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那覇空港で起きたハイジャック。それは離陸する前であり、3人のハイジャック犯の要求は師匠の釈放。だが機内のトイレで死体が発見される。座間味くんシリーズの第1弾。当初関係のなかった単なる乗客のはずだったが、いつの間にか事件を解決する探偵のような役割に。機内の事件なので当然犯人も機内にいる。そこでどのようなトリックを施したのかが頭を使わせる。犯人に関しては関係者が少ないせいか予測はすぐにつく。ただしハイジャック犯たちの目的には急に現実離れした印象しか感じないけど。 >> 続きを読む
2019/01/13 by オーウェン
石持浅海という作家は、クローズド・サークル物を得意とするが、この「水の迷宮」はその究極の作品だと言ってもいいと思う。なにしろ、出入りが自由にでき、警察への通報も可能な状態でありながら、関係者の意思だけで閉鎖空間が形成されているのだから-------。経営不振に陥っていた「羽田国際環境水族館」だが、新しい館長の改革が奏功し、人気スポットへと再生した。ある日、水槽にアルコールが投入されるいたずらが発生し、金銭を要求する脅迫メールが届く。その日が、三年前に館内で急死した職員・片山の命日だったのは単なる偶然なのか?水族館の職員は、来館者の安全と水族館の評判を考え、警察に通報せず、自分たちだけで真相を究明することを選択する。しかし、犯人のいたずらは続き、ついには館内で職員の一人が不審死を遂げる。かつて、著者の石持浅海は、「自分の好きなミステリは、きちんと作りこまれた舞台の上で登場人物たちが自在に動いているものだ」と述べている。登場人物を存分に動かし、三年前の事件から始まる、複雑なプロットを見事に織り上げたこの作品は、そうした著者のひとつの理想形なのではないかと思う。 >> 続きを読む
2019/03/11 by dreamer
石持さんらしく、シンプルな設定で突き進んでいくミステリ。楡井は恩師の敵討ちのため殺人を犯す。同じ目的を共有していたはずの設楽にこのことを告げなければならない。だが設楽の家では息子の誕生パーティーが開かれており、妻と親友と秘書の3人の女性と相手をするが、設楽とは中々会わしてもらえない。会わせてもらえないからには当然理由がある。それらはすべて繋がっており、些細な事柄が事件の本質に関係している。お面の件なんかは中々驚くが、その後の対応が不気味な余韻を残す仕上がり。200ページしかないのに、よく練られている。 >> 続きを読む
2018/10/10 by オーウェン
大学の同窓中心に7名が高級住宅街のペンションに集まったところで繰り広げられる殺人劇。最初から犯人は分かっている構成だが、頭でっかちのメンバー内でのやり取りがなかなか面白い。現実離れした設定・展開・殺意だが、ある種の閉鎖環境ミステリーとして楽しめた。 >> 続きを読む
2017/08/12 by aka1965
酒の肴にこんなミステリ。この本にキャッチコピーをつけるならこんな感じが適当。親友関係の長江に夏美に熊井。酒の肴に料理を一品添え、誰か一人ゲストを読んでだべっと語り合う。料理は生ガキにチーズフォンデュ、豚の角煮にスモークサーモン等など。それに合わせてブランデーやビールなど酒の種類も変わる。するとゲストの体験話が始まり、長江が真相を突くというのが主な流れ。石持さんなので座間味くんのマイルド版といった感じ。ラストにちょっとした驚きもあり。 >> 続きを読む
2019/05/08 by オーウェン
日本のみでしか意味が通じない言葉や風習。それらが実際にあったらというパラレルワールドで展開する7つの短編ミステリ。人柱や黒衣にお歯黒、厄年に参勤交代。これらに疑問を持つ留学生のリリーが問いかけ、実際に人柱を職業にする東郷がこれらに回答するというのが主な流れ。突飛な話もあるし、人柱は実際に人が建設中に立て籠もるなどのホラ話をある上でミステリに繋げている。だから整合性など気にせずに、たらればを楽しむと割り切ったほうがいいかも。 >> 続きを読む
2019/04/13 by オーウェン
その時に飲み会のテーマとなる食材(料理)に纏わるエピソード(基本恋愛話が多い)にあれやこれやと解釈を与えていく。あくまでこの人達がそう解釈しているだけで、信憑性は低い。料理一つにそんな深い意味を込められたらちょっと面倒くさいし。本当に飲み会に紛れ込んで横でワイワイやってるのを、聞いている感覚。酒の肴にはいいかもしれないが、普通に読んでるとだから何なん!?と思えなくもない。最後はそりゃそうなるよねってオチ。 >> 続きを読む
