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アガサ・クリスティ

著者情報
著者名:アガサ・クリスティ
あがさ・くりすてぃ
アガサ・クリスティ
生年~没年:1890~1976

この著者の本を読んでいる会員ランキング

このランキングは1日1回更新されます。
      そして誰もいなくなった
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! chao sunflower tadahiko tomato Minnie napori Tukiwami akino ooitee
      • クリスティの作品群でも1,2を争う位有名な作品。

        もはや手垢がついているし、知られ過ぎているトリックだが、生まれた時代を考えても、やはりすごいアイデアである。

        島に集められた10人が1人ずつ殺されていく。
        クローズドサークルであり、見立て殺人の走り。

        なぜ集められたのかや、普通に考えれば最後に残った人物が犯人のはずだが、それを覆すエピローグの真相。

        しっかりと伏線も張っているし、犯人を示唆する証拠も抜かりなし。
        再読だけど、忘れていた細かい点も見れてやっぱり面白いという結論。
        >> 続きを読む

        2021/03/25 by オーウェン

    • 他21人がレビュー登録、 94人が本棚登録しています
      アクロイド殺し
      カテゴリー:小説、物語
      4.6
      いいね! chao Minnie shikamaru
      • 恥ずかしながら初めてアガサクリスティの作品を読みました。
        フェアかアンフェアか当時議論を呼んだとあり、ミステリー小説の歴史を感じます。
        ネタバレさせたくないのであまり書けませんが、イギリスでまさか麻雀をしてるなんて!ビックリしました。ひさしぶりに麻雀したいなあ。卓を囲んでおしゃべりするのが楽しいんですよね。だから負けてもいいのです笑
        >> 続きを読む

        2019/12/24 by たい♣

      • コメント 2件
    • 他14人がレビュー登録、 44人が本棚登録しています
      春にして君を離れ
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね! Minnie MissTerry chao bakabonn Tukiwami
      • 【クリスティだけどミステリではない。しかし、とても恐ろしい作品である。】
         以前、『アガサ・クリスティー完全攻略』という本をレビューしましたが、その本では著者がクリスティの邦訳されている全作品を読破した上で、ベスト10を選出していました。
         著者が選んだベスト10は、私の感覚とは異なるものではありました。
         ただ、その中には私が読んでいない作品が上位にランクされていたことから、「そんなに高評価ならば読んでみなくては」とも思ったのです。
         ということで、本作は第5位にランクインしている作品で、図書館にもありましたので借りてきてみました。

         さて、本作はクリスティの作品ではありますが、ミステリではありません。
         殺人などの何の事件も起きません。
         強いて言えばサスペンス的な要素を持っているとはいえるかもしれませんが、それもさほど強いものではなく、一般小説として読まれるべき作品でしょう。

         主人公のジョーンは、弁護士の夫と3人の子供を持った主婦で、これまでうまく人生を生きてきた、自分はあれこれのことに気を配り、子供を上手に育て上げ、幸せな家庭を築いてきたという自負を持った女性です。
         彼女は、結婚して嫁いでいった末娘が急病になったという知らせを受け、単身ロンドンを発って末娘家族が住むバグダッドへ行ってきた帰りでした。
         末娘の容体はそれほど案ずるほどのことでもなく、あれこれと世話を焼いてロンドンに帰るところなのでした。

         ジョーンは、帰路の途中で立ち寄った鉄道宿泊所で、偶然、女学生時代の同級生のブランチと再会します。
         ブランチは、女学生時代、生徒たちの憧れの的であり、家柄も良く、幸せな将来が約束されたような女の子だったのです。
         ところが、実際には、ブランチはろくでもない男に夢中になり、また、自分が生んだ子供の面倒をみることを放棄して別の男に走るなど、ジョーンからすれば散々な人生を歩んだ女性でした。

         今、こうしてブランチの姿を見ると、年齢の割にはすっかりくたびれ果てて老け込んでおり、服装もみすぼらしく思えました。
         それに比べて、鏡に映る自分の姿は、まだ若々しく、身なりもちゃんとしているではありませんか。
         結局、本当の幸せをつかんだのは自分なのだと思うジョーンでした。

         ジョーンを見かけたブランチは気さくに声をかけてきて、一緒にお茶を飲もうと誘ってくれました。
         ブランチは、自分の人生がどういうものだったかについてあけすけに語るのですが、どうも大して後悔もしていないようにジョーンには感じられました。
         あるいは露悪趣味?
         そんなブランチの姿を見るにつけ、ジョーンはつくづく自分はしっかりと生きてきたんだと安心するのでした。

         ジョーンは、ブランチに対して、自分は毎日毎日、地区病院の理事職、施設の評議員、ガールスカウトのリーダーその他もろもろの仕事で忙しくしているので、一週間でも良いから何もせずにぼんやり過ごしてみたいなどとも言うのです。

         翌朝、ジョーンはブランチと別れて一人で自動車で鉄道駅へ向かうのですが、生憎の雨のため旅程が遅れてしまい、駅に着いた時には乗るはずだった列車は既に出発してしまっていました。
         仕方なく、駅の宿泊所に泊まることになったのです。
         列車は週に三便しかありません。
         宿泊所周辺は良い天気なのですが、その他の地域では雨が降り続いているらしく、列車は遅れに遅れていて、いつ到着するか分からないというのです。

         それなら、ブランチに話したような、何もすることがない時間が望み通り手に入ったのだからと考え、ジョーンは宿泊所近くで無為な日々を過ごし始めたのです。
         最初のうちは、こういう何もしなくても良い時間は良いものだなどとも考えもしましたが、すぐに飽きてしまいました。
         持ってきた本もすべて読んでしまい、何もすることが無くなってしまいます。

         ジョーンは有り余る時間を潰すために色々なことを回想し始めるのです。
         ところが、思い出すことは不愉快なことばかり。
         幸せな人生を歩んできたはずの自分なのに、何故こんなに嫌な事ばかり思い出してしまうのだろう?
         それとも、自分の人生というのは本当は幸せなものではなかったのだろうか?

