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このP・W・シンガーの「ロボット兵士の戦争」は、21世紀の戦争というものに鋭く考察した衝撃的な戦争論で、技術革命で日々変貌していく戦争の姿をリアルに描いている。「プレデター」という米軍の無人機がアフガニスタンやイラクの空を飛んでいる。24時間滞空でき、3千メートル上空から車のナンバーが読めるカメラとレーダーを備え、偵察や監視、攻撃を行なう。米国ネバダ州の基地で、操作盤の前に座ったパイロットが遠隔操縦をする。無人機からの衛星画像を見て、現地の地上部隊と交信し、ミサイルを発射する。「テレビゲーム感覚だ。ちょっと残酷になる場合もある。だが、とにかくすごい」とパイロットは語る。彼らは攻撃されるリスクもなく、基地に出勤して遠隔操縦をし、夕方、帰宅して家族と食事する。日常との境目がないバーチャルな戦争だが、無人機は確実に"流血と死"をもたらしている。米軍は、9.11米国同時多発テロ以降、「テロとの戦い」を掲げ、味方の被害は最小限に、敵には効率よく打撃をと、「無人システム」すなわち、軍用ロボットの大量配備を進めてきた。走行ベルト付きの爆弾処理ロボットや武装ロボットに加え、昆虫型偵察ロボット、兵士の脳にコンピユーターチップを埋め込むサイボーグ化などの開発も進んでいる。米国の安全保障の専門家であるである著者は、軍用ロボットが戦争の在り方を大きく変えると指摘する。味方の犠牲者が少ないと見込めるほど、開戦は気安くなる。無人機が撮影した戦闘の映像が、ネットで公開され、戦争が見世物化する。ロボットによる民間人殺傷といった戦争犯罪の責任は誰が負うのかなど、国際人道法の想定外だった被害の拡大にも警鐘を鳴らしている。だが、富める国は兵器を無人化できても、攻撃される側の多くは生身の人間であり、流血はやむことがない。一方で、軍と企業と科学者がロボット開発に走り、膨大な軍事費が注がれ、そこに利潤が生まれてくる。私はこの本を読み終えて、軍産学複合体による"戦争中毒国家"である米国が作り出す、おぞましい現実と未来が、この本の中から浮かび上がってきて、戦慄が走りましたね。 >> 続きを読む
2019/02/16 by dreamer
北極圏の周囲の国々が氷の下の地下資源を握ることで、大きな力を手に入れることになる。その時日本はどうすべきなのかを考えとかないといかんよね。著者はアメリカ人なので日本は話題にすらされていないw >> 続きを読む
2013/06/15 by freaks004
【小林由香利】(コバヤシユカリ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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