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McCarthyCormac

著者情報
著者名:McCarthyCormac
McCarthyCormac
McCarthyCormac
生年~没年:1933~

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      チャイルド・オブ・ゴッド
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 淡々と主人公の行動のみが描かれる。彼はある非人道的な行動を起こすがそれも、火を熾したり、買い物をしたり、山や町を歩き回ったり、それらの一環であるかのように描かれている。不器用な人かと思ったらそれは人間関係だけで、家が燃えたら洞窟で暮らしたり、ライフルの腕が良かったり、追い詰められて洞窟を掘り進んだり、かなり器用な人やんか。 >> 続きを読む

        2015/02/23 by 紫指導官

      • コメント 4件
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      すべての美しい馬
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      •  彼が扉を開けて玄関の広間にはいると、ろうそくの炎と柱間の鏡に映ったろうそくの炎がゆらりと揺れてもとに戻り扉を閉めるときにまたゆらりと揺れてもとに戻った。

         最初のこの一行、すごいですね。視覚的なイメージもいいのですが、それ以上に、読者を別世界に誘うこの文章のリズムが、いい。
         
         物語は、テキサスから愛馬を駆って国境を越えた家出少年が、メキシコで繰り広げる大冒険。友情あり、恋愛あり、拷問あり、決闘ありのいってみればウエスタン活劇で、しかもかなりハードボイルドな展開なのですが、それがまるで「細雪」時代の谷崎潤一郎のような息の長い文体で語られるわけです。

         彼らは馬を軽やかに走らせた。家の明かりがどんどん背後に遠ざかった。小高い平原まできて馬を歩かせると周囲の暗闇から夥しい星が湧き出てきて二人をとり囲んだ。鐘などあるはずのないがらんとした夜の平原のどこかで鐘の音が鳴って止み、二人がそこだけ光の全くない真っ黒な丸い台座のよう大地を進んでいく彼らの姿はどんどん星々の只中に運ばれていってついには星空の下をではなく星空の間を進みゆき、二人は新たに暗い琥珀の山になかに解き放たれた泥棒のように、輝く果樹園にやってきた若い泥棒のように、寒さにもかかわらず上着の前を開けて幾千万の世界から望みの世界を選びとる自由を享受しながら、陽気にしかも慎重に馬を進めていった。

         う〜ん、息が長いのは谷崎と似ていますが、このあたりの叙情性は、むしろカポーティでしょうか。

         訳者の黒原敏行さんは、パワーズの「エコー・メイカー」の訳者でもあります。パワーズはいろんな人が翻訳していますが、マッカーシーは一貫して黒原さんが翻訳しているようです。この文体であれば、やっぱり同じ訳者でひととおり読んでみたいところですよね。

         近日中に2作目を読みたいと思います。
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        2013/06/17 by 弁護士K

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      越境
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      •  マッカーシー「国境三部作」の二作目です。前作「すべての美しい馬」とストーリー上の繋がりはなく、むしろ時代的には一昔前の米墨国境が舞台になっています。
         
         主人公ビリー・パーハムの人物造型は、前作のジョン・グレイディによく似ています。しかし、ジョンがメキシコで新しい人生を探すために国境を越えたのに対し、ビリーが国境を越えるのは、捕獲した狼を故郷のメキシコの山にかえすためであり、殺された両親の許から盗まれた馬を取り戻すためであり、行方不明になった弟を探すためです。その旅は、冒険というにはあまりに苦渋に満ちあふれ、前作に比べると、読了するのにかなり時間がかかってしまいました。

         狼との知恵比べのような序盤は、幼い頃に読んだシートン動物記の「狼王ロボ」を思わせますが、ビリーが狼を故郷に還すというとんでもない情熱に取り憑かれて以降は、メルヴィルの「白鯨」か、カフカの「城」かといった不条理感が漂い始めます。また、旅の途中でビリーに自らの人生を語る幾人かの登場人物には、「カラマーゾフの兄弟」のゾシマ長老の独白に登場する奇妙な訪問者を思い出す一方、弟ボイドへの思いには、まるで「火垂るの墓」のような切なさを感じたりもするのでした。
         とにかく、読みごたえのある作家であることは間違いありません。

         というわけで、今夜からは第三作の「平原の町」を読み始めるつもりです。ジョンとビリーの物語は、ここで合流するのだとか。なんとも楽しみなことです。
        >> 続きを読む

