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艸場よしみ

著者情報
著者名:艸場よしみ
くさばよしみ
クサバヨシミ
生年~没年:1958~

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      科学にすがるな! 宇宙と死をめぐる特別授業
      カテゴリー:科学理論、科学哲学
      5.0
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      • 圧倒的に面白かった一冊です。副題に、「宇宙と死をめぐる特別授業」とあります。この本のことも新聞の書評で知ったので、日曜版の書評欄はやはり私には為になる情報源です▼艸場という珍しい名字の編集者の仕事をこれ以外には知らないのだが、この本は素晴らしい。誇ってよいと思います。身近な人の死に接したことの戸惑いが出発点となって、著者は著作には触れていたが逢ったことはない物理学者の知性に頼った、救いを求めた。「生きるとは、死ぬとは何なのか?」。万物の根源からの成り立ちを解明しようしてきた物理学者なら、ヒントをくれるのではないか、と。つまり、ここに書かれているのは、女性編集者艸場よしみから、物理学者佐藤文隆へのラブレターだったのです▼逢ったこともない女性からのおかしなメールを、当初物理学者は敬遠する。いぶかしがる。当然だと思います。しかし、どうしてか会うことを拒みはせず、京都の(佐藤さんは京大教授)喫茶店を指定して、一面識もない二人が出会うシーンから始まってゆく。そうゆう描写の印象が、どこか初デートをイメージさせて、往復書簡で始まるこの本がラブレターのように読めたのだと思います▼「宇宙の成り立ちと自らの生死」に、何らかの連繋があるに違いない。じゃなければ、私はなんで生きるのか? 人は病の不安に怯えながら何をヨスガに生きてゆけというのか!? そんなに取り乱してはいないのだが、艸場さんが佐藤教授に逢って話が聞きたいと願った出発点には幾分かの前のめりがあったように読める。その若干の暑苦しさを、大学教授は軽くいなす。「何の関係もないよ」と、斬って捨てる。それが科学なのだと諭すように▼「科学にすがるな!」というタイトルは佐藤教授の言葉から採ったもので、艸場さんの当初の想いがフラれたことを意味する。でも、それは失恋とは違う和解への第一歩なのだと、次第に気づいてゆくことで、安易な受け入れよりも深いところできっと安堵を手に出来る、そこに至れるハズだという希望を抱く。きっと抱いたに違いない。読者である私は、大きな諦めとともに、一回しかない今生の謳歌を誓った次第です。科学になんかすがることなく▼というか、ここで言ってる「科学」という認識が既に科学的ではないのですよ。「科学」と人間が思っているもの、という約束事、共同幻想でしかないのです。その前提を忘れて、科学がなんとかしろ! なんてチャンチャラ可笑しい。長く学究の最先端で多くの解らず屋や敵と闘ってきた学者が至った韜晦と透徹。その詳細など、請われたって語らない、教えてやらないよというのが年長学者の理性と矜持であって、そこに当初、土足で踏み込もうとした女性編集者の無邪気な熱意が、少しだけ岩を動かしたのだ。その動いた先から溢れてくる光を、読者の我らも楽しむことができる良書。オススメです★5つ! >> 続きを読む

        2013/08/11 by inamako

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