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SegalYocheved

著者情報
著者名:SegalYocheved
生年~没年:1910~

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      ユダヤ賢者の教え
      カテゴリー:ユダヤ教
      5.0
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      • すばらしい本だった。
        タルムードなどに伝わるさまざまな説話をわかりやすくまとめてある。
        ユダヤ人の知恵のエッセンスが凝縮されているすばらしい物語集である。

        どの物語も素晴らしかったが、特に印象的だったのは、ラビ・アキバの物語。
        ラビ・アキバは、ある時に、ロウソク一本と鶏とロバだけを連れて旅に出た。
        鶏は朝の目覚まし、ロバは荷物を運んだり疲れた時に乗るため、ロウソクは夜にも聖書を読むためだった。

        ある町に辿りついた時に、一晩宿を貸してくれるように頼んだが、どの家からも断られてしまった。
        ラビ・アキバは、人々の冷たい仕打ちに腹を立てることもなく、「神のなさることはすべて良いことだ。」と言い、町からやや離れた丘で、野宿することにした。

        そして、丘の上でロウソクに火をつけて、聖書を読もうとしたら、突然ライオンが現れてロバを食べてしまい、猫が現れて鶏を食べてしまった。
        そのうえ、強い風が吹いて、ロウソクの火が消えてしまった。
        それでも、「神のなさることはすべて良いことだ。」とラビ・アキバは言って、静かに落ち着いていた。

        すると、遠くの方で悲鳴声があがり、やがて近くの道をがちゃがちゃと音を立てながら多くの人が過ぎ去っていった。
        あとでわかったのは、敵の軍隊が町を襲い、人々は殺されるか捕虜になった。
        道を通る音は、敵の軍勢の足音だった。

        もしロウソクの火がついたままだったら、また、鶏やロバがいて鳴き声をあげれば、ラビ・アキバの居場所がわかり、同じように殺されるか捕虜になったことだろう。

        「神のなさることはすべて良いことだ。」とつぶやいて、またラビ・アキバは旅に出た。

        という話だった。

        このラビ・アキバの物語の他にも、安息日の前だが人助けをした人のために、神が日没を遅らせた物語や、さまざまな親孝行や誠実な人々の物語もとてもためになり、感心させられた。

        片足一本で立っている間にかいつまんでトーラーの教えを教えてくれと頼む人に対し、

        「あなたがいやだと思うことを、あなたの友にしてはならない。それが、トーラー(律法)の教えのすべてです。」

        とラビ・ヒレルが言ったという話も心に残った。

        かなり年をとってから猛烈にトーラーの勉強を始めて立派なラビになったラビ・エリエゼルの話や、お金がないために屋根の窓にのぼって雪に降られながらシナゴーグの中のトーラーの授業を聴いて勉強したラビ・ヒレルの話もとても心に残った。

        「命を欲するならば、悪い言葉から身を守りなさい。」という聖書の一節こそ命を与える妙薬だという説話も面白かった。

        ユダヤ人はこれらの物語を小さい頃から聴いて育つそうだが、そうであればあれほど賢く優秀な人材が輩出するのもよくわかる気がする。

        多くの人にお勧めしたい、すばらしい古代ユダヤの説話集である。
        >> 続きを読む

        2013/06/07 by atsushi

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      ユダヤ賢者の教え
      カテゴリー:ユダヤ教
      5.0
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      • とても面白かった。

        特に心に残ったのは、ラビ・アキバとその妻ラケルの物語。

        貧しい羊飼いだったラビ・アキバを、妻は二十四年間も立派なラビとなって戻るまで待ち続ける。
        若くて貧しかった頃、「黄金のエルサレム」というエルサレムの街の景色を掘り込んだ美しい黄金細工を妻にいつかプレゼントしたいと思いながら、当時はできなかったラビ・アキバは、艱難辛苦の末、立派に大成し、長年の妻の労苦に報いるために「黄金のエルサレム」をプレゼントする。

        「黄金のエルサレム」という歌があるのだけれど、
        http://www.youtube.com/watch?v=JH8gtdDA5x0

        タルムードの中のこの物語からきっとそのタイトルをつけたんだろうなぁと読みながら思った。

        他のさまざまな物語も、とても胸を打つものや、とても知恵をもらうような、面白いいろんな説話だった。

        多くの人にオススメしたい。
        >> 続きを読む

        2013/06/11 by atsushi

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      ユダヤ賢者の教え
      カテゴリー:ユダヤ教
      5.0
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      • とても面白かった。

        どの物語も面白く、ためになったけれど、中にも印象に残ったのは、以下の三つの話だった。


        一つは、ローマ皇帝のティトスが、イスラエルを戦争で倒して神殿を破壊した時のこと。
        ティトスは、神など無力なものだ、神の神殿を倒して思うがままに破壊したのだから、自分こそが真の神だ、とおごりたかぶって豪語した。
        すると、それを見た神が、蚊を一匹放って、その蚊はティトスの鼻の穴から入って脳みそに達した。
        それ以来、ずっとティトスは頭痛に悩まされ、その頭痛は徐々にひどくなっていった。
        どんな医者が見ても原因がわからず、治療できなった。
        鍛冶屋の側を通りがかった時に、大きな音に驚いて蚊が一時的に動きをやめた時だけ頭痛が止まった。
        そのため、ティトスは四六時中鍛冶屋を近くに置いて、大きな音で作業させて、その音が止まったらまた頭痛に悩まされた。
        頭の中に何かがいるらしいということで、頭を切開する手術を行ったが、その手術で死んでしまった。
        しかし、頭を開けたところ、鳩ぐらいの大きさになった蚊が一匹頭の中にいた。
        との御話。
        おそらくフィクションのユダヤの伝説かもしれないし、実際にそんなことがあったわけではなかったのかもしれないが、人間など、ちょっとした具合で、本当にどんなに権力があっても少しも幸せを楽しめないようになりうるということを、とてもわかりやすく伝えるエピソードと思う。

