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PinkneyJerry

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著者名:PinkneyJerry

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      わたしのとくべつな場所
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
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      • とても素晴らしい絵本だった。

        あとがきに書かれているが、著者の少女時代の思い出を元にしているらしい。


        1950年代の南部のアメリカ。

        主人公の少女のパトリシアは、「あの場所」に行きたいと思う。
        そこは、とびっきりのお気に入りの場所。

        おばあちゃんが、「どんなことがあっても、胸をはって歩くんだよ」と言って送り出してくれる。

        それで、バスに乗っていくが、バスには「黒人指定席」(COLORED SECTION)にパトリシアは乗らなくてはならない。

        前半分の白人席はがらがらにあいているのに、そこには座ってはならない。

        バスを降りて、公園の中を歩いて行き、噴水の近くのベンチに座ろうとすると、そこには「白人専用」(FOR WHITES ONLY)と書かれている。

        街のレストランには、「白人のお客さま以外お断り」(WHITES ONLY)と書かれている。

        誰か有名人が来たらしく、人混みに巻き込まれてホテルのロビーに入ってしまうと、「肌の黒い人間は立ち入り禁止だぞ!」とものすごい剣幕で叱られて追い出される。

        映画館の前を通ると、黒人は正面ドアからは入れず、裏口から入って黒人席にすわるように言われる。

        途中、慰めてくれる黒人の知り合いや、白人の知り合いもいるのだけれど、南北戦争の後に百年近くたちながら、唖然とする現状に、読みながらパトリシアならずともこちらが心が折れそうになる。

        しかし、ついに、「あの場所」つまり図書館の前に立つ。

        おばあさんは、そこを「自由への入り口」と呼んでいた。

        図書館の入り口には、「誰でも自由に入れることができます。」(ALL ARE WELCOME)という文字があるのを、パトリシアははっきりと見つめる。

        という物語。

        南部の図書館はかつては白人専用だったが、1950年代に、ナッシュビル公共図書館運営委員会は、人種に関係なく使えることを議決した。
        そのことがあとがきで書かれる。

        深い印象が残る、とても良い絵本だった。
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        2013/03/17 by atsushi

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      ライオンとねずみ イソップものがたり
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
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      • どうです?表紙のド迫力のライオンの顔。
        この目線の先にはねずみが視線を受け止めている構図になっています。
        裏表紙がお見せできないのが残念です。

        しかも初版の表紙には文字が一つもありませんでした。
        タイトルも作者の名前も、なにも書かれていなかったという斬新さです。

        リアルな描写でありながら、大胆な構図。
        目が語っているんですよ!!なんとも豊かな表情に見とれます。

        巧いだけじゃない。絵から作家の動物への愛と優しさが感じられます。
        何度も何度も見たくなる。まるで画集ともいえる美しさ。これは立派なアートです。

        書かれている文字は、動物の鳴き声や、擬音だけ。
        ホー、ホー、ホホー
        キキーッ
        ガルルル
        チュウ チュッチュチュチュウ
        ブルン ブルルン ブルルン
        ガオーッワオワオウワーオガーオガォーッ
        ザリザリザリザリ

        絵の中の文字はデザイン化され絵の一部になっているかのようです。

        日本語の文字に直してあるのに、まったく不自然さを感じないのはなぜ?!
        (この作業をなさったかたもご立派です。)


        字が無くても誰もが知っているイソップものがたりですから、
        絵を追っていけばお話はわかります。
        そしてお子さんにはお母さんが自分の言葉で物語を脚色して語って聞かせればいいのです。

        でも、このお話を知らない人がもしかするといるかもしれないので、
        ここでこっそりお教えしておきます。

        『ライオンの昼寝の邪魔をしてしまったねずみ。
        怒ったライオンにつかまってしまい、命乞いをします。
        あなたさまのお困りになった時には必ずご恩返しはしますから、と。
        小さなねずみの言葉を鼻で笑って、それでもライオンはねずみを逃がしてやりました。

        後日、ライオンが密猟者の網にかかってしまいます。
        すると、鼠が現れ網をかみ破いてライオンを助けてくれました。』

        というお話しです。
        「ねずみの恩返し」というタイトルになっている場合もあります。

        イソップといえば教訓です。
        ・たとえ小さなことでも、他人に施した恩は自分の身に帰ってくるもの。
        ・強者が弱者の助けを必要とする状況も起こるものだ。

        このお話しは普通、このような解釈がされているのです。

        でも、ピンクニーは違います。

        ライオンとねずみそれぞれの心の美しさと勇気をたたえるお話しになっていて、
        お互いに感謝し尊敬をし合う関係になるのです。
        そして私たちも彼らを愛おしく思え、温かい気持ちになれるのです。

        動物にはそれぞれ家族があり、ストーリー外の日常を感じさせることで
        いっそう人間的な(といっていいのかな?)味のある話に膨らんでいます。

        最後のページの後にある表紙の見返しの絵も見逃さないで!
        ライオン家族とねずみの家族の仲良しな姿が。
        これ見たら、もう泣きますよ。ヽ(;▽;)ノ


        絵の力が感じられる作品としてはピカ一でしょう。
        多くの人に観て感じて欲しい、絶対のオススメ作品です!

