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HitlerAdolf

著者情報
著者名:HitlerAdolf
生年~没年:1889~1945

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      わが闘争 完訳
      カテゴリー:政治学、政治思想
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      • アドルフ・ヒトラーの『わが闘争』が70年ぶりにドイツで再版され、当初予定の4000部をはるかに超える予約で16,000部印刷されたが、ドイツamazonでは数時間で完売したという。
        背景にあるのは、難民問題で異民族排斥ムードが高まっているからと聞く。ユダヤ人社会を中心に出版禁止が求められてきたにもかかわらず、ヒトラー礼賛の声が蠢きはじめているのだとしたら、……。

        まずは読むべし、との思いから昭和48年の邦訳を手にした。
        本書(上巻)はヒトラーが政治的に独裁者としての頭角をあらわしつつあった時期の執筆である。前半はかれの異常なまでのドイツ愛国心がいかに育まれたかを語るための、半生の記録となっている。

        血統はバイエルン人、国籍はオーストリア人であった両親のもとで育つ。ガキ大将であったヒトラーは、父の蔵書を渉猟しているうちに普仏戦争の普及版(雑誌)を愛読書とした。戦争、軍制にかかわるものに熱中し英雄を内面的に体験していたのである。
        そして多民族国家における、現実の労働者の貧困とブルジョアジーの社会的罪に対峙し、改革の意思を高めていく。そんななかで、はじめは十分な認識の無かったユダヤ人に対して嫌悪を抱いていく。それは、社会民主党の新聞が、ユダヤ人によって指導されていると感受した事、その内容がことごとく詭弁であると感知した事。最終的にはユダヤ人は寄生虫民族で、その社会を腐敗させていくと断じていく。

        文章は、さまざまな分析を進めていったかの如く綴られているが、節目節目できわめて熱情的、断定的な表現で結論を述べ、執拗にユダヤ人を貶めていく。ぼくの場合は、端から批判的な読みをするから
        そう読めるのであろう。

        ヒトラー自身も述べている。著述によって人心を掌握したのではない。演説、生の声こそが人を惹きつけ導いていったのだと。その「声」に普遍性を与えるのが著述なのだ。つまり、ヒトラー信奉者のための思想的ガイドブックなのだ。

        読書のあるべき姿について考えさせられてしまった。

        善であれ悪であれ、(世の中にそんな単純なモノは少ないが)ひとたび誰かの思想信条にはまってしまった人間は、冷静な眼差しでその著述を読む事が難しくなってしまうということだ。

        本書は、わが日本でも戦時下で引用されて、普及したという。しかし、その時、本書のなかの「日本侮辱」のくだりは削除されていたらしい。つまり、政治的、思想的に「読まされた」日本人が多くあったといえるのだろう。

        今、難民騒動でゆれるドイツで、本書がいかに読まれるのか、すこぶる気になるし、注視していかねばならないと感じた。

        第二次世界大戦のときよりも、世界は狭くなった。
        だから、ぼくたちも一度は読んでおきたい。おかしな平和主義が台頭せぬように。







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        2016/01/27 by junyo

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