなくても誰しもが知っているでしょう。
        一目見て、忘れられなくなるくらいキラキラしています。
        でも、映画を観ていない私が本書を読んだ脳内映像の主役は、マリリン・モンローでした。
        型破りで自由奔放、一つ一つに色気のあるしぐさはオードリーではありませんでした。

        ここまでホリー・ゴライトリーの印象が違うと、映画→原作の人は困惑するだろうし、原作に満足してしまうと映画を観ようという気は起らなくなるかもしれません。
        私は後者です。
        収録されている短編3作を含め、雰囲気が良くて、おしゃれで、登場人物と共に会話を楽しんだり、悲しくなったり。
        本を読んでいて、とても満たされました。
        囚人宿舎の中でギターを弾く新人囚人により、生きていることを思い出した風景(『ダイアモンドのギター』)、花盛りの家、親友とクリスマスツリーを切りに行った日のこと(『クリスマスの思い出』)、なんて色彩が豊かなのでしょう。
        それと、どれもラストが好みでした。

        ホリー・ゴライトリーには、自分らしく幸せであってほしい。
        主人公の想いに共感しました。
        それぞれ短編の主人公にも同じことを思いました。
        >> 続きを読む

        2018/07/07 by あすか

      • コメント 12件
    • 他11人がレビュー登録、 34人が本棚登録しています
      草の竪琴
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね! abeille
      • 【60過ぎの独身女性の家出先はツリー・ハウス】
         9月下旬、インディアン草が茂る草原では風が吹き渡る度、乾いた草がかき鳴らされて草の竪琴の音を響かせていました。

         この物語の語り手であり、著者カポーティをモデルにしたコリンは、幼い頃から父のいとこであるドリーとヴェリーナ姉妹に預けられて育ちました。
         この物語は、コリンが16歳だった頃の、ある夏の数日間の出来事を描きます。

         姉のドリーは大人しい性格で、インディアンの同世代の女性のキャサリンと仲良しでした。
         キャサリンは孤児だったため、ドリー達の家に引き取られ、幼い頃からドリー達と一緒に育ってきたのです。
         妹のヴェリーナは、今では町一番の実業家で、何軒もの店を経営していましたが、キャサリンはヴェリーナのことが気に入らないようで、「あいつ」呼ばわりしていました。

         コリンは、いつもドリーとキャサリンと一緒に、台所にこもってあれやこれやのおしゃべりをしたりパズルをしたりして時を過ごしていたのです。
         ドリーは、ジプシーに作り方を教えてもらったという水腫薬の製造、通信販売をしており、コリンやキャサリンと一緒に原料になる野草を採りに出かけることがしばしばありました。
         この水腫薬には固定客がついているようで、結構な売り上げになっていたのでした。

         その年の夏、ヴェリーナは突然ユダヤ人のドクター・リッツと名乗る気取ったいけすかない男を連れてきて、二人で閉鎖された工場を見に出かけたりしていました。
         そしてある夜、ヴェリーナはドクター・リッツを食事に招いたのです。
         ヴェリーナとドクター・リッツの話では、ドリーが売っている水腫薬を工場で大々的に製造して手広く売り出すことにしたと突然いうのです。
         「これはみんなあんたのことを思ってなんだからね。」
         と、ヴェリーナは言うのですが、ドリーにとってはとても受け入れられることではありませんでした。

         その日の真夜中、ドリーは、キャサリンとコリンと一緒に家出をしてしまいました。
         その当時、ドリーもキャサリンも60歳は越えていたというのに。
         家出先に選んだのは、草の竪琴が鳴り響く『河の森』の木の上に作られたツリー・ハウスでした。
         その森へは水腫薬の原料になる野草を採るために度々訪れていたのです。

         そんな3人に、町の遊び人(?)ライリーと、退職した70歳近い元判事のクールが合流しました。
         ライリーの父は、ライリーが5歳の頃に暴動のために殺され、母は精神を病んでいました。
         そのため、ホレス判事がライリーの後見人になっていたのですが、ホレス判事はライリーが相続した遺産を横領していたのですね。
         これを暴露したのがクール判事だったのです。
         それ以来、ライリーは一本立ちし、独立独歩でやってきたのでした。