         子供たちはみんな良い子で、私を愛してくれていたのに、幸せじゃないなんていうことはあり得ない。
         でも……、あの時、あの子が言った言葉の意味は、本当は……。
         私は、愛する夫をしっかりと支え、夫がろくでもない農園を経営したいなどと言い出した時も、しっかり引き留めてちゃんと弁護士事務所に勤めさせた良い妻ではないか。
         でも、本当は、夫は……。

         ジョーンは、徐々に、自分の人生が本当に正しかったのか、自分は良い妻だったのか、自分は幸せだったのか等について疑いを抱くようになっていきます。
         自分一人だけが何も分かっていなかったのではないか、と。

         これまで確固たるものと信じていたことが、突然根底からぐらつき始めるというプロットは、クリスティはミステリの中で使ったことがありましたが、本作は、それを何の犯罪も起きない一般小説の中で語っているのです。
         これは、大変恐ろしいことではないですか。

         さて、本作についてどう評価するか。
         まず、ラストがどうなるのかが読んでいる途中から気になり始めました。
         あっちへ持っていくのか、それとも……。
         そして、読み終えた後、最後に書かれているエピローグは必要だったのだろうかとも考えました。
         もちろん、エピローグを書いた方がクリスティの意図は明確になるでしょう。
         ですが、私は、あるいはエピローグは不要だったのではないかとも思えました。

         大変恐ろしい、また、読んでいて辛さを伴う作品だったと思います。
         本作に高い評価を与える読者がいることも理解できるところです。
         ただ、私がこの作品を好むかというと……。

         なお、蛇足ですが、文庫版の表紙に描かれている女性(これってジョーンですよね?)って、何故ビーサンのようなサンダルを履いているんでしょうか?
         私、どうもそこが気になってしまって、気に入らない点の一つなんですが……。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
        >> 続きを読む

        2020/10/13 by ef177

    • 他11人がレビュー登録、 25人が本棚登録しています
      オリエント急行の殺人 クリスティー文庫)
      カテゴリー:小説、物語
      4.6
      いいね!
      • 再読。
        この小説は僕が初めて読んだ本格ミステリである。
        クリスティの代表作であるが、本格ミステリを読んだことがない人は初めて読む本格ミステリとして本書と「アクロイド殺し」は避けていただきたい。
        なぜかというと「全ての本格ミステリの犯人は、このパターンなのか」と誤解する可能性があるからである(そのせいで僕は本書を読了後しばらく本格ミステリを読まなくなった苦い思い出がある)。
        本書と類似のトリックとして、森博嗣の某作品や清涼院流水の某作品が挙げられる。
        第二部の証言(関係者の証言シーン)に100ページ以上(全体の三分の一以上)のボリュームを割いており、これを丁寧と見るか、まどろっこしいと見るか意見が別れるだろう。
        登場人物の一人のクリスチャン・ネームが「ハーマイオニ」なのは笑った。
        クリスティの作品は、誰の訳でも読みやすく何を読んでも面白く(今のところ)まさにミステリの女王である。


        >> 続きを読む

        2019/06/01 by tygkun

    • 他7人がレビュー登録、 25人が本棚登録しています
      そして誰もいなくなった
      カテゴリー:小説、物語
      4.8
      いいね! niwashi
      • 良かった。
        良かった。

        作品の落ち(犯人は死んだふり)まで聞いておきながら、最後まで誰が犯人か分からなかった。

        すごい、すごい。
        >> 続きを読む

        2017/08/19 by フッフール

    • 他5人がレビュー登録、 27人が本棚登録しています
      三幕の殺人 クリスティー文庫)
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 元俳優、チャールズ・カートライトが主催するパーティで、突然、牧師が死亡するという事故が起きた。
        カートライトは、殺人ではないかと疑うのだが、温厚な牧師が人に恨まれる様子もなく、突然死ということで処理されてしまう。

        しかし数ヵ月後、今度は別のパーティーの席上で、カートライトの親友である医師が亡くなり、これは毒によるものと判明する。

        カートライトは、これらの事件の真相をつかもうと、ポアロの手を借りて捜査に乗り出すのだが-------。

        毒殺事件を取り扱ったものというと、クリスティーの小説では、最近読んだ「スタイルズ荘の怪事件」が思い起こされる。
        最初は、この「三幕の殺人」も、それに準ずるような内容なのかと思いきや、きちんと作品として確立されていて、クリスティーの作風の多彩さに、今更ながら驚かされてしまう。

        この作品では、殺人事件が起きるのだが、死者達を繋ぐミッシング・リンクも判明せず、動機もわからず、殺人の手段さえも霧の中という、不可能に満ち溢れたものになっている。

        正直、ラストにおいて、本当に納得のいく解決が得られるのかな、と心配であったのだが、そこには見事に解決が付けられていた。

        この作品のタイトルは、「三幕の殺人」という舞台を意識したかのようなタイトルであるが、まさにそのタイトルを象徴するかのような物語であり、ラストでは見事な幕引きを見ることができましたね。

         
        >> 続きを読む

        2022/01/14 by dreamer

    • 他4人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      ABC殺人事件
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! Minnie
      • 【どうしたってあの男が犯人に思えてきてしまう】

         いよいよクリスティの名作の登場です。
        ミッシング・リンクものの傑作であり、以後、数多くのミステリ作中でも言及されることになる古典です(例えば、エラリー・クイーンは、『九尾の猫』で本作のトリックを『ABC理論』と称して紹介しています)。

         ある日、ポアロのもとに不可思議な手紙が届きます。
         その手紙には、〇月〇日にA……(Aで始まる地名)で事件が起きると予告しており、ABCの署名がありました。
         ヘイスティングズは、誰かのいたずらに決まっていると取り合いませんが、ポアロは不吉な予感に襲われるのです。
         ポアロはこの手紙を警察に持ち込むのですが、警察も著名な名探偵の申し入れなので無碍にはできなものの、やはりいたずらではないかと考えます。

         しかし、予告の日にA……という町で、Aのイニシャルの婦人が殺害されるという事件が起きました。
         犯行現場にはABC鉄道案内が置かれていました。
         確かに手紙の予告どおりではあるけれど、偶然の一致かもしれない……。
         警察はいまだに半信半疑です。
         しかし、ポアロは、現場に置かれていたABC鉄道案内に指紋が残っていなかったことから、これは犯人によって故意に置かれたものだと看破します。

         そして再びABCから予告の手紙が届きます。
         今度は、B……(Bで始まる地名)で事件が起きるというのです。
         予告されていたにもかかわらず、またしてもB……という町でBのイニシャルの女性が殺害され、現場にはやはりABC鉄道案内が残されていました。
         もはやこれは偶然の一致などではない!
         警察はようやく本腰を入れ始めました。

         しかし、それをあざ笑うように、C……での犯行を予告する手紙が届き、予告通りにC……でCのイニシャルの男性が殺害されます。
         これはどこまで続くのか?
         Dで阻止できるのか?
         犯人は一体何の目的でアルファベット殺人を続けるのか?
         殺人自体を楽しんでいる狂人なのか?

