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片野道郎

著者情報
著者名:片野道郎
かたのみちお
カタノミチオ
生年~没年:1962~

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      監督ザッケローニの本質 18人の証言で探る知将の戦略
      カテゴリー:球技
      5.0
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      • (2012/02/08レビュー)
        ザッケローニの監督像,人物像を,イタリアで彼と関わったサッカー選手,コーチ,クラブ関係者へのインタビューに基づいて掘り起こす,という内容です.著名な選手や監督のインタビューはもちろん興味深いですが,外からは見えない部分を知るという意味で,現在もザックの片腕であるステファノ・アグレスティや,ザックの愛弟子とも言えるロベルト・ロッシのインタビューは読み応えがあります.

        複数のインタビューからまず浮かび上がるのは,「サッカーの偉大なマエストロ」と評されるサッカーそのものについての見識の高さ.多くの関係者が,緻密で,ディテールにフォーカスし,個別の状況をパターン化して噛み砕いた彼のトレーニングメソッドを,「彼以前の監督にはなかった」ものとして賞賛しています.ACミランの名MFだったアルベルティーニは「彼はサッカーのコンセプトをチームに浸透させる監督」「チームマネジメントによってではなく,サッカーを教えることによって勝利をもたらす監督」と話しています.

        そしてもうひとつ明らかにされるのが,「真摯」「誠実」「尊敬すべき人物」という彼の人柄です.上から命令して力で服従させるのではなく,常に選手との対話を重んじ,選手にポジティブな気持ちとモチベーションを与えることでその能力を引き出そうとする彼の振る舞いが,多くの関係者から賞賛されています.彼のもとで選手,スタッフとして過ごしたロベルト・ロッシは,「練習中や試合中も,声を荒げて怒鳴るようなことはまったくない.しかし緊密な対話を通じて,そして常に自らすべての責任を担い決して他人に転嫁しない毅然とした姿勢を通じて,内側にどれだけ強い意志と確信を持っているかを周囲にはっきりと示す」と語っています.

        また,日本の書籍のためのインタビューということもあって,日本サッカーとの関わりについて触れるインタビューも多いです.「彼が監督になって日本がアジアカップで優勝したことを知っても,まったく驚かなかった(当然だと思った)」「彼の人柄は日本の文化にマッチしている」「彼は必ず日本サッカーに進歩をもたらす」といった証言が紹介されています.

        著者は,ザッケローニが優れた監督であるだけでなく,彼が日本の文化,日本のサッカーをリスペクトしている点についても触れ,このような監督が日本代表を率いることの幸福を指摘しています.

        本書を通じて,ザッケローニを信じて,彼に任せてみよう,という気にさせられました.ザッケローニは,過去に日本代表を率いたハンス・オフトやイビチャ・オシムといった監督たちと同様に,教師型の監督に類型されるように思いますが,オフトやオシムが到達しなかった新たな高みへ日本を導いてくれることを期待します.

        蛇足ながら,企業人としては,期待されるリーダー像,という点についても考えさせられた一冊でした.
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        2014/08/25 by medio

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