         クール判事も、退職後2人の息子達から疎まれており、一応彼らの家を交互に訪ねて暮らしていたのですが、そんな生活には嫌気がさしていたのでした。

         いわばこのツリー・ハウスに集まった者たちは、みんな社会から疎外され、あるいは自ら離れてきた者たちとも言えるのかもしれません。
         クール判事は、「わたしたち誰にとっても、落ち着く場所などないのかもしれない。ただ、どこかにあるのだということは感じていてもね。もしその場所を見出して、ほんおわずかの間でもそこに住むことができたら、それだけでも幸せと思わなけりゃ。この樹はあなた方にとってそういう場所なんですよ。」と語ります。

         しかし、ヴェリーナはこんな家出など認めるつもりはありませんでした。
         工場を取得し、機械を入れるために既に多額の支払いもしていましたし。
         ヴェリーナは保安官に命じてドリー達を連れ戻そうとするのですが、ドリー達も必死になって抵抗します。

         それまでずっとヴェリーナの言うがままに生活してきて、ひとつも自分の意思で物事を決めたことがなかったというドリーが、初めて自分の意思でツリー・ハウスにとどまることを選んだのです。

         何とも瑞々しく、やさしくて、悲しくて、そして懐かしい気持ちになるような物語です。
         この物語は、コリンが弁護士になるために町を出た後、回想として語られたものなのでしょうね。
        カポーティの秀作だと思います。
        >> 続きを読む

        2019/12/21 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      夜の樹
      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね!
      • 作品に感情の浮彫りや奥行きを求めるようになったのは、間違いなく“ミリアム”のせい >> 続きを読む

        2016/03/16 by one

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      冷血
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね! nikky
      • 帯に「ノンフィクション・ノヴェルの金字塔」と、あったので以前買って読んだのですが、途中で面白くなっかたので挫折しました。そして以前途中でやめた事を思い出してまた読んでみました。アメリカの方田舎で起きた殺人事件のノンフィクションですが、私には何が面白くて、凄いのか良さが分りません。ただ、だらだらとどうでもいい話しが続きます。今回も途中で止めようと何度も思いました。私には展開が速いドキドキする様な物語があってる気がします。 >> 続きを読む

        2018/11/18 by rock-man

    • 他1人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      ティファニーで朝食を
      カテゴリー:小説、物語
      4.8
      いいね!
      • 【映画とは別の“ホリー・ゴライトリー”】
         村上春樹訳の本書には、「ティファニーで朝食を」の他に、カポーティの短編、「花盛りの家」、「ダイアモンドのギター」、「クリスマスの思い出」が収録されています。

         さて、「ティファニー」ですが、これはオードリー・ヘップバーン主演の映画で余りにも有名。主題曲の「ムーン・リバー」だってもうスタンダード。
         ですから、映画しか見ていない人、少なくとも映画から先に入る人の方が圧倒的に多いのではないかと思います。

         ところが、映画と原作では、ラストシーンが全く違うのですよ!
         第一、原作の主人公、“ホリー・ゴライトリー”は、どう考えたってヘップバーンというタイプじゃ無いですよね。
         訳者の村上春樹氏も、この点を指摘しており(大体、原作者のトルーマン・カポーティ自身が「主演がヘップバーン」だと聞いて少なからず不快感を示したそうです)、(映画は映画で素晴らしかったにしても)、ヘップバーンのイメージで固まってしまうために、本書の表紙にヘップバーンを使って欲しくなかったとあとがきに書いています(実際に、このコバルトブルーの表紙に描かれているのは、作中に出てくるあの名無しの猫ちゃんですよ)。

         また、結構な書評や映画評で、主人公のホリーのことを「娼婦」としているものが多いのですが、決して「娼婦」ではないと思います。
         確かに、ホリーは、自由奔放で、エキセントリックではありますけれど、決して「娼婦」ではない(「娼婦なんて言われたら、当のホリーが怒り出すことでしょう)。