2016/03/14 by TAK
自分を殺させたい社長と社長を殺したい社員の叙述ミステリー。探偵役は『扉は閉ざされたまま』の優佳。彼氏が~という記述があるから、あの彼との恋人関係は続いているよう。『君の望む死に方』といつタイトルが魅力的。 >> 続きを読む
2016/03/29 by NACO
政府転覆を目指すテロ組織。決して爆破や殺害ではなく、周りから現政権の支持率を落としていく方法。これに参加する久米、輪島、宮古の3人。彼らに与えられた指令は奇抜なものばかり。レモン3個をスーパーに置くだとか、アライグマとプラスチックの粉を公園の砂場にばらまくとか。それが何のためなのかを後から解説していく構成。何となく石持さんの「月の扉」に出てきたテロリストと似ている組織。ラストをあの形にしたのはテロが主題だからしょうがないか。 >> 続きを読む
2019/08/19 by オーウェン
就労中の怪我を隠したことで、労働基準監査の視察が会社に入ることに。何とか穏便に済まそうとする社員たちだが、倉庫で過労死のような社員の死体を発見してしまい窮地に。労災の基準だとかがかなり詳細に描かれているが、そこではなく監察官と社員がいかにバレるかどうかの丁々発止が描かれる。社内を見回ったり、社員への聞き込みが、最終的には死体になった社員へと行きつくことに。そしてなぜこうなったのかが推理される。小説としてはかなり地味な部類だが、短くてスラスラ読める中身です。 >> 続きを読む
2018/10/21 by オーウェン
田島をはじめとする3人は自身が通学する大学への復讐のため、そのカモフラージュとしてベンチャー企業を立ち上げる。出資も決まり会社も軌道に乗りかけるが、復讐の目的を揺らがせる出来事が。前7章区切りで復讐のため遂行していくが、セミの死骸や柵の手すりなど、関係する出来事を伏線として描いていく。復讐と企業という相反することを行っているので、ある種の矛盾をはらんでいる。ラストには大学の復讐が別のそれへと切り替わるのは、すこし安易に感じられてしまった。 >> 続きを読む
2019/07/25 by オーウェン
ジャケ借り。森作品の休憩に読んでみた。予想もつかないという意味では結構楽しめた。こんなに限られた条件で作られた作品は珍しいかも。。 >> 続きを読む
2014/11/23 by MUSICA
閉館された図書館である目的のため、男2人と女3人が夜間に進入する。するとそこで複数のラジコンヘリに襲われてしまう。限定された空間とはいえ、さすがに非現実的な設定が際立っている。なぜ5人は襲われるのか。また襲ってくる連中の目的は何なのか。そういったことを徐々に明かしていくのだが、あまりミステリとはいえない。むしろ強引な勢いで最後まで読ませるタイプの作品。ただ見ず知らずなのに恋愛関係になるというのは、いささかお門違いの感も。他の石持作品よりは印象が薄い。 >> 続きを読む
2020/05/29 by オーウェン
並木は3人の女性を殺す計画を立てていた。しかし計画に気付いたあかねに殺害されようとして返り討ちに。このままでは警察に気付かれるので、素早く殺害計画を実行しようとする。基本ほとんどが並木の独白なので、かなり時間が掛った印象。殺す対象女性のため、性描写が多く見受けられる。アルラウネという覚醒がキーワードになっており、ここだけ妙に浮いた感じ。ただラストはしっかり纏まっているし、警察の見解も無理がない。でも好みではないかも。 >> 続きを読む
2019/05/06 by オーウェン
私にはエグくて…タイトルの最終話だけはジワジワ感があってオチもよろしいかと。
2014/01/17 by ata-chu
対人地雷をテーマにした7つのミステリ短編集。地雷という着目の仕方はかなり奇抜だが、さほど難しくもなくミステリとしてはしっかりできている。直接殺しの対象になったり、間接的に平和への祈りのための地雷という位置づけだったり。地雷原の埋まるカンボジアになるとその描写に。また地雷除去のための兵器が出る2つの話も興味をそそられる。でも一番はラストの話かもしれない。これは地雷は全く関係ないが、作者が収めたいという世界最小の嵐の山荘。エレベーターで閉じ込められた5人のうち1人が刺殺され、一体誰が犯人なのかを議論する。シンプルだが、納得できる犯人と動機が秀逸。 >> 続きを読む
