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本谷有希子

著者情報
著者名:本谷有希子
もとやゆきこ
モトヤユキコ
生年~没年:1979~

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このランキングは1日1回更新されます。
      腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね! KEMURINO
      • ソースをかけ過ぎた焼きそばのように濃厚な情景心理描写に、戯曲から小説へと発展させた著者の底知れぬエネルギーがほとばしる鮮烈な読み応え。

        女優になるために上京した姉の破天荒な言動を冷静に見つめる妹の視線が、映し出すホラー漫画に、崩壊寸前の地方生活や家族像が浮き上がるブラックコメディホームドラマ。

        「個性的に生きなさい」「やりたいことをやってみなさい」「地方の時代」という甘い良識の裏で「何者にもなれず」もがき、苦しみ、絶望し、自己破綻してしまうドリームロスは、この作品が生まれて10年たった現在も、日本全土に蔓延しているのでは? なんて、笑いたくて笑えない怪作だ。
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        2016/06/18 by まきたろう

    • 他3人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      生きてるだけで、愛。
      カテゴリー:小説、物語
      4.4
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      • 自我の暴走、破壊、奇行の抑制が効かないメンヘラ主人公女子と3年も同棲している草食系男子との感情の交わらなさがおもしろかった。

        何者とも100%理解しあい、繋がれない不安定な時代。ツンデレ、ヤンデレなど愛情の多様性の中、また一つ新種の恋愛を見せつけられたような生命力みなぎる物語。ちょっぴり演劇的な登場人物たちも本作の魅力に感じた。

        同時収録作『あの明け方の』のプチ家出リセット感も、なかなか心地よい掌編だ。
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        2016/05/08 by まきたろう

    • 他1人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      自分を好きになる方法
      カテゴリー:小説、物語
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      • タイトルはハウツー本みたいですが、本谷有希子さんのれっきとした小説です。
        6章から構成される本作では、主人公リンデの平凡な日常における3歳、16歳、28歳、34歳、47歳、63歳のある日の出来事が綴られていて、その日が終わるときに最終的に取る彼女の何気ない行動こそが、実は「自分のことを好きでいられる」ための結論であり、彼女らしい生き方を方向づける、小さな道標となっていることに気がつきます。

        私たちの人生の流れとは、何かの節目で迫られる大きな決断によるものだけではなく、こんなふうに些細に見える日常の小さな選択が積み重なっているものなのでしょう。「自分探し」は、何も旅をしたり瞑想したりといった自発的な行動を取らずとも、日々の暮らしの中で常に突き付けられている選択肢でもあるのだと思います。

        各章の「ある一日」の様子では、主人公リンデの心情がとても丁寧に掬い取られていて、元劇作家の本谷さんらしい描写によって、リンデが友人、夫、妹、そして彼女自身に向ける眼差しや、一瞬一瞬で少しずつ変化していく心模様が、手に取るようにわかります。

        彼女の心の中のつぶやきが、年を重ねるごとに、おどおどと頼りないものから、時にふてぶてしくさえある処世術的なものに変わっていく一方で、周りの目を気にしてつまらない見栄を張る性格はちっとも変わらないところも、興味深く感じました。「自分を好きになる」ということは、自分の生き方に居心地の悪さや自信のなさを感じなくなる、という解釈も出来ると思うのですが、どんなに「自分を好きになる方法」を追求したところで、自分自身に辟易する瞬間がなくなるとは思えません。だからこそ、人はいつまでも成長していくことが出来るのかもしれません。

        この本を手に取ったのは、作家の道尾秀介さんと芸人の光浦靖子さんが、雑誌上の対談で紹介していたことがきっかけなのですが、自分らしくあろうとした主人公リンダの姿に対して、「女性として幸せ」「女性として不幸」と、道尾さんと光浦さんで正反対の感想を述べていたのが印象的でした。読み手によって印象が大きく異なるのも、この作品の面白い点だと思いました。
        >> 続きを読む

        2015/10/02 by nomarie

    • 2人が本棚登録しています
      江利子と絶対 本谷有希子文学大全集
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
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      • 江利子の躁病具合が最高。学校の屋上で、人に迷惑かけないよう、自分でビニール袋を被りながら癇癪を起こし飛び降り自殺を図ろうとする女子高生なんて見たこと無い。絶対の存在感もまた凄い可愛かった。他の二作は趣味じゃなかった。 >> 続きを読む

        2014/12/19 by H_hipo

      • コメント 2件
    • 3人が本棚登録しています
      あの子の考えることは変
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 23歳のフリーターの巡谷と、高校の同級生つながりのアパートの同居人・日田の、二人の女性の物語です。といっても、友情を育み成長していく…というすこやかなストーリーとは無縁で、情けなくもぶっとんだ二人のおかしな思想と会話、行動が、凄まじいパワーを持って迫りくる一冊です。

        巡谷は女性ながらも「おっぱい至上主義」で、自分のGカップをアイデンティティとしていて、セフレの彼が他の女性からはモテないようにするため、彼をデブ化させることに一生懸命な子。かたや日田は、自臭症さながらに体臭を気にしたり、ゴミ焼却炉から流れ出ているダイオキシンによって、ヒトが持つ潜在的な「悪さ」が引き出されていると信じたり、無職なのに全然進まない手記を書こうとしているような、不思議な子です。あらすじは、あってないようなもの。とにかくハチャメチャな二人の、ちょっと哀れでおかしい毎日に引き込まれます。

        二人の発想も、行動も、最初から最後まで、私には思いもよらないものばかり。実生活ではきっと、こんな人に出会うことも、会話を交わすことも、ましてやその心の奥底を垣間見ることもないかもしれません。しかし、色々な本を読んでいると、こういうとてつもない世界に、足を踏み入れることができます。そればかりか、私とは考え方や生き方が180度違う人の心の襞を覗くことで、ある部分を羨ましく思ったり、どこかしらシンパシーを感じたり、同意できないながらも理解出来たり、私の心も脳もぐちゃぐちゃにかき回されます。

        毎日新しい人に出会い、その人の考え方や生き方を学んで刺激を受ける、なんてことは到底不可能でも、本ならばそれが可能です。私とは似通ってない人や、私なぞ到底出会うこともないような世界にいる人に出会うことも、本の中なら可能です。本を読む楽しさを絶対に手放すことが出来ない理由の一つは、最初のページをめくる時の、こんなワクワクがあるからに他なりません。

        初めて手に取った本谷有希子さんの作品は、この「あの子の考えることは変」で、今回何年ぶりかで再読しました。こういうエネルギッシュな作品は、その内容が例え破滅的であっても、読んでいるだけでやみくもに騒ぎ出したいようなパワーが湧き出し、わけのわからない感動に包まれます。本谷さんの「グ、ア、ム」や、角田光代さんの初期の作品、宮木あや子さんの「憧憬☆カトマンズ」や「婚外恋愛に似たもの」などでも、そんな力強いパワーをびんびんと感じます。小心者で保守的で、石橋を叩いて渡るようなタイプの私は、もしかしたら、こういった傾向の作品を読むことで、無意識のうちにどこかしらバランスを取っているのかもしれません。
        >> 続きを読む

        2016/02/21 by nomarie

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    • 2人が本棚登録しています

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