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J・D・サリンジャー

著者情報
著者名:J・D・サリンジャー
J・D・さりんじゃー
J・D・サリンジャー
生年~没年:1919~

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      ライ麦畑でつかまえて
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね! harujack Minnie
      • 雨の中、動物園にある回転木馬に乗る妹のフィービーを見つめるホールデンがいる。誰もが濡れるのを避け、回転木馬の屋根の下に避難している中で、彼だけは外のベンチに座り妹を見守り続ける。その時の彼女の表情や態度は本には書かれていなかったけど、私はきっと静かに涙を流していたに違いないと思うのだ。
        どしゃぶりの雨に、ポツンと一人、ベンチに座り続ける兄。冷たさも感じていない様子で、自分を見つめ続けている大好きな兄。「あぁ、兄さんが壊れていく…。」彼女だけが彼の心の危うさに気付いていたのではないか。
        その壊れかけた心と何処かに行ってしまいそうな体を、現実につなぎ止めることが出来るのは、今の自分しかない。
        ライ麦畑の崖ギリギリのところで落ちかかっている子供は、兄・ホールデンであり、「ライ麦畑で捕まえる人」になりうるのは、妹である自分。愛する兄を救えるのは自分であると。
        >> 続きを読む

        2015/09/04 by SAE

      • コメント 2件
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      キャッチャー・イン・ザ・ライ
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 有名な本書をはじめて読む。
        タイトルはよく聞いて知っていたが、どういう物語なのかは全く知らなかった。
        読み終わって感じたことだが、もしわたしがどういう物語なのかと訊かれても答えに困るかもしれない。物語らしいものは特にないようにも感じたので。

        学校を退学になった主人公の少年が、学生生活や友人、妹のことなどを語る物語。

        内容を纏めてみると、こんなにも短くなってしまった。

        文章は読みやすく、大人になる手前の背伸びしたがる傲慢な少年の様子が上手く描かれていて面白い。
        少女の気持ちを描いた代表作品が「悲しみよこんにちは」だとしたら、少年の気持ちを描いた代表作品はこの「キャッチャー・イン・ザ・ライ」かもしれない。

        もう少しこういう気持ちが実感として感じられる年齢のときに読んで、自分がどう感じたか知りたい気持ちがする。残念ながら、十代のわたしは海外作品を敬遠しがちで読まなかったので、若いわたしがどう感じたかはわからないままだけれど。
        若いわたしは多分、受け入れられないんじゃないだろうか。
        こういう、自分を棚に上げて他者に対して批判的な物言いをしたがるひとを嫌いそうだ。それでいて今のわたしは結構ひとを批判したりする。この矛盾。

        十分年を取ったわたしには、主人公がかわいらしく思える。
        どうして少年の頃はこんなにも背伸びをし、自分を大きく見せ、周りの人間がくだらなく見えるのだろう。自分がいかに特別であって、それに気付けない人々こそが愚かなのだとを見下す。
        自分が特別だと思う根拠など何もないのに。

        若いっていい。

        本書は確か、ジョン・レノンを殺害した犯人の愛読書だったと思う。
        それがあって、何か変わった思想を植え付けるようなものなのかとも思ったけれど、そういうことではないようだ。結局、本の好みとその人物の行為は単純に結びつくものではないのかもしれない。

        今回は村上春樹さんの翻訳で読んでみたが、他の翻訳でも読んでみたいと思う。読み直すとまた感じるものもあるようにも感じる。
        若いひとなら主人公に共感し、若かったひとなら懐かしく読めるであろう一冊。
        >> 続きを読む

        2016/04/23 by jhm

      • コメント 2件
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      九つの物語
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 『九つの物語』あるいは『ナイン・ストーリーズ』 (Nine Stories)
        ライ麦畑でつかまえて』の作者サリンジャーのアメリカ文学を代表する名作短篇集。
        …なのだけれど、訳のわからなさでも天下一品。初めて読む読者はきっとおいて行かれる。
        唐突な結末に面食らい、意味をむなしく探すことだろう。

