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カート・ヴォネガット

著者情報
著者名:カート・ヴォネガット
かーと・う゛ぉねがっと
カート・ヴォネガット
生年~没年:1922~2007

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      タイタンの妖女
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! Tukiwami
      • おもしろい!楽しい読書の時間を過ごすことができました。私、SFって大抵の作品で二度読み三度読みしてるんですよ。意外なことに、この作品の世界観は始めからすっと入ってきて、読み返しなしでいきました。コミカルでリズム良い会話が心地よくて。ストーリーもおもしろかったです。はちゃめちゃだけど(笑)

        主人公のマラカイ・コンスタントが、火星でラムファードの元妻との間に子をなし、水星、もう一度地球を訪ね、最後にタイタンでラムファードと会います。コンスタントの一生の物語であり、そして彼の物語を通して、様々な問題提起を投げかけられるように感じました。それは自由意志だったり、生きる目的だったり。

        ボアズがハーモニウムを音楽を使って幸せにしたエピソードが忘れられません。違う星の異なる種族に対して傍で寄り添うことができるのに、武器を手に取り殺し合いもする愚かな人間たち。また、トラルファマドール星のある生物についての伝説で、『彼らの目的はいったいなんであるかを見出だそうとする試みで、ほとんどの時間を費やしていた』にドキッとさせられました。人間がどうであるか機械の目を通して淡々と描かれており、それがあまりに的確すぎて、居心地の悪さを感じてしまう。

        と、こんなことを考えながら読了したのですが、この作品が総じて何を訴えているのか全くわからず、しばらく途方にくれました。メッセージはたくさんありましたが、結局作者は一番何を言いたかったのか自分の中で纏まらなくて。感想に困りながら訳者あとがきを読むと、だんだんすとんと落ちてきました。それぞれのエピソードで感じたことが、ヴォネガットのメッセージだったのだと。身近なテーマをおもしろいお話にしており、読みながら自然と自分のなかに入ってくる。すんなり受け入れることができすぎて、逆に違和感を覚えたのでした。
        なんだか不思議な読書体験。

        うんうん、良い物語でした。課題図書になったとき購入していてよかった。2年以上前の話ですが(^^ゞ
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        2020/01/05 by あすか

      • コメント 10件
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      ガラパゴスの箱舟
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! Tsukiusagi Tukiwami
      • 巨大脳・・・これが諸悪の根源ね。

        人間が、そのできそこないである巨大脳で”考えた”ことが、ありとあらゆる問題を起こす。

        はてしない欲望と野心。愚行の数々。

        このことはお釈迦様が2500年以上前から指摘されてますね^^;
        (ちなみに養老孟司さんは”脳化社会”と言ってましたね)
        「わたし」のように100万年のあいだ世界を見続けることができれば、人間のことも分かってくるのかもしれないけど、今生きてる人間は、実際自分の年齢分しか物事を見てないからねえ。しかもありのままには見えてない。

        脳はでかいけど、でかくなった分うまく使えない。できそこないの巨大脳に支配され右往左往する人間。

        >事実、そのミサイルの発射は、生殖行動における男性の役割と瓜ふたつだった。レイエス中佐に期待されているのはこういうことだったーーご用命に応じ即時配達します。
         そうーーそしてあっという間に丸い点に変わり、つぎにけし粒から無になった円筒は、いまやほかのだれかの責任になっていた。いまからすべての活動は、それを受け取った側で起こるのだ。レイエスは自分の役割を果たした。いまや彼はこころよい眠気におそわれていたーーそして愉快で誇らしい気分でもあった。

        ・・・地球上でもっとも大きな勝利をおさめているのは、つねに微生物である。。。(微生物にとってミサイルの爆発など、べつに苦にならない。)

        >あの当時でも大部分の人間は正気だったし、レイエスにもその普遍的な賛辞を呈したいと思う。ここでも大きな問題は狂気ではなく、人びとの脳があまりにも大きすぎる上に嘘つきなので、実用にならないことだった。

        >百万年前、なぜあんなにおおぜいの人間が、わざと自分の脳の大部分をノックアウトするためにアルコールを飲んだのかは、いまも興味のつきない謎として残っている。ひょっとすると、われわれは進化を正しい方向へ押しやろうとしていたのかもしれないーーより小さい脳という方向に。

        ・・・皮肉というか。



        >今日では、だれも静かな絶望の生活を送ってはいない。百万年前の大多数の人間が静かな絶望の生活を送っていたのは、彼らの頭蓋の中の呪わしいコンピュータが、ほどほどにするとか、遊ぶとかいうことができず、人生がとうてい提供できるはずのないとびきりの難問を、もっともっとと、ひっきりなしにせがむからだった。

        ・・・ブラックユーモアというか。
        その通りだなあというか。



        百万年後の人類の姿は・・・・・・  言うのは止めておこう。
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        2016/11/21 by バカボン

