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HölderlinFriedrich

著者情報
著者名:HölderlinFriedrich
HolderlinFriedrich
HolderlinFriedrich
生年~没年:1770~1843

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      ヘルダーリン詩集
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      5.0
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      • ドイツロマン派の詩人ヘルダーリンの詩集。
        詩は翻訳物だと韻律が分からないので、その神髄を味わい尽くすことは出来ないのかもしれないが、それでも凄かった。

        己が理想を追い求めるのは詩人の性かもしれない。そして理想とは、遠くにありて思うものなのかもしれない。
        ヘルダーリン天上の世界を憧れ求めた。だが、それは彼にとってはあまりに遠いものだった。
        彼は自分の「遅刻」を嘆く。現世において神は不在だ。この地上にその名残をのこしつつも、それははるか昔に去ってしまっている。
        それでも彼は声を枯らして天上の世界を賛美する。ときには自然の形象の中ににその姿を見出し、ときには様々な土地へと想いを巡らしながら、詩人の想像力は限りなく飛翔する。
        ギリシアの神々や古代の英雄、あるいはキリスト、大いなる自然などが、美しく激烈に歌い上げられる。
        しかし同時にヘルダーリンは、それらに手が届かないこと受け入れていたように思える。いや、受け入れねばならないと思っていたのかもしれない。
        彼の想念は憧れに胸を膨らませ恍惚としながらも、結局は天上の世界とはかけ離れたこの地上を彷徨う。地上にあって、天を讃えるのが詩人なのだ。ヘルダーリンは詩人としての役割を果たそうとする。詩は哀切な響きを帯び、想いの中へと沈み込む。あるいは荒れ狂い雄叫びをあげる。

        誰だったか失念したが、詩とは文学の中でももっとも純粋な形だというようなことを言っていたのを思い出す。ヘルダーリンの詩はまさに、研ぎ澄まされ純化された感受性の発露のように感じられた。
        その言葉は切っ先鋭く、美しく、神秘的で狂おしい。そこには真摯で強靭な意志が宿っているように感じられる。どうしようもなく驚異的なまでに。

        巻末の解説によると、かの哲学者ヤスパースは「ゲーテの詩は他の詩人と比較することができる。しかしヘルダーリンの詩は他のいかなる作品とも比較することができない」といったそうだ。
        たしかに、ここに収められた作品を読む限りでは、比較しうる作品は思い浮かばない。ヘルダーリンの詩にはどこか異質で異様なものがある。
        個人的には、それは微妙なバランスの上に成り立っているもののように思う。どう微妙なのだと問われれば答えに窮してしまうけれど、とにかくヘルダーリンの個性は不思議な兼ね合いと配分をもって形作られているように感じられてならない。

        「記憶を奪い/与えるのは海。/熱烈な眼をひたと据えるのは愛。/しかし後に残るものを 詩人は樹立する」(『回想』P.202)

        ヘルダーリンが樹立したもののが何なのか、その正体は正直よく分からない。ただ、その詩は強烈なまでの印象をもって脳裏に焼き付いた。それにしても これは何か?
        しばらくの間、繰り返し読んでみよう思う。
        >> 続きを読む

        2018/01/25 by solnian

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