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浜田文人

著者情報
著者名:浜田文人
はまだふみひと
ハマダフミヒト
生年~没年:1949~

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このランキングは1日1回更新されます。
      公安捜査
      カテゴリー:小説、物語
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      • 渋谷と川崎で相次いで起こった殺人。
        被害者はパチンコホール会社社長・松原英人と渋谷署刑事課長・坂東広志。
        かねてから詐欺・恐喝・贈収賄など様々な疑惑が囁かれていた松原だが、悉く警察の追及の手をかわしていた。
        事件直後、警視庁と神奈川県警本部に松原と内通していた警察関係者のリストが届くが、その中には殺された坂東の名前もあった。
        北朝鮮への不正送金疑惑に関連して松原に接触していた神奈川県警の公安刑事・蛍橋政嗣は事件の背後関係に迫るのだが。

        最近、「○○捜査」という本をよく読んでいます。
        警察小説というジャンルが確立して、リアリティのある秀作が増えている昨今は、僕にとっては歓迎すべき事態なのですが、なかなかエンタメ性と現実感を矛盾なく物語にするのは難しいらしく、“コレッ”という作品に巡り合うには食わず嫌いをせず、多読するのがよかろうというのがその理由です。

        本作もそんな動機から手に取った次第。
        パチンコ業界と警察の癒着については、公然の秘密ですが、本作ではそれをきっかけに起きる連続殺人を捜査する刑事たちを描きます。
        膨大なパチンコ産業の生む利潤が、戦後、日本海を渡って<北>へ流れていたことや、在日には<北>も韓国もなく、ただ日本にいる無国籍な者達…という禁忌を深く掘り下げており、感心しました。
        刑事達の動き、上層部の保身、公安の複雑な事情、警視庁と神奈川県警の確執など相当高水準の現実感で書かれています。

        現実感に走りすぎて、小説らしくなくルポっぽくなってしまった点がまず減点。
        また、上記のようなので、登場人物たちの存在感、個性の描写が少なく、どの人も同じような錯覚に襲われ、非常に読みづらい。

        しかし、キャラ立ちはしっかりできていて荒唐無稽な物語を書かれる作家の方が多いなかで、逆に現実感は相当あり人物造形がイマイチという本作は、伸び代があろうかと思います。
        とりあえず何作かは読んでみようと思わせてくれた作品でした。


        パチンコ換金制度に関して、昨今の報道では、警察からパブリックコメントとして「まったくもってあずかり知らんこと」と、厚顔無恥な発表があったようです。
        ここまであからさまだと、返ってマスコミも新鮮味がなくてとりあげないんですかねえ。
        世も末、この国はもうだめかもしれないと、ずっと思ってきましたが、官僚、役人の類が明け透けに自らの恥部を正当化し続けているこの状態はほとほと呆れてしまいます。
        大袈裟ではなく、一部上層部官僚、軍人が保身や立身出世の為に世界戦争へとこの国を導いていったあの時代の空気に少し似ているようで、まったく暗澹とした気持ちになりました。
        >> 続きを読む

        2014/09/05 by 課長代理

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      公安捜査
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 北朝鮮からの覚醒剤密輸事案を内偵中の神奈川県警公安二果の螢橋政嗣。監察対象者を追う最中、螢橋は殺人現場に遭遇してしまう。
        殺されたのは麻薬取締官・四角哲也。
        彼は広域暴力団仁友会の小山こと在日北朝鮮人・申勲を内偵中に妻を殺され、復讐に燃えていたという。
        螢橋はやがて、とある病院と老人ホームへたどりつく。北朝鮮との闇のつながりとは果たして何なのか。


        北朝鮮から覚醒剤が密輸されてきていたり、工作員が日本海から密かに上陸していたりするのは、現実にあるのでしょうか?
        日本人が拉致されていた現実を突きつけられて、なお、浮世離れした感があるのは、所謂平和ボケというヤツなのでしょう。

        本作での密輸された覚醒剤は、巷に売り捌かれるのではなく老人ホームで余生を送る老人たちの余命を短くするための道具として使われます。
        北朝鮮ルートをバックアップするのは与党の大物政治家。
        厚生族の官僚、介護事業所を全国展開する業者、関西を拠点にした暴力団と、魑魅魍魎が跋扈します。
        彼らが群がる「福祉」という財源、まさに闇の利権です。

        実際のところ、こうした構図はかなり現実味を帯びたものなのではないでしょうか。
        アベノミクスなんて言ってますが、世間は不景気そのものです。
        カタギが不景気なら、ヤクザはもっと不景気です。
        かつては覚醒剤の売買や、飲食店などからの上納でなりたっていたシノギも暴対法強化もあり、激減していると聞きます。
        太く短くが魅力の稼業も、この有様で人材不足に陥っているとも。
        少し目端の利いた彼らのうちの何人かが、老人介護、生活保護受給者をシノギにするのは時代の流れというか、自明の理というか。

