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松本次郎

著者情報
著者名:松本次郎
まつもとじろう
マツモトジロウ

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このランキングは1日1回更新されます。
      地獄のアリス
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.0
      いいね!
      • 少し違う世界 少し壊れた世界 少し残った人々 それから 少し壊れた人々(物語冒頭より)

         どこまでも広がる荒れた土地の中、人々は少ない水源を中心としてコミューンを作り、生活を営んでいた。しかし、天才的な狙撃の腕を持つ少年・シュウは人造人間・アリスと共に、ただ一人砂漠の廃墟を根城に暮らしていた。
         強盗に襲われていた女性・マキルダを助けたシュウは彼女に誘われてコミューンで暮らし始めるが、他人と馴染めずにトラブルを起こし、やがてコミューン内の対立抗争に巻き込まれてしまう……。

         以前読んだ同作『女子攻兵』が私の中で大きな衝撃だった、松本次郎さんの作品です。

         作者の描く荒廃した世界と、そこに生きる少し狂った人々は、他にない中毒的な魅力を持っています。めちゃくちゃ面白いからおすすめ! ……とは正直言い難いですが、密かにファンになるようなアンダーグラウンド的面白さで溢れています。

         主人公であるシュウはなかなかに破綻した人格の持ち主です。他人に素直になれず、自分が気に入らないと噛み付いて、幼稚ですぐに調子に乗り、自分勝手で周りに容赦がない反面、自分に甘く情けない……。あまりの優柔不断ぶりに舌を巻くほどです。

         しかし、読み進めていくと、いつのまにか周囲のキャラクターが振りかざす正論・熱情が薄っぺらく感じられ、シュウの側に立っている私に気づきました。少し壊れたクソみたいな世界(松本さんはこれを描くのが本当に上手い)では、自分を甘やかせるのは自分だけなわけです。虚構の中を自分勝手に生きるヤツが一人くらいいてもいい、そんな風にも思える爽やかなラストでした。

         全6巻完結です。
        >> 続きを読む

        2015/10/06 by あさ・くら

    • 3人が本棚登録しています
      女子攻兵
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • 「戦場はもはや俺達の立ち入れる場所じゃない。狂気が支配する聖域なんだ」(1巻冒頭

         あらすじ。
         繁栄の末、ついに人口は地球のキャパシティを超えた。新天地を求めた人々は異次元空間に移住したが、地球との政治的摩擦は激しく、やがて独立をもとめた武装蜂起にまで発展する。拡大・長期化した戦局を打開しようと、地球連合は新兵器「女子攻兵」の大量投入を決行した。それらは従来兵器による攻撃を受け付けず、絶大な威力を誇ったが、その代償となるパイロットへの精神汚染は深刻なものだった……。


         次元兵器「女子攻兵」ーー女子高生の姿をした巨大な兵器。高い戦闘能力を誇るが、乗り続けるとパイロットの精神を徐々に汚染する。汚染が進むと、ケータイからいるはずのない友人や母親、彼氏からメールや電話を受信し、現実と妄想の境界が失われるため、やがて自我の崩壊に至る。

         ……まず断っておきますが、ふざけてはいません。実に大真面目です。
        「女子高生に乗って戦う漫画があってですね、乗り続けてると女子高生になっちゃうんですよ」なんて誰かに話すと正気を疑われそうですが、本作はそんな奇天烈奇妙な設定で、まったく硬派なミリタリーSFです。

         主人公は精神汚染を恐れ、自分が正気を保てているのか苦悩しますが、読んでいる私にもじわじわと狂気が染み渡ってきました。作品の世界観に慣れた頃には、もう正気を失っているといっても過言ではありません。

         この作品、主人公の顔がはっきりと描かれることはなく、小隊の仲間に至ってはパイロットの姿で登場することはありません。これによって、どうしても「女子高生」の方に慣れてしまいます。こういった細かい演出がニクいです。また、一見雑ですが、書き込みの細かい荒々しい絵のタッチが殺伐とした雰囲気にとてもあっています。

         巨大な人型兵器。パイロットには代償がある。異次元戦争。美少女もの……。
         なんだかとても既視感があります。使い古された設定であることは間違いありません。しかし、この作品は唯一無二の独特な世界観を作り出すことに成功しています。
         あっ、これは奇をてらった作品じゃないんだ。何もかもが狂っている上でつくられた複雑精緻な世界なんだ。……そう思ったときには、この作品に取り憑かれているかもしれません。

         既刊6巻。おそらく7巻で完結です。
        >> 続きを読む

        2015/09/16 by あさ・くら

    • 2人が本棚登録しています

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