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小山太一

著者情報
著者名:小山太一
こやまたいち
コヤマタイチ
生年~没年:1974~

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このランキングは1日1回更新されます。
      アムステルダム
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      •  この物語はある一人の女性の葬式から始まります。
        モリーという40代にして、痴呆性の難病にかかってしまい、最後には自分の事すらわからない「みじめな死」だったという。

         モリーは、自由奔放というか、たくさんの男の人と関係し、その葬式には、今は大手新聞の編集長のヴァーノン・ハリディと現代クラッシック音楽の大家と言われるクライブ・リンリーが呼ばれました。

         この2人は時代が違ってもかつてはモリーと暮らしていたという過去があります。
        最初はモリーの若すぎる死を悼む2人ですが、第三の男、外務大臣のガーモニーの登場に驚きます。

         さらにこの2人のところにある写真が届く。その写真をめぐってモリーと関係があった、というだけの共通点の3人にさざなみが立ち、事件が起きます。

         この3人は、大臣、編集長、音楽家と世間からみれば成功者であり、裕福です。
        The man of the world、日本語で仮に「有識者の集まり」などというものがあったとしたらこの3人は有識者に選ばれるでしょう。

         しかし、この3人はそれぞれ、もう若くない身体を駆使してそれぞれの仕事をしている。
        特に描かれるのは、2000年、新世紀を迎えるにあたっての国を代表する交響曲を作曲しているクライブののたうつような作曲の姿。

         そして、ライバルがたくさんいるなかで、生き馬の目を抜くような新聞の競争の中で、さらに売上をのばし、高級新聞編集長のプライドを持ちながらも、仕事に追われるヴァーノンの姿。

         単語の羅列のような短いセンテンスの連続。
        それは、切れ味のよいナイフでまさに身を削っているような幻覚を覚えるほど、鋭い観察と考察と毒のある怜悧な言葉の連続で、ストーリーよりもその文章、音楽を、新聞記事の文章を創り上げる苦悩を描きます。

         しかし、何故アムステルダムなのか?
        それは、最後になってわかるのですが、許されることが許されない、そうかと思うと許されないものが許される、そんな人間の苦渋の世界を甘えのない苦み走った文章で描き出します。

         結局、モリーは最後の最後まで主人公だったのです。

         冒頭、その葬式から始まったとしてもモリーから誰も逃れられなかったのだから。死んでも、死なず。死んでも、生きる。死んでも手玉にとる。死んでも、死んでも・・・モリーは死んでいない。
        それがこの物語の一番の恐怖だと思います。
        >> 続きを読む

        2018/06/24 by 夕暮れ

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      贖罪
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 読んでみたかったマキューアンです。

        ちなみに上巻は戦前あたりのイギリスで繰り広げられる事件のお話。

        これだけで結構な物語を読んでいるような感じで、下巻がなくても一つの物語になっているのがすごい。

        下巻はまた違う凄さがあったような気もするけれど。
        >> 続きを読む

        2018/07/30 by lafie

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      贖罪
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 上巻の内容を受け継いで、「その後」のストーリーが語られる下巻です。

        で、この内容が結構すごいことになっていて、上巻で起こった「事件」の真相とかそういうことよりも、むしろちょっとした行き違いですれ違ってしまった人間関係が、戦争の災禍の中で雪だるま式にどんどん大きくなってすれ違ってゆくような、そんな話。

        そこでマキューアンがいう「贖罪」ということはある意味で「物語」の力そのものではあるのだけれど、その構造とか、読んでいる自分の気持とか、なんだかもう訳がわからなくなって整理するのにちょっと時間がかかった、みたいな作品でした。

        本筋ではないけれど、ブライオニーがフランスの若い兵士と会話するところが特に心に残りました。

        面白かったのに加えて、いろんなことを考えさせられた物語です。
        >> 続きを読む

        2018/07/30 by lafie

    • 2人が本棚登録しています
      ジーヴズの事件簿
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 短編集なのでさくさく読み終わり、後味も軽くスッキリ。
        ただ、「70冊」の「300篇」でひっくり返ってしまいおのれ作者……wって感じでした。
        寝る前には読んではいけない本。面白さでどんどん進んで、結局寝不足になりかねない。
        気分転換か、旅行のお供にオススメしたい。
        >> 続きを読む

        2017/08/14 by ふみや

    • 4人が本棚登録しています

【小山太一】(コヤマタイチ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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