        二つめに印象深かったのは、こんな話。
        ある貧しいラビ(ユダヤ教の学者)が街を歩いていたら、貧しい物乞いが現れて、恵んでくれるよう頼んできた。
        ラビは、半銭しかないが、これでいいか?とたずねると、物乞いは、自分も半銭だけ持っているので、これを合わせると一枚のコインになって今日の家族を養うだけのパンを買えます、ありがとうございます、と言った。
        ラビは、自分が持っている分を惜しげなく相手に与えた。
        その夜、そのラビは夢を見た。
        敵に襲われ、海に突き落とされ、自分の先生である徳の高いラビが手を伸ばして自分を助けようとするが、その先生ですら自分を助けることができなそうだった。
        その時、今日、半銭をあげた物乞いの人が現れて手を伸ばして自分の手をつかみ、海から引きあげて助けてくれた。
        夢から覚めて、その夢を考えて、この世を去った後の裁きなどでは、自分の先生すら救えないようなことから、わずかな善行の功徳が自分を救ってくれるということに思い至り、実は自分が物乞いを助けたのではなく、物乞いの方こそ自分が救われる善行をさせてくれるきっかけを与えてくれたのだと気付いた、という物語。

        みっつめに印象深かったのは、ある貧しいラビがそのおばあさんと二人で暮らしていた。
        ユダヤ教は安息日に少量のワインを儀式に使うのだけれど、今までなんとか工面してきたワインを、その時の安息日には貧しくてどうしても調達できなかった。
        ラビが仕事で出かけている間、おばあさんはなんとか孫のためにワインを調達してあげたいと思い、何もかも売り払ってしまって家にはほとんど何もなかったが、ただ一つ大事に持っていた自分の立派な帽子があったことに気づいた。
        それを売りに行ったが、足元を見られて、わずかなお金にしかならず、そのわずかなお金で買えるだけのわずかなワインを買って帰った。
        ラビが家に帰ると、ワインがあったので驚いたが、と同時に、おばあさんの帽子がなくなっていることにも気づいて、すべてを悟った。
        しかし、おばあさんは何も言わず、ただにこにこしているだけだった。
        その様子を見た神様は、この二人の心に心をとめて、それからは幸運がその家に向くようになり、おばあさんが亡くなる時には三千樽のワインが地下室にあるぐらいの金持ちになったそうである。


        三つとも、心に残る話だった。
        他にも、いろんな勇気や人間としての道徳を教えられる物語が多かった。
        ユダヤの昔話は、本当に面白いと思う。
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        2013/06/30 by atsushi

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      ユダヤ賢者の教え
      カテゴリー:ユダヤ教
      5.0
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      • ユダヤの聖典・タルムードの中のアガダーと呼ばれる説話集を、現代人にわかりやすくまとめたシリーズの最終巻の第四巻。

        この巻もとても面白く、これでこのシリーズが終わってしまうのが、とても残念に思えるほどだった。

        印象深かったのは、以下のいくつかの物語。

        ツァディクのベンヤミンが、常に多くの人を助け、飢饉の時に自分に助けを求めてきた寡婦とその七人の子どもを、自分も貧乏なのになんとか養った。
        そのことにより、人一人の命を救うだけでも全世界を救ったのと等しいと考える神により、八人もの命を救ったので、本来ならば死ぬべき時が来ても奇跡的に病気が治り、二十二年、さらに寿命が伸びた、という話。

        また、ある町に、みんなから嫌われているゴロツキたちがいた。
        しかし、ラビ・ゼラだけは、いつも彼らにあいさつし、彼らが良くなるように祈り、困ったときには助けたり、かばったりしてあげていた。
        しかし、ゴロツキたちは、ラビ・ゼラを馬鹿にし、ラビ・ゼラは背が低くて足にやけどのあとがあったので、チビのやけど足と呼んでいた。
        だが、ある時、ラビ・ゼラが高齢のためになくなると、はじめてゴロツキたちも寂しく思い、もう自分たちのことを心配してくれる人も愛してくれる人もいなくなったのだと思い、いかにどうしようもない自分たちもラビ・ゼラが変わらず慈しんでくれていたかを思って、行いを改めて更生していった、という話。

        あと、マアセルという、財産の十分の一を神のためにささげることが律法に定められているが、それをしなかった人がだんだんと財産が減っていき、きちんとするようになったらだんだんとまた元のように栄えていった、という話。

        などなど、とても面白かった。

        他にも、お金より友人が大切なこと、身体の毛の一本一本にちゃんと栄養がいきわたるように神は人を必要な分は養ってくださること、貧しくとも誇りを失わず足るを知っていたいろんなラビの話、神は敬虔な人には高い水準を求めて自らの行いをその人が正すことを求めること、ほんのわずかな驕りの心も持たないように気を付けるべきこと、などがわかりやすい説話で説かれていて、とても面白かった。

        四百回以上教えないと物事を覚えることができない弟子に、根気よくトーラーを教えた先生の話も感動的だった。

        ユダヤの人々は、こうしたアガダー(説話)によって、おのずと、トーラー(律法)への愛や献身を身につけていくのだろうと、読んでいてあらためて思った。

        また、最も恐ろしいことは、心がトーラーに対して閉じられることだというメッセージも、なるほどーっと考えさせられた。

        この全四巻は、多くの人におすすめしたい、素晴らしい説話の数々だったと思う。
        このシリーズでわかりやすくアガダーを読めて、本当に良かった。
        >> 続きを読む

        2013/07/13 by atsushi

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