         本作は、その構成にも工夫が凝らされています。
         基本的にヘイスティングズの手記という形で書かれているのですが、作中の一部には、これはヘイスティングズが書いたものではないとわざわざ断り書きをした章が挿入されているのです。
         そこでは、ある男の生活が描かれるのですが、これが上手く書かれているために、読者はどうしたってこの男が犯人ではないのか?と思わざるを得ないのです。
         クリスティの叙述の妙ですね。

         ポアロものには傑作がいくつかあるのですが、本作はそのベストに推しても決して不思議ではない作品だと思います。
         私は、『アクロイド殺し』と並んで、本作を高く評価してしまいます。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
        >> 続きを読む

        2019/02/09 by ef177

      • コメント 3件
    • 他4人がレビュー登録、 29人が本棚登録しています
      スタイルズ荘の怪事件
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね!
      • 【エルキュール・ポワロ見参!】
         本書は、アガサ・クリスティのデビュー作であり、エルキュール・ポワロが初めて登場した作品でもあります。
         物語は、ヘイスティングズが逗留していたスタイルズ荘において、その女主人がストリキニーネによって毒殺されるという殺人事件をポワロがいかに解決するかというものです。

         ヘイスティングズとポワロは旧知の間柄でしたが、殺人事件発生当時、ポワロも偶然スタイルズ荘の近くに住んでいたことから、二人は再会し、事件の捜査に乗り出すという構成になっています。
         ポワロは、ベルギーの腕利きの警察官でしたが、今はリタイアしているという設定です。

         シリーズ物は、回を重ねるに連れて段々登場人物のキャラクターができあがっていくという面があると思うのですが、ポワロも例外ではありません。
         初登場のこの作品を読むと、その後何作にも渡って作り上げられていった「完成型」のポワロのイメージとはやや違う印象を持つのではないでしょうか?

         ポワロの外見的イメージは、既にこの作品で完成しており、以後もそれほど変わらないように思えますが、推理のスタイルについては大分変わっていく印象があります。
         ポワロと言えば、「灰色の脳細胞」であり、アームチェア・デティクティヴ(安楽椅子型探偵)の代表選手のようなイメージがありませんか?
         でも、本作のポワロは、結構精力的に動き回っていますし、ヘイスティングズを置き去りにして一人であちこちと出かけて行きます。
         有名な「灰色の脳細胞」という言葉も、台詞の一か所でさらっと出てくるだけであり、さほど強調もされていないんですね。

         また、ある重要な証言を得られた時など、うれしさのあまり芝生の上を走ったり飛び回ったりしますし、推理に行き詰まるとトランプで「カードの家」を黙々と積み上げたりします。
         何かちょっと雰囲気が違いませんか?

         また、ヘイスティングズのポワロを見る目も、シリーズが成熟した時期の、完全な信頼を置いた目とはまた違っているのです。
         作中、ヘイスティングズ自身が、「自分は推理には自身がある。」、「自分で私立探偵のようなことをやってみたい。」などと言いますし、ポワロの推理や振る舞いに相当懐疑的、批判的なまなざしを向けたりもしています。

         推理小説としては、クリスティ一流のエキセントリックな仕掛けがあるわけではなく、かなり地味でオーソドックスなものになっています。
         読者をあっと驚かせるようなトリックも見られません(まぁ、あるとすればかろうじてあの点でしょうか)。
         また、ロマンスの要素をかなり多めに盛り込んでいるところも特徴的かもしれません(この点では、ヘイスティングズにはかなり可哀想な役回りを振られています)。

         いずれにしても、ポワロはこの作品から始まりました。
         最初の一作をお読みになり、また、この後に書かれたいくつもの「傑作」と比較してみるのも一興かと思います。
        >> 続きを読む

        2019/11/29 by ef177

    • 他3人がレビュー登録、 22人が本棚登録しています
      ナイルに死す
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね!
      • 面白かった。

        これは筆者の渾身の作品だなあと感じさせるのは、なかなかなかなか誰も死なないところ。
        殺人もの推理小説では相当初期に第一の殺人が起こるのが常道で。
        その点この作品は、全570頁にあってようやくそれが起こるのが250頁。

        長い。

        これは相当の能力と、そして自信が無いと成し得ない組立て。
        さすがはアガサクリスティと感嘆。
        >> 続きを読む

        2017/08/19 by フッフール

    • 他3人がレビュー登録、 17人が本棚登録しています
      五匹の子豚 クリスティー文庫)
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • 【今度こそ真相を見切った!……と思ったらまた騙された (´・ω・`)ショボーン
         今回、ポアロが挑むのは16年前の殺人事件の真相解明です。
         16年前、エイミアスという天才的な画家が毒殺されるという事件が起こり、犯人として逮捕された妻のキャロラインはエイミアスの自殺を主張しましたが容れられず、裁判で有罪となり終身刑の判決を受けますが、その1年後に亡くなってしまいました。
         しかし、キャロラインは、亡くなる前に事件当時5歳だった娘のカーラに宛てて、自分は殺してなんかいないという内容の手紙を書き残していたのです。

         成人し、結婚することになったカーラは、この母の手紙のことがどうしても気になり、ポアロに16年前の真相を解明して欲しいと依頼してきたのです。
         とは言え、16年も前の事件です。
         今更証拠など残っているはずもないのですが、ポアロは関係者から当時の話を聞くことにより、灰色の脳細胞を使って真相を解明することを引き受けるのでした。

         エイミアスは、事件当時、エルサという若い女性を愛し、キャロラインと離婚してエルサと結婚する約束をしていました。
         この件で夫婦は激しい喧嘩となり、キャロラインは「ほかの女に渡すくらいならあなたを殺してやる」とはっきり言ったことが関係者の証言から明らかになっています。

         エイミアスの死因はビールに入れられたコニインという毒物でした。
         エイミアスらが住んでいた家の近くには、エイミアス夫婦とも以前から親しくしているブレイク兄弟が住んでいたのですが、兄のメレディスは素人薬剤師であり、自分で抽出したコニインを所持していたのです(少量の使用なら喘息などに効果があるそうです)。
        ところが、事件があった前の日、メレディスはエイミアス夫婦その他の関係者らに自分の作業場を案内し、コニインについても見せて説明したことがあったのです。
         そして、その後、コニインが減っていることに気付いたのです。

         キャロラインは、裁判で、自分がメレディスのところからコニインを盗んだことを認めました。
         エイミアスの態度に絶望し、自殺を考えてコニインを盗み出し、香水の空き瓶に入れてしまっておいたというのです。
         コニインが入っていたメレディスの薬瓶や、取り分けたという香水の瓶にはキャロラインの指紋だけが残っていました。

         そして、事件があった日、エイミアスはエルサをモデルにして公園で絵を描いていたのですが、暑い日だったこともあり、やって来たキャロラインに冷たいビールが飲みたいと所望したのです(近くの四阿にもビールはありましたが、ぬるいと言うのです)。

         キャロラインは言われるまま家から冷えたビールを持ってきてグラスに注ぎ、エイミアスはそれを飲み干したのですが、「おかしな味がする」と言い、その後しばらくしてコニイン中毒により死亡したのです。
         コニインはビール瓶の中からは検出されず、グラスだけから検出されました。
         
         現場付近にいた犯行可能な関係者は以下の5人です。
         1エルサ、2メレディス、3フィリップ(メレディスの弟)、4アンジェラ(当時13歳だったキャロラインの義妹)、5セシリア(アンジェラの住み込み家庭教師)。
         この5人の中に真犯人がいるのか?それともやはり裁判は正しく、キャロラインが犯人なのか?あるいはキャロラインが主張していたとおりエイミアスの自殺だったのか?

