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WinslowDon

著者情報
著者名:WinslowDon
WinslowDon
WinslowDon
生年~没年:1953~

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このランキングは1日1回更新されます。
      犬の力
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
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      • 【凄絶な麻薬戦争と人の生き様】
         米合衆国とメキシコとの国境は長大な距離に渡ります。そこは警備されているとは言え、全てをチェックするなど到底無理。ですから、様々な手段により、膨大な量の麻薬が合衆国に流れ込みます。それらの麻薬の多くは、米の貧困層に蔓延し、ジャンキーを量産していきます。
         主人公、アート・ケラーは、そんな状況を許すことができない麻薬取締特別捜査官。ターゲットはメキシコの罌粟畑(罌粟からはヘロインが精製できます)。広大に広がる罌粟畑。それを取り仕切る一握りの「農園主」とそこで搾取される農民。
         アートは、地元の警察とも密接に連携しつつ、大規模一斉摘発に着手します。
         それは、「ガサ入れ」などという生やさしい物ではなく、ヘリを数機飛ばして罌粟畑を焼き討ちし、首魁は容赦なく射殺するような、凄惨な地獄絵を展開することとなります。
         
         他方、そんな麻薬が蔓延する環境で、ドロップ・アウトしている若者が米側にもいます。
         ビビりながら虚勢を張り、イキがり、何のあても無くその日を生きている若者達。
         カランもそんな一人。ひょんなことから、「組織」の人間を射殺してしまい、ダチのオ・バップと共に「おたずね者」になってしまいます。
         はたまた、麻薬の末端売人に「性的サービス」をすることで日銭を稼いでいる若いノーラ。
         そんなノーラに目を付けた高級売春組織の元締めの女性。
         彼女はノーラに言います。「いつまでもそんなことしていてはダメよ」と。
         そうして、ノーラは磨き上げられ、白亜の売春館で生きていく高級娼婦になっていきます。

         大規模一斉摘発で壊滅したと思われたメキシコ側の麻薬組織。
         しかし、そんなことでは消え去るわけもなく(実はこの摘発にはある意図があったのですが、それはご自身で読んで下さい)、新たな組織が作られていきます。
         腐敗した警察官や米側の保安組織。
         政治も絡んできます。
         もはやメキシコからの麻薬の驚異は消滅したのだと、政治的に喧伝されます。
         ですが、実態は大違い!
         アートは、未だに根強く生き続け、しかも巧妙に姿を変えたメキシコの麻薬組織の存在を強く訴え続けるのですが、上層部からは無視されまくり。
         だって……あぁ、書きたいのだけれど、書けない!

         本書は、そういう麻薬を巡る、非常に凄絶な闘いを基底にした作品です。
         「読み物」としても大変面白い。
         いわゆる「刑事モノ」、「犯罪捜査モノ」として捉えることももちろん可能なのですが、むしろ、こんな状況の中で、それぞれの「思い」を胸に抱いてもがき、あがく人間の生き様を強く感じました。

         まだ上巻を読了したところですが、下巻が大変楽しみです。
         ストロング・リコメンド!
        >> 続きを読む

        2019/08/06 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      犬の力
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 【熾烈を極める麻薬戦争】
         上巻に引き続きのレビューです。上巻で描かれた米政府の麻薬取締組織とメキシコから米へ麻薬を密輸するフェデラシオンとの闘いは、さらに激化していきます。この2者の闘いに加えて、新たな麻薬密売組織が台頭してきて、どちらの密売組織につくのかという争いも絡んできます。
         さらには、共産主義と反共との間の闘い、これにまつわる武器密輸の問題など、混沌とした状況は激烈の一途を辿ります。米麻薬取締組織に所属する主人公アート・ケラーも、ある意味「私怨」とさえ言い得る執念で麻薬密売組織の壊滅にのめり込み、ついには家庭が崩壊してしまいます。それでも闘いをやめようとはしません。
         かなりの人数の登場人物が次から次へと殺害されてしまうという悲惨な状況。それでも逃げ切る奴はどこまでも逃げ切ります。果たしてこの闘いに終わりはあるのか?

         上巻の冒頭で、非常に凄惨な殺人描写がありますが、その時点では何故そのような殺人が行われたのかは説明されず、ただ、アートが自分のせいだと語るのみ。その説明は下巻後半になされます。

         読了した感想としては、爽快な読後感とはとても言えません。非常に重苦しい結末を迎えます。それがまた一つの味なのでしょうね。
         ちなみに、タイトルの「犬の力」というのは、旧約聖書から取られている言葉で、民を苦しめる悪の象徴としての力という意味合いで使われています。主人公アートも自分の中にこの犬の力が流れているのだと独白する場面があります。
         それなりに意味をもったタイトルなのですが、個人的にはうまく生かし切れていない感もありました。

         力作ではないでしょうか。
        >> 続きを読む

        2019/08/07 by ef177

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      紳士の黙約
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 酔っぱらった若者が
        皆に慕われていたサーファーを殴り殺した
        …という単純な話が
        実はなんか違う的な

        撲殺若者の弁護側を手伝うことになった
        私立探偵のブーンは
        そのせいで
        サーファー仲間で結成している
        ドーン・パトロールにも居づらい

        ブーンが引き受けた浮気調査も
        撲殺事件に絡んできて
        おみごと

        終盤、ブーンがサーフボード上で
        腹ばいじゃなく
        しっかり立って
        今までのことや
        疑問点やら
        考えている場面は秀逸

        仏教、空手、歌舞伎、ハワイの日系人とか
        日本にまつわることがらも登場するし
        登場人物にもコダニさんが出てくる
        …つかドーン・パトロールのジョニー・バンザイのことやが
        「バンザイ」のニックネームは"万歳"かも?
        >> 続きを読む

        2018/02/17 by 紫指導官

    • 2人が本棚登録しています

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