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雫井脩介

著者情報
著者名:雫井脩介
しずくいしゅうすけ
シズクイシュウスケ
生年~没年:1968~

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このランキングは1日1回更新されます。
      クローズド・ノート
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
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      • 雫井修介の「クローズド・ノート」を、じっくり味わいながら読了しました。

        日記というものは、本来、他人には見せないものだ。
        そこには、赤裸々な感情や青臭い思考が満ち溢れていて、詩なんか書いてあった時には、あとで読み返して一人赤面したりするものだ。

        にもかかわらず、今はブログという形で、ネット上には他人の日記が無数に公開されている。

        人に読まれることを前提としている時点で、それは純粋な意味で日記とは言えないのかもしれないが、それだけ、とりとめのない自分の日常を他人に知ってもらいたいという人がいるのだろう。

        そして、もしかしたら、それ以上に、誰かの日常を垣間見たいと思う人がいるのかもしれない。

        大学の近くで一人暮らしをし、サークルでマンドリンを弾き、友達とたわいのないことで笑い合う。
        この小説「クローズド・ノート」の主人公・香恵は、そんな平凡な日常を送る大学生だ。

        ある日、部屋のクローゼットから、前の居住者が置き忘れたノートを発見する。
        それは、小学校の教師である伊吹という女性の日記だった。
        そして、その日記を少しずつ読み始めたことから、香恵の中に、次第に彼女の柔らかな息づかいが流れ込んでくる。

        面白いのは、最初は興味本位で日記を読んでいた香恵が、徐々に伊吹という見知らぬ女性に気持ちをリンクさせていくことだ。
        彼女と同じように生徒を愛おしく思ったり、彼女が思いを寄せる男性の煮え切らなさを、じれったく思ったり。

        日記は確実に香恵に影響を与え、時に励ましてくれる。
        日記を読んでいる間、香恵と彼女は深くつながり、そこには奇妙な絆が生まれていくんですね。

        バイト先に万年筆を買いに来た、気になる男性。
        友達が留学しているのをいいことに誘ってくるその彼氏。

        伊吹の日記を読んだ香恵は、何を考え、どんな行動に出るのか?
        香恵が日記を読みながら伊吹を見守っていたように、読みながら私も香恵を見守っている気分になるから不思議だ。

        そして、明かされる、ひとつの真実-------。

        伊吹の思いを自らの内面に消化し、最後に笑顔を見せる香恵の姿が、何ともいえず清々しい。

        >> 続きを読む

        2018/08/27 by dreamer

      • コメント 1件
    • 他5人がレビュー登録、 14人が本棚登録しています
      検察側の罪人
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね! Tukiwami
      • ベテラン検事の最上と、研修を終え最上のもとに部下として就任した沖野。
        沖野はある事件の容疑者と目される人物を尋問するのだが、その人物に最上は心当たりがあり、23年前の事件と関わっていた。

        中で度々言われる正義とは何なのか。
        それは新任とベテランでは意見が変わり、正しいことが良きことだけではないと。

        上下関係に亀裂が入るとこから、そこからの対立。
        そして逆転へとシフトしていく様がスリリングに描かれていく。

        ラストの慟哭を見ると何が正しかったのかが分からなくなる。
        折り合いをつけられない沖野と、信念に基づいて行動した最上。
        見終わると色々考えさせられる。
        >> 続きを読む

        2019/04/11 by オーウェン

    • 他4人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      火の粉
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね!
      • ドラマを観てハマったので読みました。
        武内がユースケさんに脳内変換されました。
        猟奇的な幼少時代を送った武内。
        現実にもありそうな話で、他人事じゃない感じ。
        揺るがない俊郎は弁護士には向いてないなあと思いました。
        この件では無能過ぎた警察。
        だから、ああするしかなかったんだな、きっと。
        面白かった!
        >> 続きを読む