        実際、僕も不動産に携わっていますが、「脱法ハウス」と呼ばれる生活保護受給者を対象にした商売は、報道で問題視される前から、商売の発想としては持っていました。
        「この方法は儲かるな…」と確信していましたから、ニュースで暴力団のシノギになっていると聞いた時は、そら見たことか、と思ったものです。

        その金は上へ上へと吸い上げられ、表には出ず、裏で肥え太る輩はいつの時代もいるものですよね。

        このシリーズは物語を楽しむというより、僕的には、現在の社会の裏の構図を解説してくれる教科書として読んでいます。

        警察官が、いくら公安で自由がきくといっても、ヤクザと一緒に巨悪に挑むなんて荒唐無稽すぎてついていけません。
        ヤクザはヤクザ。金が動かなければ、指先ひとつ動かしません。
        侠気なんて存在しません。もはや伝説、死語の類です。

        原発が絶対に爆発しないと言っているのと同じレベルです。
        >> 続きを読む

        2014/10/04 by 課長代理

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      公安捜査
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 鹿取刑事から呼び出された神奈川県警公安刑事の螢橋は、鹿取の待つマンション近くで不審な人物をはねてしまう。
        ところが、男は搬送先の病院から忽然と姿を消してしまう。
        一方、鹿取は落ち合うことになっていたマンションの住人、佐藤友子殺しの被疑者として身柄を拘束されてしまう。
        鹿取は彼女の何を探っていたのか?
        そして姿を消した男は何者なのか?事件との関係は?
        やがて事件の裏に、対北朝鮮利権に絡む売国的政治活動が浮かび上がってくるのだが。

        「ハマのホタル」こと、公安刑事蛍橋シリーズ第三弾です。
        今回の敵は、タイトル通り北朝鮮と、北朝鮮に腑抜けにさせられた政治家たちです。

        警視庁捜査一課の刑事で元公安だった鹿取から呼び出された蛍橋は、現場へ向かう途中でひとりの男を撥ねてしまいます。
        そのことで現場への到着が遅れた蛍橋でしたが、これが痛恨事に。
        単独で行動した鹿取は、訪問予定だった佐藤友子の死体とともに、気絶した状態で発見され、神奈川県警に身柄を拘束されてしまいます。
        また、蛍橋が撥ねた男は重傷を負いながらも、病院から忽然と姿を消します。
        蛍橋は、消えた男が、鹿取を罠に嵌めた張本人ではないかと調べ始めます。
        一方、鹿取が殺したことになっている女性・佐藤友子、じつは北陸で行方不明となりのちに北朝鮮に拉致されたと思われる被害者名簿に同姓同名の名前が…。
        鹿取は都内で起きた食品会社社長殺人事件を追ううち、この事実をつきとめたのでした。
        蛍橋は、公安の力で、鹿取の身柄を神奈川県警から引き受けることに成功。
        殺害された食品会社社長の経営する会社は、北朝鮮からも食料品を輸入していた事実を突き止めます。
        それは、人道援助を目的に、各国から北朝鮮へ送られた、援助物資でした。

        本書では、北朝鮮に外交目的で訪朝した政治家や、官僚は酒池肉林の接待をうけ、強烈に北朝鮮シンパになって帰ってくるということが書かれているのですが、果たして真偽のほどは、どれほどのものなのでしょう。
        北朝鮮のスパイが潜伏していることや、拉致被害そのものが都市伝説みたいな取り扱いを受けていた時代があるくらいですから、そんなことが事実だとしても、もうあまり驚かないですが。
        日本では覚醒剤の取り締まりも厳しくなり、北朝鮮のその方面からの日本ルートの収入はほぼ潰えた状態と思われます。
        外貨獲得の為に支援物資を、支援してくれた国へ横流しという形で送り返すという、少し滑稽味を帯びた話も、あながち全くないとは言えない話ではあります。
        国民を飢えさせてでもミサイルを撃ち続ける不気味な隣国に、なぜか弱腰な日本側の外交は、首を傾げざるを得ない部分もあります。
        背景にまたもや利権、カネが絡み、それに群がる政治家や官僚たちが
        いると思うと、またもや亡国の思いは強くなります。
        アン○ニオ○木さんも、「なんであんなに北朝鮮に行きたがるかな~?」といぶかしんでおりましたが、やっぱり何か見返りがあるのでしょうかね。
        愛情や使命感だけでは、人間は動かないですからね。
        >> 続きを読む

        2014/10/20 by 課長代理

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