         そうそう、私の積年の疑問だったことも書いておきます。
         私も、映画のタイトルの方を先に知ったわけですが、「ティファニーで朝食なんて食べられるの?」と、結構長い間不思議に思っていました。
         実際に、ニューヨーク5番街にあるティファニーに行ったことがありますが、もちろん食事なんてできるわけもなく……。

         これは、別に、ティファニーのお店で本当に朝食を摂るなどと言っているわけではなく、あの高級宝飾店であるティファニーのようなところで朝食を食べられるような身分という比喩的表現なのだそうですよ。

         そして未だ解けないもう一つの疑問。作中に出てくるあのカード。「ホリー・ゴライトリー・トラベリング」という奴。ティファニーで作ったということになっていますが、ティファニーで名刺って注文できるんでしょうか? 名刺入れなら売ってるけど。どなたかご存知の方、教えてくださいませ。
         とにかく、あれやこれやの魅力たっぷりの作品です。村上訳も読みやすくて良かったですよ。
         是非、この機会に原作を読んでみませんか(私は原作のラストの方が、ホリーらしくて好きだなぁ)。

         他の収録作品についても少しだけご紹介します。
         「花盛りの家」は、オティリーという、こちらは本当の娼婦を主人公にした物語。売れっ子の娼婦でしたが、とある時、生まれ故郷が同じハンサムな青年と恋に堕ち、都会の生活を捨てて農家に嫁いでいくというお話。そこには意地悪な姑がいて……果たしてうまくやっていけるのか?

         「ダイアモンドのギター」は刑務所が舞台のお話。殺人により99年の刑を言い渡され、長期間服役している主人公ですが、そこに軽薄な新入りがやってきます。彼は模造ダイヤを埋め込んだギターを持って来ました。ある時、彼から脱獄話を持ちかけられるのですが……。

         「クリスマスの思い出」は、切なくなるようなお話。7才の主人公と、彼の「親友」であるおばあちゃん、そして可愛がっている犬が毎年のクリスマスに30個ものフルーツケーキを焼き、樅の木を切ってきて、お互いにプレゼントをし合うという素敵な素敵なお話です。

         カポーティは、これまでに「冷血」、「草の竪琴」を読みましたが、こちらも良いですよ~。
        >> 続きを読む

        2019/01/22 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      カメレオンのための音楽
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 書くことについて「神が才能を授け給うにしろ、必ず鞭を伴う。いや、鞭こそが才能のうちなのだ、自らを鞭打つ」と序で述べているように、産みの苦しみを乗り越えて生まれた作品たちです。カポーティは文章がとにかく上手くて洗練されているので、きっとすさまじい努力をしているんだろうなと思っていましたが、序を読むと想像以上で、天才の本質を垣間見たような気がしました。

        本書を貫くテーマのひとつが「狂気」で、とりわけ印象的だったのが連続殺人を扱った『手彫りの柩』でした。被害者のもとには手彫りの柩が送られてきて、その中には被害者の写真が入っている。そしてガラガラ蛇や針金といった凶器によって、不吉な予言が現実のものになる不気味さ。生物のうちで悪意を有するのは人間だけだというマーク・トウェインの引用がぐさりと刺さります。
        普通のミステリと一味違うのは、容疑者が自分のことを全知全能の神だと信じていることでしょうか。幼いころに、自分に洗礼を授けた男と容疑者が同じ目をしていることに気づいて驚くTC(この作品にはしばしばTC、脚色されたカポーティ本人が顔を出しています)。やっていることは悪魔そのものなのに、容疑者に罪の意識はなくて、自分は人の運命を決めてもいいんだと本気で思っている。なんだか彼を見ていると悪魔と神が対極にあるものだとは思えなくなっていく不思議な感覚がありました。容疑者は最後にあることを言うのですが、一瞬、彼の言う通りなのかもしれないと思ってしまうくらいに。

        他の作品も期待を裏切らないおもしろさでした。「会話によるポートレート」と称された三部は映画を見ているかのようにするすると映像が頭に浮かんできます。『一日の仕事』『命の綱渡り』などは上質なコメディみたいな明るさもあって楽しく読めました。評判の高い『うつくしい子供』もおすすめです。
        >> 続きを読む

        2017/01/22 by カレル橋

    • 1人が本棚登録しています

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