        2016/06/05 by 扉の向こう

      • コメント 2件
    • 他3人がレビュー登録、 17人が本棚登録しています
      火の粉
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね! Tukiwami
      • 裁判官の梶間勲が凶悪犯と目された武内に下した無罪判決。
        時は経ち、退任した勲の隣の家に武内が一軒家を構えて引っ越してきた。
        次第に家族と接していく内に、不穏な事件や家族間の亀裂が生まれていく。

        明らかに何かが起こる気配満々だが、武内の目的は何なのか。
        また起こる事件の元が武内と確証できないのは証拠がないから。

        家族を取り込んでいく手口。
        そして人間はかくも脆く、信頼という絆はあっさり断ち切られる。

        ただラストにああするのなら、その人物をもっと本筋に絡ませたほうがより感情移入できると思うけどね。
        >> 続きを読む

        2019/01/08 by オーウェン

    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      犯人に告ぐ
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね!
      • 数年前に児童殺害事件が起こり、その責任を取り「巻島」はある田舎に飛ばされる。そしてまた連続児童殺害事件が起こり、その上司が「巻島」を呼び寄せる。でも突破口が見つからず、テレビから情報を募る。ここまでが上巻の流れです。下巻に続く。 >> 続きを読む

        2020/03/17 by rock-man

    • 他2人がレビュー登録、 19人が本棚登録しています
      殺気!
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • ましろは幼い時に拉致監禁されて以来、殺気を感じ取る能力が備わった。
        そんな彼女が感じた殺気はかつての友人の理美子。
        理美子も過去に辛い出来事があり、二人は過去に疑問を持つようになる。

        殺気というタイトルの割にそこまで迫ってくるような描写はない。
        むしろ少女二人の青春や友情物語という感じ。

        雫井さんにしては珍しいタイプの小説だが、ビターな青春も悪くない。
        友人の友部くんのリック・フレアー似というのが可笑しい。

        多少長すぎるきらいはあるが、ラストのやり取りはマストだった。
        >> 続きを読む

        2019/07/08 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      犯人に告ぐ
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね!
      • 警視の巻島は誘拐事件の指揮を執っていたが、受け渡しに失敗し人質が犠牲に。
        そこから6年後。バッドマンと名乗る幼児連続殺人が発生。
        巻島は再び陣頭指揮に戻ってきて、TV局と手を組んで劇場型捜査を展開することに。

        刑事ものでは中々見ない形であり、バッドマンとのやり取りの中で奇妙な関係が形作られる。
        その中で情報をリークする存在が。

        巻島がなぜ元の地位に戻れたのかを証明するのは終盤。
        すべてはバッドマン逮捕のためであるが、実は二重に罠を仕掛けていたという解釈。

        3作目が出たということで、そのまま続刊していきたい。
        >> 続きを読む

        2019/10/10 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      犯罪小説家
      カテゴリー:小説、物語
      3.2
      いいね!
      • 作家待居涼司が書き上げた「凍て鶴」が映画化されることに。
        監督脚本を担当する小野川は、木ノ瀬蓮美という自殺サイトによって死んだ女性を中身に入れこもうとする。
        その詳細を知るためライターの今泉が調査するのだが。

        小説の中の小説というメタ構造。
        そこに対して違和感をところどころ入れ込みながら映画化へ。

        真相はそこまで捻ったものではないが、結末に選んだ選択は興味深い。
        真相を知ったうえでの映画化では意味合いが変わってくるというもの。

        不穏を残して終わるが、そういうモヤっとしたものを体現している小説。
        >> 続きを読む

        2019/05/19 by オーウェン

    • 他1人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      つばさものがたり
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • パティシエの小麦は自身の病気を隠して働いていたが、次第に症状が思わしくなく、故郷に帰って母と共に店を開くことに。
        兄と義妹も手伝ってくれ、その息子の叶夢は小麦には天使が見えると口にする。

        夢のようなスイーツと、病魔という現実。
        それを司る天使という存在。
        ファンタジーの題材に雫井さんが挑んでいる。

        一人前の天使になるためには特訓が必要という、微笑ましいシークエンス。
        同時に天使の好物という商品が誕生する下りも興味をそそられる。

        最後は分かっているんだけども、ファボリ・ダンジュはこれからも続いていくだろう。
        レイモンドが見守っているだろうしね。
        >> 続きを読む

