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WilsonA. N

著者情報
著者名:WilsonA. N
生年~没年:1950~

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      猫に名前はいらない
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 老いぼれ猫が孫猫に語り聞かせる一代記、自叙伝すなわち猫語の物語を人間語に訳したという実験小説・・・としては大失敗の駄作であろ。(凡愚の人間を嗤いのめしてみせた「吾輩は」で始まる日本の名作を知らないのだろうか。)
        ・・・と見せかけて、そんな批難も百も承知の人情話ならぬ『猫情話』なのでありました。

         * * *

        主人公(といってはいけないのか「主猫公」か?)は人間から押しつけられた名前は幾つもあるのに猫には不要と「名無し」を決めこんだ雄猫です。
        記憶力だけは抜群で、幼少期からの、とりまく二本足どもの会話を再現してみせる。

        ただし猫は猫らしく、テレビのことをあっさりテレビといわずに、ながたらしい説明付きの「函」と表現してみせるあたりは可愛かった。でも、そんな調子で語り続けたらとんでもないことになるのは眼に見えていた。案の定、猫らしい遠回しなことばは申し訳程度に「たまに」登場するばかりで、「テレビ」は言えないのに「番組」は言える。「医学」がわかる。

        「名前はいらない」と所有物扱いを嫌いながら、ほかの猫を語るときには、便宜上だかなんだかしらないが堂々と「二本足の奴からつけられた名前」を使う。(そりゃそうだ、落語の寿限無寿限無になってしまうからね。)

        猫の気持ちを解さない二本足を愚弄しているのに、町の野良として、食いものは結局人間のおこぼれに与って生きている。

        人間の言葉は理解し記憶するが、犬のことばもインコの声も鳴き声としか聞こえないあたりは、なんとも人間臭い猫様なのです。

         * * *

        そうなんですよ。「人間臭さ」がいいんです。猫なのに、孫猫に一代記を語る。
        聡明そのものかと思ったら、とんでもなく智慧が抜けていたりする。
        生きている限りは愛も哀しみもある、まさに人生いやいや猫生。
        読んでいて、初めは難癖ばかりつけて「駄作?」と読み進んでいくのですが、気が付けば、
        気楽に見える猫生に「おまえらは呑気でいいなあ」と間抜けな台詞を吐いてきた自分らの愚かしさが見えてきます。

        これから読む人は、タイトルから察しの付く想定内の物語にぶつぶつイライラしながらもラストまで読んでください。案外、読後はさわやかです。
        >> 続きを読む

        2016/01/20 by junyo

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