2018/09/08 by オーウェン
亡くなった父親が娘を守る(と思われる)ことでおきる大変なことの小説。まぁそんなミステリではないけどw娘が母親になって後半は孫娘を守る。守ってるのが父親(祖父)とは判明してないけどね〜あ、これは別にネタバレではないからwもうちょい厚みあって長い話で読みたいねーうーーん楽しめたことは楽しめたんだけど。 >> 続きを読む
2016/01/03 by 降りる人
業務提携によってできた携帯ロボ開発チーム。だがチームのリーダーが社内で不審死を。所属する水野は恋人の早智恵が犯人の可能性を目撃して悩み始める。ミステリではあるが、恋人が犯人なのかと思う独白が大半を占める中身。同僚と推理などを展開しつつ、核心へと入っていくのだが、個人的にはもっとひねった方がよかったかも。かなりシンプルな話なので、もう終わりなのかという印象。 >> 続きを読む
2019/07/14 by オーウェン
石持浅海の長篇デビュー作「アイルランドの薔薇」を読了。作者の石持浅海は、かつて「現実には、警察が科学捜査をすれば大抵は真相がわかるでしょうから、純粋にロジカルなミステリーにならないんです」と語ったことがあります。そこで、警察の介入を避けるうえでは、作品の舞台を閉鎖した空間に設定すればいいという事で、いわゆる「嵐の山荘」テーマになってくるんですね。暴風雨による土砂崩れで、麓への一本道が遮断された山荘で起きた連続殺人----と、こんなシチュエーションが一般的な設定だと思うのですが、石持浅海が構築する「嵐の山荘」は、ちょっとばかり風変わりだ。この作品で「嵐の山荘」と化したのは、アイルランドの都市スライゴーの郊外にある宿屋、レイクサイド・ハウス。1977年7月の朝、宿泊客の一人の他殺死体が発見される。警察への通報はしかし、同じ宿泊二人組のかざした拳銃によって阻まれた。彼らは、南北アイルランド統一を目指すテロリスト集団NCFの一員であり、犠牲者となったのはその副議長ダグラス・マクマホンだったのだ。もっとも、当のNCFにしてからが、英国との武力闘争から和平へと路線変更を図りつつあり、武闘派のマクマホン副議長を自然死に見せかけて、暗殺する計画を抱いていたのだ。その矢先、彼があからさまに他殺だとわかる方法で殺されたのだから、NCF側の当惑も推して知るべしだ。この失態が和平交渉を頓挫させぬよう、真相を究明せねばならないのだが、さりとて官憲の手に頼るわけにもいかない。かくして、旅館を制圧したテロリストと、人質となった宿泊客の間で休戦が成立し、一触即発の状況下で奇妙に紳士的な推理ゲームが幕を開けることになる。つまり、この山荘に吹き荒れるのは「政治」という名の嵐なのだ。この作品で探偵役を務めるのは、日本人の黒川富士夫。終末の休みを過ごそうと訪れた先で、この事件に遭遇した彼は、"巻き込まれ型"サスペンスの主人公といった役どころだが、にもかかわらず、慌てず騒がず、沈着冷静に捜査にあたる。この黒川富士夫という男は、明智小五郎も真っ青の名探偵肌のキャラクターなんですね。シリーズものの探偵役として、ミステリ好きとしては、今後の活躍を期待してしまいそうな人材だが、しかし、作者の石持浅海によれば「一般人が何度も事件に遭うのは、やっぱり不自然」とのこと。「ある状況設定に応じて、それにふさわしい人物が探偵になる」というのが、石持浅海の探偵小説を書く際の流儀のようだ。 >> 続きを読む
2018/06/05 by dreamer
先ほど読み終わり。個人的に石持さんの最高傑作は「セリヌンティウスの舟」だと思っていますが(いつかこのレビューも書きたいです)この作品も面白かったです。石持さんの特長に「小さな伏線がいくつもあり、上手く収束していく」と言うのがあると思います。この作品もパズルゲームのような緻密さはあるのですが、コンパクトにまとまり過ぎたかなぁ、と。短編の連作集なので一話一話が短いのは仕方ないのですけれども。600ページくらいの長編で読みたい作家さんです。 >> 続きを読む
2013/11/29 by ryou寥
【石持浅海】(イシモチアサミ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)
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