         私は、真ん中辺りまで読んでこの事件の真相が分かった!と思いました。
         本作は、様々な客観的証拠が提示されてそこから推理するというタイプのミステリではなく、読者に与えられるのはあくまでも関係者の供述のみです(当然嘘をついている関係者がいる可能性もあり、供述が真実とは限りません)。
         ポアロに言わせれば、関係者の心理から真相を導き出せると言うのですが……。
         私は、一応納得できそうな真相にたどり着いたつもりだったのです。

         ラストの解決編に入っても、私の推理は当たっていると思って読み進めたのですが……あらら。
         またもやクリスティにうっちゃられてしまいました。
         確かに、クリスティはその真相のための伏線を張っています(一点だけ不親切だと思ったのは、コニインがどういう状態なのかが描写されていないこと。私は粉末ではないかと思っていたのですが、どうやら液状のようですね。いや、まぁそれは途中で何となく気づくのですが)。

         今度こそは当たったと思ったのに、まったく食えないおばさんだ!(笑)
         でも、そんなこと言ったらクリスティから、「あなたが不注意なのですよ」とかしれっと言われそう。
         クリスティにうっちゃられてみたいというあなた、本作をどうぞ読んでみてください。

         なお、本作のタイトルや造りは童謡の見立てになっているのですが、こちらはあまりうまく行っていないと思いました。
         童謡見立てにする意味があまりなく、効果も上げていないのですよね。
         そこんとこ、☆を引くかな~とも思いましたが、今回もやや甘めの評価でいきましょう。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
        >> 続きを読む

        2020/08/01 by ef177

      • コメント 4件
    • 他3人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      青列車の秘密 クリスティー文庫)
      3.0
      いいね!
      • 【オリエント急行の裏返し……かな?/ポアロしらみつぶし5】
         青列車(ブルー・トレイン)車中で起きる殺人・宝石盗難事件をエルキュール・ポワロが解決するというミステリです。
         クリスティは、本作でなかなか凝ったトリックを用意してくれています。

         クリスティの傑作の一つに「オリエント急行殺人事件」がありますが、「ある意味では」本作は「オリエント急行」の裏返し的なところが無いとも言えないかもしれません。
         すみません、ミステリのレビューという性質上、ネタばれ厳禁なもので、どうしても奥歯に物が挟まったような言い方しかできなくて。

         本作は、ポワロ物ですが、残念ながら良き相棒のヘイスティングズは登場しません(一か所だけポワロの台詞中に出てきますが)。
         その代わりに、ポワロの相方的役割を少しだけ担ってくれるのが、ポワロが青列車の中で偶然に知り合ったキャザリン・グレイという女性です。

         キャザリンは、長年、セント・メアリ・ミードという田舎の村で、老婦人の家政婦として働いていた33歳の未婚女性なのですが、その老婦人が亡くなったことで莫大な遺産を相続したのですね。
         キャザリンは、これまで老婦人のお相手をして小さな村に籠もりっきりの生活だったため、一度はリヴィエラへ旅行してみようと思い立ち、青列車に乗ったわけです。

         青列車の食堂車の中で、たまたま相席になったポワロは、キャザリンが推理小説を持っているのに目を留め、話しかけたところ二人は知り合いになるのです。
         キャザリンは、ミステリのような刺激的なことは現実には起きないと言うのですが、ポワロは「そんなことはありませんよ。きっと起きます。」と言ったところ、まさに二人が乗り合わせていた青列車の車内で冒頭の殺人・盗難事件が発生したというわけです。
         ポワロは、キャザリンが聡明であることを見抜き、この事件は私とあなたの二人で解決しましょうとキャザリンに言うのでした。

         さて、この犯罪の目的を達するためだけなら、もっとシンプルな方法が可能だとは思うのですが、そこはそれ、ミステリですから。
         クリスティもその辺は気づいていて、ポワロの口を借りてやや苦しい言い訳をしています。

         また、この作品でポワロが真相にたどり着く手法として「心理」ということを強調しています。
         まぁ、人間のキャラクターということですね。
         証拠上いかに疑わしい人物であっても、そのキャラクターが犯行手口にそぐわなければ犯人ではないと言うのですね。
         まぁ、そういうこともあるかもしれませんが……(やや弱いかなぁ)。

         そうそう、この物語を通じて、もう一つの「謎」が仕組まれているんですよ。
         それは、キャザリンは結構モテまして、様々な男性からモーションをかけられるのですが、キャザリンの意中の人物は誰か?という「謎」です。
         これが、本来の中心的な「謎」と絡み合うように書かれています。

         そうそう、最後にもう一つ。
         今回、キャザリンが暮らしていた村として登場するセント・メアリ・ミード村ですが、後に、この村からミス・マープルが登場することになるのですよ。
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        2020/01/27 by ef177

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      ひらいたトランプ クリスティー文庫)
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
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      • 【性格分析で犯人を特定することは可能なのか?/ポアロしらみつぶし企画14】
         本書の冒頭にはクリスティによる序文が添えられています。
         そこでクリスティは、本作の犯人は意外な犯人ではないと予め断っています。
         そして、本作の興味は、ポアロが心理的な捜査を行うことにあるとも。
         さらに、この物語をポアロから手紙で知らされたヘイスティングズ大尉は、「非常に単調だと思った」と書かれているのです。
         さて、皆さんの判断はどうでしょうか?

         物語は非常にシンプルです。
         他人の弱みを見つけ出すことに長けているシャイタナという男が、ポアロに対して、自分は第一級の犯罪者を知っているので、今度それをポアロにお目にかけようと持ち掛けるのです。
         シャイタナが言う第一級の犯罪者とは、過去に犯罪を犯しているにもかかわらず、それが露見することなくまんまと逃げおおせた犯人ということです。

         その後、ポアロにシャイタナからのパーティーの招待があり、ポアロが出かけてみたところ、シャイタナを除くと8人の男女の客が招かれていました。
         この8人の中に第一級の犯罪者がいるということなのでしょうか?
         食事の後、招待客は2組に分かれてブリッジをすることになりました。

         ポアロは、警視、女性推理小説作家、諜報部員と組んで奥のスモーキング・ルームでブリッジを始めました。
         ひとしきりゲームを終えた後、他の4人の招待客がブリッジをしている居間に行ってみると、ゲームはまだ続いていましたが、ゲームテーブルから離れた暖炉近くの椅子に座っていたシャイタナが鋭いナイフで刺されて殺されているのが発見されたのです。

         状況から言ってシャイタナを殺したのは居間でブリッジをしていた4人のうちの誰かとしか考えられません。
         4人は全員シャイタナが殺された事には気づかなかったと言います。
         また、4人はそれぞれゲームの途中で席を立ち、シャイタナが殺されていた椅子の近くに行ったことはあるが、その時にはシャイタナはまだ生きていた、あるいは眠っていると思ったと述べ、自分が殺したのではないと犯行を否認します。
         4人が席を立った時刻については、4人とも記憶がそれほど確かではなく、あいまいなままになります。