        それぞれの物語に共通するのは、不安な人間たち。
        漂うのは、神経質な腺病質な緊張感。そして死の影。
        何か恐ろしいことが起こって、物語は突然破滅するのではないかという予感に怯えつつ
        けれど、何もおこらずに終わったりする。
        すごく肩透かしな感じ。

        私はこの短編集を解釈できるレベルにないようだ。

        代表作は、はやはり収録第1作目の『バナナフィッシュに最適の日』だろう。

        「バナナフィッシュ」の寓意は、人々の想像力を刺激する。
        しかし、サリンジャーは何も語らない。
        肝心なことは何も書かれていない。
        書かれていないのに、心の奥にある像が結ばれる。
        バナナフィッシュが、洞窟ではなく、読者の心に住みついてしまったのだ。
        バナナ熱病という恐ろしい病気で、自分の中から出られずに死んでしまうかもしれない。
        それは恐怖そのものだ。

        誰も理解できず、けれど誰もが気付くだろう。
        そんな摩訶不思議なパワーを持った作品。

        「バナナフィッシュに…」の登場人物、シーモアは戦争で精神を病んだ青年だ。

        私は、この作品がベトナム戦争のPTSD(心的外傷後ストレス障害)を描いたものだと思っていたが戦争違いだった。

        これらは第2次大戦の直後の作品である。

        サリンジャーはニューヨーク生まれのアメリカ人だが、ユダヤ人だった。
        アメリカ軍に入隊し、ノルマンディー作戦に関与し、そして精神を病んだのだ。

        しかし、今から読む人は、湾岸戦争やアフガンやイラクとの戦争を思い浮かべるだろう。
        つまり、これは時を越えた作品なのだ。
        戦争というものがある限り…。

        サリンジャーの作品は古びない。


        他の何人も描けない作品を書いたという点で、サリンジャーは記憶に刻まれる作家になった。
        普遍的なことは何一つ書いていないのに、人はそこの普遍性をみるのか。

        サリンジャーは書かない天才だった。


        【目次】
        ・「バナナフィッシュに最適の日」 A Perfect Day for Bananafish (1948)
        ・「コネチカットのよろめき叔父さん」 Uncle Wiggily in Connecticut  (1948)
        ・ 「対エスキモー戦まぢか」 Just Before the War with the Eskimos (1948)
        ・ 「笑い男」 The Laughing Man (1949)
        ・ 「小舟のところで」 Down at the Dinghy (1949)
        ・ 「エズメのために -愛と惨めさをこめて」 For Esme with Love and Squalor  (1950)
        ・ 「愛らしき口もと目はみどり」 Pretty Mouth and Green My Eyes (1951)
        ・ 「ド・ドーミエ=スミスの青の時代」 De Daumier-Smith's Blue Period  (1952)
        ・ 「テディー」 Teddy (1953)

        私は「小舟のところで」「愛らしき口もと目はみどり」が好きです。

        「ド・ドーミエ=スミスの青の時代」には、日本人らしきミスター・ヨシュット(?)が出てきます。
        「テディー」には、東洋思想のほか、日本の詩として芭蕉の俳句が挿入されています。

           やがて死ぬけしきは見えず蝉の声

           この道や行く人なしに秋の暮


        【おまけ】
        『ナイン・ストーリーズ(九つの物語)』は各社から各翻訳者の翻訳が選び放題です。
        たとえば、 A Perfect Day for Bananafish をどうのように訳しているか
        このあたりの好みで選んでみるとよろしいかもしれません。

        こんなにバリエーションがあります。すごいですね。

        「バナナフィッシュにうってつけの日」 野崎孝 新潮文庫
        「バナナ魚日和」 沼澤洽治 講談社文庫
        「バナナ魚にはもってこいの日」 鈴木武樹 角川文庫
        「バナナフィッシュに最適の日」 中川敏 集英社文庫
        「バナナフィッシュ日和」柴田元幸 ヴィレッジブックス
        「バナナ魚には理想的な日」橋本福夫 早川書房

        私はこのタイトルの訳と表紙のバナナのデザインのセンスがよかったので、
        集英社文庫を買いました。(^^)
        >> 続きを読む

        2013/08/15 by 月うさぎ

      • コメント 20件
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