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      国のない男
      4.5
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      • 名前も存じ上げず、ふと手にとった本
        こんなに批判めいたことを言っているのに
        軽妙で、チャーミング
        茶目っ気溢れる言葉にどんどん惹かれた
        たぶん読むたびに思うことに変化があって
        本棚にそっと忍ばせたい一冊
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        2019/12/04 by kotori

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      きょうも上天気 SF短編傑作選
      カテゴリー:小説、物語
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      • 「きょうも上天気」は映画も見たが、オチも含めて原作が数倍いい。無理やりの皆の考え方は、日頃真似してもいいのでは。今ある状況は、丁度いいのだよ、これでいいのだよ。 >> 続きを読む

        2014/01/06 by 紫指導官

      • コメント 2件
    • 2人が本棚登録しています
      青ひげ
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 【ねぇねぇ、どうしてこれが「青ひげ」なの? 何で?何で? ……それはね。】


         軽妙洒脱というのが、カート・ヴォネガット(・ジュニア)の持ち味でしょうか。
         最初に、お読みの方が多分気になっているであろう括弧書きの(・ジュニア)のことから書いておきますね。
         「ジュニア」が付いた名前でも著作を残しているのですけれど、お父様が亡くなった後はジュニアを取った名前で書いているのだそうです。それで、両用の表記があるということでご了解を(「ジュニア」あるなしにかかわらず同一人物なのだ……あーややこし!)。

         まぁ、飄々とした文体です。
         一つの短い章の中に短い文章の塊があって、その後にアスタリスクを入れて休符し、また続けるような。独特のリズム感があります。
         文体はシニカルであり、ユーモラスであります。「まぁそういうものだ」などという言葉が、短い文章の塊の最後に繰り返されたりもします。

         私が最初に読んだヴォネガットの作品は「スローターハウス5」でした。
         作者の名前は知っていました。それとなく興味はあったのですが、色々な書評を読んでみても今ひとつピンとこなかったこともあり(あ、読み終えたから言えますが、これは書評が悪いのではなく、こうとしか書けなかったのだろうと納得しています)、ずーっと手を出さずにいました。
         でも、気にはなっていたのですよ。

         それで(大分以前ですが)意を決して読んでみることにしたのですが、さて、何から読もうか?
         「スローターハウス5」は、大昔に映画化されています。……今、調べたら1972年の映画ですね。映画化されているということは知っていたので、まずそれを読みました。
         う~ん、これをよく映画化したもんだ。
         それよりも何よりも、この作品は、それまでにカート・ヴォネガット(・ジュニア)が書いてきた様々な作品の登場人物があちこちに散りばめられているという趣向。
         これを最初に読むのはいかんですよねぇ(面白さ半減になっちゃう?)。

         では、ということで次にとっかかったのがこの「青ひげ」でした。
         「青ひげ」(Barbe-Bleue)ってご存知ですか?
         一般には、童話で取り上げられているあのイメージかもしれませんが、モデルはジル・ド・レイという貴族であるという説もあります。
         ジル・ド・レイについては澁澤龍彦が大好きだった様で、散々書いているのですけれど、澁澤が書く「青ひげ」は猟奇的な方。

         主たるストーリーは、何度かの結婚歴がある侯爵だか伯爵だかの青ひげが、城中に初々しい新妻を迎えるお話だったと思います。
         広い城の中の全ての鍵を渡し、この城のどこでも自由に見てよろしいと言います。しかし、ただ一つの部屋だけは開けてはいけないと。
         こう言われると余計に開けたくなるのが人情ってもので(この辺はヴォネガットも皮肉っているのですけれどね)、新妻は青ひげの留守の間についにその部屋を開けて中を見てしまうのですよ。
         その中には、これまでの青ひげの妻たちの白骨化などした死体がごろごろと……(きゃー!)
         で、お約束です。そこに青ひげが現れ、「お前は、見てしまったのだな」と……

         というのが、オリジナルの「青ひげ」なのですが、今回ご紹介する青ひげはそんなのとはぜ~んぜん関係ない(あ、換骨奪胎的テイストは散りばめてあるのですけれどね)です。

         主人公は、老齢の域に達した画家であった復員兵です。
         2度目の結婚で得た(奥さんは亡くなってしまってその遺産を相続したのですね)海辺の広壮な屋敷にしょぼくれて住んでいた男やもめです。
         彼は、若い頃非常に絵画の素養があり、まぁ、すったもんだの末、極めて写実的な絵を書く有名画家の弟子になります。
         しかし、その後、紆余曲折あり、彼自身素晴らしい写実的技術を持っていたのに、抽象絵画の道に進んでしまいます。
         そこでもそれなりの成功をおさめたのかも知れませんが、悪いことに粗悪な塗料を使っていたため、高額で買い取られた彼の作品があちこちで一夜にしてはがれ落ちる始末。
         もう、絵なんか描かないぞ~というわけで、当時のアトリエにしていた(今は亡き妻の相続で自分の物となっている)ジャガイモ貯蔵納屋に「ある物」を入れて固く封印してしまいたのでした。

