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HouellebecqMichel

著者情報
著者名:HouellebecqMichel
HouellebecqMichel
HouellebecqMichel
生年~没年:1958~

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このランキングは1日1回更新されます。
      闘争領域の拡大
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 仕事の合間のおしゃべりで「世間と馴染んでる感覚を持ったことがない」と冗談めかして語った同僚に、お勧めの本は?と尋ねたところ、真っ先に出てきたのがミシェル・ウェルベックの「ある島の可能性」。
        全く知らなかったが、著者はフランスの有名な小説家らしい。
        近所の図書館にはこの本自体はなかったが、処女作の「闘争領域の拡大」が置いてあったのでこちらから読んでみた。

        現代という性と金しか価値基準がない時代で、金はあれども女性関係には縁がない主人公。
        理性的にはそれを諦めているが、さらに絶望的な状況にある友人を眺めていくことで、他に価値を向けるべきものがない自分の姿と直面せざるをえなくなり。。。

        淡々とした文体で身も蓋もない話や露骨な性表現をしているため、落ち着いて不快さを堪能できた(笑)

        ネット上に、資本主義による自由化が経済だけでなく様々な領域に及び、性も勝ち取らなければいけなくなってしまった現代へのアイロニーとそこでの弱者へのシンパシーといった書評があった。
        個人的には、人間が今まで培ってきた文化が全て性に付随するものではないと信じることにしているので、著者が性の問題を全ての根本にしている部分とは相容れない。
        また、現代の脅迫観念的な性的要請に対するポジティブな処方箋は提示しておらず、絶望することしか救いがないことを見せつけてラストを迎えている(と、思う)ので、甘えを許さないお話だと思う。

        フランス文学の素養は皆無に等しいので、そういう意味での文脈判断はできないまま読んだが、自分としてはもっと誤魔化して生きられるんじゃないかと感じた。
        とはいえ、もはや誤魔化して救われる世界じゃないんだよというメッセージと受け止めると、それなりの重さを持ってくる。

        何にせよ「ある島の可能性」は読んでみようと思わされた。
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        2012/04/05 by Pettonton

      • コメント 1件
    • 2人が本棚登録しています
      プラットフォ-ム
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 非常に癖のある作品なので、万人におすすめはできません。
        しかし興味深かったです。
        石一文が大丈夫なら、いけると思います。
        露骨な性描写があるので、それが平気な人向きって感じです。

        ウェルベックといえば昨年『服従』で新聞の書評をかっさらっていきましたね。気になっているのですが、とりあえず他のものから読んでみようと思って、本作を手に取りました。
        イスラムに対する攻撃的な文章などが槍玉にあがっていたようですが、ひやかすのではなくて、避けては通れないから書いている、という印象を受けたので、私は特に気にならなかったです。書くべきことを持っている人という印象。

        ウェルベックの経歴を見ていて以外だったのが、ラヴクラフトの伝記を書いていることです。そっち系だったんですかね。全然ジャンル違いますが。意外。

        他の作品も読んでみたいと思いました。いろいろ考える作品でした。

        しかしあんなに強い言葉で語るのは、彼の感受性がそうさせるのでしょうが、大丈夫でしょうか。生きにくそうな。今の幸せではなくて、過去の幸福感を反芻して生きている人の文章のように感じました。ただの作風ならいいのですが…
        >> 続きを読む

        2016/02/04 by ワルツ

    • 2人が本棚登録しています
      地図と領土
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 【硬質な自伝的小説】
         主人公のジェドは、裕福な家庭に生まれ、美術の道に進んだ男性です。
         あまり人と交わることをせず、また、恵まれた環境にあることもあって、とくにあくせく作品を作るというようなこともしていません。
         かといって、怠惰なすねかじりかと言えばそういうわけでもなく、基本的に真面目な青年なのでしょう。

         当初は、工業製品を写真に収めるという作品を製作し、これが美術品というよりも商業界において一つの便利な製品として需要があったという程度でした。
         ところが、ある日、偶然目にしたミシュランの地図に衝撃を受けました。
         これまでに何度も目にしていたただの地図なのですが、その美しさに魅了されたのですね。

         そこで、ミシュランの地図を写真に写してそれを加工するという作品を製作し始めました。
         それがたまたまミシュランの社員である、ロシア人の絶世の美女オルガの目に留まります。
         作品の芸術的価値が高かったことももちろんですが、ミシュラン社としては自社の地図をテーマにしてこれだけの美術品を制作しているアーティストがいるという点に関心を抱き、作品の販売について全面的にバックアップするというオファーをします。

         その結果、ジェドの地図シリーズは爆発的に売れ、ジェド自身が相当な稼ぎを得ることになりました。
         そしてまた、オルガとも結ばれ、恋人になります。

         非常に順調に思えるのですが、ジェドはどこか一歩引いているようなところがあり、その後、オルガがミシュランの仕事でロシアに行かなければならなくなった時も、引き留めようともせず、ただ諦念のようにしてその現実を受け入れてしまうのでした。
         「人生はときにチャンスを与えてくれるが、あまりに臆病だったり優柔不断だったりしてそれをつかめなければ、配られたカードは取り上げられてしまう。」
         そういうものです。
         ジェドは、あれほど好評を博した地図シリーズの制作をやめてしまい、何の制作もせずに時を過ごす様になってしまいました。

         その後、ジェドはふとしたきっかけから油絵を制作するようになり、様々な仕事に従事する人物像を描くようになりました。
         それは、もはや消えかかっている職業に従事している者であったり、時代の最先端のIT企業の寵児だったりの肖像画でした。
         作品を描きためてはいたのですが、展覧会を開こうとはしませんでした。
         しかし、ある想いから遂に展覧会を開いたところ、ジェドの油彩画には莫大な値段がつき、若くして億万長者になってしまうのでした。

         というのが、中盤辺りまでの粗筋です。
         私が、「自伝的小説」と書いた理由の一つは、本作が主人公のジェドの一生を描いた小説であるからです。
         しかし、そこにはもう一つの意味があります。
         それは、著者のウェルベックが実名で本書に登場するからです。
         ウェルベックは、ジェドから展覧会のパンフレットに寄せる文章を依頼されたことからジェドと関わるようになります。

         関わると言っても、それは消極的な関わりであり、当時、ウェルベックは世捨て人のようになっていると描かれているのです。
         自ら積極的に交わりを求めているわけではなく、かといってジェドとの交流を拒むわけでもなく。
         むしろ、ジェドの方がウェルベックとは友人になれるかもしれないというそこはかとない予見を抱いているという具合です。

         著者のウェルベックは、本作中で、自分を殺害します。
         それも相当にひどいやり方で。
         その葬儀の様子も描き出しています。
         著者が自分自身を作中に描き、それを抹殺するというのは、どういう気持ちになるものなのでしょうか。
         
         大変淡々とした文体で綴られる、「硬質」の作品という印象を受けました。
         ラストの処理は、やや説得力に欠ける部分があるように思われますが、急展開を見せるところの衝撃は強いものがあります。
         作品の全体像がつかめるまでは、やや退屈するかもしれませんが、その後は一気に読めます。
         良作ではないでしょうか。
        >> 続きを読む

        2019/10/10 by ef177

    • 3人が本棚登録しています

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