         さて、犯人はこの4人のうち誰か?というのが本作の謎になります。
         そもそもシャイタナは第一級の犯罪者を呼んだとポアロに話していたのですから、過去に何らかの犯罪を犯した者がいるのであれば、その者が自己の犯罪の発覚を恐れてシャイタナを殺した疑いが濃厚だと考えられました。
         警察は4人の過去を洗い直すのですが、その結果、何と、4人が4人とも過去に殺人を犯した疑いが浮上してしまうのです(もっとも大した証拠はなく、あくまでも推測の域を出ませんし、今となっては訴追はできそうもないのですが)。

         このような状況になり、犯人を特定する決め手がないというストーリーなのですが、ポアロの捜査は4人の性格分析に焦点が当てられます。
         ポアロは、4人のブリッジのプレイスタイルからそれぞれの性格を分析し、また、4人が何に関心を置いて記憶しているかについても調べ始めるのです。
         本作中には4人のブリッジの得点表まで掲載されています。

         さて、このようにトランプのプレイ・スタイルから各人の性格を知り、犯人を特定するミステリと言えば、ヴァン・ダイン作の『カナリヤ殺人事件』がすぐに思い浮かびます。
         『カナリヤ殺人事件』では、名探偵ファイロ・ヴァンスはポーカーをプレイし、相手のプレイ・スタイルからその性格を分析して犯人を特定するということが行われています。
         作品的には、『カナリヤ殺人事件』が書かれたのが1927年、本作が書かれたのが1936年なので、このアイディアは『カナリヤ殺人事件』の方が先ということにはなるのですが。

         問題はポアロの推理です。
         私は、本作で登場人物がプレイしたコントラクト・ブリッジのルールを知らなかったので、例えば掲載されている得点表を見せられてもそれがどういう意味になるのかを判断することはできませんでした。
         とは言え、作中でその意味は解説され、その結果から各人の性格はこうであるとポアロが分析してくれますので、ブリッジのルールを知らなくても本作を楽しむことは可能なのですが(ちなみに、本書の巻末解説にはコントラクト・ブリッジのルールが概説されています)。

         ただ、ゲーム・スタイルなどから分析した各人の性格によって犯人を特定するというのはどうなのかなぁという疑問は最後までつきまといます。
         非常に脆弱な推理であるという評価は免れないと思うのですね。
         ですから、本作のポアロの推理は極めて危なっかしいものに思えてならないのです。
         そんなことで犯人が特定できるものかという疑念が残るわけです。

         加えて、物語の展開も、ポアロがそのようにして推理して犯人を絞り込んでいく過程が描かれるのかというとそうでもないんですね。
         ラスト直前まで、登場人物がそれぞれの思惑から色々な行動を取り続け、そこばかりが描かれるので、ポアロが一体何を考えているのかはラストまで読者にはまったく分からないのです。
         ミステリだから当たり前と言えば当たり前ですが、典型的なミステリのように、読者に何かの証拠や手がかりが示されるという過程がすっ飛ばされているわけです。
         読者は最後の最後になって、ポアロはこう考えたということが示されるだけなんですね。

         しかも、ポアロのその推理にはまったく何の証拠も伴わないのです。
         じゃあポアロはどうしたかというと、非常にずるいひっかけを弄し、犯人を誤解させて自白させるという展開に強引に持ち込むのです。
         この辺りも「見事な推理だ!」と読者を説得するには不十分に感じます。

         本作には、あるどんでん返しとミスリードが用意されているのですが、これがかろうじての救いと感じました。
         もし、この点がなければ、私は本作を☆1~2程度に評価したでしょう。
         本作が典型的なミステリとしてどこまで評価できるかというと、私としては疑問符がついてしまう作品なのでした。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
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        2021/02/16 by ef177

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    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      ポアロのクリスマス
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
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      • 【ミステリにもクリスマス作品が結構あります。】
         本作は12月22日から28日までの出来事が描かれます。
         殺人事件が起きるのは24日、ポアロが解決するのは27日ですから実質4日間ですね。
         今回の被害者は、ゴーストン館に住む億万長者のシメオン老人です。
         彼は、若い頃、南アフリカのダイヤ採掘事業で大儲けしましたが、道徳的には決して褒められたような男ではなく、好き勝手な人生を歩み、外にも何人もの女性をつくり、また、妻を大切にもしなかったために妻は早くして亡くなっていました。
         今はすっかり年を取って衰え、長男であるアルフレッドとその妻と共にゴーストン館で隠棲していたのです。

         シメオンの一族は決してうまく行っておらず、疎遠な関係なのですが、シメオンはどういう風の吹き回しか、今年のクリスマスには一族をゴーストン館に集めたのです。
         国会議員をしているジョージは吝嗇家であり、その妻は浪費家でした。
         デヴィッドは画家ですが、母親っ子であり、母親が亡くなったのはシメオン老人のせいだと今でも深い恨みを抱いていましたが、妻の説得もあり、二人でゴーストン館にやって来ました。
         また、ハリーという放蕩息子がいるのですが、彼は若い頃に家を飛び出しており、今回久しぶりに舞い戻ってきました。
         さらに、シメオンには娘がいたのですが既に亡くなっており、その娘(シメオンの孫に当たります)のピラールもスペインから呼び寄せられていました。

         シメオンは、老境を迎えて一族を集め、温かいクリスマスを過ごそうとした……なんていうことでは全くありませんでした。
         シメオンはとことんひねくれており、不仲な兄弟たちを集めてさらにその諍いを助長するような言動に及び、また、遺言を書き換えると言い出し、お互いの不信感を募らせるようなことをします。
         
         そしてイヴの夜、自室に籠っていたシメオンの部屋から家具が倒されるような大きな物音が聞こえ、それに続いて悲鳴のような絶叫のような音が響き渡ったのです。
         兄弟やその妻たちは慌ててシメオンの部屋に駆け付けたのですが、部屋の唯一の出入り口ドアは内側から施錠されていました。
         ドアを破って室内に入ると、そこは血の海で、家具が引き倒され、その中でシメオンが喉を搔き切られて絶命していました。
         窓から人が出入りすることは不可能です。

         密室殺人なわけですが、室内には凶器がありません。
         通常、犯人が密室殺人を仕立てる理由は、自殺に見せかけるためというのが最もありそうな理由ですが、室内に凶器が残されていない以上自殺はありえず、一体何のために密室を作り上げたのかが全く分かりません(何故犯人が密室を作ったのかは最後に説明はされますが)。
         まぁ、密室の点については、早期にトリックが暴かれますのでこれが主要な謎ではありません。
         大体、物音が聞こえてから一族が駆け付けるまでわずかな時間しかなく、そんな短い時間で密室を作り上げ現場から逃げ出すというのは相当に難しいように思えます。
         また、シメオンは室内の金庫にダイヤの原石を保管していたのですが、それが紛失しており、殺人事件との関連も問題になってきます。