        2013/07/08 by 弁護士K

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      平原の町
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      •  マッカーシー「国境三部作」の完結篇。「すべての美しい馬」に続くジョン・グレイディの物語です。「越境」のビリー・パーハムは、ジョンに亡き弟ボイドの面影を見出す兄貴分的な相棒として登場します。
         マグダレーナとの悲劇的な恋も、エドゥアルドとのナイフによる死闘も、まるで50年前の西部劇です。この作品からマッカーシーを読みはじめていたら、きっとついていけなかったでしょう。しかし、いたるところに前2作の厚みが活きています。こんな三部作の作り方もあるのですね。
         昨日、那覇空港到着ロビーのソファーで文庫本を読みながら泣いているあやしい男を見かけた方がおられるかもしれません。
         それはわたしです。
        >> 続きを読む

        2013/07/11 by 弁護士K

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      ザ・ロード
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      •  ピュリッツァー賞受賞。終末を描いた現代文学。

        「僅かな人々だけが残る、暗く灰に覆われた終末世界をゆく父と子の旅路」
         真っ黒の表紙がカッコいい本作、内容はただただこれだけです。しかし、非常に強く魂に響く物語で、読後には深い余韻が残ります。

         始めのうちは、冗長で面白みの少ない物語だと思いました。父と子の漂流生活が延々と続き、二人の会話も少なく、トラブルからはただ隠れて逃げるだけ。特にこれといった展開が起こるわけではありません。

         しかし、ひたすらに淡々と続く描写が徐々に心に染み渡っていきます。そう、冬の寒さのようにね。
        ……別に上手くもなんともないお目汚しすいません。
         とにかく、気づけば私自身が共に旅をしているように感じます。心はほんの少しづつ揺さぶられ続け、最後には大揺れです。

         物語のなかで強烈に印象に残っているのが、一発だけ弾の込められた拳銃です。護身用としてたびたび登場するこの銃、実際のところは自決用なのです。身を守ることがほとんどイコールで痛み無く死ぬこと。そんな世界であることを強く印象づけられます。また、その一発の使い道を苦悩する「父」の姿は心の奥に響きます。

         なぜ自分たちは旅を続けるのか、という少年の再三の問いに対して、父は「火を運んでいるんだ」と答えます。様々な解釈はできそうですが、父子の間に交わされる手短な会話や所作の一つ一つに、私は人間の持つ「火」の暖かさを感じました。人間の残酷性が浮き彫りになる荒れた世界のなかで、暖かい人間性を保ち続けることが彼らの旅なのかも知れません。
         あるいは、単純に命の「火」を運ぶことを指すのかもしれません。いろいろと解釈できるのは楽しいところです。

         空は分厚い雲に覆われ、大地には灰が積もった終末世界。動植物の影は既になく、餓えた人間が人間を襲う無政府状態……。
         改めてみると、ものすごくSFの空気が感じられます。しかしながら、本作はあくまで父と子の物語でした。二人の旅路を描いた上質な純文学です。でも、この世界観でバリバリの近未来SFも読んでみたい、というのも正直なところです笑

         なんと本作は映画化されているみたいです。これはぜひみてみたい作品です。
        >> 続きを読む

        2015/08/29 by あさ・くら

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      ブラッド・メリディアン
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      •  ニューヨーク・タイムズ紙上で、著名作家のアンケートによるベスト・アメリカン・ノヴェルズに選出されたとかで、ものすごく評価の高い小説です。ネット上でも、称賛の嵐。
         
         しかし、率直なところ、ぼくにとってはかなり読み辛い小説でした。
         マッカーシーの文章(そして黒原敏行の翻訳)には、国境三部作同様に舌を巻くしかありません。しかし、とにかく殺戮につぐ殺戮で、いったい誰が何のために誰と闘っているのか、なぜここまで残虐行為を重ねなければならないのか、だんだん話についていけなくなってしまいます。途中で何度も読むのを止めようかと思ったのですが、なんだか止めるに止められず、エピローグを読み終えたときには、悪夢からさめたような安堵感を覚えました。

         これを最初に読んでいたら、マッカーシーをもう一冊読もうと思ったかどうか、かなり疑問です。まだマッカーシーを読んでいない人には、「すべての美しい馬」から読みはじめることをお薦めしたいものです。

         それにしても、ニューヨーク・タイムズのベスト・アメリカン・ノヴェルズという企画で、他にどんな作品が上位に入ったのか、是非、知りたいですね。「ニューヨーク・タイムズ/ベスト・アメリカン・ノヴェルズ」で検索してみても、この作品しかヒットしません。誰か御存知の方があれば教えて下さい。
        >> 続きを読む

        2013/08/28 by 弁護士K

      • コメント 7件
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【McCarthyCormac】(McCarthyCormac) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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