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岩澤雅利

著者情報
著者名:岩澤雅利
いわさわまさとし
イワサワマサトシ
生年~没年:1961~

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      ミレニアム
      4.0
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      • スティーグ・ラーソンの「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」(上・下巻)を読了

        月刊誌「ミレニアム」を舞台に、産業界に渦巻く腐敗や闇取引を暴露し続けてきたミカエル。
        だが、気鋭の経済ジャーナリストとして築き上げた信頼と名声は、今や地に墜ちてしまった。

        大物実業家ヴェンネルストレムの違法行為を暴いた記事が、名誉毀損と判断され、有罪判決を受けたのだ。
        失意の中、発行責任者の地位を降り「ミレニアム」から去った彼のもとに、ヴァンゲル・グループの弁護士から、仕事を依頼する電話が掛かってくる。

        凋落の一途を辿っているものの、かつては、スウェーデン経済の屋台骨と言われた、大財閥の元会長ヘンリック・ヴァンゲルからの依頼に、好奇心を刺戟されたミカエルは、北部地方にある彼が住まう小島へと向かった。

        そこで彼は、一族の忌まわしき過去を告げられた後、この中の誰が姪のハリエットを殺したのかを突き止めて欲しいと頼まれる。

        四十年前の一九六六年に、密室状態の孤島から忽然と姿を消してしまった少女ハリエット。
        一体何が、彼女の身に起きたのか?

        ヴェンネルストレムを失墜させる新事実の提供と引き替えに、ミカエルは調査を開始する。

        その頃、ストックホルムでは、一人の女性が重大な危機に直面していた。
        彼女の名前は、リスベット・サランデル。

        二十四歳だが、十四歳くらいにしか見えない少女のように華奢な体格に、赤毛を漆黒に染めたベリー・ショート・ヘア。

        鼻と眉にピアスをし、肩胛骨の間にドラゴンのタトゥーという、エキセントリックな外見からは想像も出来ないが、セキュリティー会社随一の腕利き調査員であり、実はヘンリックの依頼でミカエルの事前身辺調査を徹底的に行ったのも彼女だった。

        そんな彼女にとって悩みの種なのが、新しい後見人ビュルマンの存在だ。
        幼い頃から他人と打ち解けず、社会的精神的ケアが必要と判断された彼女は、いまだ後見人制度の適用を受けており、しかもビュルマンは篤志家の仮面を被った人間のクズだったのだ。

        ミカエルとリスベット、「庶民の貯蓄をばかげたITベンチャーへの投資に費やして金利危機を引き起こすような連中を監視し、その正体を暴くこと」を使命とする経済ジャーナリストと、「なされた不正を決して忘れず、受けた辱めを決して許さない性質」で、「うさん臭いものを暴くのが好き」な敏腕ハッカー。

        この魅力的な二人の主人公の軌跡が交わる時、四十年前の少女失踪事件の謎を巡る調査は、新たな局面を迎える。
        そこには、誰一人として想像し得なかった、おぞましい真実が-------。

        巨大企業の不正疑惑に挑むジャーナリズムという、社会派ミステリとして幕を開けた物語は、すぐさま胡散臭い、名門富豪一族の"戸棚の中の骸骨"探しという、古典的な本格ミステリの十八番へとスライドする一方、福祉国家スウェーデンが抱える闇を照射し、さらに別の貌---より深く根強い悪の物語を呈示する。

        幾重もの入れ子構造による、複雑にして精緻な構成、リスベットを始めとして、深く掘り下げられた登場人物が放つ、抗しがたい魅力。

        そして、芯を貫く社会意識の高さ、即ち、作者による現代社会が直面している深刻な問題---女性虐待、表現の自由、暴走する強欲な資本主義経済に対する確固たる批判精神。

        これら全てを完璧に組み合わせ、第一級のエンターテインメントに仕上げた作者の力量には、舌を巻くしかない。
        本当に凄い作家がいたものだ。

        ただ一つ残念なのは、そんな稀有な才能の持ち主が、もはやこの世にいないことだ。
        ワーカーホリックでヘビースモーカーだったスティーグ・ラーソンは、この作品の成功を見届けることなく、二〇〇四年に他界したのだ。

