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山本一力

著者情報
著者名:山本一力
やまもといちりき
ヤマモトイチリキ
生年~没年:1948~

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このランキングは1日1回更新されます。
      あかね空
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
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      • この山本一力の第126回直木賞受賞作の「あかね空」は、小説を読んでいて久しぶりにページを繰る手に力がこもり、読み終えるまで椅子から立つことが出来なかった。

        この「あかね空」は、恐らく市井ものの時代小説の中でも、私の中では1,2を争うほどの、読書の悦びと感動を与えてくれました。

        物語は、京から江戸へ下った豆腐職人の永吉とその一家の、親子二代にわたる"愛情と葛藤"の歳月を描いたものです。

        江戸の豆腐とはまったく質感の違う京豆腐を売ろうとする永吉の苦心に、彼を取り巻く周囲の思惑------。

        永吉の「心がけを買った」といい、娘のおふみを嫁がせることになる職人の源治、京豆腐の真価を一瞬にして悟る江戸の先達や、営業妨害をしようとする商売敵等々が絡んで、永吉夫婦の子供たちへの愛情ゆえの食い違いが、彼が作り上げた店の行く末を危うくしてしまう。

        作者の筆は、それぞれの作中の人物の人生の奥行きを過不足なく照らし出し、ほぼ完璧の冴えを示し、また同時に起伏に富んだストーリーも、実に素晴らしい。

        この作品のテーマは一言で言えば、作中の永吉の次男の悟郎の言葉にあるように、"身内の苦労"に他なりませんが、それを克服する"家族の絆"を描いて、この作品を上廻る感動を呼ぶ作品を私は知りません。

        そして、物語のラストを締めくくる親分の伝蔵の貫禄も相当なものですが、この本を読み返してみると、作品の中盤あたりの彼の言葉がさり気なく、この結末の伏線となっている、そんな作者の周到さにも感心させられた。


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        2018/02/17 by dreamer

    • 他3人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      深川黄表紙掛取り帖
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
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      • 男3人女1人の4人組がカッコいいのです!持ち込まれる難題を 気持ちよいほど見事に解決する様は、読んでいて爽快です。個人的には、登場する食べ物の美味しそうなところにも魅了されました。 >> 続きを読む

        2012/08/12 by youziL

      • コメント 1件
    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      粗茶を一服 損料屋喜八郎始末控え
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
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      • 面白い

        2015/01/12 by hrcpc312

    • 他1人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      だいこん 長編時代小説
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 江戸時代に下町の浅草で「だいこん」という屋号の一膳めしやを営むようになったつばきの25歳までを描いたお話でした。強くて、真っすぐでぶれない姿勢のつばき。商売の才覚があり、気風もいいつばきですが、謙虚さを持って、工夫と努力を惜しまず、たびたび起こる困難を乗り越えていこうとする姿勢が魅力的で、引き付けられました。 >> 続きを読む

        2018/08/15 by うらら

    • 他1人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      牡丹酒 深川黄表紙掛取り帖 2
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • カッコいい4人組の2作目。活躍の舞台が江戸~土佐とワイドになっていて、スケールアップ。土佐のお酒や名物が、これまた美味しそう。 >> 続きを読む

        2012/08/12 by youziL

      • コメント 1件
    • 3人が本棚登録しています
      たそがれ長屋 人情時代小説傑作選
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 2008年10月の出版当時に平積みされていた表紙に藤沢氏、北原氏、池波氏の名を見つけてほくほくして買ったアンソロジー。

        「たそがれ」は老いに通じ、市井ものに武家ものも入っている。
        一度読んだがほとんど忘れていたので、初読み気分で楽しんだ。

        買った当時と変わらず藤沢氏と北原氏の文章に魅了された。お二人の文章はいつ、何を読んでも心に響いてくる。老いの心境を語らせると、ことに両氏は筆が立つ。お二人の本をまた読みあさりたくなった。

        >> 続きを読む

        2017/08/29 by Kira

    • 3人が本棚登録しています
      かんじき飛脚
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 初めての作家さん。
        飛脚屋稼業の意地にかけて、幕府が仕掛ける加賀藩取り潰しの柵略に敢然と立ち向かう無名の飛脚たちの活躍を描きます。
        登場人物たちがやたらと多い割に各個への個性が足りず読み辛かったです。
        物語の骨格を認識できたのは、読み始めからしばらくしてから。
        しっかりした小説を書かれる方だとは文章から推し量れましたので、もう少し読者におもねって欲しかったのが本音のところでした。

        脳梗塞は、急性期からリハビリ病院へ転院しての治療へ。
        「ああ、社会復帰は12月ですね。」医師の言葉に凍りつき。
        この頃は、このまま家に帰れないのじゃないかと、少し絶望していた時期です。
        みんながみんな「焦りは禁物」と言うのに、「分かってる」と呂律が回らない口で応えつつ、この状況で焦らずいられる奴がいるか!と、心で叫んでいました。


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        2016/11/22 by 課長代理

    • 1人が本棚登録しています
      菜種晴れ
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • ふみという菜種農家で産まれた女性が主人公。
        江戸へ養子に出されて、それから逆境にくじけず、前向きな姿勢で生きる。
        そんな主人公をみて、勇気をもらえた。
        が、こんなにいい奴いないよって思うし、虐められっこに嫌がらせされてでもうまく立ち回るシーンとか、なんかやりすぎ感があり、取り残されてしまう。
        ふみと、ふみの実母は菜種油をつかった天ぷらをとても美味しく作るので、天ぷら食べたくなった。
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        2014/07/06 by bob

