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HarrisThomas

著者情報
著者名:HarrisThomas
HarrisThomas
HarrisThomas
生年~没年:1940~

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このランキングは1日1回更新されます。
      羊たちの沈黙
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね! Tukiwami
      • 【傑出した稀代の「悪役」】
         この作品は、傑出した「悪役」を生み出しました。ハンニバル・レクター博士。
         優れた精神科医でありながら、既に9人を殺害しています。
         この物語の冒頭では、厳重な警備の下、精神病院の特殊な区画に勾留されています。
         そこを訪れたのは、FBIアカデミーの訓練生であるクラリス・スターリング。
         とある偉いさんのちょっとした話の種に使えれば程度の理由で(もっともその理由はクラリスには伏せられていて、彼女には重要なインタビューだと教えていますが)、まともな供述を拒否しているレクター博士と面会させようというわけです。もちろん、ダメもとで。
         クラリスは聡明な女性なのでしょう。レクター博士は彼女を気に入り、ちょっとした「バレンタイン・プレゼント」をくれるのでした。

         さて、物語は同時進行で、「バッファロー・ビル」と呼ばれる変質者による連続殺人事件を追っています。
         バッファロー・ビルは、女性ばかりを殺害し、その死体から皮を剥いでは川などの水の中に捨てることを繰り返していました。

         その後、「バッファロー・ビル」による新たな事件が発生します。上院議員の娘が、おそらく「バッファロー・ビル」によって誘拐されたと思われます。
         クラリスは、上司の命により、クラリスとなら話をするレクター博士から何らかの情報または優れた専門家としての知見を得るために再度の接触を求められます。
         レクター博士は「バッファロー・ビル」事件に興味を抱いていたのです。

         本作が書かれたのは1988年。作中の描写にも時代を感じさせます(例えば、クラリスの上司が、「ドット・プリンター」の不調に悩まされたり、ポケットベルを使っていたり)。
         以後、ハンニバル・レクターを模倣したと思われる作品が沢山書かれていますが、このようなキャラクターを生み出した本書の功績が大ではないでしょうか。
         とにかく強烈な印象を与えます。
         しかも、レクター博士はシリアル・キラーだというのに、どこか嫌悪できないところがあります。いや、嫌悪できないどころか、かなり惹かれるところすらあります。
         その後、レクター博士の生い立ちが描かれる続編が書かれており、私はそれも読んでいるために余計なのかもしれません(本書も再読です)。
         物語としても十分面白い上に、このような強烈なキャラクターの魅力もある本作、まだ未読の方は是非とお勧めします。

         ところで、タイトルの「羊たちの沈黙」というのはどういう意味かご存知ですか?
         既に読まれた方はお分かりのとおりですが、クラリスがレクター博士との面会の中で、彼女の幼少時の話を求められる場面があります。
         彼女は、不幸な生い立ちなのですが、とある事情から羊たちの鳴き声が心に刻まれています。
         レクター博士は言います。「きみの手でバッファロー・ビルを捕まえ、誘拐された女性を救出できたなら子羊たちの悲鳴を止められると思うかね?」と。
         さて、羊たちは沈黙するのか?
        >> 続きを読む

        2019/01/21 by ef177

      • コメント 2件
    • 他4人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      ハンニバル・ライジング
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!

      • トマス・ハリスの「ハンニバル・ライジング」(上・下巻)を読了。

        この作品は、「レッド・ドラゴン」「羊たちの沈黙」「ハンニバル」の前日譚にあたるもので、一連の作品で重要な役割を演じるハンニバル・レクター博士の生い立ちを、我々読者に解き明かす物語になっている。

        ナチス・ドイツがバルバロッサ作戦でソ連への侵攻を進める第二次世界大戦下、リトアニアの古城で暮らしていた伯爵一家にも、戦争の惨禍が飛び火してきていた。

        その一家こそ、少年時代のハンニバル・レクター博士と妹のミーシャ、そして両親だった。

        父と母は、戦闘に巻き込まれて、そして愛しい妹を対独協力者たちの蛮行で失ったレクターは、孤児院生活を経て、フランスで暮らす叔父のロベールのもとに引き取られる。

        そこで出会った一人の女性が、彼の運命をさらに過酷なものへと導いていくのだった-------。

        レクター博士のアーリー・デイズとも言うべき、この作品で驚かされるのは、やや唐突とも思えるジャパネスクだろう。

        それを含めて、前三作との繋がりよりは、ひとつの新たに構想された作品としての色合いが強いように思える。

        そういう意味で、シリーズへの繋がりも薄ければ、サイコ・スリラーの文脈で語られるわけでもないこともあり、我々ミステリ好きへのアピール度はかなり低いように思う。

        没落貴族の末裔が辿る、数奇な運命の物語と捉えれば、確かに読みどころは多いのですが。

        >> 続きを読む

        2019/01/29 by dreamer

    • 3人が本棚登録しています
      レッド・ドラゴン 決定版
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!

      • 「羊たちの沈黙」で一躍有名になったトマス・ハリスが、その前に書いた小説「レッド・ドラゴン」(上・下巻)を読了。

        ここにもハンニバル・レクター博士が登場して、重要な位置を占めている。
        まだ「羊たちの沈黙」を読んでいない人がいたら、まずこの本から入る方がいいと思いますね。

        トマス・ハリスは、この二作の他にアメリカ大統領暗殺を画策するテロリストを描いた「ブラック・サンデー」がありますが、三作ともに共通しているのは、追う方と追われる方、同時に描いているところだと思う。

        この構成によって、他の作家にありがちな単純な勧善懲悪の図式が消え、残忍極まりない犯人にさえも感情移入できるようになっているんですね。

        また、この構成は両者のせめぎ合いを白熱させるのにも大いに役立っていると思う。
        彼の作品三作とも、ドラマとしてもサスペンスとしても傑出しているのは、恐らくこの構成のためだろうと思う。

        そこでこの「レッド・ドラゴン」ですが、六月と七月の満月の夜、二組の家族が何者かに惨殺された。
        その現場には、なにやら儀式のようなことが行なわれた形跡があった。
        しかし、この二つの家族には何の共通点も見当たらないのだ。

        異常犯罪のエキスパート、グレアムは、天才的異常殺人犯ハンニバル・レクター博士に殺されかけたため、FBI捜査官を辞めていたが、かつての上司の願いでこの事件を担当することになる。

        このグレアムの捜査法は一風変わっている。
        彼は自分を犯罪者と同化させて、その心理を探り、犯人究明の糸口にするのだ。

        犯人の残した手掛かりを辿って、彼の行動を再構築していくシーンはゾクゾクするほどだが、それと同時に怖くもあるんですね。
        犯人の心理が理解できるということは、グレアム自身にもそんな部分があるからなんですね。

        そして、それを見逃さないのが、あのハンニバル・レクター博士。
        彼の存在が、異常な犯罪者と常人の垣根をとりはずし、この小説を、ドラマ、それも心理ドラマの位置にまで押し上げているのだと思う。

        >> 続きを読む

        2018/04/25 by dreamer

    • 3人が本棚登録しています

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