こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)


佐藤友哉

著者情報
著者名:佐藤友哉
さとうゆうや
サトウユウヤ
生年~没年:1980~

この著者の本を読んでいる会員ランキング

このランキングは1日1回更新されます。
      デンデラ
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • 再読。
        本作は、佐藤友哉の代表作の一つである。
        佐藤は何度か述べているが、作品の出来不出来の幅が大きい作者であり、評価でいうと5の作品と1の作品がほとんどを占めているような感じである
        本作は「水没ピアノ」「子どもたち怒る怒る怒る」「灰色のダイエットコカコーラ」といった傑作と異なり、一般層にも広くお薦めできる作品である。
        50人の老婆が熊と戦う物語なのだが、グループの中でも襲撃派と穏健派に分かれて派閥争いをしてしまうところは、麻耶雄嵩「あいにくの雨で」を連想した。
        老婆たちが装備を整えて準備万端と思い熊と戦ってもあっさり嬲り殺しにされてしまうのは、諫山創「進撃の巨人」で充分に訓練を積んだ104期訓練兵団の卒業生が出陣すると即座に巨人に捕食されてしまう様のようだった。
        70歳の主人公の斎藤カユが、62歳の仲間の若さを妬むシーンには笑ってしまう。
        襲撃派が身内もいる別の村を襲おうと計画する様子は、旧劇エヴァンゲリオンで戦略自衛隊がネルフを襲う同士討ちを想起させ、いたたまれなくなった。
        監督の庵野秀明はどこかのインタビュで「人間が怪物に襲われるより、人間が人間に襲われる方が遥かに残虐である」と述べたが、至言であると思う。
        作中での「指切り」の風習は、福本伸行「賭博覇王伝零」のジャックルームみたいで面白かった。
        本作の白眉は紛れもなくラストシーンで、物語としてこれ以上綺麗な終わり方はないという感じである。
        本作は映画化もされたが、最後のシーンが忠実に再現されているかどうか気になるところではある。

        >> 続きを読む

        2020/12/12 by tygkun

    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人
      カテゴリー:小説、物語
      いいね!
      • 読み終わってからアプリで登録してレビュー書いてなかったよ。

        デンデラを書いた佐藤さんのデビュー作。
        妹が陵辱され自殺。その様子を録画したビデオを見た主人公は
        陵辱した3人の娘や孫娘を狙うっていうストーリーに
        連続殺人鬼がいるっていうのが絡んでくる。
        最初はちょっと読みにくかったなー
        が、途中からは一気に入り込めた。
        最後の6章目でうまいこと物語は収束されていくんだけど、
        佐奈ちゃん!?いったい・・・
        こういうとこが好き嫌い分かれるでしょうかね。
        さすがメフィスト賞作品です!
        この作品の主人公「鏡公彦」の鏡兄弟(姉と妹も)を軸とした
        鏡家サーガというが続いているので後で読んでみようかな〜
        >> 続きを読む

        2016/05/25 by 降りる人

      • コメント 5件
    • 2人が本棚登録しています
      水没ピアノ 鏡創士がひきもどす犯罪
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 鏡家シリーズ第3作。
        佐藤友哉は正直言って作品の当たり外れが大きい作家だが、本作は「当たり」である。
        ミステリをベースとしながら、世界と自我が崩壊する感覚はデビッド・リンチの映画を彷彿とさせる。
        セリフに古典の引用が多いのだが、全然わからなかったのが悔しかった(端的に教養がないだけである)。
        主人公が性欲だけをエネルギーに特に興味のない女性と付き合おうとする様は、なかなか何ともいえない感がある。
        ミルクボーイのシャツが出てきたので真っ先にコーンフレークを連想したが、そういうことではなく、単にミルクボーイというアパレルのブランドがあるらしい。
        本作の密室トリックは間違いなく前例があるだろうが、個人的にはとても好みである。
        第五章のラストは悲痛である。
        作中で「太陽と戦慄」が出てきたので嬉しかった。
        佐藤が22歳で本作を刊行したのは、なかなかの快挙と思う(乙一が17歳で「夏と花火と私の死体」を発表したのは、正真正銘の天才としか言いようがないが)。
        >> 続きを読む