        2019/12/29 by オーウェン

    • 4人が本棚登録しています
      クローズド・ノート
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね! Tukiwami
      • 一冊の日記がたぐり寄せた真実の愛。


        図書館で借りました。
        なかなか良かったなぁ。

        しかもいつか欲しいなぁと思っている万年筆が出てきて、
        前半はスマホで一本一本検索してほぉ~と思いながら読んでいました。
        万年筆熱が再び。
        私もいろいろ試し書きして買おう。
        「永」という字が試し書きに適しているんだそうだ。
        >> 続きを読む

        2015/05/30 by すもも

      • コメント 10件
    • 10人が本棚登録しています
      栄光一途
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 雫井脩介のデビュー作。

        柔道界を舞台にしており、オリンピック候補の81キロ級の候補の二人。
        そのどちらかがドーピングをしているという情報が流れ、コーチの望月篠子が判断をするため面接を行う。

        柔道界を舞台にするミステリ作品。
        次第に殺人まで起こり、ドーピング問題は広がりを見せる。

        試合描写の繊細さはすごいが、作風が込み入っており、今見ると過剰な部分もある。
        冒頭から仕掛けがあるが、あまり機能してないのが気にかかる。
        そのせいかラストの悲痛さも、もっと迫ってくるものがあったと思う。
        >> 続きを読む

        2018/06/07 by オーウェン

    • 2人が本棚登録しています
      虚貌
      カテゴリー:小説、物語
      2.5
      いいね!
      • 己の怠慢のせいで職を解雇された荒。
        仲間にそそのかされ、上司に復讐しようとする。
        は経ち、仮釈された犯罪者たちが殺される事態に。
        余命を告げられた退職間近の刑事守年は犯人を必死で追跡する。

        この虚貌という聞いたことないタイトル。
        それをなぞるように、顔に傷だったりコンプレックスを持つキャラが複数出てくる。
        結局は本人次第なのだが、周りはそう単純には捉えたりしない。

        悪い連鎖へと進んでいく捜査だが、復讐劇の犯人が特定されず最後まで進んでいく。
        雫井さんらしくない作風だけど、刑事か犯人どちらかの心情に絞った方がスッキリしたのかも。
        >> 続きを読む

        2018/11/28 by オーウェン

    • 3人が本棚登録しています
      白銀を踏み荒らせ
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 「栄光一途」で登場した篠子と深紅の探偵コンビが活躍する第2弾。

        柔道界から足を洗った篠子が誘われたのは、アルペンスキーのスター候補マーク石井。
        兄弟のケビン石井が競技中に死亡し、そのトラウマを抱えているマークの心理面をサポートすることに。

        アルペンスキーの部分は現実的だが、それ以外の暗殺する部隊だとか大分非現実的な面がある。
        その部分をミステリとして描くのだが、なんだかスポーツとの融合が上手くいってない印象。

        以後このシリーズは作られてないが、スポーツとミステリというのはやはり限界があるか。
        >> 続きを読む

        2019/03/04 by オーウェン

    • 3人が本棚登録しています
      ビター・ブラッド
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 佐原夏輝は刑事になって1ヶ月。
        殺人事件で特捜部と組むことになるが、そのコンビなのが父親の明村に。

        刑事もので親子はあるが、コンビを組むというのは中々ない。

        息子が父との間にわだかまりがあるのに、父親は関係なく踏み込んでくる。
        刑事にも名称があり、父はジェントル。
        そのせいかジャケットプレイも。

        他にもチェイサーだとかアイスマンだとか。
        スカンクは絶対嫌だけど(笑)