         さて、本作のミステリとしての出来ですが、とにかく読者に情報が開示される時点が非常に遅いのです。
         ポアロが関係者の前で謎解きを始めてようやく読者に明かされる情報も多く、それなりのほのめかしはその前にも多少は書かれているものの、それだけでこの真相を論理的に推理することはきわめて困難でしょう。

         私は、本作を読んでいて、まったく手がかりらしい手がかりも与えられないまま解決篇に入ってしまったという印象を強く持ちました。
         決め手になるような情報がほとんど読者に与えられないので、その点では不満の残る出来だと思います。

         トリックとしてはなかなか面白いものが用意されており、私もそういうことじゃないか?という想像(推理とは言えません)はしたのですが、それが正解だと判断できるだけの手がかりが与えられないのです。
         ですから、犯人を見破りたいという読者にはいささか不親切な構成になっています。

         巻末解説では、本作はクリスティの脂が乗り切った時期の作品であるとしてかなり高い評価を与えていますが、これは少々割り引いて読むべきだと思いました。
         もちろん、駄作ではありませんし、決して悪い作品ではないのですが、水準点というのが良いところではないかというのが読み終わっての私の感想です。
         なお、本作は一応クリスマスをうたっていますが、さほどクリスマス色は強く出ていないんだなぁ。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
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        2020/06/27 by ef177

    • 他2人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      杉の柩
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
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      • 【絶対的不利な状況からポアロは逆転できるのか?/ポアロしらみつぶし企画8】
         久しぶりの『ポアロしらみつぶし』企画です。
         今回選んだ本は、以前レビューした『アガサ・クリスティー完全攻略』で、ポアロものでは第7位にランクインされていた作品です。

         事件はかなりシンプルです。
         メアリイという女性がモルヒネを盛られて殺されるのですが、彼女の胃からは直前に飲食したサンドイッチと紅茶しか検出されませんでした。
         モルヒネは、直接飲んだか、あるいはサンドイッチか紅茶のどちらかに入れられていたとしか考えられません。
         そのサンドイッチは、エリノアという女性が作ったもので、エリノアはメアリイとホプキンス看護婦を呼んで三人で一緒に食べたものでした。
         紅茶の方は、サンドイッチを出した時にホプキンス看護婦が淹れたもので、エリノアは飲みませんでしたが、他の二人が飲んだものです。

         エリノアは、ロディーという義理の甥と婚約していたのですが、ロディーはメアリイに心移りしてしまったため、婚約は破棄されていました(でも、メアリイはロディーからプロポーズされた時に、あなたはエリノアと婚約しているではないですかと言って断っているんですけれどね)。

         また、この事件が起きる直前に、病弱だったエリノアの叔母が亡くなったのですが、叔母は遺言書を残していなかったため、本来ならばロディーにも遺産が残されただろうと思われていたにもかかわらず、最も近親者であるエリノア一人に莫大な全遺産が相続されることになってしまったのです。
         ロディーとしては、婚約者の財産を目当てに結婚したと思われるような状況は我慢できなかったという事情も、婚約を破棄した理由の一つだったかもしれません。

         この件もエリノアに不利に働きました。
         エリノアは、婚約者を奪ったメアリイを憎み、殺害する動機があったと考えられたのです。
         サンドイッチを作ったのもエリノアです。
         もちろん、そのサンドイッチはエリノア自身もホプキンス看護婦も食べてはいるのですが、一番上のサンドイッチにだけモルヒネを盛っておき、最初にメアリイに勧めれば、当然メアリイはモルヒネ入りのサンドイッチを取って食べることになるでしょう(実際にエリノアは最初にメアリイにサンドイッチを勧め、メアリイは一番上のサンドイッチを食べたのです)。

         モルヒネについても、ホプキンス看護婦が鞄に入れていたものが紛失するということが少し前にありました。
         鞄は誰もがいじれる場所にありましたので、もちろんエリノアがモルヒネを盗むことも可能な状態でした。

         しかも、メアリイの叔母の死体が掘り返されて再検分されたのですが、叔母の死体からもモルヒネが検出されたのです。
         これは、メアリイが叔母が遺言書を書いていない内にモルヒネで殺害して遺産を独り占めし、さらには婚約者を奪ったメアリイまでも同じ手口で殺したとも十分考えられます。

         このような事実からエリノアは殺人罪で裁判にかけられてしまったのです。
         証拠からはエリノアは絶対的に不利だと思われます。
         しかし、エリノアの無実を信じる医師は、ポアロに何とかエリノアを助けてやって欲しいと依頼するのですが、ポアロはこの絶対的に不利な状況をひっくり返すことが可能なのか?というミステリです。

         さて、本書を読み終えての感想ですが、そつなくまとめられたコンパクトな作品と感じました。
         大きな欠点も無く、無難な出来だと思います。
         目が覚めるようなトリックはありません。
         一つあるとすればあの点なのですが、そこは私も見落としてしまいました。
         しかし、ポアロが主張するほど明確に書かれているかというと(その部分を読み返してみましたが)それほどはっきり書かれているとも思えませんでした。
         また、読者には完全に与えられていない情報もあり、フェアじゃないと言われればそれも仕方ないところでしょう。

         ポアロは、依頼を受けた後、登場人物一人一人と面会して質問を重ねていくのですが、その過程はかなり淡々と描かれています。
         本作にはヘイスティングズは登場しませんので、いつものようなポアロとヘイスティングズの軽妙な掛け合いを楽しむこともできません。
         最終的な真相の披露も、物語の設定上、ポアロによって与えられた情報が裁判で明らかにされ、判決で決着がつけられるという形になっています。
         ミステリの定番である関係者を一堂に集めての謎解きというシーンは無いのです(まぁ、判決の後、ポアロが依頼者の医師に若干の補足説明をする場面はありますが)。

         あの関係者を一堂に集めての謎解きシーンは、あまりにもわざとらしい、芝居がかっているということで批判されることも多々あるのですが、それでもドラマティックな演出であることは間違いなく、それを使わないとするとどうやって盛り上げるかという他の方法を考えなければならなくなるところ、本作ではそのような盛り上げはやっていません。
         ですから、なんとなく終わっちゃったという印象を与えることになるかもしれませんね。

         このようなもろもろの点を考え合わせると、私としては本作はポアロものの中ではまぁまぁの作品という評価になりました。

         しかし、邦題は何故『杉の柩』なんでしょうね?
         私は、読了してもその意味が分かりませんでした。
        原題は”SAD CYPRESS”なので、直訳すれば『悲しい糸杉』ということになるでしょうか。
         確かに、糸杉は柩を作る時に用いられる木だそうですので、そこから『杉の柩』としたのかもしれませんが。
         でも、糸杉は、一度切ると二度と生えてこないことから、『喪』の象徴ともされているそうです。
         それがメアリイと叔母の哀しい喪を表しているという方が当たりのような気もしますね。
         いずれにしても邦訳しにくいタイトルではあります。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
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        2020/10/14 by ef177