        2020/04/04 by tygkun

    • 2人が本棚登録しています
      子供たち怒る怒る怒る
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 久しぶりの投稿。
        小説を読むのをサボっていたわけではなく、1ヶ月の間に上遠野浩平「恥知らずのパープルヘイズ」、エラリー・クイーン「10日間の不思議」、島田荘司「水晶のピラミッド」を読了したのだが、なぜか検索では上記の作品が出てこなかった。
        さて、佐藤友哉「子供たち怒る怒る怒る」は第27回野間文芸新人賞候補作品である。
        以前も書いた通り、佐藤は作品の出来不出来が激しい作家だが、本作はクリーンヒットである(他にも場外ホームラン級の傑作として「デンデラ」が挙げられる)。
        「大洪水の小さな家」では洪水という災害と三兄弟の関係性をうまく組み合わせている(本作では他の短編でも外部状況の異常性と登場人物の自意識過剰性を組み合わせた作品が目立つ)。
        「死体と、」は改行なしの文体だが、この文体は舞城王太郎がやはり一番うまく使いこなせていると思う。
        「慾望」は理由なしのテロリズム物語で、黒武洋「そして粛清の扉を」を連想した。
        表題作「子供たち怒る怒る怒る」は、被害者を刃物で殺害しペンキで塗る連続殺人犯「牛男」の犯行を少年少女数人で追跡するという、どこかで読んだような物語だが「牛男ゲーム」の異常性は佐藤ならではとしか言いようがない。
        「リカちゃん人間」のリカちゃんと姉の関係性は乙一「zoo」所収の傑作「カザリとヨーコ」のそれと似ている。
        佐藤作品の狂気は不思議と僕と波長が合う(両者ともサリンジャのファンだから当たり前かもしれない)。

        >> 続きを読む

        2020/09/10 by tygkun

    • 2人が本棚登録しています
      デンデラ
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 『楢山節考』を読んだとき、佐藤友哉も姥捨てを題材に書いていたのを思い出して、未読だったので読みました。
        村に捨てられた老婆たちが独自の集落「デンデラ」を築いていた、という話。村を襲撃しようとしたり、羆と戦ったりする。

        佐藤友哉はもう何年も読んでいなかったのですが、結構好きな作家でした。しかし読むのに体力がいるので、ちょっと敬遠していた。
        久しぶりに読んでみると、ちょっと丸くなっているというか、おとなしくなった?という感じで、案外しんどくなくて、すらすら読めました。しかも面白かった。

        『楢山節考』を読んだときにちょっと引っかかった点、つまり、全体のために個が犠牲になることを選ぶことを美しく感じて良いのか、ということに対する佐藤友哉の答えが書かれている気がして、そうそう、そうだよね、という気になりました。多分同年代くらいの人だと、学校教育レベルでそういう思想を育んでいるし、ハリウッド映画でもそんな思考をうっすらと感じる。高度経済成長期に会社のためとして個の力を集めてひとつに束ねることでイケイケだった日本ですが、そういうスイミー戦略だって結局うまくいかずにデフレになったじゃないか、という振り返りから、個を全体のために犠牲にすることが果たして正しいのか?という思考に行くのは、まぁ自然なことで。
        村のために老人が身を引くことを美しいと感じること自体が不健全なんじゃないか、という引っ掛かりはどうしても『楢山節考』のときにもあって、たぶん佐藤友哉もそんな風に感じたのでは?と期待してしまう。

        佐藤友哉はたしか北海道出身で、田舎を嫌悪して東京に来た人だったはず。田舎のいやらしさを多分肌身で感じていたのでしょう。貧しい時代に種として生き残るために集団のルールを厳密に定めるというのは、生存戦略として納得できるのですが、飢饉を克服したと思われる現代日本でそんなことするのはどうなのよって感じですし、とはいえ人間を必要/不要で選別するのは今後そうなるかもしれないという恐ろしさもある。読みながらいろいろ考えてしまった。

        しかし『デンデラ』の面白さはそれらとはまた別に、人喰い羆と老婆との戦いというところにもある。この辺のエンタメとしての魅せ方がとてもうまくて、さすが佐藤友哉。暴力表現に定評がある。グロイの苦手な方は注意です。結構ざくざくやられるので。

        何ていうか、非常によくできた小説で、とても面白かったし、考えることも多かった。『楢山節考』と前後して読むと、比較して楽しめるのでお勧めです。
        >> 続きを読む

        2017/09/07 by ワルツ

    • 4人が本棚登録しています

【佐藤友哉】(サトウユウヤ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

会員登録(無料)

今月の課題図書
読書ログってこんなサービス
映画ログはこちら
読書ログさんの本棚