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NortonMary

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著者名:NortonMary
NortonMary
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生年~没年:1903~1992

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      床下の小人たち
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 映画「借り暮らしのアリエッティ」を観て、原作『The Borrowers』を原書で読んでみました。
        映画で感じた疑問点を確認したかったのですが、納得。
        当ログでは原書が選べなかったので日本語版のところにレビューしてしまいましたが、
        原書と和書のイメージに違いがある可能性があります。
        ご容赦ください。<(_ _)>


        小説の中で「the Boy」は幼く純粋で、乱暴です。
        人間の少年と小人の少女の交流はほのかな恋愛を含んだものではありません。

        少年はインド生まれの「バイリンガルなので」本を読むのは苦手。
        「バイリンガルってそういうもんだ」などと開き直り、
        アリエッティが本を読めると知ると、読み聞かせをおねだりする始末。
        年齢は近いものの小人の少女のほうがお姉さん的役割です。

        また、アリエッティに対し、仲間はもう死んでいるよ。君は最も若いBorrowersだよ。
        なんて言っちゃったりして、彼女の怒りをかっています。

        少年が唐突に口にしたように思えた、思いやりの無いセリフはなるほど、
        原作を踏襲したものでした。


        1953年の出版ですが、物語の時代はさらに古く、
        第2次世界大戦が色濃く反映されており、決して牧歌的なお話ではありません。
        いかにも「イギリス的」な皮肉な表現もみられます。

        印象に残ったのは、Borrowers(小人たち)が「immigrate」する時に、
        カラスやさまざまな外敵が危険じゃないか、と心配する少年に
        「少なくともBorrowersには戦争は無いわ」と応える少女。

        動物が食べるために狩をするのは決まった時だけである。
        人間同士、殺しあう理不尽な世界を思ってご覧。ということです。


        深いものを含む話だからこそ、小人の世界のワクワク感は貴重で大切なテイストです。

        アリエッティが初めて"borrowing" をするために外に出る時の高揚感。
        春の光や風を感じて幸せを体いっぱいで受け止めるその姿は愛らしく新鮮です。
        自然の美しさが、素晴らしいリズムをもって描かれています。

        the Boy と会話してしまったのも、勇気ということではなく、
        床下の暗くぼんやりとした世界で、たった一人きりで育った子供の
        「開放された喜び」を考えると、共感できます。
        ここにも、戦争を経た人々の解放感に重なるものがあります。


        家政婦のMrs.DRIVERの存在は、物語の緊張を高めています。
        子供の童話になぜここまで「悪的」な存在が?と不思議な気がするほどですが、
        とにかく世界を破壊する役目をになう重要人物です。

        映画のハルさんのような愛嬌はどこにもありません。
        小人は人間の大人にとっては、生活の害になる
        ネズミやゴキブリと同等の存在でしか無いのです。

        コロポックルのような小人と共生したがるのはどうやら日本人だけ?


        作品はシリーズ物で、全部で5タイトルあるそうです。

        続きがあるので、まあ、納得ですが。
        1話のみで読むのをやめた場合、話のオチにかなりガッカリします。ご注意ください。
        >> 続きを読む

        2012/04/26 by 月うさぎ

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