    • 他2人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      白昼の悪魔
      カテゴリー:小説、物語
      3.2
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      • 【これはなかなか巧妙だ/ポアロしらみつぶし企画22】
         本作は、ポアロが登場する長編の第20作目に当たります。
         本作のポアロはリゾート・ホテルがある島で休暇中。
         でも、例によって島で殺人事件が発生し、その捜査に駆り出されることになります。

         島と言っても完全に陸地から孤絶しているわけではなく、満潮時には海面下に没するものの、島と陸地をつなぐ渡り道がありますし、島と陸地をボートで往還することも容易です。
         リゾート・ホテルには様々な人が逗留中なのですが、その中の一人、アリーナ・マーシャルという大変美しい女優が殺害されてしまうのです。

         彼女、美貌なだけあって、次から次へと男性と関係を持っているようなのです。
         既婚であり、ホテルには旦那も一緒に来ているのですが、旦那はアリーナの振る舞いに無関心なのか、これまでも彼女の行動を掣肘するようなことはなかったようです。
         実は彼女、過去にかなりの富豪の男性をたらしこんだようで、その男性の遺産をがっぽりせしめていたりもするのです。

         そんなアリーナは、今度は島にやって来たパトリック・レッドファンという若い男性に目をつけたようです。
         パトリックも妻のクリスチンと一緒に島に来ていたのですが、アリーナは奥さんがいてもへっちゃらです。
         パトリックと結構大胆にいちゃつきはじめ、ホテルの逗留客も眉をひそめているのです。

         そんなアリーナが島にあるピクシー湾という海岸で扼殺されて殺されているのが発見されました。
         発見者はパトリックともう一人の女性逗留客です。
         二人はボートに乗って島の周辺に漕ぎ出したのですが、そこでアリーナの死体を発見したのでした。

         いや、実はこの日、アリーナは早々と海に出ていたのです。
         自分で小舟を操って海に漕ぎ出したのですが、その時ポアロと出くわしています。
         アリーナは、「私が海に出たことは誰にも言わないでね」とポアロに釘を刺して嬉々として出かけていったのです。
         ポアロは、てっきりパトリックと逢引きをするつもりだろうと思ったのですが、驚いたことに、その後、パトリックが一人で海岸にやって来たのです。
         パトリックは明らかにアリーナを探している様子で、イライラしています。
         ということは、アリーナが会いに出かけた相手はパトリックではなかったのか……。

         いつまで経ってもアリーナの姿が見えないため、業を煮やしたパトリックが他の逗留客女性を誘ってボートを乗り出してアリーナを探しに出かけたところ、死体になっていたアリーナを発見したという経緯なのです。

         扼殺ですから、まあ、犯人は男性だろうと思われます。
         もちろん、女性でも不可能ではないでしょうけれど、少なくともアリーナよりも体力に勝る者でなければ扼殺することは難しいでしょう。

         最初に疑われたのはアリーナの夫です。
         あれだけ大っぴらにパトリックといちゃつけば、いくらなんでも夫だって気が付くでしょう。
         さすがに怒ってついカッとなって殺してもおかしくはありません。
         しかも、アリーナは莫大な財産を相続していたのですから、金目当てという線だってあり得ます。
         ところが、夫は死亡推定時刻前後はホテルの部屋でややこしい手紙をタイプしていたと主張します。
         タイプの音はメイドも聞いており、あれだけややこしいビジネス・メールを書くにはかなりの時間を要するとも認められましたので、これはアリバイ成立ということでしょうか。

         その後、どうもアリーナは何者かに恐喝されていたらしいという情報が入手されたり、アリーナが殺されていた海岸にある洞窟から麻薬が発見されたりし、状況は混沌としてきます。

         で、例によってラストでのポアロの謎解きですが、今回は2転、3転させてくれます。
         そして最後に明かされる真相は、なかなか巧妙なプロットになっていると評価できるでしょう。
         ただし、ある一点については、相当に〇〇なことをしており、これはかなりリスキーだよねぇと思わざるを得ないのですが。
         トリッキーな結末を用意したという点ではそれなりに評価できる作品ではあると思いますが、いつものとおり、証拠が非常に乏しいという恨みはあります。
         何度も書いているとおり、決定的な証拠を伴わない推理であるため、それはポアロの言いっぱなしだろうと言われてもやむを得ない弱点は孕んでおり、個人的にはそういう点はいかんな~と思ってしまうのであります。
         なお、本作では、ある事象も視点を変えて見るとまったく違う様相を呈するという、チェスタトンばりのパラドキシカルな手法も用いられていますよ。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
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        2021/09/13 by ef177

    • 他2人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      ホロー荘の殺人
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • アガサ・クリスティーの「ホロー荘の殺人」を再読。

        この作品は、クリスティーがトリックより心理描写に重きを置くようになった頃の作品で、派手なトリックこそないものの、登場人物たちの心の襞を丁寧に描いて、文学的な香りを漂わせる、読み応えのある一篇になっていると思う。

        かなり普通小説寄りのミステリになっていて、クリスティーの中でも好きな作品の一冊だ。

        メインとなるのは、登場人物たちの恋愛感情で、全篇にロマンティックなムードが漂う。
        そういう意味では「杉の柩」に似ているが、「杉の柩」よりもう少し陰りのある、メランコリーを含んだ大人のロマンティシズムが漂っている。

        ホロー荘に集まる人々は、みんなそれぞれに屈託した思いを抱えている。
        クリスティーの淡々とした筆は、各人のやるせない胸のうちを少しずつ明かしながら、読者を物語へと引き込んでいく。
        このあたりはやっぱりうまい。
        他のミステリ作家には、この味は出せないだろう。

        こういう小説なので、殺人が起きるまでがかなり長い。
        やがて、人々が集まった週末のホロー荘で、男性的で生命力に溢れ、常に周りの女性を惹き付ける、モテ男のジョン・クリストウ医師が殺される。

        息を引き取るジョンの目の前に、おとなしくて従順、少し愚かしい妻ガーダが、銃を持って立っている。
        ポアロを含め数名が、それを目撃する。

        状況は明白に思えるが、果たして本当にガーダが犯人なのか?
        ガーダは、自分が来た時はもうジョンが倒れていたと供述するのだった-------。

        とにかく、キャラクターの描き分けが実にうまい。
        妖精のようなつかみどころのないホロー荘の女主人ルーシー・アンカテル、強烈な個性のジョン・クリストウ、彫刻家のヘンリエッタ、実際的なミッジ、そして優しい青年エドワード。

