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ロバート・ルイス・スティーヴンソン

著者情報
著者名:ロバート・ルイス・スティーヴンソン
ろばーと・るいす・すてぃーう゛んそん
ロバート・ルイス・スティーヴンソン
生年~没年:1850~1894

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      ジキル博士とハイド氏
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 原典にあたる必要がないと思える程知られ過ぎている小説だろう。
        しかし実際に読んでみると、意外にも美しい文章。
        作品として品があり、キワモノ的小説とは別格だ。

        そして、ハイドが……あまり極悪人に感じない……

        現実世界で起こる凶悪な非情な事件が多いため、感覚がマヒしているのだろうか?

        それもあるかもしれないが、どうやら、自分でイメージを肥大させ、
        極悪人の恐ろしいハイド氏を創造していたようなのだ。



        以下ネタバレも含みます!

        この本を無垢の状態で読みたい人は、ぜひ先に買って読んでから、戻ってきてください。

        こちらは創元推理文庫から2001年に出た新訳で、非常に読みやすく、訳も的確でおすすめです。



        『顔色は青白いし、体格は異様なほど小柄だし、そのうえに、
        どこといって指摘しようのない漠然とした奇形的な印象がまとわりついている。
        笑い顔はなんとも気味悪いし、態度にはおずおずした感じと妙な不遜さとが混在しているし、
        声はかぼそくしかもしわがれている』


        不愉快ではあるが、恐怖を感じるというのとはニュアンスが違い、
        あわれな姿にさえ思えるではないか?

        作品のテーマからいうと、これはある意味正解なのだと思う。

        一人の人間に内包される善悪なんて、「巨悪」というものとは違っているはずで。

        善悪を増幅するのではなく、分離させるのがジキル博士の実験だったとすれば、

        むしろ当たり前のことだったかもしれない。


        心理学的にも作者はかなり正しい指摘をしている。

        『人間とは究極的には、無数の多種多様な独立した人格の集合体と考えられるかもしれない』


        これは現代では間違いない真理と認められている考え方だが、
        当時、この考え方は、かなり斬新だったのではないかと思われる。


        現代人は、この考え方を知っているため、自分の中にハイドがいることを認め、受け入れられる。
        そして、新たな恐ろしさをこの作品から見出すのだと思う。


        でも
        私の最大の感想は「人間性にひそむ善悪とその葛藤について」ではなかった。


        この小説は実は『薬物依存症』を描いた小説だった。


        薬を使う時の高揚感と薬をやめられなくなったジキルの苦闘は
        麻薬患者の末期そのもの。

        初めて薬を服用した時のジキルの叙述を少し長いのですが、引用してみましょう。

        『しかし感覚がどこかおかしい。なにか今までにない感じがした。
        なにかが驚くばかりに新しくなったようで、しかもそれのみにとどまらず、
        いわくいいがたいほどのいい気持になっていた。

        自分がずいぶん若くなったようで、体が軽くなったようで、
        なによりもとても幸せな気分だった。

        一方ではそれと同時に、頭のなかが危険を顧みない向う見ずな性向になっている気がした。
        混乱し激昂したイメージが勢いよく脳裏をめぐりだした。
        水車に流れかかる奔流のように。
        束縛から解き放たれた気分で、魂が自由になったかのようだ。

        初めて知る、しかし決して純粋無垢というわけではない自由さだ。』

        これが、麻薬でなくて何なんでしょうか?


        ジキルは自分の中の『悪』 に負けたのではない。
        ジキルは、薬物への渇望に つまり『欲』によって、身を滅ぼしたのだ。
        >> 続きを読む

        2012/05/07 by 月うさぎ

      • コメント 8件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      宝島
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      •  豊かになりたいのなら、コツコツと働き、日々積み重ねていくことが大事だというのがほとんどの人の考えだと思う。
         が、欲深い人は待ちきれない。どうしても一夜にして全てを手に入れたいと願ってしまうからだ。
         そんな人は、後々のことなんて頭にない。
         だから身を滅ぼすと分かっていても、犯罪をし、悪行を繰り返しながらどんどん取り返しのつかないところまでいってしまうのだろう。
        >> 続きを読む

        2019/05/15 by deco

    • 3人が本棚登録しています
      ジーキル博士とハイド氏
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 醜悪であらゆる人を不快にする男ハイドと、高名で紳士な博士ジキル、正反対の性格を持つ二人の人物の関係を探るミステリーです。

        ネタばれしてしまうと、この二人、二人ではありません。
        二重人格を扱った小説の代表格です。

        最初は、二重人格を取り扱った代表的小説を読んでおかねば、と思って手に取ったのですが、
        どんな善人の心にも潜む悪へのあこがれが不気味に描かれていて、二重人格ではない(と思っている)人が読んでも他人事には思えない恐ろさがあります。
        >> 続きを読む

        2015/05/07 by メガネ萌え

      • コメント 5件
    • 1人が本棚登録しています
      ジーキル博士とハイド氏
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • ジーキル博士とハイド氏。二重人格、解離性同一性障害をテーマにした不朽の名作。二重人格者や解離性同一性障害者を表すとき、いまだにジーキル博士とハイド氏と言葉が使われていることにこの小説の偉大さがわかります。100年以上も前のお話だけれど、全然古臭くない。むしろ現代に通じる内容です。 >> 続きを読む

        2018/01/18 by 香菜子

    • 3人が本棚登録しています
      宝島
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 宿屋を経営する母親と二人暮らしの少年、ジムは
        『片足の海賊』に怯えていた老船乗りか
        死の直前に一枚の地図を託されます。
        それは、海賊フリントの財宝の隠し場所が
        描かれたものだった。
        ジムは地主のトリローニ達と共に船で
        『宝島』へと旅立ちますが、
        船には財宝を狙う『片足の海賊』の一味も
        乗り込んでいた。

        子供の頃、アニメ版の影響もあって
        原作に手を出しましたが、何度も読み返すぐらい
        ハマリました。
        特にリンゴ樽の中で海賊達の企みを聞く場面は
        凄くドキドキしましたね。
        只、ジョン・シルバーはアニメのイメージが
        強すぎて、意外と小悪党だったのに
        ガッカリしたのを憶えています。
        >> 続きを読む

        2015/05/31 by UNI

      • コメント 1件
    • 3人が本棚登録しています
      ジキル博士とハイド氏
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • とてもスリリングな内容を、とてもスリリングな絵で、見事に絵本に仕上げてあった。

        いうか、この絵本、どう考えても大人向けであって、子ども向けではないと思う。
        子どもが読んだらこわすぎるだろう。

        話は有名な話で、ひととおりは知っていたつもりだったけれど、あらためてとても面白かった。

        考えてみれば、自分の中にも、こうした二面性はひょっとしたらあるのかもしれない。
        誰にも若干はそういう面もあるのだろう。

        この物語のこわさは、自分の中にもそうした二面性があるかもしれないことを、スリリングにつきつける点にあるのかもしれない。
        >> 続きを読む

        2013/02/10 by atsushi

      • コメント 7件
    • 1人が本棚登録しています

【ロバート・ルイス・スティーヴンソン】(ロバート・ルイス・スティーヴンソン) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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