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Tutuola, Amos, 1920-1997

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著者名:Tutuola, Amos, 1920-1997

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      やし酒飲み
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 【プリミティブな神話】
         ナイジェリア出身の著者が描く、大変プリミティブで、純朴な神話、というか冒険譚です。
         主人公の「わたし」は、10才の頃から大変なやし酒飲みで、やし酒を飲む以外には何もしないという男だったのですが、ある時、父親が「わたし」のために雇ってくれたやし酒造りの名人がやしの木から落ちて死んでしまったため、以後、満足な質と量のやし酒を手に入れることができなくなり、また、やし酒目当てに集まってくれた友達もすっかり家に遊びに来なくなってしまったため、死んだやし酒造りを探す旅に出るという物語です。

         旅の途中で様々な怪物に出会ったり、不思議な国を訪れたりするのですが、アラビアン・ナイトやガリバー旅行記のような味わいもあります。
         ただ、それらの作品よりもさらに素朴で、シンプルな作品です。
         この作品が書かれたのは1946年ということですが、もっともっと古い物語、伝承のような感覚を受けます。

         主人公の「わたし」は、ジュジュという、何でしょうね?魔法の力を持つ護符のようなものでしょうか、それを身につけたジュジュ・マンだそうで、ピンチになるとそのジュジュを使って変身したりして難を逃れます。
         また、ある国では賭け事に熱中して死を賭けて負けて取られてしまったため、以後不死になっちゃうとか、色々大事なことをすぐに忘れてしまって、「それを思い出したので」何とかなっちゃうとか、「良いんですか、それで?」と思っちゃうほど、ちょっと今の物語では無いような展開を見せます。

         そもそも、これだけの大酒飲みという設定なのですが、長く苦しい旅の間、やし酒を全く飲めずに何年も過ごすのに(旅は全体で10年に及びます)、やし酒を飲めないことがあんまり辛そうにも描かれていないし、段々やし酒のことなんかどっかに行っちゃってるようで、「おいおい、やし酒は?」と思わず心配になってしまうほど。

         途中に出てくる怪物や敵役も、どこか憎めないところがあるんですよね。
         絶世の美男子なんですが、実は体中の全てのパーツは借り物で、街から住処に帰る途中で次々と体の各部分を借りた相手に返していって、最後には頭蓋骨だけになる怪物とか、よく分からないんですが、ジャングルに潜み目から熱線を発射する怪物、「腹減った」と連呼してつきまとう怪物などなど。

         とにかく全体がおおらかな感じを受けるのですが、おそらく書いている当の本人は大真面目であろうというところがまたどことなくユーモラスに思えてしまうのです。
         文学的には大変評価の高い作品なので読んでみた次第ですが、ちょっと変わったアフリカの幻想文学でした。
        >> 続きを読む

        2019/03/05 by ef177

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