        ヘンリエッタとジョンは、不倫の関係にあり、エドワードはヘンリエッタに求婚を繰り返し、ミッジは密かにエドワードを愛している。

        なんだかハーレクイン・ロマンスみたいだが、例えばジョンの強い個性の前では、優しいエドワードは生彩を欠いて見えるとか、そういう人間関係のケミストリーが、きちんと書かれているので、読者はこの人々の葛藤に、思わず知らずのめりこんでいくことになる。

        特に複雑で魅力的なキャラクターは、彫刻家のヘンリエッタで、芸術家的な神秘性を持つ女性だ。
        彼女とクリストウの関係は、なかなか微妙なものがある。

        また、ロマンティックで忘れがたいのは、ミッジとエドワードのエピソードだろう。
        エドワードは相続した田舎の家に住み、働かずに生活していける身分だが、ミッジはブティックの嫌味な女店長のもとでこき使われながら、生計を立てている。

        ミッジはエドワードが好きなのだが、彼が自分を女として見てくれるはずがないと諦めている。
        エドワードが彼女に「あんな仕事を続けちゃいけない。このまま連れていきたい」と慰めの言葉をかけ、それにミッジが腹を立てて食ってかかる場面からの意外な展開は、なんともいえない真情に溢れていて胸に迫るものがある。

        また、この作品においては、クリスティーの巧みなミスディレクションの能力が、殺人事件のみならず恋愛関係にも適用されていて、人間心理というミステリが、この作品を魅力的にしていることがよく分かる。

        殺人事件の謎は、実にシンプルで、取り立てて大きな驚きもなく結末を迎える。
        むしろ意図的に淡々と書かれているようだが、単純な謎でもちゃんと読者を惑わせてくれ、そのあたりも手堅い。

        だが、なんといっても登場人物たちの感情のせめぎあいに魅了される。
        トリックや奇想をもはや必要としなくなったクリスティーの渋い佳作だ。

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        2021/10/01 by dreamer

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      秘密機関
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • アガサ・クリスティはミステリーの女王としてあまりにも有名な作家ですが、今回読了した「秘密機関」は、1920年に「スタイルズ荘の怪事件」でデビューしたクリスティの第二作目の作品ですが、このデビュー直後に書いた何作かの"冒険スリラー"は、彼女の華やかでゴージャスな"本格ミステリー"のせいで、ほとんど忘れ去られているような気がします。

        この「秘密機関」は、彼女の"冒険スリラー"の代表作だと確信していますが、第一次世界大戦中にイギリス政府がドイツと結ぼうとした秘密協定の草案文書をめぐる陰謀に、主人公の若き男女トミーとタペンスが巻き込まれるという、"巻き込まれ型のスリラー"なのです。

        秘密文書の鍵を握る女性ジェーンはどこにいるのか、陰謀団の黒幕ブラウン氏とは誰なのか----という二つの謎を中心に、刻限までに秘密文書を回収しなければならないというサスペンスが、最後の最後まで私を惹きつけて離さない、これはまさしく傑作だと思います。

        監禁あり追跡ありのめまぐるしい展開も、非常に快調なテンポでスリリングに描かれていて、やはりクリスティは初期の頃からストーリー・テラーだったんだなと嬉しくなってしまいます。

        クリスティはこのトミーとタペンスという、主人公のコンビをその後も「NかMか」「親指のうずき」「運命の裏木戸」といった作品に登場させ、最後の作品ではなんと75歳前後の老人コンビになっているというのも非常に興味深く、彼女がこのトミーとタペンスのコンビにいかに愛着を持っていたのかがわかるような気がします。

        アガサ・クリスティの"冒険スリラー"の特色について考えてみると、一番怪しくない人間が犯人だという、「アクロイド殺し」に代表される"本格ミステリー"の謎を、この作品でもその"核"にしている事だと思うのです。

        そのために、この作品が"冒険スリラー"や"スパイ小説"でありながら、"謎解きミステリー"の要素が非常に濃いような気がします。

        もう一つの特色は、女性を主人公にして恋物語にしている事だと思います。つまり、ロマンス小説的な味わいもあると思うのです。

        そして、最大の特色は、物語の背景に必ず共産主義者がいて、その黒幕に国際的な犯罪組織やギャング団の首領がいるとの構造を持っている事だと思います。

        シャーロック・ホームズ物で有名なコナン・ドイル同様に、頑迷な保守主義者だったクリスティには、執筆当時の第一次世界大戦後の新しい社会の風潮が、"古き良きイギリス"を破壊していくように思えたのかも知れません。そういう混沌とした時代に対する"苛立ちと不安"が、クリスティの"冒険スリラー"には色濃く漂っているように感じます。

        とにかく、この作品は主人公のトミーとタペンスが「二人の年をあわせたところで、四十五にはならなかった」という若き日の冒険だけに、物語の全編を通して、溢れるほどの活力が漲っていたと思います。

        強烈な謎へのこだわりと巧みなプロットの展開を持つ、この作品のような"冒険スリラー"が、1930年代以降、彼女が"本格ミステリー"の世界へ移行したために、作品としてほとんどなくなっていったのは、"冒険スリラー"の大ファンとしては、残念でなりません。
        >> 続きを読む

        2016/10/25 by dreamer

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      検察側の証人
      カテゴリー:戯曲
      4.8
      いいね!
      • 月うさぎさんのレビューが素晴らしく是非お読みいただきたいです。私のレビューは軽いですが…戯曲につきどーよてな感じで読み始めましたが、戯曲なのに読ませてくれます。夫が殺人の罪を着せられて(またこれか…すみません私の前回レビューご参照ください)妻の証言が重要な意味を帯びてきます。転から結に向かうジェットコースター並みの展開にご期待ください。どんでん返しの典型のように評される本作品ですが、内容よりもこの展開の速さこそがそう評される所以なのかなと思います。 >> 続きを読む

        2015/09/12 by kobe1225

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      オリエント急行の殺人
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 近日映画公開という事なので、また読んでみました。過去三回ほど読んでますが何度読んでも面白い。結末が分ってますがそれでも関係無い。ただ残念なのは、近場に映画館が無くなった事で、ツタヤにDVDが出るまで待つしかないです。また何時か読もうかな。 >> 続きを読む

        2017/12/03 by rock-man

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      牧師館の殺人
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね! Tukiwami
      • ミス・マープルの家の隣にある牧師館で殺人が。
        しかもその人物は村の連中から嫌われており、多くの村人に動機があった。

        非常にシンプルな設定であり、犯人当てこそメインとなる。
        聞き込みから主要な人物のアリバイ探し。
        そして裏にある動機や人間関係から、マープルが犯人を特定させる流れ。

        ドラマで見たときはマープルの過去の恋愛も描かれていたが、それと対比させる描写として効果的だった。
        >> 続きを読む

        2021/03/25 by オーウェン

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【アガサ・クリスティ】(アガサ・クリスティ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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