        >> 続きを読む

        2021/07/14 by dreamer

    • 他4人がレビュー登録、 17人が本棚登録しています
      ミレニアム
      3.8
      いいね!
      • ・軽い筆致なので5時間ほど(上下巻)で読了

        2018/02/11 by michi2011

    • 他2人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      ミレニアム
      3.8
      いいね!
      • ザラチェンコとの対決により大怪我を負ったリスベット・サランデル。
        入院する彼女をよそに、引き起こされた一連の事件の終決のため、周囲は次々と行動を開始していく。

        この一件を公にしたくないザラチェンコに関わるものたちは、一同を集め、事件を隠蔽するための行動を起こす。
        一方、ミカエルやアルマンスキーらは、その勢力に対抗しようと、警察の手を借りつつ、リスベットに課せられる裁判を有利に運ぶための計略を練る。

        そんな折"ミレニアム"の編集長エリカは、他の有力新聞社に引き抜かれ、そこで待望の編集長の職につく事になったのだが-------。

        スティーグ・ラーソンの「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」(上・下巻)は、とても面白かった。
        一人の亡命したスパイを始まりとする事件に、様々な要素を付け加えることによって、大きな事件とし、さらには多数の登場人物を用いて、大団円へと持ち込んでいく。

        ある種、壮大とも言える、このような物語をよくぞ作り上げたものだと、改めて感心する。

        この作品は、前作からの続きという内容であったので、物語にはすぐにのめりこむことができた。
        この作品は、1巻のようなミステリ的な内容でもなく、2巻のようなアクションシーン満載の動きのある内容でもなく、事態をどのように解決していくかという、対立する集団同士の謀略戦を描いた作品だ。

        この作品は(のみならず全体を通しても)、良くも悪くもジャーナリストという肩書きを持つ著者が描いた作品であるということが理解できる作品になっていると思う。

        この巻では特に、主人公であるリスベットを通して、スウェーデンにおける人権問題にメスを入れる内容になっている。
        このジャーナリストとしての独特な視点から創りこまれた物語ということが、目新しさとなり、ミステリ界において注目された理由になったのであろう。

        ただし、その反面、物語としては読みづらいと思われる部分も少なからずあった。
        この辺りはジャーナリストゆえに、詳細についてもこだわるべきところなのであろうが、それらの幾つかがリーダビリティを損ねていたということも確かである。

        とはいえ、全編を通してみれば、大満足のミステリ作品と言えよう。
        これほど多くの要素を詰め込みつつも、よくぞ物語をしっかりとまとめきったものだと感心させられる。

        ただ残念なのは、この作品が本国で刊行される前に、著者が既に亡くなってしまっているということだ。
        この作品の続編も含め、今後さまざまな目新しい小説を書いてくれたのではないかと思えるので、非常に残念なことである。

        このミレニアム3部作では、主人公であるリスベット・サランデルが、社会的に虐げられている状態からの脱却が、大きなテーマとなっていた。

        この巻の最後では、今まで虐げられていたことによる反発心から、社会不適合者のように振舞ってきたリスベットであったが、ようやく一般の社会人として生きることへの自覚が芽生え始めるのだ。

        要するに、これまでの3部作では、わがままな子供のような振る舞いを続けていたリスベットが、今後は大人としての責任を負い、しぶしぶながらも一社会人として生きていくということがテーマになりつつあったのではないかと考えられる。

        そうしたリスベットの成長を読むことができないという点は、なんとも残念でならない。

        著者の冥福を祈ると共に、このような素晴らしい物語を創ってくれた事に感謝をしたい。

        >> 続きを読む

        2021/12/21 by dreamer

    • 他2人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      ミレニアム
      3.2
      いいね!
      • ・何故、人気があるのだろう?

        2018/02/11 by michi2011

    • 他1人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています

【岩澤雅利】(イワサワマサトシ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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