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DobiasFrank.

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      ちびくろ・さんぼ
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • おいしいイメージの本として、一度読んだら、なぜか忘れられないインパクトを持つ不思議な作品。

        トラがぐるぐる回っているうちに溶けてバターになってしまう。
        なんて、突拍子もないアイディアが、子どもにはウケる。
        食べられそうになったトラを反対に食べてしまう。
        という逆転も楽しいし。
        家族みんなで腹いっぱいパンケーキを食べるラストも羨ましい。
        本当に、涎が出そうなほど、惹かれました。

        こういう何の教訓もない、マンガチックなお話しが、
        子どもの純粋な心には疑問もなく入って来るんですね。


        ところで、この絵本が「絶版」になっていたことは、ご存知でしょうか?

        当時「ちびくろさんぼ」を出版していた岩波書店は、「さんぼ」という名前が「黒人差別である」という抗議を受け、
        自主規制で即廃刊にしてしまいました。
        他社もそれに倣い、経緯が不明なまま読者は絵本を手に入れられなくなり、
        ついには社会的な論争を巻き起こしました。

        私にはこれは、言いがかりみたいに感じました。
        差別問題は単純ではないけれど、「ちびくろさんぼ」は子どもの心に差別心を植え付けるようなお話しでは断じてないと思います。

        事情を調べた折に、さんぼのお話しの舞台は実際にはインドだったことを知りました。
        (そういえばトラは、アフリカにはいませんよね)

        それでも、アフリカだか、南洋の島だか、わからないような絵で表現されているのは事実です。
        アメリカで問題になったのは「アフリカ系黒人」というイメージだったそうです。

        大人目線でこの本を読むと、身ぐるみはがされるシーンはちょっとね…。
        という抵抗は多少はあります。

        かといって、さんぼの顔が真っ黒ではなくて、
        インドの子どもらしい写実的な絵だったら?
        こんなにこのお話しは愛されなかったと思うのです。

        トラのバターの黄色のイメージが、なんといってもこの絵本のツボなんですから。
        赤、黒、緑、黄色、青、の原色の力が、物語を「空想のお話」にしてくれているのです。

        そもそも本当に「さんぼ」や、父母の名前「じゃんぼ」と「まんぼ」は、差別的なのでしょうか?

        「さんぼ」という名前は、北インドやチベット地方ではよくあるもので、「優秀な よい」という意味だそうです。
        やはり人権団体の主張は言いがかりが70%だったみたいですね。

        現在、復刊されているこの本は表紙は昔の岩波のものと同様ですが、
        実際には別の会社の中身も別の本です。
        子供の頃に読んだ「ちびくろさんぼ」は今も手に入らないままです。
        >> 続きを読む

        2012/08/08 by 月うさぎ

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