        裏切り者の存在も含めて、事件の解決までを描く。
        かなり一直線な展開なので、そこに好き嫌いが分かれるかも。
        >> 続きを読む

        2018/05/07 by オーウェン

      • コメント 2件
    • 3人が本棚登録しています
      ビター・ブラッド
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! zunco
      • 主人公で新人刑事の夏輝は、初めて体験する現場で少年時代に別離した父親であるベテラン刑事明村とコンビを組む。
        関わった事件の容疑者を夏輝が逮捕し、事件が終わったかに思えたが、ある日捜査一課長の鍵山が殺害された。鍵山の殺害の背後に父の所属する五課のメンバーの影がちらつく・・・。

        父と子警官の物語というと佐々木譲の「警官の血」が記憶に新しくまた名作でした。この「ビターブラッド」はそれに比べるととても薄口。ある意味コメディの部分も大きい為比較は出来ないものの、正直警官物というには軽薄な感じが否めないです。
        父の明村はとにかく軽薄な位おしゃれな上に滑稽に見える、郷ひろみ並のジャケットプレイ(そんな言葉が有るのを初めて知りました)で回りを呆れさせます。
        でもこの父親もきっと有能で事件解決にたびたび関わってくるのだろうと思っていると完全に肩透かしになります。どちらかというとお笑い担当。せっかく魅力的な設定なのに結局夏輝が一人で捜査していて、親子であるというメリットを生かせてないのが本当に残念。
        全体的に雫井さんは警察小説の事は良く分かっていないよいうなので、普通のものの方が良い気がしました(犯人に告ぐはいい作品だと思っています)
        >> 続きを読む

        2015/04/16 by ありんこ

      • コメント 23件
    • 7人が本棚登録しています
      銀色の絆
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 単純に言うなら母と娘のスケート物語だが、ラストまで行くと実はという後味が。

        夫と離婚した梨津子が、娘の小織のスケート選手の夢のためサポートへ。
        しかしコーチの選定やお金のやり繰りなど、その道は茨のものに。

        スポコンもののような空気だが、その中でライバルとのせめぎあいや助け。
        そして目指すオリンピック代表への道。

        ただし着地点は異色な方向ではある。
        完全燃焼を予感させるし、スポーツは個人だけでは成しえないという当たり前なことを実感させる。
        >> 続きを読む

        2020/01/11 by オーウェン

    • 4人が本棚登録しています
      犯罪小説家
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 雫井脩介さんの本は、文章タッチが読みやすく、展開も早いので、好きな作品が多い。


        作家「待居涼司」の出世作[凍て鶴]に魅了された映画監督「小野川充」は、この作品を通して、数年前に世間を騒がせた自殺サイト「落花の会」を思い出し、伝説の死として伝えられた主宰者「木ノ瀬蓮美」について、以前「落花の会」の調査をしていたライター「今泉知里」と供に色々と調べ始める。

        自殺サイト・・・実際にあるんだなぁ~。何だか気味が悪かった。自分自身、疲れている時、夜、この本を読むと、自殺が肯定されているかの様な気分に陥ったし、それに加えて、落花という言葉も神秘的に感じた。とても言葉では言い表せない不思議な世界観があった。

        ・・で、読み進めていくうちに、あれよあれよと物語に引き込まれて・・・
        でも、後半は、あれれ???ってな感じに話が変わってしまって、ラストは期待外れで終わった感じ。ストーリー的には、面白かったんだけど・・・
        最初は5つ星くらいの勢いの面白さ。でも後半は無理矢理感満載だったので、3つ星に評価を下げてみました。後半が残念。
        >> 続きを読む

        2017/04/30 by はなぴょん

    • 6人が本棚登録しています
      犯人に告ぐ
      カテゴリー:小説、物語
      3.2
      いいね!
      • 面白いには面白いけど、急に最後に犯人が現れてなんだかあっけない幕切れがすのは、私だけかな?もっと犯人の心理状態や駆け引き犯人の性格、などドロドロした内容が欲しかったです。どちらかというと「巻島」とテレビ局の関係が主だった内容ですね。ただこれは映画にもってこいな内容だと思います。 >> 続きを読む

        2020/03/22 by rock-man

    • 10人が本棚登録しています

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