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小林龍生

著者情報
著者名:小林龍生
こばやしたつお
コバヤシタツオ
生年~没年:1951~

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      ユニコード戦記 文字符号の国際標準化バトル
      カテゴリー:情報科学
      4.0
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      • 情報伝達において一昔前はことあるごとに文字化けを起こしていた。自分が書いた文章が相手に伝わるためには共通の文字コードが必要にもかかわらずOSや使うソフトのバージョンによって文字コードが異なり、文字化けは頻発していた。
        その文字コードの国際標準がユニコード。しかしCJK統合漢字による表記のズレ、不十分な文字種(例えば森鷗外作品を検索すると著者名に森鴎外が表示される。IE6を使っている人は文字化けしてすいません)と90年代はあまり評判は良くなかった(むしろ批判の嵐だった)。

        それでもユニコードは内情に携わる人たちの心血を注いだ努力の賜物で進化を続けてきた。Windows7や新しいMacOS Xから文字化けする機会も激減した。

        著者はジャストシステムでATOKの監修委員会を立ち上げた人物。ATOKと言えば日本語が正しく入力できるとして高い人気を誇ったIME。さらにジャストシステム入社前は小学館の編集者として活躍していた。
        (ATOKが優れていたのは編集者として監修の重要性を認識していた小林氏が監修委員会を立ち上げたからと言える)

        小林氏の述壊の形で国際社会での標準化の経験を紹介し、技術的・文化的・政治的な激しい意見の対立(戦記)が生々しく記され、そして国際社会で活躍する次の世代に対しての今後の糧としてほしいという願いが詰まっている。

        三浦しおんさんが辞書編纂を題材に「舟を編む」という言い得て妙な題を付けたが地球規模の標準基盤の文字コード策定はノアの方舟の構成を決めるものに近い。
        (多少なりとも文字コードに興味がないと難解な内容だが)純粋に読み物として面白く、こういう作品では珍しく泣きそうになってしまった。

        いくつか心に残った言葉を紹介
        「外から批判するのは簡単だ。しかし、それだけでは何も変わらない。何かを変えたければ中に入って批判すべきだ。」
        「大切なのは、英語のスキルではなく、伝えるべきメッセージをはっきりと持っているか否かなのだ。」
        「どんなに自分たちの主張が正当なものであっても、適切な戦略や戦術がなければ、国際的な戦いの場では無力にひとしい」
        「一般的には判断ミスによるデメリットの可能性よりも、決断が遅れることによるデメリットの可能性の方が大きい」
        「国際会議に顔を出すエンジニアは、みなプレゼンテーション技術も優れている。自分の主張を論理的に説得力をもって発言する訓練を、それこそ初等教育から大学を経て社会人になっても継続的に続けているのだ。(中略)単に日本語の予稿を逐語的に英語に訳すだけでは不十分」
        「国際標準化活動へのかかわりを深めていくということと、英語によるコミュニケーション能力を高めていくということとは、ほとんど不可分のことだった。」
        国際標準化活動に携わることは万に一つもないが、それでも国際化社会でビジネスを進めていく上で心にとどめて損はない。

        英語か・・・勉強しなきゃな
        >> 続きを読む

        2013/07/04 by ybook

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【小林龍生】(コバヤシタツオ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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