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      あかね空
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
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      • 直木賞受賞の人情物語、京の老舗豆腐屋から暖簾分けされ、江戸で認められるまでの親子二代にわたる話。 登場人物が皆生き生きと個性を持って描かれ、勧懲小説で落とし所最後の捻りもしっかり。 「傳蔵」が美味しい所を独り占め。悪徳人を最後にをうっちゃりし、きれいな笑いで言ったこと「大切なことは身内が固まることさ、壊れるときは中から壊れるもんさ」と 何事万事然りです、身近の所から家族を大切に! 冷奴は江戸風、湯豆腐は京風が好みですが、述べた先から我が家の好みはバラバラです。 >> 続きを読む

        2016/08/28 by 川面の輝き

    • 3人が本棚登録しています
      おらんくの池
      3.0
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      • 次のようなエッセイがあります。

        『・・・ほんとに簡単な計算だが、一組の男女で子供を一人しか産まなければ一億の人間は一代で五千万人になるのは確実である。もう一代、一人ずつしか産まなければ人口は二千五百万人になって、もう一代たてば一千二百五十万人になるのである。三代たてばいまの東京都の人間だけで日本国中に住んでいいことになるのである。

          つまり、一人しか子供を産まなければ三代たてば土地が高いとか、部屋代が上がるとか、水が足りないとか、交通マヒなんてことは伝説になってしまうのである。こんな簡単な計算になるのだから人間がふえることは悪い状態なのである・・・』(213P-221Pのうち215P)

         以上の挑戦的な文章は「子供を二人も持つ奴は悪い奴だと思う」(人間滅亡の唄:深沢七郎:1971年:徳間書店)の一節です。このエッセイに対しては読む人の評価が大きく割れるだろうにせよ、強烈な世界観があると思います。そうです、たかがエッセイと舐めてはいけないのです。ただのんべんだらりとして書かれた文章(テキスト/テクスト)を、エッセイであると認める人もいるでしょうが、私は厳しく峻別します。良かれ悪しかれ、世界観があるかどうかで。

         良くない例を挙げましょう。「グラビア撮影裏話」(おらんくの池:山本一力:2005年:文藝春秋)。長いので、途中は略します。

         『ハワイへは、七月二十七日に出発した・・・シートに座るなり、次男が声を弾ませた。搭乗したハワイ便は往復とも、エコノミークラスにも個人用の小型モニターが設置されていた。こどもが喜ぶまいことか。・・・場所がいいだけに、人出も多い。レッスンは、そんな公園で行なわれることになった。しかも現地でも名の通った、フラダンサーがきてくれるという。・・・その歌声の、優雅でしかもセクシーだったこと。・・・帰国したその日から、またすぐに行きたくなる。ハワイは、まことに稀有な観光地だ。』(108P-111P)

         このエッセイの場合、ただ単に出来事が時系列で書かれているだけであることに気づくのではないでしょうか?そうです、小学生がお得意な「・・・があった。・・・があった。」式の日記作文なのでありまして、世界観などどこにもありません。抜き出しは、私が意識的に時系列部分だけをやったのではなく、全編がそうなのです。

         この程度の世界認識力の人物に「直木賞」をあたえる文藝春秋もどうかしていると思います。そうそう、「おらんくの池」の場合、突っ込み方も様々あり、「オレは、コーヒー牛乳をこよなく愛する」という「世界観」だけを披瀝したエッセイもありますし、冠婚葬祭、特に葬式の記述がよく見られます。葬式という独特な雰囲気を感じさせるネタを使えば、アナウンス効果があるのを、山本さんは心得ているようです。でもそれでさえ、山本さんの世界観がどんなものか知りえない程度の作文ですねえ。

        深沢七郎のような凄まじい世界観を持てとは言いません。しかしこの世界観の欠如は特筆ものです。「だって、山本一力は時代小説家だもの、エッセイが不出来でもしょうがないじゃない。」との意見も出そうですが、それこそエッセイを舐めているのです。エッセイほど、書く者の世界観を明白に、ある意味残酷に示す文藝ジャンルは外にはありませんから。翻って山本さんの歴史小説の底の浅さも垣間見えてしまいます。

        最後に:パスカルにしても、ルソーにしても、世界観をこれでもかこれでもか、と
               呈示しています。それでこそエッセイです。
               エッセイはフランス語でle essai、試すこと、試験、試論といった意味です。これの動詞化された単語はessayer、試験する、です。エッセイには実験精神が必要なのが解ります。エッセイとは、考える過程そのものです。

        なお、「おらんくの池」に☆☆☆と3つ星をつけたのは、「あまりに酷いエッセイの見本」としての価値はあるだろう、と思ったからです。無星でも良かったのですが。
               
        >> 続きを読む

        2013/02/09 by iirei

      • コメント 6件
    • 1人が本棚登録しています
      損料屋喜八郎始末控え
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!

      • 直木賞作家・山本一力のデビュー作「損料屋喜八郎始末控え」を読了。

        4つの短編からなる、この作品は、現代でいえばレンタル・ショップにあたる損料屋に身をやつした喜八郎が、札差の米屋を助け、貸し渋りや同業者の乗っ取りなど、あくどい商売を続ける札差・伊勢屋に立ち向かう痛快娯楽作だ。

        中でも、大掛かりな舞台を用意して、そこで伊勢屋に罠を仕掛ける「騙り御前」は、ジョージ・ロイ・ヒル監督、ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード主演の傑作映画「スティング」や、TVドラマ「スパイ大作戦」を思わせる出色の作品で、もうワクワクしながら、作者の山本一力の語り口のうまさに酔わされますね。

        そして、その他にも、悪徳商法に騙された板前を救う「いわし祝言」や、偽金づくりを扱った「吹かずとも」など、各編ごとに趣向を変えて、様々な騙しのテクニックが描かれるのも、実に愉しいんですね。

        >> 続きを読む

        2018/05/27 by dreamer

    • 2人が本棚登録しています

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