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Goldman, William, 1931-

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著者名:Goldman, William, 1931-

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      マラソン・マン
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 映画「明日に向って撃て!」や「大統領の陰謀」などでアカデミー脚本賞を受賞しているウィリアム・ゴールドマンは、小説家・脚本家として一流の書き手ですが、今回読了したのは「マラソン・マン」。

        ジョン・シュレシンジャー監督、ダスティン・ホフマン主演、ローレンス・オリヴィエ共演の映画を先に観ていて、それに触発されて原作の本も読んでみました。

        アメリカの不条理小説の書き手には、マラマッドのようにユダヤ系が多いような気がします。この「マラソン・マン」のウィリアム・ゴールドマンもユダヤ系の作家ですが、彼らはアメリカ社会で複雑な立場にある民族なので、ユダヤ系の主人公の生き方、感性が作品に屈折した独特な光芒を与えているのではないかと思います。

        そのような意識でこの作品を読んでみると、見事に予感が的中しました。白い天使と呼ばれたナチス戦犯が秘匿するダイヤモンドをめぐり、スパイ機関員たちの壮絶な暗闘が展開し、主人公がそこに巻き込まれていく物語ながら、異様な物語に終わっていなかったからです。

        次に何が起きるか予測のできない見事なストーリー展開、ウィットに富んだ洒落た会話と文章、個性的な脇役たちというように、強烈なサスペンスに彩られたこの作品は、まさに極上のエンターテインメント小説だ。

        主人公は名門コロンビア大学の歴史学者志望の大学院生。教授と張り合えるほどの教養と知性の持ち主ですが、若者らしい純情さ、傲慢さ、傷つきやすさも備えている-----。

        彼が夕方のセントラル・パークで、偉大なマラソン走者ヌルミを夢想しながらトレーニングに励むのは、知性が時に無力であることを知るためでした。

        父親は、1950年代の"赤狩り"で破滅させられ自殺した歴史学者。その汚名をそそぎ、罪悪感を払拭するためにも、彼は"赤狩り"批判論を書かねばならないという使命感を持っているのです。

        この多感な若者の肖像、そしてその生き方が、なんとも生き生きと描かれており、時々、微笑すら誘い出す、その語り口のうまさには唸らされます。やはり、ウィリアム・ゴールドマンは、百戦錬磨の名シナリオ・ライターでもあるということが、よくわかります。

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        2018/02/21 by dreamer

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