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フランソワーズ・サガン

著者情報
著者名:フランソワーズ・サガン
ふらんそわーず・さがん
フランソワーズ・サガン
生年~没年:1935~2004

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      悲しみよこんにちは
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
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      • --アンヌ、アンヌ! 闇の中で、私は彼女の名前を、低い声で、長い間繰り返す。すると何かが胸に込み上げてきて、私はそれをその名のままに、目を閉じて、迎え入れる。悲しみよ、こんにちは。--


        悲しみの果てに何があるか・・・

        そんな問いの歌がありましたが、その答え、
        悲しみよ、こんにちは、
        ではないかと思っていまして。


        遠ければ遠いほど、対象は美しくなると思っています。
        美しいと感じる星や太陽、素敵な外見の女性でもいいですが、近づきすぎると生々しさが勝ってしまい、どこかの点から先は美しいとは思えなくなってくると思います。
        距離を取るから、美しい。

        死、などもそうで、実際には見ることも耐えない恐ろしい事象ながら、死という単語で抽象化することで、小説や映画では、非常な美しさでもって厳かに扱われる。
        抽象化とは、距離を取ること。
        離れるから、美しい。

        見たくない、会いたくない、嫌い、考えたくない、
        そんな人でも、徹底的に遠く離れて、風景画の中の点描写される人物のようになれば、背景の自然と一体化し、美しい対象に転化すると。

        遠ければ遠いほど、ものごとは美しくなる。
        何かを美しく思えないとは、適切な距離をまだとっていないから。

        そんなことを、思っています。

        悲しみも同じじゃないかなと。
        自分を傷つける、辛い、痛い、引き裂くような感情。
        これもまた、時間と共に、少しずつ距離がとれていく。
        適切な距離に至れば、その悲しみすらも美しく感じられる。
        だから過去は、必ず美化される。

        あまりに離れてしまうと、風景画の中の点のように、見失って、忘れてしまう。
        近すぎると辛すぎる。けれど、忘れてしまいたい程遠くに離れたいわけではない。

        だから、大事な宝箱にそれを閉まって、心がそれを求めた時にひっそりと呼び出す。
        悲しみよ、こんにちは。

        素敵な作品と、沁みじみ感じます。


        --物憂さと甘さが胸から離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しくも美しい名前をつけるのを、私はためらう。その感情はあまりに完全、あまりにエゴイスティックで、恥じたくなるほどだが、悲しみというのは、私には敬うべきものに思われるからだ--

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        2017/08/18 by フッフール

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