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坂岡真

著者情報
著者名:坂岡真
さかおかしん
サカオカシン
生年~没年:1961~

この著者の本を読んでいる会員ランキング

このランキングは1日1回更新されます。
      うぽっぽ同心十手綴り
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 図書館本。
        出世も手柄も眼中になく、ただ庶民の幸せを願う臨時廻り同心の活躍を描くシリーズ第一弾。

        南町奉行所の臨時廻り同心長尾勘兵衛は福々しい頬に笑みをたたえた顔のお人好しで、同僚や上役たちから「うぽっぽ」と馬鹿にされている。のんき者、浮かれ者といった意味のうぽっぽはあまりいい意味では使われないが、庶民からはうぽっぽの旦那と慕われている。その実体はうぽっぽどころか、切れ者で柔術に長け、ひとたび刀を抜けばならず者たちが震えあがる。しかも、南町奉行根岸肥前守から秘かに裏始末を命じられることもある。能ある鷹は爪を隠すを地で行く勘兵衛は、町を歩き回りながらさまざまな事件に関わっていく。

        この作家さんの作品を読み始めて、まず気になったのがこの「うぽっぽ」だった。うぽっぽとは何なのか知りたくて読んだが、勘兵衛を馬鹿にした連中が泡を食う羽目になるのが痛快だった。十三冊を数える人気シリーズだというのもわかる気がする。ただ、最終話の終わり方がすっきりしているので、この巻で完結だったのかもしれない。でも一冊で終わるには惜しいほど、うぽっぽ勘兵衛は魅力的なのでシリーズ化されてよかったと思う。

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        2018/09/23 by Kira

    • 1人が本棚登録しています
      恋文ながし うぽっぽ同心十手綴り
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 図書館本。シリーズ第二弾。

        第二話の「めぐみの纏」で、うぽっぽこと長尾勘兵衛の二十年前に失踪した妻のことが詳しく語られている。残された娘を男手で育てながら勘兵衛はこの二十年、妻が消えた理由を常に考えてきた。出世にも手柄にも関心を抱かず、困っている者に情けをかける勘兵衛は、癒えない傷を心に負ったままなのである。だからこそ、人の痛みがわかるのだろう。

        第三話の「こがね汁」では、大名家の下肥にからむ利権争いが描かれている。庶民の糞尿と大名家のそれとでは値が違い、まさに黄金を生む「こがね汁」なのだなと納得した。

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        2018/10/14 by Kira

    • 1人が本棚登録しています
      薬師小路別れの抜き胴 ひなげし雨竜剣 1
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • 図書館本。隻腕の剣客が主人公のシリーズ第一弾。中編三篇の構成。

        舞い戻った江戸で食い詰めていた朝比奈結之助は助けた陰間に連れられて、おふくという女将が営む口入屋の用心棒になる。同じ頃、甲冑武者による辻斬りが頻発しており、結之助が五年前に救った夜鷹が犠牲になる。甲冑武者の狂気をとめるべく、結之助は自ら罠にはまっていく(「麻布暗闇坂 虻の目刺し」)。

        結之助の右腕は肘から先がない。利き腕を失ってもなお、左腕のみでも剣客という人物の物語を読むのは初めてで、わくわくした。結之助が隻腕になったいきさつには、壮絶なものがある。しかも愛妻と死別し、愛娘とは生き別れになって心の深い傷が癒えることはない。だからこそ人の心の痛みもわかる結之助は次第に、人情味あふれる人々と人脈を築いていく。

        「ひなげし」は大道芸の芥子之助を習得したことと、朝比奈のひなを合わせたあだ名。章タイトルには生死を賭けた闘いの場と、勝敗を分けた技の名称が使われている。シリーズの続きを読むのが楽しみ。

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        2018/09/22 by Kira

    • 1人が本棚登録しています
      秘剣横雲雪ぐれの渡し ひなげし雨竜剣 2
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 図書館本。隻腕の剣客朝比奈結之助が悪を成敗するシリーズ第二弾。中編三篇の構成。

        造酒にからむ悪事を探る隠密に片棒を担がされた結之助は、密命遂行のために人の命を粗末にする隠密を許すことができない(「秘剣横雲 雪ぐれの渡し」)。

        頭角を現してきた茶人風白の真の顔に迫る話と、人買いにからむ大奥の悪事を暴く話で結之助は強敵に出くわし、かろうじて勝ちを拾う。人を斬った後、なぜか結之助は涙を流す癖がある。その愛刀は、古道具屋で見つけた掘り出し物の名刀「同田貫」。

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        2018/09/29 by Kira

    • 1人が本棚登録しています
      縄手高輪瞬殺剣岩斬り ひなげし雨竜剣 3
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 図書館本。シリーズ第三弾。

        隻腕の剣客朝比奈結之助が大道芸芥子之助を披露していると、風間友之進と名乗る浪人が声をかけてくる。いつか道場を開きたいという夢を語る風間は、悪党に雇われて人斬りを繰り返していた。風間を成敗する結之助は虚しさにとらわれる(「備前長船 つばくろ返し」)。

        巻を重ねるにつれ、結之助がますます内省的になっていく。妻と死別し、生き別れた娘とは親子の名乗りもあげられない。生きる意味を何度も問い返しながら、移ろう季節の自然のありさまに慰められて、わずかながら希望を見出しているようでもある。


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        2018/10/04 by Kira

    • 1人が本棚登録しています
      無声剣どくだみ孫兵衛 ひなげし雨竜剣 4
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 図書館本。シリーズ最終巻。

        結之助は自ら切り落とした右腕を供養してくれたという浪人が、火付けの濡れ衣を着せられて処刑されるのをまのあたりにして、その汚名を晴らそうとする。強敵の剣客たちと戦いながら探索をする結之助は、やがて故郷の小見川へと導かれていく。

        この巻の強敵にはいずれも苦戦を強いられる結之助だが、中でもどくだみ孫兵衛の無声剣がやっかいなもので、隠棲したある剣客の指南がなければ結之助もさすがに勝てなかっただろうと思う。故郷で過去に決着をつけた結之助が娘と再会するラストシーンは感動ものだが、再会に至る経緯が省かれているので唐突感が否めない。でも、寡黙なヒーロー結之助が最後に生きる意味を見出したので、シリーズのラストとしてはよかったと思う。隻腕の剣客結之助の闘いと再生の物語には、大いに楽しませてもらった。

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        2018/10/06 by Kira

    • 1人が本棚登録しています
      のうらく侍
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 図書館本。
        無能者として勘定方から町奉行所金公事方に左遷された葛籠桃之進が、事件に首を突っ込むうちにかつての剣客としての正義感に目覚めるシリーズ第一弾。

        あってもないような役目を適当にこなしてのんびり暮らそうという思惑がはずれて、桃之進の周りで事件が起こる。秘かに調べるうちに桃之進は、奉行所の腐敗をまのあたりにする。

        天災が続いて世情の不安が増す江戸の町では、いやになるほど理不尽なことばかりが横行している。人情裁きをテーマにした時代小説では奉行所の人間も正義感にあふれた者が多いが、この作家さんの描く奉行所は金と権力にまみれていることが多い。うだつのあがらない桃之進自身も、とうに忘れたはずの正義感が身の内に甦って戸惑っているところである。第二弾はどうなることやら。

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        2018/09/26 by Kira

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【坂岡真】(サカオカシン) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(著者,作家,作者)

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