         その後は、同じ復員兵の作家と広壮な屋敷で共同生活をしてうだうだと暮らしていたのですが、ある日、プライベートビーチに30代なんですかね、魅力的な女性が入り込んでいるのを見つけます。
         まぁ、侵入をとがめることもないけれど、一応挨拶でもと声をかけたところ、その女性曰く「ねえ、あなたのご両親はどんな死に方をしたの?」
         それがきっかけで、彼女(未亡人ね)に、有り余っている部屋を貸して一緒に生活することになります。
         彼女は、その地(実は今では結構なリゾート地になっていて、若者達が来たりもするようです)を舞台にして小説を書くつもりだと言うのです。

         同居していた仲間の復員兵作家は、素人が何でも書けると思ったら大間違いだよみたいな警句をやんわりと与えたりしますが、が!
         実は、彼女は大ベストセラー作家だったのでした!
         しかも、好奇心旺盛。勝手に主人公の家の隅々まで、あるいは使用人のプライベートまですんなりと調べ上げてしまいます。
         そして、しょぼくれていた主人公には、自伝を書くように勧め、その結果書かれたのが本書という構成になっています。

         ヴォネガットは、冒頭で謝罪を書いています。
         「青ひげ」の物語を書くつもりだったけれど、書いてみたら結局はしょぼくれた老人の自伝のようになってしまってすまん、と(まったく人を食った謝罪ですこと)。
         もう、にやにやしちゃいます。
         いいえ、もちろん、この作品は「青ひげ」なのですよ。
         ヴォネガットは、ちゃんと伏線(というよりもっと分かりやすいですけれど)を書いています。
         
         一番分かりやすいのは、この物語の感動的なエンディングにも使われている「ジャガイモ貯蔵納屋」のことです。
         好奇心旺盛なベストセラー作家の彼女は厳重に閉ざされているこの納屋を開けたくて仕方ないのです。
         それはまるで、青ひげが開けてはいかんと厳命した部屋のようではありませんか。
         それが、最後の数頁に描かれていて、とても良かったなぁという読後感を与えるところなのですが、いいえ、それだけじゃなく、実はよく読むとあちこちに「青ひげ」があります。

         一読しただけですが、カート・ヴォネガット(・ジュニア)の作品は、結構凝っているのではないかって感じました。
         もっと読み込んでみたら、沢山の「仕掛け」に気づけるかもしれないですね。
         テイストは軽く。でも良い作品だったのでご紹介させていただきました。
        >> 続きを読む

        2019/06/22 by ef177

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      追憶のハルマゲドン
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 彼は 「戦争の嘘」 を知っている。
        カート・ヴォネガットの作家としての本質を端的に伝えてくれている一冊。
        収められた短編は未発表作で、戦争体験に基づいて創作された初期の作品が主となる。

        「カート・ヴォネガット上等兵が家族に宛てた手紙」
        「二〇〇七年四月二十七日、インディアナポリス、バトラー大学のクラウズ・ホールにおけるカート・ヴォネガットのスピーチ原稿」は死の直前に書き上げられたものだ。
        そして、ドレスデン大空襲の体験を語ったエッセイ「悲しみの叫びはすべての街路に」は愁眉。

        戦勝国アメリカの兵士でありながら、捕虜として滞在中だったドレスデンで、英米による空爆を体験したヴォネガット。
        ドイツの民と共に被災し、破壊された町の荒廃を目の当たりにした彼は
        アメリカ人の「加害者としての罪」をも背負うことになる。

        ドレスデンの死は不必要であり、故意に仕組まれた残酷な悲劇だった。
        子供たちを殺すことは―"ドイツ野郎(ジェリー)"のガキどもであろうと、
        "ジャップ"のガキどもであろうと、将来のどんな敵国のガキどもであろうと―
        けっして正当化できない。
               「悲しみの叫びはすべての街路に」より


        戦争の非道は凄まじく、文字通り九死に一生を得た彼は、戦争を憎み、罪を糾弾する。
        すべての殺戮を否定する。
        心の底から発せられた真摯な訴えは、非常に強く心を打つ。
        ドレスデンは、東京であり、広島であり、長崎でもあった。

        しかし、それでも、ヴォネガットは 愛国心とオプティミズムを失わない。

        それが、彼が多くの読者に愛された真の理由なのではなかったか。

        カート・ヴォネガット(Jr.)のヒューマニズムの真意を私は初めて理解したのかもしれない。

        心から、すばらしい作家だった と。
        そう伝えたい。
        >> 続きを読む

        2012/02/09 by 月うさぎ

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