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警視庁のコンピュータと称された元警察官が振り返る半生。殺伐とした事件の中でこそ、小さな交流で救える心が有る。警察。まして殺人事件担当部署などと聞くと、一般的には近寄り難い存在だと思う。とは言え、優秀な警察組織が民衆の幸福を守ってくれていることも言わずもがなで有る。著者は警視庁のコンピュータと称されたほどの抜群の記憶力と、数々の難事件を解決して来た実績を持つ元警察官で有り、大女優とのロマンスやキリスト教への帰依などのエピソードも交えながら、警察との距離を縮めてくれる。ヤクザや娼婦たちとも人と人との関係を大切に、人情が介在する余地が有った時代の話は、サラリーマン化して、地元のことは何でも知っているような警察官がほとんどいなくなった現在からすれば確かにうらやましい面が多いと思い知らされる。地道な捜査の現実や、新聞記者との付き合い方なども読み応えが有った。圧巻だったのは、亡くなった著者に向けて寄せられた、宮部みゆき氏をはじめとした多くの推理作家からの賛辞。確かに警察の迫力有る姿をリアルに描くためには、現場を良く知る方からのインタビューが必要で有ろう。読み終えた今となっては良く分かるが、著者の経験と表現力は、まさに適任だと思える。警察組織を愛するが故の批判から、犯人に対しての誠実な対応が垣間見えるようで有る。 >> 続きを読む
2011/05/26 by ice
【鍬本実敏】(クワモトミトシ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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