        2010年度のコールデコット賞受賞作品。
        A4変型判の横長の本。
        ライオンの体の大きさも顔の大きさもこのサイズならでは、の迫力です。

        唯一の欠点は、この絵本を観てしまったら、
        他の「ライオンとねずみ」の絵本が物足りなくなってしまうことですね。d(⌒ー⌒) グッ!!
        >> 続きを読む

        2013/10/23 by 月うさぎ

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      うさぎとかめ イソップものがたり
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
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      • 「うさぎとかめ」のお話し。これもイソップ物語だったんですね。
        「ライオンとねずみ」のピンクニーが素晴らしい画力で描く絵本第2弾はこれでした!
        期待を裏切らないすばらしい絵本です。ぜひ見てみてください!

        今回は寓意が強いお話しだからでしょう、
        前作「ライオンとねずみ」で野生を感じたのとは違い、
        動物たちがちょっとマンガチックに擬人化され、衣装まで着てのご活躍。
        これは画面に色彩が欲しいという作者の考えによるものだそうです。
        その思い通り、賑やかでカラフルでスポーツフェスティバルのような明るさに仕上がりました。

        言葉は今回もギリギリまで削られています。

        いちについて、
        よーい・・・ どん!
        ゆっくり  ゆっくりゆっくり いそがず あわてず
         ゆっくりゆっくり いそがず あせらず  
         ゆっくりゆっくり いそがず やすまず

        競争シーンには、動物たちのギャラリーや応援団が描かれ
        シンプルになりがちな場面を盛り上げてくれます。
        キツネのチェッカーフラッグを振る姿なんてもう。自然にほおが緩んでしまいます。

        特に注目して欲しいのは、カメを応援する動物たちの姿。
        競争は孤独な闘いなんかじゃなくて、周りをみれば多くの人の助力があるんだよということです。
        とても暖かいメッセージですね。

        うさぎが寝てしまうシーンも、かわいいです。
        「うさぎの居眠り」っていうの、この物語の不満な点だったんですけれど、
        その私も思わず納得のシチュエーションが描かれます。

        (ピーター・ラビットのシリーズで「ベンジャミン・バニーのお話し」を知っている人は
        思わずニヤリとしてしまうのではないかしら?)

        ピンクニーの絵本にはイソップにない味付けがされています。

        それは何よりも、動物たちへの優しいまなざしとユーモアです。

        イソップの寓話は戒めや教訓を伝えるものなので、
        話は面白いのですが、辛辣な味わいがあります。

        悪者が懲らしめられて溜飲を下げたり、思い上がって失敗したり、愚かな行為をあざ笑ったり。

        それはそれで心にのこりますし、役にも立つと思います。
        でも、ピンクニーはそれだけじゃない。と考えています。

        さて、最後に、うさぎとかめはどうなったでしょうか?


        ストーリーをいじることなく別のメッセージを付け加えることに成功している
        すてきな読後感の作品です。

        レースの迫力を増してくれる横長の大判絵本が生きていて、
        絵の魅力も充分にご堪能いただけます。


        まさかとは思いますが、万一「うさぎとかめ」を知らないという方のためにご紹介。

        『あるときうさぎとかめが、どちらが速く走れるかで言い争いになりました。
        では競争をしようときつねのあいずで走りだしました。
        うさぎは、足が速いからと油断して途中でいねむり。
        一方かめは、自分が遅いことを知っているので休まず進み続けました。  そして…。」
        >> 続きを読む

        2013/10/24 by 月うさぎ

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      おしゃれなサムとバターになったトラ
      4.0
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      • この本は、「ちびくろサンボ」の物語を、奴隷制についての歴史や文学の本を多数執筆しているジュリアス・レスターがリメイクしたものである。

        「ちびくろサンボ」は、小さい時にもちろんよく知っている物語で、トラがバターになるところが面白くて好きな物語だった。

        それがどういうわけ、よく知らないうちに、黒人差別につながるということで絶版になっていたそうである。
        そういえば、私が小学生の頃、カルピスの元々のマークが黒人差別につながるとして変わったということのおぼろげな記憶がある。
        あの頃、ちびくろサンボも絶版になったそうだ。

        この「おしゃれなサムとバターになったトラ」は、もともとの1899年に出版された当時の「リトル・ブラック・サンボ」を元に、若干アレンジしたものだそうである。

        主人公のサムは、動物たちがお店を開いている市場で、かなり派手な色づかいの服や傘や靴を親に買ってもらい、よろこんで学校に着ていこうとする。

        しかし、通学の途中の道に、虎があらわれて、サムの命を狙い、サムは一つずつ持っているものを与えて、なんとか命だけはとりとめる。

        合せて五匹の虎が次々と現れて、そのおかげでサムは持ち物をすべて奪われてしまう。

        しかし、虎はお互いに争って樹の周りをぐるぐる回りだし、バターになる。

        サムはバターを持って帰って、家族でホットケーキをおいしく食べる。

        という話である。

        あとがきで、ジュリアス・レスターも言うように、この物語がなぜかくも愛されるかは、やはりこの物語に何かがあるからだと思う。

        牽強付会的にもし解釈するならば、サム(サンボ)が黒人であるということから考えれば、この獰猛な虎たちは白人の奴隷所有者や資本家たちなのかもしれない。
        サムが、求められるままに持ち物を与えるが、最終的にはすべて取戻し、バターになったトラを食べるというのは、非暴力で最後には勝つという黒人の信念や願いを書いたものだったのかもしれない。

        もちろん、原作者はそこまで考えずに書いたのかもしれない。
        しかし、直感的に、あるいは無意識のうちに、そのようなものをこの物語に読みこんだからこそ、アメリカや多くの世界中でこの物語が愛されてきたのかもしれない。

        あらためて読むと、いろいろと考えさせられる物語だと思う。
        >> 続きを読む

        2013/03/23 by atsushi

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